かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市神大寺保育園(2回目)

対象事業所名 横浜市神大寺保育園(2回目)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 221 - 0801
神奈川区神大寺2−1−7
tel:045-481-1513
設立年月日 1973(昭和48)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】

・立地および施設の概要
横浜市神大寺保育園は、地下鉄ブルーライン三ッ沢下町駅または片倉町駅から徒歩15分の、公園が点在する住宅地に1973年開園しました。定員65名のところ、現在1〜5歳児67名が在籍しています。園舎は平屋建てで、耐震補強のため6年前にリニューアルしました。プールや砂場、鉄棒のある111uの園庭には、さくらんぼや柿など実のなる木、藤棚、畑、花壇などがあり、子どもたちは保育室からすぐに園庭に出て、朝夕遊んでいます。

・園の特徴
 リズム運動や園庭・散歩などの戸外活動での身体作り、花や野菜を苗植えや種まきから育てる栽培活動、異年齢や地域の子どもたち、障がい児などさまざまな子どもとの交流による心を育む保育を大切にしています。


【特に優れていると思われる点】

1.室内環境づくり
園内研修の一環として、各クラスの保育室の環境を他クラスの職員の目で点検し、危ない箇所や遊びやすい環境について率直に意見を出し合い、よりよい環境づくりに取り組んでいます。
保育室にはままごとや絵本コーナーのほか、一人で落ち着けるコーナーもあります。子どもの育ちに合わせた指先や頭を使うおもちゃ、布製の指人形、スカート、布団など複数の手作りおもちゃもあります。子どもは一人で好きな遊びを楽しんだり、友だちとごっこ遊びや難しい組み立てにチャレンジしたりしています。
手作りの長いす、おもちゃ、絵本を置いてくつろげるフリースペース「なかよしひろば」を今年度から廊下に設置し、異年齢児間の交流ができるようになっています。


2.子どもや大人との様々な幅広い交流
様々な子どもや大人と幅広く交流する保育の実施により、子どもたちは多様な関わりによる豊かな経験を得ています。
@一時保育、園庭開放、交流保育(リズム運動やどろんこ遊び、ランチ)で地域の子どもたちと一緒に活動しています。
A育児講座や音楽コンサートで地域の子どもや大人と、高齢者介護施設への訪問で高齢者と触れ合っています。
B週1回、異年齢の幼児が3人1組のグループになって活動し、ほかの子どもへの思いやりを育み自信につながっています。廊下の「なかよしひろば」では、異年齢児が普段から自由に遊んでいます。 
C配慮を要する子どもに対して、一緒に生活してきた仲間の一人として自然に手助けをしたり見守ったりして受け入れていま様々な子どもや大人と交流することで、子どもたちの豊かな感情を育てています。


3.職員の意欲を引き出すプロジェクトや提案制度
 職員の担当を決めてプロジェクト(保育課程の見直し・避難訓練・園だより・異年齢保育・マニュアルの見直しなど)を立ち上げ、担当者が責任をもって検討したものをベースにして職員会議やミーティングで話し合い、業務の改善につなげています。
園長は常勤職員だけでなく非常勤職員とも年3回以上面談し、さらに福祉員会議、アルバイト会議などで思いや意見をくみ上げています。会議やミーティングで職員の意見や提案を聞くほか、非常勤職員からも無記名の封筒で園長に意見を提出できるようになっています。倉庫や資料の整理・分類の仕方やワゴンのカバーのほか、乳児室の職員のスリッパ置き場を作るなどの提案があり、実行に移しています。


【特に改善や工夫などを期待したい点】

1.人権を尊重した言葉遣いや態度を職員間で検証する仕組み
必要以上に声が大きくなる職員や、否定的な言葉を使ってしまう職員が、中には見受けられます。園内研修をして人権標語「おなじ目線で接していますか?」「大人も子どもも嫌な言葉は一緒です」「必ずつけようくん・ちゃん・さん」「無意識な態度にこそ落とし穴」を作り、事務室に掲示しています。園長・主任が注意する前に、職員同士で気を付けて注意し合うことが望まれます。

2.乳児の発達の記録と個別指導計画の工夫
 横浜市の書式として、1、2歳児の個別指導計画には、職員の評価・反省欄がありません。翌月に子どもの様子が記載されますが、職員の振り返りの記載ではありません。また、子どもの発達記録は1〜5歳児全員が6か月ごとになっています。1、2歳児の発達は幼児に比べて変化が激しく、6か月ごとでは発達の経過を追い切れません。子どもの発達段階に合わせた発達の記録と個別指導計画の自己評価ができる工夫が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・職員で考えた「人権標語」を標榜し、「同じ目線で接していますか。大人と子ども、嫌な言葉は一緒です。必ずつけよう!くん、ちゃん、さん。無意識な態度こそ落とし穴」をモットーに子どもの人権を意識するよう努めています。

