かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

高風保育園(2回目受審)

対象事業所名 高風保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 白峰会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 231 - 0822
中区本牧元町72-1
tel:045-624-0277
設立年月日 1949年06月25日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】


・立地および施設の概要
高風保育園は、横浜市営バス「本牧車庫」または「本牧三渓園入口」バス停で下車し、緑に囲まれた閑静な住宅地を抜けて5分ほどの高台にあります。園舎は本牧臨海児童公園に面しており、鉄筋コンクリート造り2階建てで、1階部分を保育室として使用しています。1歳から5歳児まで定員118名のところ105名が在籍しています。明治38年相沢託児園を開設し、昭和24年に現在地に移転して保育園を開園しました。敷地内に児童養護施設高風子供園を併設しています。
園では設置法人である社会福祉法人白峰会の系列の横浜女子短期大学保育科の学生の実習や卒業後の進路として受け入れ、また、職員が大学の保育センターの研修を受けるなど、連携があります。
・特徴
 キリスト教精神に基づく保育を行い、毎月の聖句、讃美歌を設定し、毎朝礼拝を行っています。花の日礼拝や、感謝祭、クリスマス祝会など、キリスト教の行事があります。本牧臨海児童公園を園庭として利用し、豊かな自然に恵まれた立地から、四季の変化を心と体で感じて遊びを創り出して楽しんでいます。


【特に優れていると思われる点】


1.立地を活かした戸外活動
 園舎前の公園では、日々、自然の移り変わりに触れることができ、積極的に戸外活動をしています。砂場でおままごとをしたり、穴を掘ったり、虫を見つけたり、落ち葉集め、フラフープ、ボール、ぽっくりなど、一人で、またグループで自由に好きなことをして遊んでいます。どんぐりを見つけて製作に利用したり、どんぐりを折り紙で折ったり、霜柱ができると、踏んで音を確かめたり溶ける様子を観察したりしています。春には桜の下でお花見をしたりおやつを食べるなど、恵まれた自然を保育に活かしています。季節の良いときは、徒歩で三溪園に行ったり、本牧市民公園の大型遊具で遊んだりして社会体験に繋げています。


2.子どもの興味関心を広げる職員の関わり
 職員は子どもの日常の遊びの様子を見て、一人一人が興味や関心をもって遊べるように声かけし、職員が一緒に遊びながら友だち関係も築けるように援助しています。職員が遊びを一緒に楽しむことで、子どもの気持ちを知り、遊びの中から子どもたちにヒントを提供することに結び付けています。子どもたちが昆虫や動物に関心を持った時は、図鑑などを使いながら、子どもの興味関心を広げています。子どもがアイディアをふくらませられるよう、禁止用語は使わないことを職員間で認識しています。また、週案は子どもの興味や関心を反映させて活動を変更できるよう柔軟に計画し、活動の連続性を持たせることを意識しています。


3.職員の資質向上のための研修の取り組み
園内研修は、職員が選んだテーマを主体的に学ぶ場と位置付け、講師を招き「絵本の読み聞かせについて」「手遊び」「運動遊び」の研修を行い、実践しました。平成29年度は「新保育所保育指針」「乳児保育」について学んでいます。また、園外研修は、職員の経験年数やクラスに合わせて内容を検討し、系列の横浜女子短期大学保育センターや中区の研修を、積極的に受講しています。研修後は職員会議で発表したり、報告書を回覧したりしています。非常勤職員も希望により内部研修に参加することができ、外部研修の内容は、「パート会議」で伝えて共有しています。


【特に改善や工夫などを期待したい点】 


1.保育室内の環境の工夫   
おもちゃの種類は複数あり、子どもの欲求や意思に応じて職員が提供していますが、子どもの主体性を育むためにも、子どもが遊びたくなるような配置や、子どもたちが自ら手に取って遊びたくなるような環境の設定について話し合い、実行していくことが望まれます。
5歳児は広いホールを保育室としており、長時間保育園で過ごす子どもが、ほっとできるような場所の設定や、保育士の目が届きながら一人になれるような場など、子どもが落ち着いて過ごせるコーナーなどの設置が期待されます。


2.人材育成計画の具体化
 「高風保育園人材育成計画」を策定しています。個人面談、OJT(職場内訓練)、園のマニュアルの周知、園内・園外研修への参加を定めていますが、人材育成の基本的な考え方や、職員の経験年数に応じた期待される役割などについては触れていません。職員のモチベーションを上げるためにも、これらを明確にする内容の見直しが望まれます。


