かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

くっくおさんぽ保育園ふとお

対象事業所名 くっくおさんぽ保育園ふとお
経営主体(法人等) 社会福祉法人 くっくあゆみの会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 222 - 0037
港北区大倉山7-40-2
tel:045-533-3375
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 NPO中小企業再生支援
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地及び施設の概要
くっくおさんぽ保育園ふとおは、東急東横線の「大倉山駅」より徒歩15分、の横浜市「太尾南公園」の東側に位置する、鶴見川の河川敷に近いバス通り沿いにあり、平成27年4月1日に開園した新しい保育園です。園は定員75名で、現在の在籍数75名の中規模園で、近隣には、くっくおさんぽ保育園日吉、くっくおさんぽ保育園大倉山の設置法人系列の3園があり、系列保育園同士、協力して保育園運営を行っています。
建物は鉄筋コンクリート造りの1階建てで、建物の南東側には広いウッドデッキ付きの園庭があります。隣の広大な「太尾南公園」は、鶴見川沿いの浄水場屋上に大規模に土壌を入れて丘陵公園を作り、常時水が流れいる、「ビオトープ」では、自然にオタマジャクシ、ザリガニなどが繁殖し、子どもたちに、安全で、貴重な体験の場を提供しています。

・特徴
 園目標を「*さまざまな生活体験をします。*自分も友達も大切にします。*豊かな感性を引き出し、表現できる力を育みます。*自分の要求や意見を主張できます。*生きていく力をしっかりつけるため、たくさん遊びます。」とし、園は、子どもの自主性、主体性を重視して、保育を実践しています。園では。月2回の、リトミックやお絵かき教室を導入しており。また、月4〜5回の異年齢保育、加えて、和太鼓、荒馬などのプログラムを取り入れ、子どもたちの園生活の充実を図っています。

【特に優れていると思われる点】
1.地域に対する積極的な貢献姿勢
 園の特徴的カリキュラムとしては、地域との交流があげられ、縁日の開催、わくわく広場への参加、育児講座、園庭開放、一時保育、人形劇など、地域に声掛けを行いながら、未就園児を持ち保護者や、将来の子どもを持つプレママに対して、保育園を知ってもらう機会を持つと同時に、在園する子どもたちの幅広い体験を支援しています。

2.保護者とのコミュニケーション強化
 開設3年目の本園は保護者との関係を情報の提供と収集面で特に力を注いでいます。イラスト絵入りの楽しいパンフレット、 ホームページで子供の遊ぶ様子を写真で掲載し、保育士のブログなどで園での楽しさをアピール、決算報告もHPで情報公開し安心感を抱かせる方法をとっています。一方、保護者との連絡では全園児の保護者へ「連絡ノート」を渡し、子どもの様子を伝えるとともに、家庭での様子を把握し、細かな意見要望を吸い上げています。情報が園運営の重要な要素であるとの認識からです。

3. 園庭は遊びの宝庫
 園庭の屋外遊技場面積約100坪、恵まれた環境にあり、園庭いっぱいに遊びの工夫がされています。築山(大、小)、木登り(木の枝の梯子もある)、砂場(泥んこ遊びができる専用の砂場もある)、山の大、小を1本の木で渡した通称1本橋、子どもたちに人気のある遊びです。大きい山のなかを直径1メートル、長さ5メートルくらいの土管を通したトンネルがあり、こちらも人気があります。かくれんぼをしたり、鬼ごっこをしたりしてみんな目をキラキラさせて走りまわっています。夏場はここで涼をとる子どももいます。砂場で使う道具も種類別に仕分けされ、子どもがすぐに取れるように配慮しています。園庭のいたるところに子どもの興味、関心を引き付ける工夫が感じられます。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1実習生の積極的受け入れを
実習生の受入は、子どもの生活に広がりを持たせたり、将来の保育士人材の確保のためにも、先輩熟練保育士集団の本園としても、積極的に協力する必要があります。地域の専門学校との付き合いなどを通じて、実現されることを期待いたします。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・子どもへの言葉遣い、対応については日々の保育のなかで相互に確認し、職員会議で場面を想定して話し合っています。声かけは「急いで!」とせかしたり、命令するのではなく、やさしく、丁寧に対応しています。子どもに注意をするときは回りに留意し、話が集中できるように場所を変え、「何がいけなかったのか」を説明し、納得できるように話しています。

