かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミーかりやど保育園(4回目受審)

対象事業所名 小学館アカデミーかりやど保育園(4回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0022
中原区中原区刈宿3-6
tel:044-430-0180
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年04月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【概要・での特色】
小学館アカデミーかりやど保育園は、株式会社小学館集英社プロダクションの経営です。株式会社小学館集英社プロダクションは東京都千代田区に本社を置き、1都3県に認可、認証保育園を展開し、神奈川県下では川崎市・横浜市に認可保育園を運営し、「楽習保育?」を特徴とした保育理念により、小学館アカデミー全園で一貫した保育を実践しています。小学館アカデミーかりやど保育園は東急東横線元住吉駅から徒歩10分、住宅地の中に位置し、東横線、南武線から少し距離がありますが、古い土地柄の地域に位置し、地域の人々に保育園を望まれて開設された地域の温かい恩恵を得た保育園です。園舎は、以前は大きな個人のお屋敷であったところに保育園を建設し、従来屋敷内にあった「藏」と「里山」を有効に活かして建築されています。「藏」は外壁を残し、内装を改善して子ども達が遊び、学び、寛げる空間となり、「里山」はビオトープ(地域動植物生態維持ゾーン)の先駆けとして、子どもに自然の遊びの場を提供しています。植物は土地特有の草花が自生し、ミニ水田もあり都会のオアシス的な創りとなっています。

【特に良いと思う点】

【1楽習保育?の確立】
小学館アカデミー保育園では、理念を『「あったかい心」をもつ子どもに育てる』に据え、保育の柱を「楽習保育?」に置いて推進してきました。「楽習保育?」は「ラーニングセンター」、「本育?」、「ネイチャープログラム」、「リズミック」、「コミュニケーションプログラム」、「入学準備プログラム」が固定化され、楽習保育では「?」(商標登録マーク)を取得し、「楽習保育?」を柱として確固たるものに成長しました。本部の企画力、各園の実践力が相乗して「楽習保育?」成長を支え、今後さらなる展開の基礎が確立されたと評価できます。

【2.本育?の推進】
楽習保育?と共に、本育も「?」(商標登録マーク)を取得し、「本育?」として推進しています。楽習保育?との違いは、“楽習”保育として身近に楽しく保育の柱に据えた保育理論、システム性にあるのに対し、本育?は、本、絵本の活用により子どもの豊かな成長を育むプロセスにあると考えます。法人事業の基礎である「本(活字)」を表現した、本育?のイラストもできました。ハードの面での小学館ライブラリーの充実と共に、ソフトの面での“1日1回の読み聞かせ”に力を入れていきます。

【3.地域との連携】
小学館アカデミーかりやど保育園の特徴は、地域との関係が良好な点にあります。近隣には小学校(苅宿小学校)、中学校(住吉中学校)、高校(住吉高校)があり、地域としてさらに社会的資源である保育園の設立が望まれる機運の中、小学館アカデミーかりやど保育園が設立された背景もあり、地域住民の関心は高く、野外活動での畑の活用では、地域の農家の方が指導に来訪したり、地域の消防署のPR写真では園児と一緒に撮影したポスターが活用される等、非常に友好的な関係が築かれています。

<さらなる改善が望まれる点>

【1.地域とのさらなる連携・交流・貢献(他認可園・小学校・高齢者・未就園児)】
小学館アカデミーかりやど保育園は地域との連携では非常に良い関係が構築され、他園に勝る地域交流、良好な関係が築かれています。但し、地域連携の幅は広く、「面」で捉えるとさらに連携の可能性が見出せます。今年度のかりやど保育園の目標として、地域の認可園、小学校、高齢者、未就園児等との関わりを強めたい意向でいます。地域の期待される保育園として、さらなる地域支援に(努めることが望まれます。

【2.さらなる職員の質の向上】
現在、小学館アカデミーかりやど保育園の職員数は正規保育士が9名(含む園長)、パート保育士5名、看護師を含め保育に直接携わる全要員として15名体制で保育に尽力しています。この体制の中で新入職員は順次配属され、配属時の一時的戦力低下は避けられません。保育室が2つであることから、先輩職員とペアで保育に当たれるためOJTによる教育が可能であり、保育に支障は無いと思われますが、新人職員が1人で対応しなければならないケースも起こり得ることも想定し、早期の職員の成長・育成を期待します。