3.地域の子育て家庭への支援
中区の育児支援事業、グランマ保育園事業として育児相談や絵本の貸し出しを行っていますが、近年利用者が無く、園への要望を聞く取り組みとはなっていません。育児相談は、現在週1回時間指定の予約制で行っていますが、開催日時や広報を工夫して、実施されることが期待されます。また、園見学者の育児相談からニーズを探るなど、保育園として積極的に地域住民の子育て支援ニーズを聞いて、応えていく姿勢が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・「子どもはわたくしたちの宝です。絶えず大人に喜びと望みとひかりを与えてくれます。わたくしたちは真心をもって日々よく育てましょう」という保育理念のもと、運営方針を「キリスト教精神に基づいた保育」「神様と人に愛され、心身共に健やかな子どもを育てる」「一人ひとりを大切にし、感性豊かな心と創造性を育てる」とし、子どもを尊重したものになっています。

・職員に、子どもに接するときの心構えを載せた「望ましい保育者」を配付しています。園長は、気になることがあった場合は職員と話し合っています。

・子どもと一対一で話し合う必要がある場合は、廊下や個室を利用します。建物の構造上、各保育室につながる廊下のほか、5歳児保育室の横にも廊下があり、活用しています。

・虐待対応マニュアルがあり、虐待の定義について職員会議で確認して、適切な関わり方をするよう努めています。虐待が疑われる場合や明白になった場合は、中区こども家庭支援課や横浜市中央児童相談所と連携がとれる体制があります。

・入園のしおりに「個人情報について」の記載があり、利用目的、第三者への提供などを定め、保護者に説明しています。職員は、入職時に個人情報の取り扱いや守秘義務について説明を受け、年度初めの職員会議で確認しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育課程に社会的責任や人権尊重をうたい、子どもの育ちに必要な支援を明記して、子どもの最善の利益を第一義にして作成しています。

・発達に合わせ、子どもたちにわかりやすい言葉でその日の活動を伝えています。言語化できる子どもは保育者に言葉で伝えることを大切にしており、保育士も応答的な問いかけをして、子どもの意見を聞いています。

・年度末に保護者に「保育園保護者アンケート」を実施し、アンケート結果は集計し、3月の園だよりに掲載して保護者に報告しています。保育参観後もアンケートを実施し、園運営に反映させています。

・清掃は、トイレは子どもの午睡時に、流しやテラスなどは非常勤職員が当番制で行い、各保育室やテラスは担任が行って、清潔に保っています。園庭代わりの公園の砂場の管理も園で行っており、毎日カバーをかけ、週に1度は掘り起こし、除菌水をまいて清潔を保っています。

・毎日園舎の前の公園で遊び、異年齢児が交流しています。室内では朝夕の合同保育や土曜日に異年齢で過ごしていますが、日常的な交流を意図して設定した場所はありません。

・「年齢別食育年間計画表」を作成し、年齢に応じた食育を取り入れています。全クラス台所見学を行い、子どもがガラス越しに大なべでの調理の様子や調理員が働く様子を見学しています。エノキを割いたり、野菜を洗ったり、トウモロコシの皮むきなどを計画的に実施して、調理に関心を持てるようにしています。

・年長児は、7、8月には午睡をしますが、それ以外は午睡をせず、休息の時間としています。子どもの睡眠状況や体調に配慮して、部屋の隅に布団を敷いて寝かせることもあります。就学に向けて生活リズムを変えることと、午後の活動を充実させるねらいがあります。

・1歳児は定型のノートで家庭と園での様子、食事内容や排泄・睡眠状況などを情報交換しています。2歳児は、自由記述式のノートに、保育の様子や友達とのかかわりを重点的に丁寧に書き、3〜5歳児クラスでも1か月に1回は、出席カードを使って保護者に子どもの様子を伝えています。

・保護者PTAがあり、入園式、花の日、高風縁日、運動会などの行事に希望を募り、できる範囲で手伝ってもらっています。年3回の役員会には、園長・主任が参加して、必要時意見交換を行っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園前に、子どもの家庭の状況やこれまでの生活の様子、要望を「入園調査書」、既往症や予防接種について「健康調査書」を記入してもらい、これらをもとに入園児面接を行い、詳しい状況を把握しています。

・子どものケース記録(経過記録)を1、2歳児は毎月、3〜5歳児は2か月ごとに残しています。年3回保育士による評価を行い、児童票として個別にまとめています。

・年間指導計画は1年を4期に分け、3か月ごとに作成しています。それをもとに月間指導計画・週案を作成し、日誌も合わせてそれぞれの自己評価欄に記入しています。評価をもとに、必要に応じて次期の計画の見直しをしています。

・1、2歳児全員と、3歳児以上の特別な配慮の必要な子どもの個別指導計画を2か月ごとに作成しています。個別指導計画の見直しは、年齢ごとのケース会議での検討事項を反映して、子どもの発達状況に合わせて必要時変更しています。

