かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

認可保育所 どうぞのひろば

対象事業所名 認可保育所 どうぞのひろば
経営主体(法人等) 学校法人 原田学園
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 226 - 0027
緑区長津田3-1-18
tel:045-482-3655
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 NPO中小企業再生支援
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 横浜市認可保育所「どうぞのひろば」は、JR横浜線、東急田園都市線、東急こどもの国線長津田駅より、徒歩5分の所に3〜5歳児の「本園」と、駅より徒歩2分の所に0〜2歳児の「分園」があり、長津田駅の近いマークワンタワービル2階に立地し、働きに出る保護者にとって、子どもの送迎に便の良い園として、人気を博しております。「どうぞのひろば」本園は、二階建て園舎で、一階に3歳児室、二階に4、5歳児室を置き、園の南側には砂場や周辺に、子どもたちが、野菜や四季の花々を栽培するプランターを置いている園庭があります。
 園の周辺には、自然豊かな田園地帯があり、数多く存在する公園は、子どもたちの発育に合わせた運動量をこなせる場所として、保育士は、毎回の散歩に選択しながら利用しています。
園の設置法人「学校法人原田学園」は、神奈川で昭和48年に幼稚園「みたけ台幼稚園」の前進幼稚園でスタートし、現在ではほかに、小規模保育事業「ベビーぽけっと松風台」と、「どうぞのひろば」を運営しています。2018年4月には、本園の筋向いに「シャルール保育園」を新たに開園する予定です。
 
・園の特徴
 園では、子どもの発達過程においては「絵本」とのかかわりが重要だとしています。
0歳児より年齢、月齢に合った絵本の毎月の購入を、保護者にもお願いしており、園児たちは年少児から年長児に至るまで、自由な時間ができるとすぐに、絵本を持ち出して中身を見る習慣が出来ているようでした。
 また、以前勤務していた保育士が音楽教諭の資格を持っており週に一度、ピアノとバイオリン(又はオーボエなど)の生演奏による「ミニコンサート」を開催して、子どもたちの音楽による情緒を養っています。


【特に優れていると思われる点】
1.長距離散歩で体力つくり
 園は、設置法人の「すべては子どものために」の理念のもと、種々のプログラムを導入しており、その一つが「長距離歩行での体力つくり」です。幹線道路沿いの園は、一歩裏道に入れば田畑が続き、柿がたわわに実り、きれいな川には水鳥が泳ぐ恵まれた田園風景に囲まれています。天気が良ければ、この田園沿いの道を散歩に出かけますが、2歳児は2q、3歳児は3qくらい歩けるように目標をもって、体力作りに励んでいます。また、異年齢での散歩が、月に数回計画しています。

2.一流音楽家によるミニコンサートの開催
 3歳児から毎週「音あそび」があり、音大出身のプロで活躍している外部の講師2人から、歌唱力などの指導受けています。この2人の講師は、毎月のミニコンサートではピアノとバイオリンの二重奏で、ポップスやクラシックの名曲を、子どもたちの前で演奏してくれます。特にバイオリンの迫力ある演奏は、子どもたちは一流芸術の世界を十分に味わうことができました。

3.乳児の時から絵本に親しむ習慣つくり
 園では保護者の理解をもとに、0歳児より月刊絵本を購入してもらい、家庭でも、園でも絵本を生活の中に取り込み、絵本に親しむ保育を目指しています。結果、幼児では、園生活の中でちょっとした自由時間が生まれると、各自、自分の意志で自分の持ち物棚や園の絵本棚から、本を持ち出し、ページをめくる姿が随所に見られました。


【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.園は子育ての専門家集団として、より地域への貢献を
 地域には多くの未来の子育て世代や、未就園児を持つ保護者がいます。園は子育てに関する専門家を多数擁する事業所ですので、そのような子育てに関する悩み、相談を持つ地域の人に対して、講習会や研修会などの開催を含めて、積極的な支援努力を期待いたします。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・職員は横浜市主催の「人権研修」を受講し「保育の大切さを」学び、職員間で検証し合っています。保育理念の「すべては子どものために」保育方針の「のびのびと豊かな人間性をもった子どもを育成する」を思い起こし、職員一人一人が保育を見つめ直し、原点に戻って研鑽に努めています。言葉遣いや対応に職員会議で事例をあげて意見交換し、保育中に不適切な対応や言葉遣いに気付いたとき場合は職員間でも注意し合っています。
                              
