かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ぽらーの上和田

対象事業所名 ぽらーの上和田
経営主体(法人等) 社会福祉法人県央福祉会
対象サービス 障害分野 多機能型事業所
事業所住所等 〒 242 - 0014
大和市上和田1878-1
tel:046-279-6700
設立年月日 2013(平成25)年12月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 日本会計コンサルティング株式会社
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【事業者が特に力を入れている取り組み】


@ヒヤリハット報告と分析により事故の防止に努めています
毎月の職員会議時に報告内容の一覧表とグラフを用いて、ヒヤリハットの報告と分析を行っています。分析はヒヤリハット事項の場所別、時間帯別の発生状況や、種類別に分類し行っています。事業所には自閉症の利用者のみであり、中には行動障害の方もいます。そのため自傷や他害などの事案が発生することが多くあります。ヒヤリハット報告により蓄積したデータを基に、事故を防止するための対策を講じています。

A利用者と家族の意向や要望を反映したサービスの提供に努めています
利用者と家族から家族会等を通じて要望を聞き、その要望に応えるよう努めています。健康増進についての要望に応えるため散歩などの外出プログラムを実施したり、利用者の誕生日には昼食の希望を聞き、希望のメニューを提供しています。今年度からは一泊旅行を実施し、利用者の満足度向上に取り組んでいます。利用者との交流を通じて、職員が利用者の意向を組み込んだ企画を思いついた場合、行事企画書を申請し提案する仕組みがあります。最近では提案の件数が多くなってきていると所長は感じています。

B自閉症の特性に配慮した個別の支援を行っています
自閉症の専門的支援を行うため、TEACCHプログラムに基づいた支援を行っています。スケジュール表に絵カードや写真のカードを貼付し、予定が終わったら外すことで、後の予定や何が終わっているか分かりやすく、安心して行動出来るように工夫しています。言葉でコミュニケーションが難しい利用者は、絵カードを利用し自分の意思を表現する等視覚的なコミュニケーションをとっています。行事や作業は出来るだけ少人数で実施するなど、個別性を尊重した環境で支援を行っています。職員は発達障害などの研修に参加し知識向上に努めています。


【特に良いと思う点】


@自閉症と発達障害に関して専門性を有する事業所として、職員の質的向上のために教育機会を多く設けています
生活介護事業では自閉症に関して、就労移行支援事業では発達障害に関する専門性のある事業所として認知されています。そのため職員の質的向上が重要であると所長は考えています。常勤職員だけでなく、非常勤職員も自閉症や発達障害についての知識や、支援技術の習得が求められます。そのため法人内外の研修に積極的に参加させています。また、外部講師を招いたり、所長が講師を務めて事業所内研修も行っています。時間的制約のある職員にとっても事業所内研修は参加しやすい研修となっています。

A職員同士が連携して個別支援計画等についてチームで話し合い、情報を共有する体制がつくられています
リーダー層である所長と主任、副主任は月1回のリーダー会議時に意見交換を行うだけでなく、日常的なコミュニケーションを密にし連携しながら業務にあたっています。このようなリーダー層の連携の良さが現場の職員にも影響し、チームで相談しながら仕事を進める体制ができていると所長は感じています。個別支援計画や支援方法についてチームで話し合い、課題を皆で解決してゆくチームワークが形成されています。

B自閉症の利用者が安心して過ごせる環境を整備しています
自閉症の特性で周囲の刺激に過敏に反応する利用者には、作業スペースをパーテーションで仕切る等、落ち着いて作業が出来る環境作りに配慮しています。施設内には個室が2部屋あり、他の人と一緒に過ごせない利用者は個室でスケジュール表を使って作業を行っています。また、なかなか休憩がとれない利用にはリラクゼーションルームを用意し柔らかめのクッション等の感覚グッズを置き、音楽をかける等くつろげる空間にし、休息がとれるように工夫をしています。食事中もパーテーションで仕切り、一人で摂る利用者もいるなど個別の環境を整備しています。


