かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

港南台つばさ保育園

対象事業所名 港南台つばさ保育園
経営主体(法人等) 特定非営利活動法人きずなの会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 234 - 0054
港南区港南台6-3-16
tel:045-370-8386
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
港南台つばさ保育園はJR根岸線の港南台駅より徒歩13分の住宅街の中にあります。ニュータウンとして計画的に開発された街の中にあって、周りには昭和40年代に造成された高層の大型団地が数多くあります。
港南台つばさ保育園は平成25年(2013年)4月にNPO法人きずなの会によって開設されました。運営法人は港南区内にもう1か所保育園と放課後児童クラブを運営しています。
園舎は3階建てマンションの1階部分にあり、園庭もそれほど広くはありませんが確保されており、プランターでトマト、キュウリ、ナスなどを栽培しています。
定員は1歳〜5歳までの各クラス12名の60名で運営されています。なお、0歳児保育は実施していません。保育時間は平日が7時〜20時まで、土曜日が7時から19時までとなっています。3〜5歳までの幼児は幼児保育室で常時、合同保育が行われています。
法人の基本理念は「子どもが明日の自分に期待をし、保護者が安心して子どもを託せ、職員が生き生きと働くことができ、地域に子育て支援という形で貢献できる場作りをします」としています。園の運営方針としては「1.子ども、保護者、職員それぞれの人権の尊重を徹底します。2.子どもの最善の利益の実現が図れるよう、PDCAサイクルに則り、保育を行います。3.情報を公開し、運営への理解の一助とします。4.地域、関係機関との連携を図ります」としています。

◆高く評価できる点
1. 子どもたちは生活の中で自主的かつ主体的な活動に取り組んでいます
保育の観察の中で、自立する力を育てている姿を見ることができました。園では3〜5歳の幼児は同一の保育室で合同保育を基本としています。この中では、子どもたちは時にはグループで、時には一人で、さらに上の子どもと下の子どもが一つのグループで遊ぶこともあります。それぞれの子どもが年齢に関係なく、自分がやりたいと思ったことを自分で選択して遊んでいます。
公園では、サッカーボールをうまく蹴ることができない子どもに、保育士がゆるいボールを蹴って見せ、それに反応した子どもとの2人遊びに発展させたり、集めた落ち葉を保育士に向かって投げようとする子どもの行動から、追いかけごっこの遊びに展開させるなど、子どもの発想を広げ、発達を促すようなサポートを心がけています。
給食時間は、手洗い等食事の用意が整った子どもから、好きな場所に座り、一斉に「いただきます」と唱和して食べるのではなく、一人一人好きなペースで食べ、終わると「ごちそうさま」をして、食器の片付け、歯磨き、午睡用の着替えなど、自主的に動いています。
入園のしおりの「あいさつ」の中で示している“未来を生きる子どもに「自立する力」が必要”という方針に基づき、できることは各自に任せ、自主的で主体的な活動を促すような保育を実践しています。

2、職員間で連携して子どもの人格を尊重した保育に取り組んでいます
1・2歳児に対しては育児担当性を採用して、子どもたちを丁寧に育てています。保育士たちは子どもの人格尊重を常に意識しながら、その場面々々にあった適切な対応を心がけています。子どもと同じ目線でゆっくりと話せるような雰囲気づくりを心掛け、常に温かい態度・言葉遣いで子どもに接し、信頼関係を築いています。子どもとの会話は、顔と顔をきちんとあわせてゆっくり話し、子どもの話を十分受け止め、子ども自身の感情の表現を見逃さないように努め、子どもの気持ちや発言を受け入れられるように配慮しています。子どもを無視するような態度をとったり、自尊心を傷つけるようなことがあった時には職員間で互いに指摘しあう体制が作られています。朝の受け入れ時には、乳児クラスでは、子どもの受け入れと保護者との対応を手分けして行い、幼児クラスでは、受け入れ担当を決め、その日の子どもの様子を伝えており、保護者から相談を受けたときには相談内容を職員会議で共有し、それぞれの子どもに的確に対応した保育に取り組んでいます。
  