・保育士は、「○○ちゃん、どうする?」と問いかけたり、子どもが納得して行動するまで見守るなど、子ども一人一人のペースを尊重し、子どもをせかしたりせず、わかりやすい言葉で話すよう努めています。

・各保育室には、押し入れ下の遊びコーナー、ままごとコーナー、絵本コーナーなど一人で落ち着いて過ごせるコーナーを複数設定しています。

・必要に応じて、育児相談室を利用して気持ちを落ち着かせたりゆっくりと過ごしたりしています。保育室内にもゆっくりと話せる場所を確保しています。

・守秘義務の意義や目的は、常勤職員は採用時やコンプライアンス研修で周知を図り、非常勤職員は採用時や必要に応じ研修を行っています。ボランティアや実習生にはオリエンテーションで説明し、誓約書を提出してもらっています。
・「個人情報ガイドライン」「個人情報マニュアル」があり、非常勤を含めた全職員に毎年研修を行い周知しています。個人情報に関わる書類はすべて事務室内の施錠できる書庫に保管しています。

・保護者に個人情報に関する書類を渡す際は、担当者がダブルチェックをして手渡しをしています。

・園で使用する持ち物や帽子は男女共通で、遊びや行事の役割でも性別による区別はしていません。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・各保育室にはコーナーがあり、子どもたちは自分でおもちゃを取り出して、自分の好きなところで落ち着いて遊べるような環境づくりをしています。

・空き箱などで自由に制作を楽しむことからクラス全体のごっこ遊びにつながり、夏まつりでは5歳児が中心にゲームコーナーやお店屋さんごっこを自分たちの発案で力を合わせてするなど、子どもの発想を活かしています。

・園庭にある畑やプランターでじゃがいも、ポップコーン用とうもろこしなど多くの野菜を各クラスで栽培しています。子どもと一緒に苗植えや種まき、芽かき、水やり、肥料やりなどをしています。

・天気がよければ毎日園庭で遊んでいます。散歩は、年齢や目的に応じて公園を選び、身体を動かして遊んだり自然に触れて楽しんだりしています。

・「食育計画」があり、「お腹のすくリズムの持てる子ども」「食べたいもの、好きなものが増える子ども」など5つの目標を掲げ、保育士は「食べ物にはいのちがある」ことを子どもたちに伝えながら食育に取り組んでいます。

・調理員は職員会議や毎日のミーティングにも出席し、保育士から直接意見や要望を聞いて、調理方法など速やかに反映しています。

・トイレットトレーニングは一人一人の発達状況を捉えて、保護者と連携を図りながら個々のペースで進めています。

・行事後や年度末に保護者アンケートを実施し、保育方針が理解され、共感を得ているかを把握しています。

・保育参加は「保育士一日体験」として、給食の試食もしています。個別面談は一日保育士体験と同時に年1回実施しています。

・クラス懇談会は、年2回平日の午後2時30分から4時ごろまで行い、保育理念・園目標・保育方針、クラス目標、現在の子どもの様子などを伝えています。

・保護者会があり、保護者会主催で親子遠足をしたり、お楽しみ会で絵本のプレゼントをしたりしています。園は日常の子どもの様子を撮影し、保護者会に提供するなどの協力をしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・1、2歳児は同じクラス編成で、4月は規程以上の2名の職員を追加して、1歳児には主に担当する職員が決まっています。1、2歳児は個人ごとに個別連絡ノートがあり、保護者に安心してもらえるように園での子どもの様子を知らせています。

・カリキュラム会議では、事前に指導計画案をほかの職員に目を通してもらい、いろいろな角度から検討して、評価・見直しができています。

・1、2歳児は、毎月個人別に「現在の子どもの様子」「内容・配慮・家庭との連携」を記載して、個人の発達状況に応じた指導を行っています。

・幼児でも、配慮を要する子どもは個人日誌を付け、3か月ごとの個別支援計画を作成しています。関わる職員が情報を共有できるようになっています。

・入園後は、「経過記録」に前期・後期の発達を記録しています。乳児は個別連絡ノートに毎日子どもの様子を記入してもらい、園での状態も記入しています。幼児は、「げんきカード」に毎日の体温、健康状態を保護者が書いてウォールポケットに毎朝入れてもらうことにしています。