【さらなる改善が望まれる点】


@不測の事態への対応や、新たな取り組みを実施するためにも職員の業務に対する余力を作る取り組みが期待されます
事業所の職員は常に業務に追われ、余裕の無い状況で支援や記録等の業務を行っています。不測の事態への対応や、新たな取り組みを実施するためには、現在の業務に多少の余力を持たなければ対応できません。職員の補充や能力の向上、事務処理の効率化など余力を創出するための取り組みが期待されます。

A事業所共通のマニュアルが整備されていないため、今後作成し業務に活用することが望まれます
法人では統一の支援者マニュアルや倫理行動マニュアルを整備していますが、事業所独自のマニュアルは現在作成中です。自閉症利用者の支援マニュアル等の個別マニュアルは整備していますが、共通の手順書等は作成しているところで活用するまでには至っていません。今後は事業所全体の標準化となるような共通のマニュアルを整備し、活用することが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 着替えやトイレの介助を行う際は、同性介助を徹底しています。名前の呼び方も「ちゃん」や「君」付けではなく苗字で呼ぶように配慮しています。また、利用者の前では他の利用者の個人的な話をしない等、利用者のプライバシーに配慮しています。年に2回権利擁護に関するツールを用いた研修を実施しています。事例に沿ってロールプレイングを行い、利用者の立場を疑似体験することで虐待防止等の権利擁護に関する理解を深め、日常の言動について振り返りを行っています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 生活介護では自閉症の利用者支援に特化しており、視覚的なコミュニケーションを通じた支援を行っています。一日の活動予定をスケジュールボードに記入し予定終了後順次消していく方法や、絵や写真でカードを作りボードに貼付し終了後に剥がしていく方法等です。これらによって利用者は安心して作業に取り組むことができます。利用者は絵や写真のカードを持ってきて自分の意思を表現したり、紙に字を書いてコミュニケーションをとるなど、特性に合わせた方法で支援を行っています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 毎月開催する職員会議や個別支援会議、グループ会議等で利用者支援について話し合い、サービス基準の統一を図っています。会議録はクラウドシステムを活用することで、全職員が閲覧可能な状態になっています。グループ会議の会議録は印刷して回覧し、職員間で情報を共有しています。また、事故防止のための取組みとしてヒヤリハット報告の提出を奨励しています。自傷や他害などヒヤリハット傾向分析を主任が行い、対応策を会議の場で検討し、再発や事故の防止に取り組んでいます。
4 地域との交流・連携 所長は自閉症や発達障害の方々への支援活動を通じて得た経験や支援方法のノウハウを、講師やコンサルテーションを実施することで地域に還元しています。他法人の障害者入所施設へのコンサルテーション、発達障害の方を対象とした通信制高校のアドバイザーや教育相談、教員に対しての発達障害のコンサルテーション等を始め、公開講座や家族教室、講演会などの講師を務めています。自閉症や発達障害者を支援する専門家として、その知識を地域の福祉サービス向上に役立てています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ホームページを2年前に開設し、施設概要や防災関連などについて掲載しています。ブログでは日々の活動状況やイベントの様子をカラー写真入りで掲載しています。ブログはその都度更新しており、最新の情報を発信しています。また、A4版を3つ折りにしたパンフレットでは事業所の方針や、生活介護および就労移行の支援内容、スケジュールなどを載せています。今年11月に移転した就労移行支援事業所のパンフレットも作成し、利用希望者や見学者に配布することで情報提供を行っています。
6 職員の資質向上の促進 採用を常勤職員は法人が、非常勤職員は事業所が行っています。非常勤職員は求人誌やハローワークを通じて募集し、所長と主任が同席のもと面接を行っています。面接後に5日間の実習を行い、職員としての適性を確認します。その後エリアマネジャーによる最終面接を経て採用されます。事業所は自閉症と発達障害者への支援に高い専門性を有するため、非常勤職員にも専門知識が求められます。法人内外の研修や、所長や先輩職員からの指導により知識の向上を図り、支援業務にあたっています。所長は職員の質の向上が最も重要な課題であると考えています。

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