◆独自に取り組んでいる点
1、幼児保育で異年齢保育・合同保育に取り組んでいます
園の構造上の特性として、幼児は同一の保育室で合同保育を常時行っています。合同保育の利点は、年下の子どもは年上の子どもの様子からルールや役割を学び、年上の子どもは年下の子どもをお世話しながら遊ぶという役割を果たすことで、人間関係の築き方や役割分担のあり方を自然に学ぶことができることです。
異年齢の子どもが同時に遊べるようにするために多彩なおもちゃ類を用意し、子どもたちが自由に取り出せる高さの棚に収納しています。ごっこ遊びにはおもちゃのキッチンコーナーなどを保育室内に設置して調理遊びができます。遊びだけでなく、制作活動についても画用紙、折り紙、ハサミ、のりなどが用意され自由に取り出せるようにしています。
このような合同保育では3〜5歳児はそれぞれ好きな遊びを楽しむと同時に、人間関係を学んでいきます。保育士はそれぞれの子どもの行動を注意深く見守っていて、子どもが必要とする援助を常に考えて対処しています。

◆改善や工夫が望まれる点
1、地域に対して開かれた運営を展開することが期待されます
地域と住民に向けての子育てや保育に関する講習・研修会、さらには、園としての直接的な地域住民との交流などの取り組みが十分には行われていません。現在、一時保育が行われていたり、幼保小の連携が行われていて地域との連携が少しずつみられてきており、これをさらに活発化して地域との関係を強めていくことが期待されます。また、ボランティアや実習生の受け入れに備えて、受け入れマニュアルや担当者を決めるなどの体制づくりが期待されます。

2、キャリアパスの作成と教育研修の体系化が期待されます
職員は現在、希望する研修には積極的に参加しており、研修報告書を作成して、保育に活かしています。しかし、園全体の職員の研修計画に沿ったものではなく、個々の職員の希望を重視したものとなっています。園全体の研修計画を作成するうえで、経験・能力や習熟度に対応した役割や技術が期待水準として明文化しておくことが必要と考えられます。こうすることによって園全体で足りない技術、能力、必要とされる人材が明らかになり、研修計画も園全体として体系的に作成していくことが可能となります。管理者層、主任の育成プログラムもそれと同時に必要とされます。また、職員にしても自分自身のキャリアパスが明確になり、今後の能力開発の目標が明確になり、自身の教育訓練のモチベーションも高まることが期待されます。

