かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ふじさわ爽風舎

対象事業所名 ふじさわ爽風舎
経営主体(法人等) 社会福祉法人県央福祉会
対象サービス 障害分野 生活介護
事業所住所等 〒 252 - 0816
藤沢市遠藤3550-2
tel:0466-49-3112
設立年月日 2007(平成19)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 日本会計コンサルティング株式会社
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【事業者が特に力を入れている取り組み】


@旅行や作業以外の外出プログラムを開発し、利用者ニーズに応えています
利用者からの要望が多い旅行は、この秋は7回と多数回実施しています。職員の配置体制から1回に連れて行ける利用者の人数に限界があるため、多数回になっています。準備と同行に多大のエネルギーをかけて実施しています。又、作業以外の外出プログラムへの要望も多く、肥満対策としての外出、散歩の他、楽しみの要素が高いプールや調理などの新たなプログラムを開発し、利用者ニーズに応えています。

A利用率の安定・向上に向け、所長を筆頭に職員が目標達成に向け取り組んでいます
利用率の安定と向上は収支状況に直結する数値であり、所長は運営上、推移を見守っています。登録人数に対する利用者人数、定員数に対する利用者人数などの数値がどのようにすれば上がるかを職員と常時討議し、改善を図っています。それは利用者の満足度を高め、新規の利用希望者を増やすために、ここにいることが楽しい、魅力ある施設になる事が共通の認識であり、旅行や外出プログラムの開発に取り組んでいます。今年は近隣のグループホームの開設も手伝って5名の新規利用者を獲得でき、収入面がよくなっています。

B「人権擁護ツール」を用いて、職員の利用者に対する権利擁護の意識を高めています
法人の人権委員会が作成している「人権擁護ツール」を用いて、毎年全職員が各項目のチェックを行っています。不適切な行為がないかなど、自己の行動の振り返りを行っています。「人権擁護ツール」で自己チェックすることで、職員の利用者に対する人権擁護意識が高まっています。また、人権委員会が全職員に対し虐待研修を毎年実施し、虐待防止にも努めています。日常の活動においては作業室毎にチェック表を作り、支援員の対応、身だしなみ、個人情報への配慮などを確認できるようにし、職員同士で話し合いをしています。


【特に良いと思う点】


@利用者の多くが自閉的な傾向があるため、自閉症の特性に配慮した専門的な支援を実施しています
利用者の約7割が自閉的な特性をもっているため、コミュニケーションをとる写真や絵カード、文字などを使用したり、スケジュール表を作成するなど工夫しています。職員は言葉以外に指差し、身振りなどでもコミュニケーションをとっています。他人のことが気になり落ち着かない利用者にはパーテーションで仕切りをしたり、大声を出す利用者には小部屋で作業をしたりなど環境にも配慮しています。気持ちが落ち着かない時にはクールダウンできる部屋も用意しています。職員は自閉症の研修に積極的に参加し、自閉症に関する専門性を高めています。

A通院同行で家族・主治医と連携、医師の定期巡回、緊急時対応の体制など利用者の健康状態に配慮しています
服薬している利用者が通院する際には家族と共に職員が同行し、日中の状況を報告して主治医からの意見を聞き、健康管理に役立てています。家族から食事量や運動量などの意見を聞き、意向に沿うように対応しています。法人が運営するクリニックの医師が、毎月巡回医療相談に来所し、作業室を廻り利用者の様子を見て健康状態を把握しています。家族から相談したいことがあれば前もって書面でもらい、医師からのコメントを返しています。また、「緊急時対応情報カード」を作成し、医療情報、かかりつけ医などの情報を把握し、緊急時に備えています。

B人事制度や研修制度が整備されており、人材の確保と育成が体系的に行われています
新卒職員の採用は法人本部と事業所で体制を確認した上で、協力して行っています。中途採用は常勤は法人本部、非常勤は各事業所とエリアマネージャーで、それぞれ役割分担しています。また、目標管理制度や人事考課制度も整備され、職員の意向把握のうえ、異動や昇進・昇格、能力開発等の人事施策が取られています。職員の育成、研修についても法人の職種別・階層別の体系的な研修の他、事業所内で職員を講師とする実践的な研修も行われており、法人として組織的に体制を整備して組織の能力向上に取り組んでいます。