・子どもの声かけ、言葉遣いは命令口調、禁止言葉にならないよう、年齢に応じてわかりやすい言葉で話すようにしています。自分の思いを表現できない子どもには表情から思いや欲求を汲み取り、安心して話せるように支援し、配慮しています。

・守秘義務については、守秘義務の意義や目的については入職時に説明をし、誓約書を交わしています。保育参観時の写真、運動会や発表会の写真の掲示などの取り扱いについては毎年保護者に説明をし、確認の上、同意書に署名してもらっています。「入園のしおり」に“個人情報保護についてのお願い”として園主催行事における写真、ビデオ等に関わる映像、動画について不特定多数の閲覧の可能性のある媒体への掲載、販売禁止のお願いをしています。

・虐待については、目下疑わしい子どももいないところから職員も安堵していますが、最重要課題として、いつ発生しても対応できるような体制づくりをしています。新人保育士が多いため、研修期間を2週間取り、救命救急も毎月講習会を開き、虐待について理解の深化に努めています。また各クラス担当が持つ「配置表」には、ユニセフの子ども権利条約の要約版がファイルされ、「子どもを一人の人間として尊重するとは具体的にどんなこと?」として具体的な事例が、「食事の場面」「遊びの場面」「基本的なこと」など多くの事例が紹介され、折に触れ読み、職員同士が話し合っています。

・園ではごっこ遊びや役割など、性別による区別をしないよう常に留意しています。食事の席も男女別にせず、年齢別で分け、好きな所に座るようになっています。
並び方や順番、グループ分けは性別ではなく、ランダムに好きな子や誰とでも手をつなげるように配慮しています。名簿も男女別に分けていません。職員が子どもや保護者に対する声掛けで、無意識に性差による固定観念的な発言をしていないか職員間で確認し合い、一人一人が人権意識を見つめ直し、研鑽に努めています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・玩具、絵本など必要な素材・教材は子どもの目線に合わせて配置し、絵本は重ねず表紙が見えるように1冊ずつ並べ、自分で取れるようになっています。0、1、2歳児の部屋にはぬいぐるみや音を楽しむ玩具を用意し、転んでも危なくないように極力、床に物を置かないよう安全面に配慮しています。3、4、5歳児には、子どもの発想、創造性を引き出す玩具、ラキュー(LaQ)、2段ジグゾーパズル、カプラなど、一人でも集団でも遊べるものを用意しています。

・コーナーには子ども用のソファーセットがあり、手作りのテーブル、スツールも適宜用意され、子どもがいつでも好きな場所で落ち着いて過ごせる環境が確保されています。登園後から「お集まり(朝の会)」の9時までと「帰りの会」後の17時以降は子どもが自分で好きなことを、好きな場所でじっくり遊び込め時間が確保されています。
 
※7時30分〜9時、17時以降は、異年齢保育を充実させています。また、長時間保育になる子どもたちにはゆったりとさせた雰囲気の中で過ごせるように環境を整えています
・夏祭りの夜店を見て子どもの発想から「お店屋さんごっこをやりたい!」ということで、子どもたちが昨年の夕涼み会を思い出し「お店屋さんごっこ」をすることになりました。的あて、お面、アイス、かき氷、金魚屋さん等々。1か月かけてみんなで準備して完成させ、8月の終わりに「お店屋さんごっこ」をして楽しみました。また、廃材の段ボールの箱作りから、ロボット製作へと発展させ、子どもの自由な発想を遊びの中に活かしています。

・トイレトレーニングを始める時には、保護者に子どもの現時点の状況、一人ひとりの発達状況に個人差があることを説明しています。職員は子どもの発達状況を見極め、保護者の意向も考慮し、連携しながら行っています。1、2歳児は活動の切れ目を目安にしており、ばらつきはありますが夏には2歳児全員が取れています。きっかけは夏のプールです。オムツを履いたままではプールに
は入れないので、“水着で入る“を目標にしました。

・子ども同士のけんかは(手が出そうなときは止めますが)、基本的には様子を見守りながら状況を観察し、子ども同士で解決できるように支援し、解決に至らないときは公平に話を聞いて仲裁に入っています。自分の思いを言葉で伝えられない子どもには職員が代弁して伝えています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