3、園の保育理念、保育目標を明確にして、職員と園の自己評価の実施が期待されます
園の保育課程では「保育理念」「保育方針」及び「保育目標」が記載されているのに対し、入園のしおりでは「法人の基本理念」「園の運営方針」が示されており、両者は表現も用語も異なっています。園の憲法とでもいうべき保育理念・方針を再度検討し、明確化していくことが期待されます。さらに現在、園の自己評価も行われていません。保育理念、目標に照らして園としての年間の保育内容の評価が必要とされます。そのための評価項目、評価基準なども作成していくことが求められます。園の自己評価の基となる職員の自己評価も必要とされます。職員一人ひとりが年初に目標を立て、年度末に目標に対する達成度を自己評価するものです。職員の自己評価と園の自己評価が連動してPDCAサイクルの仕組みを作っていくことが期待されます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・法人の基本理念は「子どもが明日の自分に期待をし、保護者が安心して子どもを託せ、職員が生き生きと働くことができ、地域に子育て支援という形で貢献できる場作りをします」としており利用者本人を尊重したものとなっています。
・子どもに対して威圧的な言葉遣い、無視が行われないよう、「ダメ」という否定的な言葉を使わず、肯定的な言葉を使うなどの配慮をしていることを、職員間で相互に確認しています。
・1人で過ごしたり、少人数で活動できるように、小規模のコーナーを作ったり、くつろげるソファーを設置するなど、友達や保育士の視線を意識せず過ごせる場所を作っています。必要に応じて、パーテーション・棚で仕切ってプライバシーを守れる場所を用意することができます。
・守秘義務の意義や目的について、個人情報に関する規定があり、全職員に周知しています。個人情報の取り扱いについて、入園時に保護者に説明し、承諾書を得ています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保育士は子どもの態度や表現をしっかりと受け止め、子どもたちの気持ちや意向を引き出そうとしており、月間指導計画には振り返りの欄があり、これらを反映しています。
・入園説明会には、子どもも一緒に来てもらっていて、保育をしながら観察を行っています。事前に生活リズム表、健康台帳や児童票に記入をしてもらっており、これにより成育歴、家庭状況、健康状況などを把握しています。
・1、2歳児の保育室には、それぞれいくつかに区分できるコーナーを作っており、小集団保育ができるようになっています。各保育室とも、食べる空間と寝る空間を分けて使用する工夫をしています。
・1、2歳までの子どもの毎月の個別指導計画は作成しています。幼児については、三期ごとに個別の指導計画を作成しています。
・自由遊びの中で、子どもの自発的に始める独自性のある遊びを広げ、集団活動に繋げており、子どもの自由な発想を生かした形で保育を行っています。
・子どもの登降園の送迎時には、必ず保育士が対応し、その日の子どもの様子を伝えています。連絡帳には園での子どもの様子や活動の内容がわかるようにエピソードを添えてきめ細かに記載し、情報交換を実施しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・入園時の家庭の状況は、児童票、生活リズム表によって把握し、保護者の要望等もまとめて記載しています。入園後の子どもの発達記録は、児童票、身体発達表に記載し、卒園まで保管されています。
・特に配慮を要する子どもについて、区から要請があれば受け入れる姿勢があります障がい児に関して、外部の研修を受けており、情報を共有しています。
・虐待があったときに、横浜市南部児童相談所、港南区こども家庭支援課に通告し、連携をとっています。
・虐待の見守りが必要な時には、区役所と連携しています。
・外国の文化、生活習慣等で違いがあった場合には、その違いを認めて尊重しています。保護者との間では、スマートホンの翻訳アプリで意思疎通をしています。必要な場合には、通訳を依頼する体制を取っています。
・園のしおりや廊下の掲示物に、苦情や要望に対応するフローチャートが示されています。第三者委員を2名定めており、苦情解決まで第三者を交えて対応する仕組みがあります。
・危機管理マニュアルには、事故や災害時の対応が示されており、入職時や職員会議で取り上げ、全職員に周知されています。災害時の指揮権や順位が決められており、保護者へは災害時メールや電話を用いて園の状況を一斉配信できる仕組みがあり、その他関係機関への緊急連絡体制が確立しています。
4 地域との交流・連携 ・近隣保育園との連携や小学校、中学校との連携があり、必要に応じて、幼保小教育連携研修会や療育セミナーなど、関係機関や他施設との検討会・研究会を行っています。
・一時保育を通して、保護者の不安などに応え、食事のことやリフレッシュの重要性など、情報提供や育児相談を実施しています。
・利用希望者の問い合わせがあった場合、保育所の基本方針や利用条件・サービス内容等について、園長か主任が対応し、常時対応できるようになっています。また、利用希望者からの問い合わせがあった場合には、見学ができることを案内しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・保育所のパンフレット・園だより・ホームページ等により、地域や関係機関に随時、情報を提供しています。また、ヨコハマはぴねすぽっとやフリーペーパーなどの外部の情報提供媒体に対して保育所の情報を提供しています。
・利用希望者の問い合わせがあった場合、保育所の基本方針や利用条件・サービス内容等について、園長か主任が対応し、常時対応できるようになっています。また、利用希望者からの問い合わせがあった場合には、見学ができることを案内しています。
・職員の倫理規定が定められており、職員に周知しています。園長は他施設での不正・不適切な事象について情報を入手したら、職員会議などで周知し、注意しています。
・横浜市保育園園長会、港南台地区園長会に出席し、重要な情報を収集しています。保育園に関する新制度などの重要課題について、職員と情報を共有しています。
6 職員の資質向上の促進 ・園長は、職員の状況を見ており、必要な人材を補充するようにしています。人材育成はリーダーが直接関わり、園長がフォローして育成しています。
・個々の職員の研修計画は出されていますが、園全体として職員の人材育成の計画がきちんと定められておらず、今後の課題とされます。
・非常勤職員も園内研修に参加することができるし、外部研修の報告書を見ることができるようにしています。
・園長による職員に対する面談により、職員の意向、要望を聞いており、その中で満足度などを把握しています。
・現在、経験・能力や習熟度に応じて役割が期待水準としては明記されていません。キャリアパスを明確にして職員の能力向上への動機を高めることが期待されます。

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