かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

キッズポケット保育園

対象事業所名 キッズポケット保育園
経営主体(法人等) 特定非営利活動法人キッズポケット
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 220 - 0073
西区岡野2-5-18サミットストア併設
tel:045-316-2622
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
 キッズポケット保育園は、相鉄線平沼橋駅から徒歩10分位歩いてすぐの住宅地の一角にあるスーパーの建物の中にあります。横浜駅にも近い立地ですが、帷子川の土手、平沼神社、平沼さわやか公園、岡野公園など自然が残され緑が比較的豊かな地域にあります。保育室の前にはボルダリングができるデッキテラスの設置された小さな園庭があります。園は戸外活動を大切にし、子どもたちは毎日散歩に出かけ、四季折々の自然を感じ、感性を育んでいます。
 運営法人は特定非営利活動法人として、子育て支援のための施設運営を目的として平成22年2月に設立した法人です。少子化の問題が取りざたされる中、様々な育児に関わる情報や育児ストレスに保護者が翻弄されている状況の下で、保護者がほっと息をつき、わが子の可愛さに改めて気づいてくれるお手伝いをしたいという理事長の思いから活動が始められました。
 定員は30名(産休明け〔57日〕から2歳児)で、開園日は月曜日から土曜日、開園時間は平日が7:00から20:00、土曜日は7:00から18:00です。
 保育理念は、「何よりも子どもたちの笑顔を大切にしたい」を掲げています。保育目標は「健康な子ども」「自分も人も大切にする子ども」「自分で考えて行動できる子ども」です。      


◆高く評価できる点
1、想像力や社会性、言語能力を高め、成長にとって大事な、ごっこ遊びに力を入れています
 子どもの想像力や社会性、言語能力を高め、成長にとって大事な役割を果たす、ごっこ遊びに力を入れ、多様に展開できる環境を作っています。各クラスには大きなキッチンセットやおままごとの道具が揃えられています。子どもたちはキッチンに立ち料理を作っています。保育士が、料理ができるのを待っていたり、お迎えに来た保護者が加わったりしています。1歳児、2歳児クラスではコスチューム(衣装)があり、子どもたちは衣装を身に付けて成りきるなど創造を膨らませています。玩具を注射や体温計に見立て、お医者さんごっこをするなど、自由に楽しんでいます。子どもたちは一人遊びから、保育士やほかの子どもと一緒の遊びに広がり、年齢に応じた関係性を作れるようになるなど、ごっこ遊びは子どもたちの成長に役立っています。

2、園での感触遊びやごっこ遊びの展開は、これからの保育としても期待できる取り組みです
 来年度から保育所保育指針が変わり、乳児・1歳以上3歳未満児の保育について、この時期の特徴を踏まえた保育が求められるようになります。乳児から2歳児までは、他者との関わりを初めて持ち自我が形成されるなど子どもの心身の発達にとって重要な時期といえます。その後の成長や社会性の獲得等にも大きな影響があり、幼児の主体的な活動の展開は保育士による環境の構成が大きく影響します。園では、2歳児で行った造形などの感触遊びを「感触遊び要点一覧表」にまとめながら行っています。また、園全体で行われる保育実践やごっこ遊びの展開は、子どもの成長や社会性獲得の方向性が明らかな取り組み方といえます。この時期にとって重要な事柄に対し、園の目指す保育は、今後の展開や発展に大きな期待ができる内容になっています。

3、担当以外の職員も保護者と関わるように心がけ、保護者との連携を図るようにしています
 職員は乳児のみの保育園として保護者への関わり方を常に意識し、職員から保護者に子どもの様子を伝え、家庭での様子を聞き取るように努めています。保護者懇談会、運営委員会で園長、主任が保育のねらいなどを説明し、理念について理解が得られるようにしています。保護者懇談会や保育参加ができなかった保護者には園長が口頭で内容を伝えています。子どもの送迎時には担当職員以外もその日の子どもの様子を伝えられるよう情報共有しています。全クラスで連絡帳を使用し、子ども一人一人の様子を伝えています。個人面談の期間を設け、希望する保護者がみんな面談できるよう工夫しています。園では新指針の実践など今後益々保護者との連携が重要と考え、更なる工夫も考えながら、保護者との連携を進めようと考えています。

