かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

すいとぴー保育園

対象事業所名 すいとぴー保育園
経営主体(法人等) 有限会社Mサポート
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 231 - 0821
中区本牧原1-11
tel:045-621-6001
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 NPO中小企業再生支援
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
すいとぴー保育園は、横浜市市営バスの「本牧宮原バス停」より、徒歩1分の有料老人ホーム「すいとぴー本牧三渓園」ビルの1階に立地しています。周囲を、街並みが緑豊かな「パークシティ本牧」のマンション群に囲まれ、高層ビル街の一角といえども、閑静な雰囲気の中にある園です。園は0歳児から5歳児までの、定員60名の小規模園で、平成25年4月に開所し、今年で満5年の比較的新しい園です。
 園舎は、鉄筋コンクリート作りの6階建ての有料老人ホームビルで、1階を保育室、事務室。調理室としており、地下には書類などを格納できる地下室があります。2、3歳保育室、4、5歳保育室の北西側には、82uの天然芝生園庭を有し、雪の日には園児は、園庭の土の付かない、きれいな雪で「雪だるま」などを作っています。
 園近隣には、広い、起伏にとんだ「いずみ公園」や、標高45mの小高い「本牧山頂公園」などがあり、園では、子どもの発達に合わせて、選択して利用しています。
・園の特徴
園では、外部講師による「リズム体操・マット・鉄棒・運動会指導など」の体操指導、「ECC英語教室」、「空手教室」などの多彩なプログラムを保育に導入しています。さらに、研修を受けた職員による「リトミック」もあわせ、また、職員による月1回の食育など、子どもの感受性や好奇心を自然な形で伸ばす保育を実践しています。


【特に優れていると思われる点】
1.発達途上にある、子どもの体力つくりに徹底して取り組んでいます
 本園の子どもは3歳児から、「空手」と「体操」を専任の講師により3年間継続的に教わります。空手は型を作り、相手に届かない空間で練習をつみ、体操は鉄棒、平均台、縄跳びなど沢山の種目を練習していきます。体を鍛え、瞬発力を養い、できた子どもには惜しみないエールを送るなど、仲間を称え、ともに喜ぶ精神を子どものころから植え付けるカリキュラムです。
2.日本の食文化を伝える食育行事計画を実践している
 園では食育の一貫として伝統的な行事食を子どもたちに伝え、教えています。1月では「お正月の伝統料理を知ろう」と題し、おせちでは絵本を用意し、七草がゆでは実物を見せながら、栄養士が由来を説明しました。
子どもたちの家庭内で、だんだん、お正月などの伝統料理が減少していく傾向があることが職員間で話題になり、子どもたちが、伝統料理の本物に触れ、由来を知ってもらうことを「ねらい」として、職員同士で準備し、司会、説明の役割分担し、行事名を事前に決め、実行しています。
10月の食育計画では「配膳の仕方を知ろう」と題し、主食(ごはんやパン)、汁物(みそ汁やスープ)、主菜(肉や魚)、副菜(サラダ等)を、ホワイトボードを使い、絵を描いて、それぞれに配置が決まっていること、配膳も食事のマナーの1つであることを伝え、正しく配膳することへの意識を高められるように努めています。


【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.地域の子育て支援に関して、もう一段の努力を
 園内の自主的な事業である、「一時保育」「園庭開放」などは止まったままです。開設された場合、地域住民を呼び込める手段となり、住民との触れ合う場所となります。経営判断で可能な事業でありますので、開園当初の慌ただしさも落ち着いてきているころですので、早期の開設を期待します。
2.保護者に対して園給食の試食機会を
 保護者が園の食事の味付けや固さなど、子どもが食べているものを試食することは家庭での食事つくりの参考になり、最も有効な情報提供の手段です。試食の機会を設けることを期待いたします。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・子どもに対して好ましくない対応や言葉遣いについては議題に挙げて職員会議で意見交換しています。園長、主任も各クラスを廻り、気になることがあればそっと注意をしています。食事がなかなか終わらない子どもにも、せかしたり、大きな声を出さないように職員間で周知徹底し、命令口調や否定口調も禁句としています。

・保護者と面談を行う際にはプライバシーに配慮し保育後、保育室が空いた部屋で落ち着いて話ができるように配慮しています。また、子どもが一人になりたいときに、事務室を意識せずに気軽に入れる雰囲気作りをし、安心して話せるように職員や場所を変えるなどの環境設定の工夫をしています。