・園長は職員が新任採用時には守秘義務についての説明をし、非常勤職員、派遣職員においても採用後、同様に説明しています。個人情報保護については採用時の研修やガイドライン・マニュアルに従って取り扱い、全職員に周知しています。保護者には入園時や懇談会においても個人情報取り扱いについて説明をし、同意を得ています。

ごっこ遊びの役割なども性別など関係なく、子どもがやりたい役ができるようにしています。行事の役決めについても子どもの意思を尊重し、好きな役ができるように配慮しています。ジェンダーフリーについて職員会議で職員に周知しています。散歩などでの整列は性別にせず、月齢で分けるときもありますが極力、好きな子と手をつなげるように配慮しています。

・虐待に関しては職員へは、OJTで、虐待の定義を周知し、保護者との会話の微妙な変化を敏感に感じ取り、態度の変化、こどもを引っ張る時、体の目に見えないところのあざなどは、着替えの時に注意してみています。
            
・園内には絵本形式の世界のMAPが置かれ、各国の風俗、習慣、食べ物など目で見られます。子ども同士でこの地図をみながら、理解しているようです。子ども同士、分け隔てなく話している様子が窺えて、違和感はありません。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・どのクラスも絵本は低い本棚に並べ、子どもが自分で好きな本を取れるようになっています。3歳以上は自前の道具箱があり、クレパス、粘土、粘土板、のり、ハサミなどが入っており、使いたい時にはいつでも取り出せるようになっています。大きい玩具や教材、廃材などは中倉庫(廊下)にしまってあり、職員が必要に応じ、その都度出しています。日常よく使うおもちゃ類は手の届くところに置き、いつでも取出して遊べるようになっています。

・乳児クラスではぬいぐるみや音の出るおもちゃなど触覚、聴覚を中心とした玩具を用意し。幼児クラスではブロック、積木、ジグゾーパズル、○○ちゃんハウスがあります。幼児の部屋にはキッチンセットがあり、シンクは蛇口付き、レンジはIH、おもちゃも進化しており、子どもが興味を持って遊べる環境になっています。朝の自由遊びは3、4、5歳児は「朝の会」の9時まで、午後は降園の16時30分以降18時30分まで自由遊びができるように設定しています。

・給食は、入園時に子どもの好き嫌いや量などについて把握し、職員が盛り付けをするときに小盛りと普通盛りを子どもに聞いて完食できる量を盛り付けています。食事は「楽しく食べる」ことを基本としており、「頑張る」という言葉はできるだけ口に出さないようにしています。

・現在授乳する子どもは、ほとんどいませんが、生活リズムに合った形で欲しがる子どもには50〜60t、与えています。離乳食の献立表の他に個別の離乳食献立表を作成し、初期・中期・完了期・移行期が一目瞭然に分かるようになっています。離乳食を食べさせるときは、職員は子どものペースを尊重し、大切にしています。

・園には「年間食育活動計画」があり、月1回の食育クッキングではその年ごとにテーマを決め、クッキー作り、カレーライス、みそ作り等をして食に興味関心が持てるように設定しています。四季折々の行事や誕生日に因んだ行事食には、旬の食材を使った料理を取り入れ、季節を感じられるように配慮しています。

・保護者に対しては玄関入口に昼食とおやつ、離乳食(午前、午後)の毎日の食事サンプルを提示しています。保護者は保育参観の折に子どもたちと一緒に試食できるようになっています。

・午睡については、眠れない子ども、眠くない子どもには無理に寝かせず、布団に横になり、静かに体を休めるようにしています。「乳幼児SIDSについて」、「子どもの窒息による事故を無くしていくために」マニュアルに沿って、0歳児は5分おき、1歳は10分おきに確認し、「睡眠チェックシート」に記録しています。年長児は運動会後より徐々に睡眠時間を減らし、個々の子どもの状況や保護者の意向で午睡が必要な子どもには柔軟に対応しています。

・排泄は一人一人のリズムを把握し、幼児クラスは活動の節目に声かけをし、ストレスにならないように誘っています。排泄のリズムや感覚の個人差を尊重し、保護者には連絡ノートやお迎えの際にも排泄の様子を伝え、連携を図っています。トイレットトレーニングの状況はスタッフ会議でその都度、情報交換し、共有しています。おもらしをした場合はショックを受けないようにさりげなく別の場所へ移動し、「気持よくしようね」と声掛けをしながら子どもが落ち込まないように配慮しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・保育課程は園運営の保育エッセンスが簡略に書かれており、園の理念「◆こどもの最善の利益を考慮し、楽しい一日、大切な一日を提供していく◆子ども・保護者・地域の子育て家庭に対し、福祉の増進をする◆子どもと子どもを囲むすべての人々が幸せであることを常に考えていく」を冒頭に載せ、保護者や見学者へ配布する絵入りパンフレットには「大きくなるのに必要なコト、食べるコト、遊ぶコト、眠るコト、愛されるコと」と子どもが大きく成長するための4つの必須事項が書かれ、すべて子ども中心に運営される園であることを強調しています。開設3年という短い期間で地域に認識され、溶け込める方法として「地域の実態に即した事業」「他機関との連携」「地域社会への社会的な責任」などに重点を置いた対外運営方針が見て取れます。

