かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

明神台保育園(2回目)

対象事業所名 明神台保育園(2回目)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 神奈川厚生福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 240 - 0007
保土ヶ谷区明神台5-1
tel:045-332-1093
設立年月日 1962年08月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
明神台保育園は相鉄線星川駅から10分ほど坂を登った丘の上の高台にあります。近くには緑豊かな公園が複数あり、子どもたちの散歩コースです。
明神台保育園は、昭和37年(1962 年)8月に日本住宅公団の団地内保育所として開設され、55年以上の歴史があります。昭和 52 年(1977 年)4月には、「社会福祉法人厚生福祉会(昭和58年(1983年)に「社会福祉法人神奈川厚生福祉会」として独立)」が設立され、認可保育園となりました。運営法人は、他に同じ保土ケ谷区内に保育園を1園運営しています。
鉄筋コンクリート造り3 階建ての園舎は、宇宙船をイメージしていて、1・2 階にそれぞれ広いホールがあります。高台にあるため2階の保育室の一部や屋上からは、みなとみらい・横浜駅などを眺めることができます。広い園庭には、登り棒やタイヤブランコ、砂場などの遊具が設置されています。また、屋上には遊具が設置された遊び場とプールがあります。
定員は 130 名(0歳児〜5 歳児)で、開園時間は、平日(月曜日〜金曜日)は7時〜19時半、土曜日は7時〜18時です。
運営法人の保育理念は、「子どもの人権や主体性を尊重し、児童の最善の幸福のために保護者や地域社会と力を合わせ、児童の福祉を積極的に増進し、合わせて地域における子育て支援を行う」、園の保育方針として「のびのび遊ぶ元気な子」「基本的生活習慣を身につけた子どもを育てる」を掲げています。


◆高く評価できる点
1、恵まれた自然環境の中、子どもたちは自分らしさを素直に表現し、園生活をのびのびと過ごしています
園の周辺には、県立保土ケ谷公園や隣接する明神台公園や星川杉山神社など自然豊かな環境があり、子どもたちが季節の移り変わりを肌で感じることができます。晴れていれば毎日のように近隣の散歩に出かけ、オタマジャクシやヤゴを捕えて園で飼育したり、落ち葉や木の実で制作をしたり、雪遊びをしたりなど、四季折々の自然との関わりを楽しんでいます。広い園庭もあり、子どもたちは身体を思いっきり動かして走り回ったり、砂遊びを楽しんだりしています。体作りにも力を入れていて、週1回の外部講師による体操教室(幼児)のほか、日常的にも鉄棒や縄跳び、三輪車や一輪車、ドッジボールなどを取り入れています。
保育士は、子ども一人一人の言葉に耳を傾け、子どもの気持ちを受け止めています。叱る時にも「だめ」というのではなく、子どものやりたい気持ちをいったん受け止めてから、子どもの気持ちを切り替えたり、子どもが理解出来るように説明するなど、個々の子どもに合わせた対応をしています。このような保育士の働きかけのもと、子どもたちは素直に言葉や態度、表情などで自分の気持ちを表現し、保育士に甘えています。観察時にも、絵本読みや制作、散歩など保育の様々な場面で、保育士が子どもに分かるような言葉でたくさん話しかけて子どもの言葉を引き出し、子どもとの言葉のやりとりを楽しんでいる姿を見ることが出来ました。自由遊びの時間には、子どもたちは保育士に見守られ、ブロックを自分の背の高さまで積み上げたり、布を並べてたくさんの家を作ってお人形さんごっこをしたり、友達と将棋やトランプ、カルタ遊びを楽しんだりと、それぞれの年齢に合った好きな遊びを思い思いに楽しんでいます。異年齢の関わりもあり、園庭やホールなどで日常的に交流するほか、3・4・5歳児は異年齢のグループを作り、お店屋さんごっこや運動会の競技など、年間を通して計画的に活動しています。
食育も盛んで、「食べ物の大切さを知り、感謝の気持ちをもって食べられる子ども」を目標に掲げ、野菜を育ててクッキング活動をしたり、焼き芋大会やお餅つき、だしの味比べ、サンマの炭火焼き、味噌造りなどの食育活動を行っています。幼児の味噌造りを見て2歳児もクラスの味噌を造ったり、子どもの好きなバジルを育ててクッキングでニョッキやおせんべいを作ったりなど、子どもの声を反映した楽しい企画がたくさんあります。
このように子どもたちは、様々な経験を重ね、元気いっぱいに園生活をそれぞれのペースで楽しんでいます。