               
◆改善や工夫が望まれる点
1、めざす保育について話し合い、保育士が一致して保育実践をすることが望まれます
 園の目指す保育について、職員間でもう一歩掘り下げてすり合わせすることが求められます。保育士の子どもへの対応では、子どもの意思を尊重した保育という視点で見た時、調査実施時には子どもの意思を十分尊重した対応とは思えない状況が散見され、保育士の保育観や保育技術にバラつきが感じられました。保育の内容に合った声の大きさやトーンによる声かけなど、園全体でどのような保育を目指すかについて掘り下げて話し合いを行うことを期待します。改めてこれからの保育や理念の立場を明確にし、それに向かって各職員に何が求められ、何をすべきかを話し合い、同じ目線で保育を行えるようにすることが期待されます。

2、これからの保育や理念の実践に向け、非常勤職員を戦力化する取り組みが期待されます
 各クラスの保育の担当者、副担当者は職員が担い、主活動は常勤職員が主に担当しています。非常勤職員であっても子どもにとっては先生であり、その育成はこれからの保育や理念の実践にとって欠かせません。非常勤職員は、情報共有のための園内研修などには保育体制の制約があり参加していません。非常勤職員対象の園内研修の実施やコミュニケーションをとる仕組みの確立など、情報共有や保育技術の向上を図るしくみの工夫が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・本園の基本理念は、「未来ある子どもたちのため、またその大切な子どもたちを育てていく保護者のため、私たちは活動していきます」とし運営方針は「安心・安全の中で、子どもたちの成長・発達を保証する保育園」と定めています。また保育目標は「健康な子ども」「自分も人も大切にできる子ども」「自分で考えて行動できる子ども」を掲げています。
・マットや棚でコーナーを作り、友だちや保育士の視線を意識せず、落ち着いて遊び、過ごせるような空間をつくっています。必要に応じて、子どもと一対一で話さなければならない場合は、威圧感を与えないために保育室内で、ほかの子どもが遊んでいないスペースなどを使用しています。
・順番やグループ分けなどは性別によってではなく、背の順や月齢順などその場に応じて保育士が対応しています。ごっこ遊びや役割、服装などで性別による区別はしていません。職員が性差による固定的観念で保育をしていないかは、園長が保育状況を見て回り、必要があれば園長が指導したり、職員会議で話し合っています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・子どもの自由な発想を受け止め、集団活動に移行することは難しい年齢ですが、公園遊びなどの際に、一人の子どもの行動を見て、保育士が他の子どもに「やってみようか」と声をかけて、多くの子どもたちが一緒に行ったりしています。室内遊びでは、子どもたちは自由におままごとや着せ替えごっこ、お医者さんごっこや、道路マップのマットの上で車を走らせたりしながら、自由に遊んでいます。言葉にできない子どもには気持ちを汲み取れるように、一人一人と向き合ってじっくり話を聞くようにしています。また、1歳児、2歳児では園庭で遊ぶか公園に行くかを子どもの意見で決めるなど計画も柔軟に変更しています。0歳では子どもが喜ぶ絵本を読むようにしたり、1歳児、2歳児では子どもの意見を尊重して、自由遊びでは子どもたちに好きな遊びを聞いて計画に取り入れています。子ども同士のけんかなどでは、まだ言葉で上手く伝えることができない子どものほうが多いため、保育士が子どもの表情から子どもの気持ちを汲み取るように努め、子どもの言葉を代弁し、危険のないように解決に向けての声かけに努めています。職員は子どもとの信頼関係を築けるように、公平な態度や言葉遣いをするように努めています。
・子どもたちの日々の様子や状況については、毎日の朝礼やクラス会議、職員会議の際に職員間で情報を交換、共有しながら保育に生かしています。着脱や排せつなど、個別の目標・計画は家庭とも密に連携しながら、子どもの発達、状況に応じて柔軟に変更・見直しを行っています。
・管理栄養士は月1回の職員会議に参加し、保育士から報告を受けた内容や残食状況から、盛り付けや調理方法の工夫に繋げています。管理栄養士が1、2歳児の食事の様子を見るように努め、残食状況から子どもの栄養摂取の工夫をしています。子どもが食べてくれる形態で提供できるように努めています。
・トイレトレーニングは子ども一人一人の発達状況に合わせ、声をかけています。また、1、2歳児クラスでは活動前後にも声をかけています。トイレの前で子どもが待つような状況はなく、タイミングをみて子ども一人一人を職員が連れて行っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立 ・運営法人策定の感染症マニュアル、厚生労働省感染症ガイドラインがあり、マニュアルには登園停止基準や感染症対応などが明記されています。感染症の拡大、虐待、アレルギーのある子どもの誤食、個人情報漏洩など、他の施設での不正、不適切な事例は朝礼や職員会議で報告され、その防止のための園内研修を行うなど自らの施設の問題として不正、不適切な事例の防止に努めています。
・運営法人策定の安全対策マニュアルがありますが、全職員への周知がされていない状況にあります。災害時などの保護者や通報先への連絡体制は整えています。職員の災害発生時役割分担も明示しています。年間の安全管理計画を策定し、毎月1回、津波や浸水も想定に加えて避難訓練や防災訓練を実施しています。
・事故発生マニュアルがあり、救急機関や地域の連絡先は一覧表とし、119の連絡フローチャートを掲示しています。また、マニュアルには事故・ケガ発生対応フローチャート、ケガ・急病フローチャートも記載されています。子どものケガについては、担当職員から主任・園長への報告体制があり、保護者へも必ず状況を報告しています。また、事故報告書に記録し保管しています。事故の報告は軽傷であっても職員会議で報告し、再発防止や改善策を検討し実行しています。