保育課程には子どもの発達過程に応じた年齢別・クラス別の指導計画が年間、月間、週案として、主任、クラス担任を中心に作成されています。クラスごとに毎月絵本が変わる「絵本プロジェクト」や、並行して進められている4種のプログラム、「制作」「ままごと」「園庭遊び」「お絵かき」の子どもがどれでも自由に選べる「おひさま保育」の中で、子どもの興味、好きなことが発見できる仕組みがあり、指導計画にも柔軟に取り入れています。

・入園時に医者から「給食対応指示書」「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」を提出してもらい、常勤の2人の栄養士を中心に、毎月献立、摂食方法を保護者と相談して決めます。対応できないケースもあり、保護者へ明確に伝えています。年1回は診断書の提出をお願いし、時がたつと、7人のうち3人がアレルギー食を解除されています。

・アレルギー児献立確認として、除去記録確認、トレーの確認と献立読み合わせを、栄養士、調理員または調理補助員が確認します。献立の確認方法として@手配表の確認を9時50分に栄養士 調理員が読み合わせをし、食事の受け取り方は、@まず献立に除去の有無確認、Aアレルギー対応食がある場合は赤色の「アレルギーあり」のプレートがアレルギー児のトレーの上にあること、対応食がない場合は「アレルギーなし」の青プレートがアレルギー児のトレーの上にあること、B栄養士が担任の先生に向かって読み上げをする、目視で確認、C食事をとりにいった職員がアレルギーあり、なしを読み上げ確認する、D他の子の食事と混ざらないよう配膳をする、E担任がその子につく、などです。

・入園面接時、保護者に「健康台帳」を提出してもらい、既往症や予防接種歴、アレルギーの有無などを把握しています。入園後の既往症や予防接種歴は年度初めに更新をしています。体調がすぐれなかった場合、まずは看護師の指示を仰ぎ、熱は37.5度を目安にし、保護者に一報を入れ、降園後の対応について話しをしています。

・嘱託医による健康診断は年2回、歯科健診と歯磨き指導は年1回実施しています。結果は健康台帳に記録し、鍵付きの書庫に保管しています。毎月配布のえんだよりに「ほけんだより」を掲載し、保健行事のお知らせをしています。11月では園児健診・身体測定の日程を記載しています。

・「環境、管理、清掃方法マニュアル」に基づき、清掃を行い、清掃後はチェックをし、記録、管理しています。汚れに気付いたときは随時、こまめに掃除しています。冬場の感染症対策として看護師が「嘔吐処理対応」を職員に配布しながら説明をしています。インフルエンザが流行ったときはうがい、手洗いの徹底と注意喚起をしています。

重要事項説明書に「緊急時における対応」を記載し、全職員は周知しています。0歳、1〜2歳、3〜歳児の安全チェツクリストがあり、職員が確認後、チェックを入れるようになっています。緊急連絡は一斉メールができるようになっています。毎月全園児が避難訓練を実施し、年1回は引き取り訓練、炊き出し、を行い、緊急時に備えています。2歳児は、おさんぽロープで一列に並んで歩き、0、1歳児は同時に3人おんぶできる「3人抱っこ紐」を準備し、実施しています。年1回、消防署より、園の避難、消火訓練をお願いし、消防車が防火服持参で来園し、消火器の使用方法(中に水を入れて実施)やバケツリレー、などの指導を受けています。散歩に出かける時には乾パン、マスクが入ったリュックを背負い災害に備えています。

・本園では苦情などは「園内で処理する」ことを原則としており、保護者へは「お困りの点、ご意見、ご要望、お子様に関しての相談等はお気軽に」とことあるごとに伝えています。苦情解決の仕組みとして、@園内対応、解決、A第三者委員介入、B外部権利擁護機関の順序で解決法を採用しています。本園は初期対応を大切にしているために、保護者全員がもつ「連絡ノート」に些細なことでも連絡してくださいと伝えています。