2、保育士は子どものためにという思いを共有し、連携して保育にあたっています
園内研修を始めとして、園長は折に触れて保育姿勢「のびのびと遊ぶ元気な子」について職員に伝えています。ユニークなクラス名「ケラ」「トコ」「チョロ」「ズンズ」「グング」「パタパ」にも園長の思いが込められています。たとえば、0歳児のケラは「ケラケラと楽しい笑い声が響くように」5歳児のパタパは「パタパタと大空を羽ばたく鳥のようにのびのびと成長してほしい」という意味が込められていて、職員に周知しています。
職員は、クラス会議や乳児・幼児会議、職員会議などで目指す保育について話し合い、方向性を共有しています。一斉メールの導入について看護師、栄養士、保育士、事務でチームを組んで検討したり、事故・ヒヤリハットについて看護師が中心になって分析・検討をしたりと、全職員で連携する体制も出来ています。
このような取り組みを通し、保育士は子どものためにという思いを共有していて、連携して保育にあたっています。


3、園は地域の施設として地域に根付いています
園は、近隣の3つの自治会および地域の老人会と日常的に交流しています。老人会の高齢者とは、敬老の日のつどいや焼き芋大会、鏡餅作りなどで交流しています。勤労感謝の日には、幼児が保土谷公園管理事務所、5歳児が近くの交番を訪問するとともに、給食室に出入りしている業者に全クラスの子どもたちが感謝のお手紙を書いて気持ちを伝えています。杉山神社や地域子供会のお祭りの時には、あらかじめ園で盆踊りの練習をしておくなど、子どもたちが地域の一員として地域と関われるようにしています。
地域の子育て支援としては、一時保育、園庭開放、交流保育を実施しています。園庭開放は毎週水曜日に園庭と1階ホールを開放していて、身体計測、サンタ来園、焼き芋大会、ミニ運動会、育児講座なども行っています。園庭開放時には、担当保育士が育児相談にも応じています。毎週のように参加している親子もいて、地域のセーフティネットとしての役割も果たしています。
園は55年以上の歴史の中で地域との関係を築いていて、地域にはたくさんの卒園生や家族がおり、地域の施設として根付いています。散歩の時には地域住民が子どもたちに手を振ってくれたり、優しく声をかけてくれたりしていて、子どもたちは地域に見守られ様々な経験をし、成長しています。
      
         
◆さらなる改善や工夫が望まれる点
1、現在運営している保育の全体像を文書化し、整合性を取ることが期待されます。
園は様々な取り組みを行い、保育をすすめており、その内容は高く評価されるものです。しかしながら、それらを全体として整合性が取れる形にまとめ上げていないものが見られます。たとえば、園が大切にしている保育の方針については、園のしおりや保育課程、事業計画などに記載されているものが少しずつ異なっていて統合が取れていません。職員間で話し合い、自分達の保育との整合性を図ることが期待されます。
また、実践についての文書化も十分とはいえないものがあります。たとえば、保育士一人一人が自己評価を行っているものの、それを園全体の自己評価という視点でまとめるまでには至っていません。
文書化することにより、園の取り組みが仕組みとして周知されるとともに、記録として今後の運営に活かすことができます。文書化への取り組みを進めるとともに、文書の整合性をはかるなど整理・見直しを実施していくことが期待されます。


