かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ポピンズナーサリースクール百合丘

対象事業所名 ポピンズナーサリースクール百合丘
経営主体(法人等) 株式会社ポピンズ
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 215 - 0011
麻生区百合丘1-24-9
tel:044-959-5421
設立年月日 2014(平成26)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 ケアシステムズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<特によいと思う点>


1.多彩な角度から食育を行い、家庭の中でも食育が育まれるように配慮している


食育として海外メニューや郷土料理などを献立に盛り込み、食から他文化への接点の機会を図るユニークな支援をしている。年齢に合わせて食に興味がもてるような取り組みをしており、野菜の下ごしらえ・野菜のスタンプ・おやつ作り・包丁を使った調理保育・野菜の栽培など、日々の保育の中で数多くの食育を行っている。食育を行う場合には、導入として関連のある絵本や紙芝居を使うなどの工夫を図り、食育活動の写真を保護者に掲示することで子どもと保護者間の会話の表出を図るなど、家庭の中で食育が育まれる環境作りにも努めている。

2.幼児教育実践法保育方法によって、子どもの成長を時系列に分析、保育に繋げている


保育技術向上を目的として、ポピンズ・アプローチによる幼児教育実践法保育方法を取り入れている。ドキュメンテーションとして子どもの成長を写真を撮り、事実や背景を担任がコメントとして、保育につなげる取り組みを行っている。ドキュメンテーションによって、職員相互に保育観を共有できるようにしている。また、個人情報に関する取り扱いや守秘義務については、入園時に確認を得ることにしている

3.保護者アンケートや、自己評価を実施して結果を職員で共有し改善に繋げている


園では、行事アンケート・意見箱の設置・運営委員会・第三者評価など多くの機会を設け意向の把握に取り組んでいる。収集した意見や要望は、ミーティングで検討し、園としての対応を職員間で情報共有すると共に、保護者へのフィードバックにも努めている。組織として取り組むべき課題を明確にし、改善策・改善実施計画を立て改善に結びつける仕組みが整っている。


<さらなる改善が望まれる点>


・日々の保育の中で子どもが自主的に遊びに関われる環境整備も願いたい
エデュケア(真の人間教育)という概念の基に、大切な乳幼児期に適切な支援を目指している。いろいろな素材に触れる機会を持ち、食育にも力を入れ、健康だけでなく命の教育も手掛けるなど様々な角度からの保育の質の向上を図っている。ただし、身近な日々の保育の中で、子どもが自分の意思で遊びを選べる環境、遊びに期待を持てる環境の保育室ではないことが憂慮される。設定遊びをする機会だけではなく、自然発生的に子どもの中から遊びへの勢いがわきあがるような保育室への環境整備の取り組みも期待したい。