【3.楽習保育?の保育理論化】
小学館アカデミー保育園の「楽習保育?」は、保育の幅を広げる点でほぼ完成に近いと思います。ラーニングセンター、本育?、ネイチャープログラム、リズミック、コミュニケーションプログラム、入学準備プログラムとやるべき項目は固定化され、職員個々の手法も益々広がりをみせています。これをさらに進化させるには根本となる保育理論の構築も望まれます。例えば、モンテッソーリの保育理論、ピアジェの構成論が挙げられます。「楽習保育?」については、実践から構成される理論となっていくよう期待します。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●園では、「あったかい心をもつ子どもに育てる」理念の基、子どもの心を受容し、温かみのある穏やかな話し方で対応を心がけています。また、性差等の先入観、固定的観念による言葉掛けを慎み、個々の子どもの性格や好み・得意な面を大切にして伸ばすよう、職員間で統一して保育に当たっています。また、子ども自身の意思・意向について考慮し、指導計画に反映する等、子どもの気持ちに寄り添う保育を心がけています。

●子どもの人権の尊重の考え方と共に、園では、「自分を取り巻く地球上全ての物に対して、愛情・信頼・承認・思いやりの気持ちを持つ」ことを根幹に、その気持ちを素直に行動で表現できるよう研修を実施し、都度、理念を伝え、園全体で実践しています。虐待の早期発見については、施設運営の手引きに沿って朝の視診を大切にして日常保育の中で変化に気付くよう留意し、職員間で情報交換を密に図り、園長は関係機関等と連携して適切な対応ができるよう体制を整えています。

●個人情報に関して重要事項説明書に明示して保護者から同意を得、情報を外部と取り交わす必要が生じた場合も必ず、同意を得ています。プライバシー保護については、特に肖像権について、入園前に書面で取り交わして承諾を得た上で掲示、掲載を行っています。職員に対しては、守秘義務について周知徹底を図り、配属前研修等を受講して理解し、入職時に誓約書を提出しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

●利用者満足の把握に向けて、日々の保育から子どもの意向を尊重し、担任との信頼関係作りを心がけ、さらに全職員が、子ども一人ひとりと関われるよう環境作りに力を入れています。また、保護者の個人面談を年2回実施し、悩み等の相談や、要望等を聞き、行事後のアンケートから意見を抽出する等、保育に反映させています。園全体に関する利用者満足については、連絡帳、保護者会、運営委員会を通して意見を聞き、玄関にふれあい箱(意見箱)を設置して要望等を聞く体制を整え、利用者満足の向上に役立てています。

●相談や意見が述べやすい環境作りの工夫では、保護者と連絡帳でのやりとりを密にし、相談しやすいよう配慮し、担任だけでなく園全体で保護者一人ひとりと関われるよう職員体制を整え、雰囲気作りに努めています。苦情解決の仕組みについては、苦情解決責任者・苦情受付担当者・第三者委員を設置し、直接苦情を申し出ることができることを掲示し、保護者に知らせしています。苦情を受けた際は、検討経過や対応策を保護者にフィードバックし、全体に対してもプライバシーに配慮して公表し、信頼に応えられるように努めています。

●園では、「遊び」から学び、成長があると考え、興味・関心が持てるよう環境を整備し、保育を進めています。例えば、自分表現ができる場として、コンセプトである「あそびからまなびへ」を十分に生かせる“ラーニングセンター”で、コーナー遊びができるスペースを設置しています。“ライブラリーコーナー”では絵本や紙芝居を揃え、多く触れることで興味・関心が芽生え、言語理解力・読解力も育つよう支援しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

●園の必要な情報は、ホームページ、ブログ、中原区の子育てブック、2カ月ごとの支援パンフレットに園の子育て支援企画を掲載して提供しています。園への問い合わせや園見学希望者については、随時受け付け、園舎内見学や説明では質疑応答も行い、丁寧に対応しています。サービス利用開始後は、慣らし保育を実施し、保護者の勤務や子どもの状況に応じて保育時間を設定し、配慮しています。また、降園時は園長を含む職員が、その日の様子を伝え、保護者との会話を大切に心がけ、不安軽減に努めています。

●法人独自の保育課程、園独自の保育課程を基に年間保育計画を作成し、養護、教育、各領域を考慮し、月齢ごとに月案・週案・日案を立案して職員間で共有しています。指導計画は、保護者や、看護師・栄養士の専門職員の意見を取り入れ、きめ細かく策定しています。1歳、2歳児は、個人別の指導計画を毎月立案し、3歳〜5歳児は、クラスごとに作成し、障害を持つ児や配慮が必要な子どもは幼児でも個人別の計画を立案し、一人ひとりに合った計画を作成しています。