保育課程には年齢ごとの保育の内容が8分類され、指導計画は年間、月間、週案、日案(必要に応じて)、2歳児までの個別計画はそろっており、クラス担任が作成し、主任、園長と確認が取れています。特に5歳児が進級をきめる直前に「就学前の姿」として、とくに1クールを使ってその準備を行う期間があります。子ども一人ひとりの思いに寄り添いながら、見守る保育を行っています。

・保育課程は来年度から「保育所保育指針」が改定されるため今年は従来通りに計画を立てました。園長をはじめ全職員が研修に参加しています。原案は園長が作成し、全職員へ図り、疑問点などの指摘をもらい、最終案を年度末までに作成する予定です。保護者へは、保育指針にある「保育課程の発達過程とクラスの相関性の項」で「説明責任」「情報保護」項目を作成し、保護者への説明を重視する姿勢を打ち出しています。

・2月中旬に新入園児保護者説明会、2月中旬に個人面談を行い、子どもの発達や家庭状況を聞き取り記録し、担任及び必要な職員が確認しています。パーソナルカードに生育歴や家族構成、既往歴、予防接種の記録、生活上の留意点など記載してもらい、父母の写真を添付し、職員が顔を識別できるようにするとともに、健康診断表、個人情報使用の同意書、食物アレルギー児には生活管理表なども提出してもらい、同時に母子手帳と、送迎者一覧表写真も提出してもらい、送迎時の確認に使っています。

・その日の子どもの様子は送迎時に直接担任が保護者に伝えています。お迎えの遅い保護者には、遅番の職員に申し送りをし、日中の様子を伝えています。2歳児までは連絡帳があり、園での様子、(屋根の先から雨粒がポタポタ落ちているのに気づき、「おー!?」と驚き、声を出したらお友達も寄ってきて、皆で雨粒や水たまりを触って楽しかったこと)など、小さな出来事、発見があったことを伝えています。保護者からは「靴下を自分ではけるようになり、びっくりしました」また、「寝る前に咳がでて寝つくまで苦しそうでした」などが書かれています。
                      
・個人面談は6月と11月の年2回実施していますが希望があれば随時受け付けています。クラスの保護者会は年3回実施しています。個人面談、保護者会は必要に応じて臨時で行うこともあります。毎年9月と12月に家族を招待し、一緒に昼食作りをします。9月の「おじいちゃん、おばあちゃんの集い」ではカレーライスを作りましたが、参加者の中には新潟から上京された方がいました。12月にはお餅つきと豚汁をみんなで作り、一緒に食べました。

・保育中の子どもに感染症が発生した場合、別室(事務室)に移動させ、速やかに保護者に連絡をしてお迎えをお願いしています。保護者が事情ですぐに来られない場合は職員が付き添い、お迎えが来るまで見守りながら寂しくないように配慮しています。

・毎年6月と11月は「保育参加強化月間」とし、保護者に参加を呼びかけています。そのうち1回は子どもと一緒に食事をする、“食事を含めての保育“を実施しており、毎年100%に近い保護者の参加があります。また、希望があれば随時参加可能となっています。

4 地域との交流・連携

・「お芋ほり」「みどりっこまつり」「長津田エリア年長児交流会」(年6回開催)など地域でのイベントで、地域からの参加者から本保育園への相談が寄せられています。また、園内では保護者から意見希望を気軽に寄せてもらうため、郵便ポストの形をまねた「郵便ごっこ」を設置し、「みなさまの声をお待ちしています」として、園だよりでも呼びかけています。

・園見学者に対しては、パンフレットを配付して園長、主任が運営方針やサービス内容などについて説明しています。
・園見学は、新年度入所受付前は、園見学者が多いため曜日や時間を決めて対応しています。保育に支障がない限り、保護者の都合に合わせていますが、自由遊びやプログラムに合わせて子どもたちが保育園生活している様子などの見学を勧めています。本園への見学者は年間70名を超え、毎週2回見学者を受け入れて、そのなかで育児相談、親の問題など相談がよくあります。

・本園が所属する長津田商店街と町内会の意見もあり、園庭前の駐車については、職員も日常の子育て支援の問題として送迎時の保護者とのやり取りを共通認識を持つように職員会議でも話し合っています。本園は開設3年目であり、十分な体制ができておらず、一時保育、園庭開放などは踏み切れていません。地域での交流保育「長津田エリア年長児交流会」(年6回、うち1回は本園担当)「みどりっこまつり」には協力して参加しています。