4 地域との交流・連携 ・関係機関や地域の団体などはリスト化し、事務所に掲示しています。西区こども家庭支援課や児童相談所などは園長を担当者として、日常的に連携を図っています。
・ボランティア受け入れにあたっては運営方針など園の考え方や、子どもの人権、プライバシー保護や個人情報保護について説明しています。ボランティア受け入れは、職員会議で確認し保護者にも周知しています。受入れ担当者は園長、主任が行い、ボランティアファイルに記録しています。ボランティアには感想文やアンケートを記入してもらい、今後の活動に生かすようにしています。「中高生のための職場体験ガイドブック」をボランティアマニュアルに位置づけ、これにもとづいてボランティアを受け入れています。毎年中学生の和太鼓や園が入るスーパーの職員がクリスマス会でサンタクロースになったりするなどの実績があります。ボランティアには感想文を出してもらい、今後の活動に生かすようにしています。

5 運営上の透明性の確保と継続性 ・職員会議では「こんな場面を目にしたら、あなたならどうかかわりますか」など、具体的な場面で理念の立場が貫かれるよう、職員の理解に努めています。
・「運営規程」や就業規則の「服務規律」には、守秘義務や個人情報の保護をはじめ組織及び職員が不正・不適切な行為を行わないようについてそれぞれ明文化し職員に周知しています。
・主に子どもの年齢ごとに相応な声かけや、保護者とのコミュニケーションなど、保育や保護者対応の具体的な内容に目配りし、個々の職員の能力や経験にあわせて適切に個別指導しています。主任は労務管理でも個々の職員への目配りをしています。主任はシフト体制づくりを担当し、園長と共に有給休暇の管理も行い100%取得できるよう配慮しています。
・職員の異動、施設改修、保育方針、行事などの重要事項については、職員には職員会議などで経緯を説明し周知しています。保護者には園だより、口頭での説明も含め決定の経過や経緯などを周知していますが意見交換はできていません。

6 職員の資質向上の促進 ・実習生の受け入れはマニュアル「実習ガイドブック」にもとづいて実施しています。実習生受入れにあたっては運営方針や保育目標などの園の考え方、受け入れ方針、人権やプライバシー保護、個人情報保護について説明しています。マニュアルの内容は職員会議で周知し確認しています。
・非常勤を除く職員については、毎年、全員が外部研修に参加しています。園長が「職員の自己評価」をもとに全職員と面接し、職員の課題や希望を把握し、主任と相談した上で外部研修について個々の職員に打診して研修を受講させていますが、人材育成の計画はありません。
・園内研修は基本的に毎月行うことになっていますが、業務の都合で行われないこともあります。主任が研修計画を策定しています。職員は子どもの発達、保育事例研究、リスクマネジメント、保健衛生、自己肯定感、地域の子育て家庭への支援活動などの市や区主催の外部研修を受けています。
・今年度、職員の処遇改善に対応するキャリアパス作成の中で、職員の役割や期待水準を明文化しました。経験・能力や習熟度に応じた役割や期待水準は全職員に対応できるようさらなる充実を期待します。園では年2回の全職員と園長の面接により、職員の要望や提案、研修への希望などを把握しています。

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