かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

屏風ゆめの森保育園

対象事業所名 屏風ゆめの森保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人神奈川県社会福祉事業団
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 235 - 0023
磯子区森5−2−28
tel:045-750-0611
設立年月日 2016(平成28)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】


屏風ゆめの森保育園は、京浜急行線の屏風浦駅から歩いて3分ほどの住宅街の中にあります。駅の近くに立地していますが、静かな環境となっています。
屏風ゆめの森保育園は、平成28年(2016年)4月に社会福祉法人神奈川県社会福祉事業団により設立された、開設2年目の園です。法人では6つの保育園と、児童養護施設、複数の高齢者施設を運営しています。
園舎は2階建てで、1階には0、1、2歳児クラスと一時保育室、事務室、給食室があります。2階には3、4、5歳児クラスと子育て支援ホールがあります。園庭は舗装されているスペースと土のスペースの2箇所あり、遊具や砂場を設置しています。
定員は60人(0歳児〜5歳児)、開園時間は、平日7時00分〜20時00分、土曜日は7時00分〜18時00分です。
法人の経営理念は「人にやさしい豊かな心」「地域社会への貢献」「活力ある経営」です。保育方針は「豊かな実体験を通して心を育む保育」「子育てをともに考え見つめ合う保育」「地域に開かれ共に育ちあう保育」、保育目標は、「意欲ある子ども」「自分らしさを発揮できる子ども」「自分も友達も大切にできる子ども」です。


1.高く評価できる点  


●子どもたちが豊かな実体験を通して、さまざまなことに興味・関心・好奇心が持てるように取り組んでいます
園では、子どもたちが豊かな実体験を通して、さまざまなことに興味・関心・好奇心が持てるように取り組んでいます。静的な活動と動的な活動を組み合わせて、バランスの良い保育を行っています。
静的な活動として、指導計画に沿って、季節の制作や設定保育、絵本の読み聞かせ、季節の歌、感触遊び、夏野菜やサツマイモの栽培、クッキング保育、昆虫の飼育などを行っています。散歩で拾ってきたドングリや葉などを使い、制作活動に取り入れています。自由遊びでは、ままごとやパズル、カルタ、ブロック、手作り玩具、廃材などが自由に使えるように環境を設定しています。陶芸教室やお話し会、英語ふれあい遊び、看護師による健康指導なども、年齢に応じて定期的に取り入れています。
動的な活動として、園庭の遊具遊びや砂場遊び、鬼ごっこ、泥遊び、散歩、プールや水遊び、弁当を持って出かける園外保育などを行っています。散歩の時には、図鑑を持って行くなどして、探索を楽しんでいます。朝や夕方の自由遊びの時間にも園庭で遊べるようにしています。ホールや保育室でリズム遊びを行い、身体を動かしています。リズム遊びは0歳児クラスから取り入れており、異年齢で実施することもあります。専門の講師を招いて行う体操教室では、幼児クラスの子どもが跳び箱やマット・鉄棒・平均台などをしています。
異年齢交流も盛んで、日常の中で異年齢の子ども同士遊ぶ姿が見られます。幼児クラスでは、「幼児合同保育年間計画」を立てて、異年齢のグループで活動する「わくわくの日」を設けています。幼児クラスが企画の段階から関って実施する「お店屋さんごっこ」は、子どもの自主性を促しながら、楽しい体験をする良い機会になっています。お店屋さんごっこの日には、乳児クラスの子どもたちだけでなく、保護者も招いています。


●園としての保育を構築するために、職員間で話し合うことを大切にしています 
「屏風ゆめの森保育園の保育の構築」を重点課題として事業計画に掲げています。開設2年目を迎えて、同法人系列の屏風ヶ浦保育園から引き継いだ保育を土台にしながらも、屏風ゆめの森保育園としての保育について、職員間で話し合い構築していくことを目指しています。
その実現のために、園長や保育長、主任が協力して、職員全体で話し合う機会を作ったり、情報の共有を密にすることに力をいれています。毎週、職員会議を開催し、フロアごとの会議には非常勤職員も参加できるようにしています。園内研修も、職員全員が参加できるように複数回行うなど工夫しています。配慮の必要な子どもの対応方法についてスライドを用いて職員間で意見交換したり、子どもの呼び方の検討や、けがの検証などについても職員間で話し合っています。さらに、職員個々で園の良い点や課題を振り返る「自己検証シート」の内容を全体で共有して、改善に取り組んでいます。事業報告や事業計画作成に向けて、職員にアンケートを取り、園の運営に職員の意見を反映できるようにしています。
職員からは、全員で子どもを保育していることや、職員間の情報共有が盛んなこと、みんなで解決策を考えていること、チームワークが良いことなど、多く意見が挙がっていました。