・個人情報の保護については、職員は採用時に守秘義務についての説明を受け、非常勤職員についても入社時に説明を受け、誓約書を交わしています。
・保護者には入所時に個人情報取り扱いについて説明をし、同意を得ています。入園説明会、懇談会などでも説明をし、重要事項説明書にも明記しています。

・性差については、クリスマス会、お遊戯、発表会の役決めなどは、子どもの意思を尊重し、好きな役ができるように配慮しています。外出時の整列、順番、グループ分けについては性別にせず、好きな子と手をつないだり、クラス別で出かけています。

・虐待の予兆早期発見に関しては、気になる怪我があった場合、保護者に確認をし、中区こども家庭支援課と相談をしています。気になる子の保護者には相談できないこともあり、行政と連絡を取りながら見守りを続けています。

・外国籍で、ある国の子の生活習慣に違いは際立っており、「子どもの頭をなでる」ことが禁じられている国の子がいます。可愛いと日本人は頭をなでますが、その国では厳禁です。この件は、他の子どもたちに理解させるのが難しく、園内での子ども同士の遊びにも気を配っています。宗教上で、特定食材の除去が必要な場合にも、園では対応しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・入園時の面談は理事長、園長が立ち合い、家庭環境把握のため成育歴などその場で提出してもらいます。アレルギー児、障害児は入園後、栄養士と保護者が食事メニューのことは打ち合わせしています。入園児の保護者から@母子手帳、A乳児医療書、B保険証、C児童健康生活票、D健康台帳、E生活状況票、F緊急連絡票(3人まで記載)など提出してもらいます。特別に課題のある子どもは、医師の生活管理指導票ほか所定の書類が必要です。

慣れ保育期間は原則1週間ですが、面談の時保護者の要望も聞き入れ無理のないよう配慮しています。特に乳児は、一日の生活の様子を連絡帳に記入し、生活の様子を共有しています。

・本園は角地に建つ有料老人ホーム「すいとぴー」の1階を借りています。園の周囲は高い生垣で覆われ、日当たりのよい落ち着いた空間です。本牧という土地柄から想像する煩雑な騒音はほとんどなく、交通量は少ない環境です。開発業者が日本でトップクラスの企業であったために、緑と空間を多く取り入れているためです。

・午睡時には、同じ部屋を利用した食事部屋、寝室ですが、柵を利用し、寝食の区別が出来るようにしています。コットベッドという簡易ベッドを使っているため、積み重ねができ、場所もとらず、ピューラックス(次亜鉛素酸)で消毒ができるためホコリが少なく、衛生面での心配は少ないようです。

・乳児クラスは子どもの手の届くところにぬいぐるみや絵本や玩具を置いて子どもが自分で取れるようになっています。大きなものは収納スペースにしまってあり、子どもの様子を察知して職員が提供しています。3歳児以上は自前の道具箱があり、粘土、粘土べら、ハサミ、のり、クレヨンなどが入っています。使いたい時にはいつでも取り出して絵を描いたり、製作することができます。

・0歳児の食事は、手づかみ食べでも自分で食べる喜びを持ち、意欲的に食べられるようにしています。上手に食べたり、飲んだりできたときには「上手に食べれたね!」など、声かけをして次の自信に繋げています。
・0歳児から、食育がありますが、0歳児もスイカや大根や葉っぱなどに触れる体験をし、食に携わることで興味、関心を持てるようにしています。

・保護者との個人面談日は特に設けていませんが、希望があれば保護者の都合に合わせて、いつでも面談が可能であることを伝えています。クラス懇談会は年2回実施しています。家庭での様子を聞き取り、園での活動内容や現状の様子を伝え、意見交換しながら情報共有しています。

・園では障がい児や食物アレルギー疾患のあるこどもも積極的に受け入れています。月1回の職員会議では個々のケースについて検討されています。本園は建設当初から1階を保育所として使用する設計になっており、バリアフリー設計になっています。玄関、ベランダからそのまま入室できる設計です。

・午睡時は、0歳児までは5分おき、1歳以上は10分おきに、呼吸を確認しています。「SIDSチェックリスト」には確認した状態を記入するようになっています。乳幼児救命救急講習は毎年職員1名が受講し、園内研修時に専門的知識や技術の習得に努め、周知しています。

・トイレットトレーニングは保護者に家庭での様子を聞き、連携を図りながら進めています。一人一人の排泄間隔を把握し、無理強いすることなく排泄の自立へと導き、成功した時には褒めて自信に繋げています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