2、職員の育成を計画的にすすめていくことが期待されます
園の運営を、現状をベースにしてさらに発展し、次世代につなげていくためには人材の育成・教育が重要です。園では、職員がキャリアアップを図れるように研修計画を作成し、職員の研修に力を入れています。職員は、希望する研修に積極的に参加しています。園長はじめ、職員の役職別の職務分担表は作成されており、それに従って業務が遂行されています。しかしながら、経験・能力や習熟度に対応した役割や技術が期待水準として明文化されていません。職員のキャリアアップのモチベーションを高めるために人材育成計画を策定し、キャリアパスの仕組みを作成することが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育目標は、「『のびのびと育つ子ども』を目標としています。そして『元気で優しい子ども』の育成を目指します」で、入園のしおり、業務マニュアルに記載し、全職員に園のしおりを配付しています。
・虐待が疑われるケースの場合、保土ヶ谷区役所や横浜市西部児童相談所と連携を取るようにしています。
・業務マニュアル「人権に配慮した保育」「望ましい保育士としての資質や態度」に子どもへの接し方や言葉遣い、配慮すべきことなどが記載されていて、園内研修で読み合わせするとともに、職員会議でもおりにふれて取り上げ、周知徹底を図っています。
・保育室の棚の下に入り込むスペースや子どもの目線に合わせた窓が作られていて、子どもが友達や保育士の視線を意識せずに、くつろいで過ごすことができます。
・年度初めの園内研修や職員会議で、守秘義務の意義や目的について、個人情報の取り扱いについて職員に周知しています。個人情報に関する記録は事務室の鍵のかかる棚に保管し、適切に管理しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・自由遊びの時間には、一人でじっくりとパズルに取り組んだり、友達と一緒にごっこ遊びをしたり、数人でカルタ取りを楽しむなど、子どもたちはそれぞれのペースで好きな遊びをしています。ドッジボールやサッカー、鬼ごっこ、将棋、オセロ、トランプなどのルール性のある遊びを取り入れ、子どもが遊びを楽しみながら、ルールを守るなどの社会性を学べるようにしています。
・リズム遊びや手遊び、歌、制作などを多く取り入れ、子どもが自分の気持ちを自由に表現できるようにしています。子どもが自発的に表現できるよう、保育室には折り紙や制作の素材を豊富に用意されています。
・雨でなければ毎日、子どもたちは園庭や屋上で遊んだり、近隣の散歩に出かけたりしています。お散歩マップを作成し、隣接する公園や神社から遠くの公園まで、子どもの年齢や発達、散歩の目的に合わせて行く先を決めています。
・子どもたちは朝の自由時間や、園庭、ホールなどで日常的に交流しています。3・4・5歳児は、異年齢の仲良しグループを作り年間を通して活動する仲良しタイムを設けています。運動会のリズム遊びやお店屋さんごっこなど、計画的に交流しています。
・子どもの年齢や発達にあわせ、鉄棒やボール遊び、三輪車や一輪車、縄跳びなどを取り入れています。幼児は週1回、専門講師による体操教室があります。
・野菜を育ててクッキング活動をしたり、焼き芋大会やだしの味比べ、サンマの炭火焼き、味噌造りなどの食育活動を行っています
・旬の食材を用いた、1汁2菜を基本とした和食中心の献立となっています。ひな祭りやクリスマスなどの季節の行事食、運動会前の世界の料理、卒園前のリクエスト献立など、子どもが食を楽しめるよう献立を工夫しています。食材は国産のものを用いるようにし、食器は陶器を用いています。
・5月から12月の原則火曜日に、保育参加を受け入れていて、ほぼ全員が参加しています。1クラス1日1組とし、ゆっくりと見られるようにしています。保育参加時には、給食とおやつの試食と個別面談を実施しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・保育課程に基づき、年齢ごとに年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。0〜2歳児は月間個別指導計画を作成しています。幼児については、障がい等の診断名がついている場合は、個別指導計画を作成します。