・園の専門性や機能を地域社会へ還元することを目指している
各種の地域ネットワークに参画しており、積極的な情報交換に取り組んでいる。公民館や商業施設などを使ったイベントに参画して、地域の保育に関する情報を直接把握できるようにしている。ただし、園の設備や機能を地域へ還元する取り組みは未だ行っていない。設備、備品面でもまだまだ不十分なこともあることを踏まえ、今後充足させるとともに実施を目指している。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・施設長は、児童憲章と合わせて子どもの人権(一人の人間として尊重する心)を職員に伝えることに力を入れている。また、日頃より職員への頻繁な声かけをして基本方針を伝えることを心がけている。
・建物の構造上、保育フロアが分かれていることを踏まえ、定期的に施設長や主任が2階のクラスを確認するなどして状況の把握と確認を行っている。今後は2階リーダーの配置も検討している。
・虐待や虐待に類似する事例の早期発見に努めており、常に各担任との情報共有に配慮している。また、児童相談所や自治体とは密に連絡を取り合っており、必要に応じて連携できる体制が整っている。
・日々の観察、着替え時のチェック、親子関係などにも留意しており、必要に応じて地域支援センターに相談し、その後の進め方を協議する流れとしている。
・人権擁護やプライバシーの観点、さらに衛生面への配慮から、オムツ交換は全てトイレ内で行っている。
・児童相談所、区の担当課、地域の保健師などの地域の専門職との園との連携によって、要支援家庭などについても適切に支援出来る体制が整っている。個々の事情に合わせて支援することを心がけている。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・法人本部が行う顧客アンケートをはじめ、園で実施している行事アンケート・意見箱の設置・運営委員会・第三者評価など多くの機会を設け保護者の意向の把握に取り組んでいる。収集した意見や要望は、ミーティングで検討し、園としての対応を職員間で情報共有すると共に、保護者へのフィードバックにも努めている。
・登降園時の保護者とのやりとりの中から保護者との信頼関係が築かれるとして、丁寧な対応を心がけている。また、小さい不満を摘み取ることが大切だとしており、直接伝えられる保護者との関係作りに努めている。
・3〜5歳児クラスは、ワンフロアでクラス間の区切りない部屋で過ごしており、日常的に異年齢児保育となる環境にある。保育内容によって各クラスごとの活動を行ったり、別室で設定保育をするなど、保育の活動によって環境整備に配慮している。
・子どもの成長の過程でいろいろな素材に触れる機会を持つことが豊かな表現につながるとして、素材には配慮するようにしている。訪問調査の際にも、毛糸・段ボール・どんぐり・綿などを使った作品が掲示されており、子どもの表現を豊かにするための試みを確認することができた。
・異年齢児保育を行う中で子どもたちは、小さい子に優しく接する姿や、大きな子の真似をして憧れる姿などを見せており、それぞれに育ち合いの姿が見られているとのことである。
・要支援児に対しても、子どもたちは自分ができる手伝いをしてあげたり、声かけをするなどの自然な形で受け入れていることが確認されている。外国籍の子どもも在園しているとのことであるが、保育室には肌の色や髪の色が違う人形が置かれており、見た目の違いなども遊びの中から自然に受け入れられるように配慮がされている。
・基本的生活習慣については年齢相応のサポートが大切だとしており、家庭との連携がとれるように、各クラスで必要となる生活習慣についての情報を保護者に伝えることに努めている。着脱の場合であれば、最初は柔らかい生地の洋服を準備してもらい脱ぎ着がしやすいように配慮し、徐々にボタンなどがついた洋服も着られるようにするなど、子どもの姿に合わせた支援ができるように保護者との連携を図っている。
・生活習慣の獲得については、個々の対応をしながらプリントを配付するなどの啓蒙にも努めている。
・毎月同法人の系列10園による食育エリアミーティングを行い、各園での情報交換や喫食状況などを共有することで、味付けや切り方などを確認するなど提供する給食の質向上に取り組んでいる。衛生面への意識向上を図り、本部より事例提示により更なる注意喚起を確認するなど、1園の取り組みをエリアで共有できる仕組みを有している。その取り組みが、園での給食提供への意識を高め、食育を幅広い豊かなものにする素因として機能している。
・常勤の看護師が勤務しており、年間保健計画のもと保育士と協同で、さまざまな安全・健康指導を行っている。咳エチケットやうがい・手洗いの指導を初めとして、「命のはなし」として妊婦さんを呼んでお腹を触らせてもらったり、自分の身体を知る機会として骨の仕組みや頭蓋骨の中にある脳を意識させる取り組みなども行っている。その際には、保育士が絵本などで導入を行い、子どもたちの興味を引き出す取り組みをすることで、更なる学びを図っている。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・入園時の個人面談の際には、保護者から子どもの家庭での様子や子どもの成育歴や集団経験などを丁寧に聴き取ることを心がけており、指導計画に反映させることにしている。