●「地域に開かれ共に育ちあう保育」を保育方針に掲げ、地域子育て支援や地域交流を進めています 
子育て支援担当職員を配置して、地域の保護者に対して子育て支援を行っています。開設2年目にして、一時保育や育児相談を行うほか、平日は園庭開放「かんがるーひろば」を実施しています。夏場にはプール開放もしています。週1回実施する施設開放「かんがるーサロン」では、助産師によるベビーマッサージや、保育士によるパネルシアター、「親子で作ろうクリスマス飾り」などの制作等、さまざまな企画をしています。地域ケアプラザと連携をして「離乳食講座」や「お話し会」などの育児講座も開催しています。地域子育て支援の情報は、毎月発行する育児支援広報誌「かんがるー通信」を通して提供しています。
地域交流も盛んに行い、運動会やお楽しみ会、親子フェスティバル、卒園式などに地域の人々を招待しています。また、餅つき会のお餅や焼きいも会の焼き芋を年長児が近隣の人々にお裾分けするなどして交流を図っています。子どもたちは、近隣にこいのぼりの見学に行ったり、芋の苗やカブトムシを頂いたりと日常的なつながりを通して交流を図っています。


2.独自に取り組んでいる点 


●保育を可視化するための取り組みを積極的に行っています
保護者に保育の実践内容を可視化するために、クラス別の保育内容の掲示や、全園児の連絡帳使用、園だよりクラス便りの発行、クラス懇談会、保育参観、親子交流会、お店屋さんごっこへの招待などを行っています。現在、特に力を入れていることとして、「ドキュメンテーション」を通した保育の可視化を行っています。子どもの生き生きとした表情や行事の様子が保護者に伝わるように、模造紙数枚に多数の写真を貼り、吹き出しなどで言葉や文章を添えて作成しています。園の正面玄関の壁一面に掲示しており、迫力のあるものとなっています。
ドキュメンテーション作成に向けて、その日(または翌日)のうちに行事や活動の様子を保護者に伝えることができるように、職員全体で協力し合っています。例えば、午前中に行った節分の行事について各クラスで写真を撮り、職員間でチームワークを図り、集中して作業をすることで、短時間で完成させることができています。保護者がお迎えに来る時間には園の玄関に掲示して、臨場感を持って保育の様子を伝えることができるようにしています。ドキュメンテーションの取り組みを通して、保護者や子どもとの会話が増えるなどの効果も出ています。