・外部研修や横浜市中部地域療育センターの巡回相談を受けるなどして子どもへの対応を学び、ケース会議や職員会議で共有して保育にあたっています。

・アレルギー疾患やぜんそくなどの症状や対応について研修で学び、食物アレルギーのある子どもへは、除去食・代替食を提供しています。できるだけ通常の食事と見た目に差が無いように配慮しています。

・要望・苦情の受付担当は主任で、解決責任者は園長であることを、入園のしおりや重要事項説明書に明記して、入園説明会で保護者に伝えています。第三者委員に保護者が直接苦情を申し立てることができる体制があります。

・歯磨きは1歳児から導入し、クラス担当職員が5歳児クラスまで全員の子どもの仕上げ磨きを行っています。子ども自身の歯磨きへの意識づけとして、4、5歳児は年1回、歯科衛生士による染めだしや歯磨き指導を受けています。

・入園のしおりに感染症について二次感染防止対策を掲載し、感染症予防・除菌対応として、洗浄除菌水生成装置で二次感染防止を行っている旨を伝えています。

・「安全管理・事故対応アニュアル」や「災害非常時の手引き」を完備し、毎月避難訓練を実施し、消防署職員による水消火器訓練を実施しています。防犯訓練を年2回行っています。救急救命法は、全職員が受講済みです。

4 地域との交流・連携

・園行事の高風縁日、運動会に地域住民や卒園生を招待しています。高風縁日は、出店やゲームコーナー、手作り製作コーナー、カレーライスなどの提供もしています。園行事の人形劇観賞会開催を、町内の掲示板で地域住民に案内しています。

・毎年6月の花の日礼拝や11月の感謝祭には日頃お世話になっている近隣住民、交番、緑の協会、小学校などに感謝の気持ちを込めて花や果物を届けています。

・横浜市緑の協会と年2回、子どもたちが協会員と一緒に公園に花を植えたり、管理を行うなどの交流をしています。

・大鳥中学校、本牧中学校から職業体験として毎年30名以上の中学生を受け入れています。小さい子どもと関わる経験が少ない中学生には、貴重な体験の機会となっています。絵本の読み聞かせのボランティアを受け入れています。

・・中区グランマ保育園事業を実施し、地域住民に絵本の貸し出しを行っていますが、利用者がいません。公園に遊びに来た子どもたちには遊び道具を貸し出し、一緒に遊んでいます。

・毎年、中区保育園駅伝大会に参加し、子どもたちの頑張りで好成績を上げています。幼・保・小連携事業で、小学校1年生・5年生と交流しています。また、あいりす本牧保育室やあいりす新山下保育園を行事に招待し、交流しています。

・毎年、横浜女子短期大学の行事に招待され、5歳児クラスが参加しています。短大学生と子どもの体操による交流行事「美しき躍動」や短期大学の「保育内容研究発表会」に参加し、子どもたちは学生との交流を楽しんでいます。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・創設者の書による保育理念を園内に掲示し、基本方針は入園のしおりや保育課程に明示しています。

・園の自己評価は、毎年理念、園目標などに沿って行い、、改善課題を抽出して職員会議で周知し、非常勤職員も含め全職員で共有しています。また、玄関掲示板に掲示して、保護者に知らせています。

・事業報告、決算報告は事務所横に掲示するほか、11月にニュースレターを発行して公表しています。社会福祉法人として横浜市のホームページにも公開されています。

・横浜市資源循環局のイーオ3R夢塾に来てもらい、子どもと一緒にごみの減量化と温暖化防止、資源の大切さを学びました。裏紙、牛乳パックや段ボールを利用し、生ごみは処理機にかけて、再利用しています。

・高風保育園中長期計画として、園舎建て替えも含め、平成27年〜35年までの長期展望をもって保育園運営の方向性を明示しています。施設整備、保育士の人材確保・人材育成を具体的な目標として、設置法人傘下の他園とも連携しながら園運営や保育の新たなしくみを検討しています。

6 職員の資質向上の促進

・「高風保育園人材育成計画」を設定し、個人面談、OJT(職場内訓練)、園のマニュアルの周知、園内・園外研修への参加を定めています。

・通常のマニュアルはクラスに保管してあり、非常勤職員もいつでも見ることができます。非常勤職員には、非常勤用マニュアルを配付しています。

・職員が自己評価を行う課題票に1年の目標・課題を記載し、課題票を基に園長と面談をして課題を明確にしています。課題票には園長がコメントを記載し、次期に繋げています。

・園長は園業務を統括し、クラス内のことについてはクラスリーダー、担任に任せ、園長・主任への報告・連絡・相談を徹底するよう指導しています。

・職員からの意見・提案は職員会議で収集し、改善に活かしています。最近では、夕方の円滑な保育についての提案があり、検討して改善に繋げた例があります。

・「実習生受け入れマニュアル」があり、毎年、系列法人の横浜女子短期大学から、実習生を複数人受け入れています。

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