保育課程は保育所保育指針に準拠した項目に従って計画・作成されています。理事長 事務長ら平成25年の園開設メンバーと園長が作成しています。平成30年から実施される保育所保育指針の改定に基づく保育課程の作成では、園長、主任、クラス担当らがメインとなって作成に関わっています。そのため外部研修に4名が参加しています。

・保育課程に基づく本園の指導計画は、年間指導計画では年齢別に年を4期に分けて作成され、月間指導計画では子どもの予想される成長の姿を養護、教育の側面から毎月書き、保育士の対応、配慮すべき事項を確認し、チェックできる仕組みになっています。乳児については個別月間指導計画、週案を立てています。

・指導計画は0、1、2歳まではクラスごとの年間指導計画、個人別の月間指導計画、個人別の週案が作成され、毎日の保育状況は保育日誌で、「ねらい」「主な活動」「評価反省」の項目で詳細に把握されています。3〜5歳はクラスごとの年間指導計画、月間指導計画、週案が作成され、保育日誌で毎日のこどもの状況が乳児と同じ項目で把握されています。
・計画の見直しは子どもの状態に合わせ、担当保育士と主任がその都度見直しを行い、施設長が修正して承認しています。保護者への説明は、年2回の保護者面談と面談希望がある場合は、その臨時面談の際に説明しています。

・アレルギーの疑いのある子どもは健康診断、保護者からの申請により状況を把握します。「生活管理指導表」「食物アレルギー対応票」「緊急時個別対応票」「エピペン対応票」を保護者に配布し、保護者は主治医、かかりつけ医から「生活管理指導票」「食物アレルギー対応票」をもらい、園へ提出しています。
・園では栄養士、主任、担当保育士らが保護者と協力して、「アレルギー対応一覧表」「献立表」をまとめ月末までに次月の献立表を作成し、保護者へ配布しています。調理室では栄養士と調理員がアレルギー食の除去を確認し、ピンクのトレイに食器とアレルゲン明記の顔写真つき立札を載せ、ラップをかけ、担当保育士に渡します。受取った担当保育士は、アレルギー児専用テーブルに置き、顔写真つき立て札を立てます。ピンクのトレイ、顔写真つき立て札などビジュアルな道具を使い、誤食事故が起きないよう細心の配慮を行っています。

・入園面接時、保護者に「児童健康状況票」を提出してもらい既往症や予防接種歴、アレルギーの有無などを把握しています。入園後の既往症や予防接種歴は年度初めに更新をしています。嘱託医による健康診断は年2回、身体測定、乳児健康診断は毎月、歯科検診、尿検査(4歳児)年1回実施しています。結果は個人の「健康台帳」に記録し、鍵付きの書庫に保管しています。健康診断の結果は保護者に伝えていますが、気になることがある場合は、随時受診できることを伝え、受診を勧め、連携を密にしています。

・「保健衛生マニュアル」があり、日常の環境整備では毎日清掃を行うもの、(午睡後、夕方)、午睡時にするもの(トイレ)、保育終了後にするものに分けて毎日行い、清掃後は「衛生チェック表」に記録し管理しています。事務室の伝言に、“土曜日の玩具、消毒について”記載し、土曜日誌を確認して消毒が遠ざかっている物の点検、汚れが目立つものを優先に行う、ことを明記しています。

・毎月火災、地震、津波を想定した避難訓練を実施し、消火器、誘導灯、火災報知器、スプリンクラーを設置しています。非常災害時の対策・緊急時における対応、地域防災拠点・広域避難場所、近隣の緊急連絡先を重要事項説明書に明記し、年度初めに保護者に説明し周知しています。

・設置法人の「苦情受付・対応マニュアル」を完備しています。本園に提出された意見要望は、その内容によって相談解決責任者又は運営委員会に付されます。年2回開かれる委員会には第三者委員や理事長、役員など会社側、保護者から乳児、幼児の保護者代表が出席し、保護者代表から意見要望などを聞いています。

4 地域との交流・連携

・本園の所在する地域はマンションが立ち並ぶ地域で、戸建て住宅がほとんどなくマンションはすべて管理組合管轄です、外部からの接触を極端に制限している周辺立地環境では、地域住民と交流を行うことは至って困難ですが、園は、中区の子育て相談などで、栄養相談は毎年行っています。

・園の上の階に住むお年寄りとの敬老の日の集いが好評です。9月の保育日誌に「一緒に遊びましよう」と声掛けし、反応があると嬉しそうにし、膝の上に抱っこしてもらったり、会話を楽しんでいました」とあります。マンション住いが殆どの子どもにとって、お年寄りとの関わり合いは意義あるものになっています。 