・七夕や園で行う音楽会などの開催・紹介をポスターなどで発信しており、園行事に就園児の友達の参加もありました。緑区民祭り「みどりっこまつり」に園は、全面的に協力し、「保育士さんと遊ぼう」や「親子体操パラバルーン」のブースのバックアップ、また、調理士による、子どもの喜ぶ献立紹介など、地域の子育てイベントに協力しています。

・近隣の種々の公設公園の利用や地元郵便局への手紙の投函、大型スーパーやJA農協での苗、球根の購入など、子どもと地域との関係維持には、十分に配慮しています。天気の良い日にはできるだけ散歩に出かけています。子どもたちは散歩時に出会う近隣の方とあいさつを交わしています。近隣の八百屋さん、ビル建設現場の警備員さんとは、顔なじみで、ハイタッチなどをしてエールを交歓しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・緑区が主催する、子育て支援祭り「みどりっこ」では、区役所に園紹介のパネルを作成し、人目の付くように展示させてもらっています。外部の電子情報提供媒体の「長津田商店街ホームページ」に保育室の情報を掲載しています。

・電話での園のサービス内容などに関する照会は園長、主任が対応し、延長保育に関することなど、必要な情報を伝えています。園見学者に対しては、保育の内容や持ち物、給食、延長保育時間・料金などパンフレットを基に詳細に説明しています。

・園では、倫理規律、服務規律について、及び社会人としての心構えやコンプライアンスについては、「就業規則」「職務マニュアル」が決められており、職員は入職時の研修で理解しています。また、「就業規則」は、誰でもすぐに手に取れる場所に保管してあります。設置法人の園長会議で報告される系列他園の不正や不適切な事例があれば、園長は園に持ち帰り、自園にあてはめて問題点について話し合うことにしています。また、注意を喚起することにしています。

・設置法人は学園法人なので、経営・運営状況の公開は義務付けられています。

・「入園のしおり」に毎月、保育理念や保育方針を明記し、入園前の説明会では園長、職員が保育方針について詳細に説明しています。年3回の運営委員会、年度初めの保護者会、個人面談などにおいても説明の機会を設けています。年初時の4月の園だよりには保育の理念、方針、目標と、学年別保育目標を明記し、職員の紹介をしています。毎月の園だよりにはその月のねらい、予定、翌月の予定、その月に生まれたおともだち、おしらせを掲載しています。クラスだより、献立表、給食だより、保健だよりを発行し、保護者に理解されるよう努力しています。

・行事後に園独自のアンケートを実施し、基本方針などについて保護者の理解度の把握に努めています。アンケートの結果は玄関フロアに開示しています。保育方針のアンケート結果では81%の保護者が基本方針に理解、賛同できると回答しています。

6 職員の資質向上の促進

・設置法人には経験・能力レベル別の保育実践に必要な専門的知識・技術、保護者対応、社会性・協調性などを期待水準として明文化された「保育士人材育成ビジョン」はありませんが、毎年、職員の資質向上を目指した、年間研修計画は作成されています。

・業務マニュアルに職員の職務分担について明記してあり、各クラスに関することは各クラス担任に任せ、園長、主任への報告・連絡・相談を励行するように指導しています。

・園では各行事の度に保護者からの意見をくみ上げる「保護者アンケート」のほかに、職員からも年度末の「自己評価表」提出があり、両側面からの意見を集めています。職員は、自分自身の自己評価を毎月、必ず書き、年度末には65項目にわたる各職員による保育園の自己評価を行う仕組みがあります。

・園長は職員との面談を年2回実施しており、必要に応じて、個別に職員と話し合う機会を持ち、意見・要望の把握に努めています。

・設置法人では年間研修計画を打ち出し、希望する正規職員は受講することができます。受講した職員によって作成された「研修報告書」は回覧され、ミーティングで報告されて、内容は全職員で共有しています。横浜市や緑区の「わらべうた」などの園外研修もあり、必要なテーマについて職員は、選択しながら受講しています。職員からの「研修報告書」には必ず所感を述べる欄があり、これらの受講した職員の意見により、設置法人は次年度の研修計画の見直しをしています。また、「研修報告書」で書かれた内容と受講した職員と説明を受けた職員の意見により、本園での保育手法に反映させています。

詳細評価(PDF1,108KB)へリンク