4 地域との交流・連携

・毎週の園庭開放や一時保育、見学会 駐車場で行う「縁日」、毎年劇団を呼んで行う恒例行事「人形劇」等の機会に保護者と会話することにより、保護者のニーズを知るように心がけています。オムツ交換、授乳などママさんの急場の用に使ってもらう「ベビーステーション」を本園は登録し、ステッカーを門前に貼ってあります。港北区主催の公私立合同育児講座として就学前乳幼児と保護者を対象に「わくわく子育て広場」が毎年9月港北公会堂で開かれ本園は出展しております。今年は栄養士による離乳食相談コーナーを担当し、保護者の相談に応じております。また本園内で育児講座として「ベビーマッサージ」の仕方を、専門講師を招いてママさん方へ教えています。

・港北区内の住民に対する情報誌「幼稚園・保育園ガイド」に情報を提供し、園の見学者には「子育て応援BOOK」という職員作成の子育て応援冊子を配布しています。育児相談は、電話での問い合わせの人には、「毎週水曜日行っています」と予約を取っています。

・近隣の「大倉山記念館」では、子どもたちの絵画作品の展示会を行いました。隣の広い浄水場屋上に作られた、人工のせせらぎと池「ビオトープ」では、繁殖しているザリガニ取りが子どもに大人気です。子どもたちは散歩の際にすれ違う地域の人たちとあいさつを交わし、散歩先の公園でも、地域親子と一緒に遊んだりしています。年長児は系列園の園児との交流や、地域保育園交流、さらには小学校の見学等、就学に向けての地域交流に参加しています。地元の太尾連合町内会主催の「緑道公園への球根植え」イベントへは、4、5歳児で参加しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・規範・倫理規定は「保育士倫理綱領」に明記されていて、全職員にはこれを配布しています。経営、運営状況については、ホームページに掲載すると同時に、園玄関にも閲覧ファイルとして備えています園では、保護者からの「ご意見箱」とは別に、職員意見をくみ取る「保育中のちょっと気になるBOX」を用意しており、保育に関する気になることの抽出に努めています。

・ごみの減量化の一環として、新聞の広告紙は折り紙に転用したり、コピー用紙の裏紙は、子どもたちのお絵描き画用紙にしたりと、ごみの減量に努めています。園では「節電・節水」に努めています。節電やごみの分別の貼り紙を掲示し、園としての省エネルギーに対する取組みを、保護者に周知しています。

・園の理念、基本方針は玄関、トイレに掲示してあり、職員は常に目にしながら保育にあたっています。園長は職員会議などで議論が錯綜するようなケースでは、必ず理念に立ち戻り、整理するようにしています。園長は、面談などで各職員の理念に対する理解度を把握することにしています。

・定員増の計画時には、保護者には十分説明し、理解を得た上で実行しています。保護者に対しては、父母の会に園長が出席して、説明し理解を得ています。職員に対しては、職員会議にて説明し、意見交換の上、実行に移しています。物置を増やす件では、設置法人の理事長が横浜市との交渉を行い、市からの了解を得ました。

6 職員の資質向上の促進

・設置法人の「保育士人材育成ビジョン」はないが、経験年数に応じた役割が期待水準として明文化作業は現在進行形です(一部完成しています)。

・園長は、日常の保育現場での判断は職員に任せ、最終責任は園長が負うことを表明しています。園長不在時には副園長、主任、クラスリーダーなどが代行を務め、権限の委譲がされています。

・職員は日誌、週案、月案にて自分の担当する保育につき、定期的に振り返りを行い、園長は、72項目にわたる「保育所自己評価表」にて、保育園の自己評価を行っています。

・園では行事の終了後は、保護者からのアンケートに加えて、職員からもアンケートを取っており、職員意見の把握に努めています。園長は、職員との個人面談は、年1回実施しており、必要な場合には、随時面談の機会を持っています。

・毎年、講師を招いて園内研修を実施し、必要な職員には必ず受講を義務付け、パート職員にも声掛けを行っています。正規職員は、年1回以上の内外研修受講が義務付けられており、また、系列園同士の交流保育も盛んに行っています。系列3園合同会議では、年度末に各園の職員が受講した研修内容について反省し、次年度の研修計画に反映しています。

・実習生受け入れマニュアルがあり、受け入れ窓口は園長、主任が担当し、受け入れガイダンスや受け入れ後の感想文の提出、職員との意見交換をするなどの仕組みができています。しかしながら、本園は開所してから間もないため、今までのところ、実習生の受け入れ実績はありません。

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