3.工夫・改善が望まれる点 


●乳児クラスの個別指導計画の書式を見直すことが期待されます 
保育に関する計画として、保育課程に基づき、クラス別に年間指導計画、月間指導計画、週案を立案しています。配慮の必要な幼児については、個別指導計画を細かく立てて、保育内容に応じた個別の配慮点や援助内容、環境構成を計画に盛り込んで実施しています。
0、1、2歳児クラスでは、月間指導計画に基づき、個々の子どもの様子、配慮・援助について記入する表を作成していますが、記入内容を見ると、子どもの様子が中心に書かれていて、個別の指導内容や目標が明確になっていない箇所も見られました。発達の個人差を捉え目標を持って保育を実践できるように、計画や目標を記入する欄を設けるなど、書式を見直すことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・法人の経営理念は「人にやさしい豊かな心」「地域社会への貢献」「活力ある経営」です。保育方針は「豊かな実体験を通して心を育む保育」「子育てをともに考え見つめ合う保育」「地域に開かれ共に育ちあう保育」、保育目標は、「意欲ある子ども」「自分らしさを発揮できる子ども」「自分も友達も大切にできる子ども」で、利用者本人を尊重したものになっています。保育方針と保育目標は、法人内の系列保育園の保育長と主任間で昨年度議論を重ね、系列園共通のものが完成しました。経営理念や保育方針、保育目標は園内に掲示をするとともに、職員にさまざまな方法で周知しています。新入職員には、園のオリエンテーションで説明し、法人では経営理念について学ぶ研修を実施しています。年度初めや年度末の職員説明会、毎週の職員会議で唱和して意識を高め、保育の実践につなげています。
・保育士は、穏やかでわかりやすい言葉で話し、子どもの気持ちや考えを態度や言葉から汲み取るよう努めて日々の保育を実施しています。園は、運営方針で“子どもの権利保障について”を掲げ、子どもの人権について職員会議で話し合い、全職員の共通理解として認識しています。気になる言葉掛け、配慮を要する言葉掛けなど気付いた時は、その都度職員間で指摘して改善に努めるようにしています。
・守秘義務の意義や目的を職員やボランティア・実習生に周知しています。個人情報の取り扱いについてのガイドラインが整備されており、全職員に周知するとともに年度初めに確認しています。また、個人情報の取り扱いについては、入園説明会等で保護者に説明し、同意書を得ています。個人情報に関する記録はすべて施錠のできる場所に保管、管理しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保育課程を基に、クラスごとに年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。幼児クラスについては、幼児合同保育年間指導計画を作成しています。それぞれの計画には、自己評価の欄を設けて、定期的に反省をして計画を見直しています。評価・見直しにあたって、保護者の意見を反映させるようにしています。例えば、5歳児クラスでは、保護者の要望を受けて、就学準備として園で上履きを使用する時期を早めるなど対応しました。
・用務を担当する職員を配置し、日々園内外の掃除を保育士とともに行っています。また、環境整備係を設けて、園内外の点検を定期的に行っています。
・沐浴設備の他に、各クラスで温水が使えるようになっています。乳児クラスのテラスと幼児クラスのテラスには温水シャワーを設置しており、屋外で遊んだ後や、プール遊びの後などに使用して、身体を清潔に保てるようにしています。
食育年間指導計画をもとに、子どもたちはプチトマト、ナス、キュウリ、ニラなどの夏野菜やさつま芋を栽培し、収穫を体験しています。収穫物は調理活動に発展させるなど季節の食材、素材に関心を持つよう配慮しています。また子どもたちはアオムシやカブトムシ、クワガタ、カタツムリなどを飼育して、図鑑で調べ、成長を観察するなど、動植物の飼育や栽培を保育活動にフィードバックしています。
・子どもの年齢や発達状況に合わせて、制作やリズム遊びで自由に表現できるようにしています。例えば廃材コーナーを設けたり、折り紙や粘土、塗り絵など子どもの手の届く場所に置いて、興味に合わせて自発的に表現遊びができるよう配慮しています。子どもたちはそれらを利用して自由に絵を描いたり、制作を楽しんだりしています。
・異年齢交流については、幼児合同保育年間指導計画を作成し、3、4、5歳児が合同で活動する「わくわくの日」を設け活動するほか、行事や野外活動、園庭での交流、リズム遊びなど日々の保育の中でも異年齢の子ども同士で自然に交流しています。
・栄養士は、給食日誌の残食記録や給食会議でクラス担任から報告された子どもの喫食状況や嗜好などの情報を参考にして、調理方法や盛り付け方法を工夫するなどしています。栄養士は、給食時間に子どもの食事の様子を見る機会を作っています。
・「献立表」「食育だより」を毎月保護者に配付しています。「食育だより」には“朝ご飯を食べよう!”“おいしく食べるためのむし歯予防”などの情報やレシピを紹介しています。また、人気メニューは料理レシピのウェブサイトやホームページ等で保護者に知らせるほか玄関にも置いています。親子交流会や保育参観、保育参加の時に保護者が子どもと一緒に給食を食べる機会を設けています。
・降園時にその日の子どもの様子を伝えるほか、全クラスが連絡帳を用いて保護者と日常的に情報交換をしています。個人面談は期間を設けて行うほか、保護者の要望に応じて随時行っています。クラス全体の様子や保育の目的、子どもたちの日常の様子などを伝える保護者懇談会を年2回実施しています。
