かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ふきのとう舎(3回目受審)

対象事業所名 ふきのとう舎(3回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人県央福祉会
対象サービス 障害分野 多機能型事業所
事業所住所等 〒 242 - 0022
大和市柳橋5-3-1
tel:046-269-8880
設立年月日 2008(平成20)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 日本会計コンサルティング株式会社
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【事業者が特に力を入れている取り組み】


@第三者評価の連続受審、広報誌やインターネットを使った情報発信に取り組んでいます
当事業所では第三者評価を3年連続で受審しており、毎年、利用者調査や職員調査の他、良い点や改善点の結果を受け、外部に公表しています。連続受審することによって現在の課題を意識し、全職員で改善するための意識を醸成し、透明性の高い組織にすることが狙いだと所長は述べています。また、広報誌「ふきのとう便り」を職員や利用者・家族向けに毎月発行し、情報発信をしています。さらにホームページやSNSなどインターネットを使った情報発信と情報公開を所長自らが積極的に推進し、地域社会に対して事業所をPRしています。

A利用者の障害の特性を考慮した作業環境を整えています
自閉症スペクトラムの利用者の作業室は壁で半分に仕切ってあり、作業能力の高い利用者と支援員の関わりが必要な利用者が分かれています。更に他の人との関わりが困難な利用者はパーテーションで、区切って一人用のブースを作っています。コミュニケーションもスケジュールボードを利用して行っています。壁には自分の書いた絵を貼ったり、鏡を見ると落ち着く利用者の前には鏡を設置するなど、落ち着ける環境にしています。音が気になる利用者は遮音用のヘッドホンを装着して作業をするなど、一人ひとりの障害の特性を考慮した作業環境を整えています。

B外部のデザイナーと組んで作り上げたブランド「セリシール」で商品展開を図っています
外部デザイナーと作り上げた「セリシール」ブランドで豆腐とコーヒーの販売を行っています。今年からマグカップやエプロン、Tシャツなどもブランド製品に加わりました。「セリシール」は、桜の木がモチーフになっていて、春になると最寄りの桜ヶ丘駅からふきのとう舎に向かう道中に綺麗に咲いている桜が由来です。「セリシール」ブランドも少しづつ地域や企業に浸透し、信用金庫のキャンペーンの粗品としてドリップコーヒーが使われました。コーヒーはブランド化してから売り上げが向上しています。デザイナーを講師として定期的に研修も行っています。


【特に良いと思う点】


@利用者の主体性を尊重した支援を行っています
利用者が主体的に作業に従事できるように、職員がすることは作業のセッティングと最後の検品位で、後は利用者が出来るような状態にしておきます。利用者が主体的に作業に従事できる割合を100%に近づけるように、職員は手を出さないで、やり過ぎないように配慮しています。作業中は職員は利用者を温かく見守っている状態が理想的と理解しています。コーヒーの作業工程でも生豆の不良豆の取り除き,焙煎、焙煎後の選別、袋詰めなど殆どの作業を利用者が行い、検品と最後のシーラー作業のみ職員が関わるようにしています。

A利用者自治会で利用者の意見を聞き、レクリエーションなどに反映しています
月1回作業室毎に利用自治会を開催しています。利用者のなかで会長、副会長、書記を決め、利用者同士で意見を出し合い、「仲良く仕事をするためにはどうするか」や「気を付けること」などを話し合っています。レクリエーションの希望なども皆で話し合いをし、まとまった意見を反映しています。会の進行は職員が行い、利用者同士がトラブルになりそうな時は職員が介入しています。利用者同士が主体的に意見が出せる場になっているので、今後は運営など利用者同士で出来るように施設全体の自治会開催を検討しています。

B伝統のある施設で長年の地域との交流により、地域での理解度や認識度が高く、信頼関係の上に地域との良好な関係が築かれています
平成20年4月の開所以来、既に30年以上が経過し、その長い年月の間で様々な地域との交流が行われてきました。利用者・家族の通所、利用者の外出や外食、感謝祭の開催、生産した食品の販売、ボランティアや実習生の受け入れ等の積み重ねにより、当事業所や法人に対しての信頼感が醸成されています。利用者をめぐって多少のトラブルがあっても最寄り駅、近隣店舗、近隣住民からの協力が得られています。今回、新しいグループホームの建設にあたり、当事業所や運営法人への信頼性から反対運動が全く起きていないのもその現れと思われます。


【さらなる改善が望まれる点】


@インフルエンザやノロウィルス等の感染症、食中毒などのリスクに対してその予防と対処に更なる徹底が望まれます
当事業所は防災、事故等の危機管理は年4回の防災訓練の実施やヒヤリハット報告書の提出率向上等対応が充分に取られています。しかしインフルエンザやノロウィルス等の感染症や食中毒の予防と、仮に発生した場合の対処・対応については更に危機管理を徹底する必要性を感じます。その時期になると朝礼や会議で注意喚起を促す、又、食品を扱うので手洗い、マスクや白衣の装着、検便等を徹底しています。しかし、食品を扱う事業所だからこそ、保健所職員や看護師など専門家の指導や実施訓練、マニュアルの整備・研修等、危機管理の徹底が望まれます。