【さらなる改善が望まれる点】


@地域との交流の機会をもっと多くして、開放的な事業所になることが望まれます
従来、障がい者施設は地域の中で孤立しがちな傾向にありましたが、社会的弱者(高齢者、障がい者)に対する福祉の考え方の変化や人権擁護、個人の尊厳を守る事の重要性の認識など、社会の受け入れる環境が改善されてきています。事業所においてそのスタートとして「爽風だより」という機関誌を今秋発刊し、事業所の情報を家族や関係者に開示することを開始しました。今後は事業所を開放する「お祭り」の実施、更には地域のイベントに施設として参加するなど、地域との交流機会を多く設けることが望まれます。

B職員間の連携を向上するために、情報交換会や勉強会等の機会を設けることが望まれます
職員数が少ないためか、あるいは年齢差や経験差があるためか、職員の連携が不足しているように見受けられ、孤立している職員がいるのではないかと所長が課題として捉えています。今回の職員調査でも「連携不足」、「コミュニケーション不足」などが改善したい点として意見が多く挙がっていました。業務に関する情報交換の場やベテランが経験の浅い人に指導する勉強会の実施など、職員間の交流の場をより増やす工夫がされることが望まれます。

Bケース記録には日々の利用者の行動などは記録していますが、個別支援計画に基づいて支援した内容が記録されていません
ケース記録は法人共通のソフトを活用し、常勤職員が入力しています。作成したケース記録は毎朝印刷し、非常勤職員に配付して共有しています。しかしながらケース記録には利用者の日々の行動などは記録していますが、計画に基づいた支援内容や利用者の変化などについては言及されていませんでした。計画は職員同士で読み合わせ、内容を共有した上で支援を行っていますので、それらの活動内容を記録にも反映させ、モニタリング等に活かせるよう工夫していくことが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 トイレ介助や車いす介助、着替えの介助は同性が対応しています。着替え時は更衣室など他人の目の触れない場所で行うように羞恥心に配慮しています。利用者の個人ロッカーは鍵付きのものを用意し、私物を入れて自分で鍵をかけています。鍵の管理が難しい利用者には職員が代わりに鍵をかけ、他の人が開けられないようにしています。法人が作成した「倫理行動マニュアル」を全職員に周知し、日々の利用者支援において実践するよう努めています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 2.意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 2ヵ月に1回、法人内の生活介護事業所であるモンド湘南藤沢、グランツ遠藤、ふじさわ爽風舎の3事業所合同で家族会(湘南青葉会)を開催しています。各事業所からは所長が参加し、午前中は各事業所の状況や行事、事業所・職員に関することなどを報告し、家族からの意見を聞くなど、家族と事業所の連絡調整の場としています。午後からは各事業所に分かれ懇親会を行っています。家族会(湘南青葉会)で話し合われた内容は議事録を作成し、参加出来なかった家族に送っています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 非常勤職員は、毎朝出勤時に印刷したケース記録の内容を確認してから支援に入ります。ケース記録は毎日印刷し、2、3か月分の記録をファイルしているので、遡って確認することもできます。常勤、非常勤の全職員が利用者の状況を共有し、統一した支援が出来るように努めています。「活動日誌」に活動内容、給食状況、特記事項なども記録しています。月1回、作業室毎に作業会議を実施し、担当職員間で情報の交換や共有をしています。
4 地域との交流・連携 藤沢市には知的障がい者の事業所が20カ所前後あり、その運営法人が8法人あります。8法人は法人協議会を組織し、その幹事メンバーが集まり、協議会で障害者支援の在り方の提言、市への要望、職員の研修や第三者委員の選定など共同で取り組んでいます。また、藤沢市の養護学校で卒業生の進路指導をするにあたり、法人連絡協議会加盟の障害者施設を訪問したりする活動を協働で行っています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 事業所を紹介する機関誌「爽風だより」第1号を9月に発行しました。「爽風だより」には、所長の挨拶、各作業室の近況報告、職員紹介がカラー写真入りで載っています。担当職員が作成を行い2ヵ月毎に発行し、利用者、家族の他に公民館、市役所などにも配付し、事業所の情報を提供していく予定です。パンフレットには運営方針、事業所の活動内容の紹介、案内図などが記載されていますが、利用希望者の特性に配慮するなどの工夫は確認できませんでした。今後の見直し、改善に期待します。
6 職員の資質向上の促進 事業所内では専門職として様々な障がい者への理解を深めると共に、特に自閉症の支援技術向上の為に年3回の施設内研修を行い、職員の質の向上に努めています。外部の自閉症セミナーや研修に積極的に参加し、その後職員が内部で伝達研修を行い、全職員のレベルアップを図っています。また、作業室会議で行われる特定の人を対象にしたケース検討も参加者の教育効果があり、職員の質の向上に寄与しています。

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