・園だよりやクラスだよりを定期的に発行して、園や子どもの様子、子どもに関する情報などを伝えています。全クラスのその日の様子を書いた「今日の様子」を掲示して活動内容を保護者に知らせています。また、園は日常の保育の様子や行事に向けての取り組みを伝える「可視化」に取り組んでいて、活動内容の写真を乗せて「ドキュメンテーション」として伝えています。お泊まり保育はビデオを撮って保護者にDVDを回覧しました。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・新入園児を受け入れる際の配慮として、短縮保育を実施しています。子どもに負担が掛からないように、保護者と相談しながら日程を設けています。乳児クラスでは、新入園児の状況に合わせて個別に対応したり、小グループで活動するなど配慮をしていますが、主担当制は取っていません。また、全クラスで連絡帳を用いて、子どもの様子を保護者と共有しています。
・特別な課題がある幼児には、細かな個別支援計画を立てています。毎月、保育のねらいを定め、養護・健康・人間関係・環境・言葉・表現の保育内容に対して、保育士の配慮・援助、個別の配慮・援助・環境構成を明記し、計画的な支援を行っています。支援について毎月自己評価して、次月につなげています。個別の配慮点など、重要な部分については保護者と共有しています。
・障害児を受け入れるための環境設備として、園はバリアフリーの構造となっていて、エレベーターを設置しています。外部研修から得た知識を保育に活かすため、受講者が外部研修の報告書「リアクションシート」を作成したり、報告会を行うなどしています。また、保育士の対応を統一するために、スライドなどを使い学んでいます。障害の有無にかかわらず共に育つ環境を提供するため、対応方法を話し合っています。
・「苦情解決対応マニュアル」を整備し、苦情や要望に迅速に対応できる仕組みを構築しています。園内に掲示している「保育園における苦情解決の仕組み」に、フロー図で対応手順を記しています。苦情が発生した際には職員間で共有し、対応策を検討しています。送迎時の駐車などについて、近隣から要請があった場合については、園だよりやクラス懇談会、掲示物などで、保護者に協力を仰いでいます。
・健康管理マニュアルは職員に配付されています。子どもの健康に関するマニュアルに基づき、一人一人の健康状態を把握しています。入園時に得た情報に基づき既往歴等を把握し、年に1回保護者からの新しい情報を健康台帳に記入してもらい、更新された情報は職員間で共有しています。
・衛生管理に関するマニュアル「園内外の衛生管理」「衛生管理の環境整備」があり、年度始めに研修をしています。「マニュアルプロジェクト」では、国や市から情報を入手した場合にマニュアルを改正するほか、定期的に年度末にも見直しが行われています。見直されたマニュアルはその都度職員に周知し、共有しています。
4 地域との交流・連携 ・地域の子育て支援ニーズについては、子育て支援担当職員を配置して、職員会議などで職員間で話し合っています。地域の子育てを支援するために、一時保育、園庭開放、施設開放、プール開放を実施しています。地域ケアプラザと連携をして「離乳食講座」や「お話し会」などの育児講座を開催しています。
・育児支援広報誌「かんがるー通信」を毎月発行して情報を提供しています。育児相談は電話や来園のほか、月曜日から金曜日開催の園庭開放、金曜日開催の施設開放、交流行事の参加者などに対し実施しています。「かんがるー通信」やホームページ、園掲示板、地域駐輪場掲示板などを用いて子育て支援計画やイベント、育児相談などの情報を地域住民へ提供しています。
・運動会やお楽しみ会、親子フェスティバル、卒園式などに地域の人々を招待しています。また、餅つき会のお餅や焼き芋会の焼き芋を年長児が近隣の人々にお裾分けするなどして交流を図っています。ボランティアグループと協力して障害者の職業体験の受け入れを毎年実施し、幼保小連絡協議会を毎月実施して小学校と連携を図っています。運動会など大きな音の出る時は事前に地域へ手紙を配布するなど友好的な関係を築くよう配慮しています。子どもたちは、近隣にこいのぼりの見学に行ったり、芋の苗やカブトムシを頂いたりと、日常的に交流を図っています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・職員個々で行った「自己評価チェックシート」を園全体でまとめています。具体的な実施内容と達成度を◎○△で記し、「屏風ゆめの森保育園の自己評価・まとめ」として、園内の掲示板で公表しています。また、保護者に依頼したアンケートの集計結果も掲示しており、園として改善していきたい点を伝えています。「自己検証シート」については、職員全体で共有して改善活動につなげています。
・守るべき法・規範・倫理等を就業規則に明文化し、職員に周知しています。また、法人で作成している「経営理念体系図」に、職員の行動指針を定めています。業務の重要事項をまとめたファイルを職員一人一人に配布していて、ファイルの中には子どもの権利擁護に向けた配慮点なども綴じています。他園の不適切な事案については職員会議などで共有しています。園の運営状況は、ホームページに掲載し、透明性を高めています。
・保育長は統括リーダー、主任は副統括リーダーの役割を果たしています。保育長や主任の育成は、法人のキャリアパスに則って行われています。保育長は主に乳児クラスに入り、主任は幼児クラスに入り、互いが連携し合い、職員が積極的に仕事に取り組めるように相談を受けたり、助言をしています。
6 職員の資質向上の促進 ・法人が求める人材像を5つ掲げて明文化しています。「経営理念体系図」を用いて、経営理念や経営方針を実現するためには、職員としてどのような行動が求められるのかを体系化し、「職員行動指針」として明示しています。
・3種類の職員自己評価を定期的に行い、保育技術の向上にむけて振り返りをしています。人事考課制度では、職員個々に目標を立てて達成度を評価しています。「自己評価チェックシート」では、横浜市の第三者評価を基にしたチェックシートを用いて振り返りを行い、「自己検証シート」では、園の良い点や課題について各職員が自己評価しています。

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