●提供するサービスの実施方法については、年間保育計画に沿って保育を実施し、運営は施設運営の手引きに基づいて保育を実践しています。計画と実践が異なる場合は、職員間で確認し、園長が修正するよう指導する等、標準化を図っています。また、職員会議で各クラスの状況報告を行い、必要に応じて話し合いを行い、全職員で共有しています。保育課程の実施状況上の問題点や課題については、週次、月次、期、年間で把握及び迅速な対応に努め、次期計画に反映させています。

4 地域との交流・連携

●地域に向けた情報は、中原区の子育て情報ガイド「このゆびと〜まれ!」に情報を掲載し、園見学者にパンフレットを配付して園の説明をし、利用を促しています。また、ホームページのブログでも園の情報及び近況を発信しています。地域の子育て支援に積極的に取り組み、リトミック、絵本の読み聞かせ、パネルシアター、ペープサート、エプロンシアター等を地域の親子に提供し、園庭開放や伝承行事、お誕生会、歯磨き指導、子育て相談にも参加を促しています。

●地域に対して、絵本の貸し出しを行い、地域の利用者には園行事に参加後、身長・体重を測定し、カードに記入して持ち帰ってもらっています。また、地域の高齢者、中学生の体験学習、専門学校の生徒のボランティア等受け入れ、交流を継続して実施し、多くの地域の方と交流を図り、良好な関係を築いています。

●関係機関との交流、団体との連携では、中原区の公立・私立の園長会に出席し、民生委員、児童委員との会議、幼保小連絡会に出席し、交流計画や情報共有を図っています。地域の福祉ニーズを把握するための事業(地域子育て支援センター、園庭開放等)及び活動を行い、地域の子育て情報、ニーズの把握に努めています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

●保育理念、保育方針はホームページ、園のパンフレット、入園のしおりに掲載し、常に目につくよう園内にも数か所掲示を行い、保護者に説明をして理解を促しています。職員の行動規範は、4分冊に分割した施設運営の手引きに詳細に記載され、保育の実践に規範となる内容になっています。理念、基本方針の実現に向けて、法人で中・長期計画を策定し、中・長期計画に沿って園で単年度の事業計画を作成し、さらに園内プロジェクトに展開して実現に向けています。

●園長の役割・責任・職務については、施設運営の手引き及び事業所の管理規程にて明文化されています。職員は、法人本部主催の新人研修、フォローアップ研修、ステップアップ研修等で学び、職務を確実に実行できるよう研鑽しています。園長は、職員一人ひとりとのコミュニケーションを大事にし、サポートできるよう心がけています。業務の効率化については、合理化、省エネ化、保育環境整備等について主任と常に研鑽を図り、役割分担の基、改善に向けた運営に努めています。

●サービス内容について、定期的に評価を行う体制を整備し、年間指導計画については定めた時期に評価基準に基づき年1回以上、自己評価を実施し、毎月、月目標に対する振り返りを行っています。さらに、第三者評価受審を定期的に受審して質の向上に努め、園内プロジェクト、自己評価の結果、保護者からの意見等から課題を抽出し、見直しを図り、改善への努力を行っています。

6 職員の資質向上の促進

●人材の採用、人員体制に関しては、法人本部で一括採用を行い、法人本部の採用育成課が主体となり採用年間計画を策定して園ごとのバランスを加味し、新卒・国家試験・復職・現職・遠隔地に分け、戦略を立てて人材の確保に取り組んでいます。人員体制については、小学館アカデミー保育園に勤める職員として求められる職員像及び、その中での行動目標を求めています。また、専門性・社会人性・人間性を総合的に判断し、一般職員から主任、園長への人事管理へとつなげる考え方を定めています。

●園長は個別面談を実施し、職員一人ひとりに課題を設定して個々の課題に基づき、法人本部の研修を含めた研修計画を作成し、計画に沿って研修を促し、職員の資質向上、専門性を高めるよう取り組んでいます。職員は、研修計画の案内を受け、積極的に研修に参加し、研修受講後は、研修報告書に記録し、発表を行い、職員間で共有を図り一人ひとりの資質向上に役立てています。また、職員は資質向上に向けた自己目標を立て、実績・達成度について自己査定を行い、園長が個別面談により目標の達成状況を把握し、各職員の評価を行っています。

●園長は、職員の就業状況や意向を把握し、休暇、福利厚生の確保に努めています。また、有給休暇の消化バランスを確認し、月次のローテーションに当たり、必要に応じて休暇、振替等の調整に配慮しています。小学館アカデミー保育園では、職員に対して半休制度が取り入れられ、振替が容易になる反面、補填のパート職員の確保も課題の1つとして挙げられます。

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