・苦情受付担当者及び苦情受付責任者は園長で、第三者委員を交えて解決する仕組みを、わかりやすく「保育園のしおり(重要事項説明書)」に記載しています。

・意見箱は保護者用出入り口に設置し、懇談会で意見を聞き、行事後や年度末にはアンケートをして、保護者の要望や苦情を聞いています。

・子どもの既往症や予防接種歴、アレルギー、健康状態などを把握し、健康上特に注意が必要な子どもを一覧表にまとめて、配慮事項を全職員で共有しています。

・業務マニュアルは、年度末にマニュアルごとにプロジェクトを組んで各マニュアルの見直しを行い、職員会議で検討しています。

・「避難訓練年間計画」を基に、想定場所や時間を変えて、毎月避難訓練を実施し、年2回は消防署員による指導を受けています。不審者侵入訓練は、園内、散歩先を想定して年3回実施しています。

・小さなケガであってもミーティングで情報共有し、保護者に伝えるよう努めています。担任から直接伝えられない場合は、クラスごとにある引継ぎノートに記録して遅番保育士や福祉員から直接伝えるしくみとなっています。

4 地域との交流・連携

・1日数名の一時保育を受け入れています。リズム運動やどろんこ遊びで交流保育をしています。園庭開放やプール開放、絵本の貸し出しをしています。

・育児講座を年3、4回開催しています。環境教室や運動遊び、音楽会などを開催して、地域の人も参加しています。

・散歩では、子どもや職員は近隣住民に積極的にあいさつをしています。運動会、発表会、音楽会、卒園式に、近隣住民に手紙を渡して招待しています。

・公園ではほかの保育園の子どもとドッジボールをし、小学校の見学や交流会をしています。高齢者介護施設を訪問し、伝承遊びや歌を歌うなどの交流をしています。

・横浜市のホームページや園のパンフレットで、サービス内容、料金、職員体制などの情報を提供しています。

・ボランティア・実習生の受け入れマニュアルがあり、園の方針や配慮などを説明しています。おはなし会のボランティアが月1回来園して、絵本の読み方などの助言ももらっています。実習生には実習反省会を行い、振り返りと助言をしています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・職員が守るべき法・規範・倫理などについては、「横浜市職員行動基準」などに定められ、職員証と共に常に携帯しています。

・保育課程の中に環境教育に取り組むことを明示し、子どもと一緒にゴーヤやひょうたんを育てるなど緑化に努め、5歳児がエコ当番(クリーン隊)で各クラスのごみを分別収集しています。資源循環局による「環境教室」を実施し、食品ロスの話やごみの分別について子どもに話してもらっています。

・職員と調理員が連携を図り、生ごみ処理機を使用し肥料として再利用するなどエコ活動に取り組んでいます。

・重要な意思決定においては、園長は保護者会と意見交換を行い、保護者会総会で目的や理由を十分に説明し了承を得ています。

・主任は、職員の経験に合わせて役割分担を行い、個々の職員の状態により勤務を配慮し、必要に応じ的確に助言指導や相談にのっています。園長と共に、園運営が円滑にできるよう取り組んでいます。

・園長が入手した重要な情報は、必要に応じてミーティングや職員会議などで報告し、重要な改善課題については園全体の問題として設定しています。園長と主任とで原因や状況を確認し、緊急職員会議で改善点について話し合っています。

6 職員の資質向上の促進

・子どもの人数に応じた職員を配置しています。新入園時の多い4月は、1、2歳児に2名余分に配置しています。

・園の課題を職員間で話し合い、園内研修プロジェクトを立ち上げています。今年度6月までは保育の質について研修しました。以後、第三者評価の自己評価を使って3か月かけて研修しました。

・研修を受けた職員は研修報告書を提出し、ミーティングで研修内容の報告をし、職員間で共有して保育に活かしています。

・非常勤職員対象の研修のほか、遊びの研修、要配慮児研修、救急救命研修など常勤職員と一緒の研修で資質向上を図っています。

・園長は非常勤職員と年3回以上面談し、さらに福祉員会議、アルバイト会議、手紙などで思いや意見をくみ上げています。

・職員は横浜市作成の「保育士の自己評価」表があり、保育園の自己評価も毎年、年度末に行っています。本園の保育方針と園目標、今年度の課題、取り組み状況、保護者アンケートより、次年度の課題・改善点としてまとめています。
今年の課題は、(1) 各クラスの保育内容を保護者に提示して、コミュニケーションを積極的にする(2)生活環境の整備 (3)職員の人権意識の向上 となっています

・4か月に1度、園内研修として他クラスの環境を全員で見直し検討しています。

・職員の階層に応じた役割は横浜市の「人材育成ビジョン」に明文化されています。


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