・5歳児は、就学に向けて小学校1年生と遊ぶ機会を設ける機会作りなどに取り組んでおり、小学校への不安を取り除き、期待が生まれるように配慮している。
・5歳児の保護者には、就学までに生活習慣を身につけ、自分のことや思いを人に話すことができるようなコミュニケーション力が育つような関わりを、園と家庭で連携して支援することを大切にしている。
・避難訓練は毎月1回実施し、災害時を想定した引き取り訓練を年1回実施している。日々の散歩コースとして第1避難場所を通り避難場所として子どもが周知できるようにするなど、実際の災害を想定することで、対応力の向上に取り組んでいる。
・保護者には、自宅や勤務先からどのような経路で迎えにくるのか、時間はどれくらいかかるのかなどを確認してもらい、災害時に適切な対応ができるように支援している。
・川崎市の不審者対応や防災・防犯メール情報を受信しており、必要に応じて保護者にも情報提供をして注意喚起を促している。
・園には、「災害対策マニュアル」「不審者マニュアル」「保育室安全マニュアル」「保育マニュアル」など多くのマニュアルが常置されており、職員の手引きとして活用している。これらのマニュアルについては配属前の本社研修や現任研修などの機会を設け、理解を深められるようにしている。
・避難訓練に加え、園舎内の消火器などの災害時に使用する備品類についても、定期的に点検し安全対策に取り組んでいる。
4 地域との交流・連携 ・認可保育所園長会議、幼保小園長校長会議、担当者会議、地域ネットワーク会など、自治体や地域の保育関係事業所との連絡会には必ず施設長などが参加し、積極的な情報交換に取り組んでいる。また、自治体主催のイベントには積極的に参加し、自治体担当者とも良好な関係構築に努めている。 
・園開放や園施設の地域への還元などは、未だ行っていない。設備、備品面でもまだまだ不十分なこともあることを踏まえ、今後充足させるとともに実施を目指している。近隣保育園と連携し、地域還元などの事例を参考にして進められるように検討している。
・公民館や商業施設などを使ったイベントに参画して、地域の保育に関する情報を直接把握できるようにしている。ただし、地域の子育て家庭の受入れについては、建物や園庭などは限界(制約)は否めない。ただし、七夕や餅つきなどのイベントなどは今後の工夫で実現できるように検討している。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・地域に対しては、アピールしていくことが透明性につながるとして、地域交流を大切にしており、制服を着た素敵な先生ということが地域で浸透してきている。
・毎年適切な目標を設定して、定期的な振り返りやフィードバックによって事業の進捗状況を確認している。また、定例の職員面談以外にも、適宜意識的に面談の機会を作って、事業の方向性を示唆するとともに意見を把握することにも取り組んでいる。施設長はミーティングや定期的な個人面談を通じて職員と対話する時間を設け、法人や園の方向性を伝えベクトルを合わせることに力を入れている。
・形式の異なる保護者アンケートを年2回以上実施しており、保護者からの率直な意見を把握できるようにしている。そこから「より伸ばす点」、「改善が必要な点」などが見え、それらを具体的に運営に反映させることで保護者との良好な関係につなげている。また、保護者に対しては情報開示に努めることで、信頼関係の構築につなげている。
6 職員の資質向上の促進 ・職員の採用に関しては法人本部で実施しており、独自の採用に加え自治体や人材紹介会社主催の説明会などに積極的に参加し、人材確保に取り組んでいる。また、園では入職希望者の見学を積極的に実施しており、一人ひとりに丁寧に見学や説明を行い、採用面接や本採用に繋げることにしている。
・法人本部では、現任者の出身校へ採用案内を行って見学を促し、その際にはディスカッションの時間を設け、法人理念、保育方針、子どもとの関わりなどを伝え、就職に向けての希望や不安などを聞き取り、コミュニケーションを図ることに努めている。さらに、将来のキャリアアップなどの希望も聞き取り、法人として支援出来る事柄なども合わせて伝えている。
・園としては、キャリアによる職員個々の保育力の差異を認識しており、どのように指導していくのかの検証に取り組んでいる。個々の業務(保育に関することを含む)をチェックする指導体制の確立や、園全体としてバックアップしていく体制を構築することも検討している。施設長は、職員一人ひとりの頑張りを認め、次のステップにつなげられるように一緒に学んでいくことに力を入れている。

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