・特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れる姿勢があります。気になる子どもについて、職員会議で話し合われ記録が残されており、情報共有が図られています。
・入園のしおりの中に苦情解決システムが記載されています。また重要事項説明書には第三者委員の名前と電話番号が記載されています。
・健康管理、感染症対応、衛生管理、安全管理などの各種マニュアルを整備し、職員に周知しています。
・子どもの事故やけが、事故にまで至らないヒヤリハットなどは、「子どもの怪我、ひっかき、かみつき等の記録」に記載しています。年度末には看護師が年齢や場所、曜日、内容ごとに集計して分析し、それを基に職員会議や園内研修で検討し、改善に向けて取り組んでいます。  
4 地域との交流・連携 ・近隣の3つの自治会および老人会と日常的に交流していて、自治会長や老人会長との会話や自治会ニュースなどから地域の情報を把握しています。
・園の子育て支援としては、一時保育、園庭開放、交流保育を実施しています。園庭開放は毎週水曜日に実施していて、身体計測、サンタ来園、焼き芋大会、ミニ運動会なども行っています。入園前見学会も実施しています。育児講座として、「手作り楽器を作ろう」、「丈夫な身体作り」など毎年内容を変えて実施しています。
・散歩の時には保育士と子どもたちは地域住民と挨拶や会話を交わしたり、地域の親子連れと一緒に遊んだりし、交流しています。地域の老人会のお年寄りとは、敬老の日のつどいや焼き芋大会、鏡餅作りなどで交流しています。勤労感謝の日には、幼児が保土谷後援管理事務所、5歳児が近くの交番を訪問するとともに、給食室に出入りしている業者に全クラスの子どもたちが感謝のお手紙を書いて気持ちを伝えています。
・「ボランティア・実習・体験学習のしおり」があり、それに基づきボランティアや実習生に対して、園の基本方針や守秘義務、子どもの人権や関わり方について説明しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・職員の倫理綱領、就業規則等で職員が不正な行為を行わないように明文化されています。
・夏はゴーヤや朝顔のグリーンカーテンをつくり、床暖房には深夜電力を使うなどして省エネルギーの取り組みをしています。環境への取り組みが、文書化されていませんので明文化することが望まれます。
・これまで、重要な問題が生じたときには保護者に説明し、理解を求めています。
・現在、重要な課題を主任・クラスリーダー・看護士・栄養士からなる検討チームを作って検討しています。
・主任はクラスを持たずに現場に入っていき、業務全般を把握するようにしています。主任はリーダー会議や、毎朝のクラスの巡回などを通して、現場の職員の状況を把握しており、職員が良好な状態で仕事ができるように配慮しています。
・園長は横浜市保育園園長会、全国私立保育園連盟に参加しており、事業運営に影響のある情報を収集・分析しており、認定こども園などを視野に、新しい園の在り方を研究しています。
・平成19〜33年を期間とする長期計画、平成29〜33年を対象とした中期計画を策定しています。
6 職員の資質向上の促進 ・研修担当者は主任となっています。個々の職員の研修計画は外部の研修案内などを参考にして作成されています。内部研修が年に2回定期的に実施されており、職員は自由に参加できます。横浜市や園外の機関が実施する研修会に参加しています。
・「自分みつめチェックリスト」という自己評価シートを、上半期、下半期にそれぞれ1回ずつチェックするようになっています。
・保育園として事業報告書は作成されていますが、園としての自己評価までは作成されていません。職員の自己評価ができているので、それをまとめた形での園としての自己評価を作成することが期待されます。
・園長はじめ、職員の役職別の職務分担表は作成されており、それに従って業務が遂行されています。しかしながら、経験・能力や習熟度に対応した役割や技術が期待水準として明文化されていません。職員のキャリアアップのモチベーションを高めるために、人材育成計画を作成するとともに、キャリアパスの仕組みを明文化することが期待されます。

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