A現場を預かる職員の主体性が更に発揮され、事業所の運営や活動に意欲的に取り組まれることを期待します
所長と管理職のリーダーシップと役割期待が大きいため、その反面で現場の職員の主体性発揮や意見具申、意欲的な行動が少ないように思われます。直接利用者と関接する現場職員でないとわからない事や問題点も多々あると思われます。作業に関わる事、それ以外の食事の提供、危機管理、行事など様々な事業所の活動の中で、現場の視点に立脚した新しい提案が現場職員から行われるような組織になることが期待されます。

Bフェイスシートの作成や個別支援記録など記録類の整備が期待されます
個別支援記録には直近の個別支援計画が載せてあり、個別支援計画に沿った記録が出来るように工夫されていますが、まだ日々の状況記述になっていることがあります。個別計画に沿った記録が行えるように職員に対しての意識づけが期待されます。また、フェイスシートが作成されていませんので、基礎調査表を基に、基本事項や住居、疾病・障害の状況、家族構成、各サービスの利用状況などを記載したものを作成し、常に利用者の基本的な状況が把握でき、他事業所への紹介する際にも利用できるようなフェイスシートの作成が望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 法人が作成した権利擁護のツール「グレーゾーンを語ろう」を使用し、定期的に勉強会を実施しています。グレーゾーンとは一見もっともらしい理由によって、一方的な行動制限や自己決定の軽視などが正当化されてしまうことです。ロールプレイを通して、利用者・職員の立場を体験し,権利擁護を侵害していないかを考える機会にしています。また、定期的に作業室会議で利用者への対応、言葉遣いなどについて話し合い、職員同士お互いに日常の言動の振り返りを行なっています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 毎年3月に本人、家族と面談を行い、個別支援計画についての意向を聞いています。聞き取った意向や基礎調査表などを基に本人のストレングスを考慮したアセスメントを行っています。個別支援計画策定会議で、サービス管理責任者と担当支援員などで話し合いをし、アセスメントの課題を基に個別支援計画を作成しています。中間期と年度末の年2回モニタリング会議にて、個別支援計画の見直しを行っています。定期的見直し以外にも状態の変化があった場合などは、個別支援計画策定会議で検討し計画の変更を行っています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 職員会議や作業会議、支援会議などの会議の他に、ケースカンファレンス、作業研修を行っています。ケースカンファレンスでは精神科嘱託医を囲んで、利用者の課題を解決するための支援方法の話し合いを行い、助言を受けています。事業所内での作業研修では「セリシール」ブランドのデザイナーを講師に迎え、販売方法やデザインについて助言を受け、売り上げ向上に役立てています。法人内研修、外部研修にも参加し、研修報告書と支援会議での報告で、研修内容を職員間で共有しています。非常勤職員に対しては、作業室毎にOJTを行っています。
4 地域との交流・連携 県央東地区の日中活動系障がい者施設の施設長会や部課長会に参加し、その共同事業にも参加しています。同施設長会は10数か所の事業所が参加し2か月に一度会合を持っています。新人や中堅対象の研修や合同の職場説明会などを共同事業として行っています。又、当地区のオンブズマンネットワークに参加し、他の施設の職員や利用者との交流の機会を持っています。しかし、地域福祉への貢献という観点での活動ではまだ不十分との認識であるため、今後の更なる活動の強化を期待しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 運営法人の決定事項は法人の所長会議で所長に報告されその内容は当事業所職員には職員会議や議事録回覧で周知しています。当事業所の重要案件は所長と課長が協議して決定し、その報告が職員会議等の場を通じて職員に報告しています。法人にはエリア会議の場で報告しています。利用者や家族に対しては、報告が必要な内容のものは、その都度書面で伝達しています。又、事業所の情報は毎月発行している広報誌「ふきのとう便り」や、フェイスブックやホームぺージを通じて情報発信しています。
6 職員の資質向上の促進 福祉サービス分野では人材不足状態が続いていますが、職員の離職率低下や、やる気の向上を目的とした様々な取り組みを法人が主導で行っています。新しい人事評価制度はその大きな柱のひとつですが、それ以外に、職員の仕事内容や職場に対する異動などを聞く意向調査、今年から開始した働き方アンケート、ストレス度が測れるメンタル診断制度などを準備しています。又、福利厚生面では新人歓迎会や忘年会の実施、相互啓発のための実践報告会や同一事業の横断的組織である各種部会の開催など、職員が連帯感を持てるような施策を行っています。16:20 2018/04/26

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