中区の推進事業グランマ保育園プログラムの1つ「育児相談」を毎週金曜日10時より行っています。グランマとは特定の保育園の名前ではなく、気軽に遊べて相談もできる、地域の子育てを応援する保育園で行う事業のことです。保育園に通っていなくても園庭で遊べたり、一時的にお子さんを預けたりと、まるで実家のように頼れる事業で、各保育園が分担しています。※「グランマ」とは、グランドマザー(祖母)の略です。

・近隣の大マンションの管理組合が主催する「夏祭りの神輿担ぎ」などに、子どもたちは参加して祭りを盛り上げています。

・地域の幼保小連絡会議の活動として、年長児の他園との交流や小学校見学などを実践し、公開保育で他園の職員や小学校教員の来訪を受けています。併設の有料老人ホームとは、七夕やクリスマス、敬老の日、また、合同避難訓練など、機会あるごとにふれあいの場を持っています。中区区民まつり「ハローよこはま」では中区内の保育園としてブースを出し、劇上演や読み聞かせなどを行っています。中区主催の「保育園駅伝大会」に5歳児が毎年参加し、交流を図っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園では平成29年度から厚労省が打ち出した、「キャリアアップ研修」の受講を義務付けており、「職員自己評価表」をもとに、職員一人一人の目標管理による資質向上を目指しています。

・業務マニュアルに職員の職務役割について明記してあり、各クラスに関することは各クラス担任に任せ、園長への報告・連絡・相談を励行するように指導しています。

・倫理規律、服務規律については就業規則、社会人としての心構えやコンプライアンスについては保育園業務マニュアルに明記され、職員は入社時研修で理解しています。

・園では、ごみは横浜市認定の業者と契約し、ゴミの分別回収を行い、ゴミの減量化とリサイクルのための取り組みを行っています。園では省エネルギーの促進のため、不必要なコンセントを抜き、不要な照明は消灯し、節電しています。園庭の芝による緑化を進め、園周辺の気温アップにも対処したり、フェンスの緑化などしています。

・園の重要な意思決定としての保育標準時間の変更に際しては、運営委員会を通じて、保護者には丁寧に説明し、また、欠席した保護者に対しても登降園時に丁寧に説明し、重要事項説明書内容の変更を認めてもらっています。問題解決については園長、系列他園園長を兼務する設置法人代表取締役を含め、組織をあげて取り組む仕組みがあります。

・本園の保育理念は「こどもの個々を尊重し自己を十分に発揮しながら活動できるようにし心身の発達を図る」とし、保育の基本方針は「個々の子どもの良いところを見つけ、褒めて育てる」ことに置いています。保育内容を「心身ともにたくましく、よく遊ぶ子ども」と具体的な保育の仕方を掲げ、これらを入園のしおりで保護者へ説明し、ホームページでも掲載し、チラシが区役所に置いています。

6 職員の資質向上の促進

・園では平成29年度から厚労省が打ち出した、「キャリアアップ研修」の受講を義務付けています。

・園では毎月初めに、職員一人一人に自己評価表を作成させており、自己評価様式は、「前月の目標」を掲げ、14設問からなる保育士の心得を列挙し、各々の設問に関して、5段階評価で、自己評価と施設長面談による評価を行います。次に「前月の目標」に対しての振り返りの総括と、中でも自分自身を褒められるべき、「特に良くできていた点」を書き入れ、続いて「足らなかった点」「前月の数値目標の達成度」「総合評価」「今月の目標」「上記を達成するための具体的な数値目標」最後、最後に「施設長による総合評価」で完了します。次月にもこの繰り返しを行います。

・園では年間研修計画策定、実行の職員担当者を決めており、テーマを決め、講師を決めて運用しています。園内研修に欠席した職員にも、研修報告書を回覧し、新しい知識の共有を図っています。設置法人は、常勤・非常勤共に職員の外部研修受講も勧めており、受講に際しては受講料、交通費は法人が支払うことになっています。

・研修参加後、職員は研修レポートを作成し、ミーティング時に資料を配付し、研修内容の説明を行い、職員間で情報を共有しています。職員間の情報共有の場をもって実践へのやり方も議論しています。

・設置法人では、全国の主任クラス保育士が集まる「日本保育士協会」が主催する「主任研修」に主任保育士を受講させ、育成を図っています。また、横浜市や中区が主催する主任研修にも参加させています。

・実習生は平成29年度は、5つの大学・専門学校より受け入れています。実習生の学年、学習経験、年齢、実習目的などをヒアリングし、効果的な実習ができるようにプログラムを工夫しています。

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