かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

鎌倉はまなみ 鎌倉わかみや

対象事業所名 鎌倉はまなみ 鎌倉わかみや
経営主体(法人等) 社会福祉法人清和会
対象サービス 障害分野 多機能型事業所
事業所住所等 〒 248 - 0014
鎌倉市由比ヶ浜2-3-11
tel:0467-24-5873
設立年月日 1995(平成7)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 推進機構評価項目ガイドライン準拠版
評価機関名 公益社団法人 神奈川県社会福祉士会
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

○事業所の概要


 事業所はJR鎌倉駅から海に向かい徒歩8分ほどの住宅街にある。平成7年に鎌倉市が知的障害者施設として建設し、その運営を社会福祉法人「清和会」が受諾したことを出発点としている。平成28年3月より第3期目の鎌倉市の指定管理の指定をうけ現在に至っている。平成24年の自立支援法への移行時に、従来の授産施設系を多機能型の鎌倉はまなみ(生活介護事業定員10人、就労継続支援B型事業定員10人)、に、更生施設系を鎌倉わかみや(生活介護事業定員30人)に変更し施設運営を開始した。
基本理念に、「一人ひとりの人権と思いを大切にします」「自立した生活が送れるよう支援します」「地域交流を深め、明るいまちづくりをします」を掲げている。自閉系傾向の強い利用者を積極的に受け入れている。利用者一人ひとりの個性を尊重し、障害者の日常生活及び社会性を総合的に支援し、より多面的なサービス向上をめざして施設運営に努めている。
 
○優れている点


@働く喜びや達成感を大切にした日中活動を展開している。日中活動は、鎌倉はまなみの箱折班とベーカリー班、鎌倉わかみやのボール手芸班、軽作業班、受注班に分かれている。箱折り班は、一般事業所からの菓子箱折りや広告折り等の受注作業を主体にし、利用者の仕事に対する姿勢、意識、技術や能力の向上を図っている。ベーカリー班は、パンやクッキー等の製造販売を通して利用者の社会性を育むことを目的にしている。利用者一人ひとりがパン作りの技術を習得しお客に喜ばれるパン作りを目指している。ボール手芸班は自主製品のスポンジの布製サッカーボールを製作し販売し好評である。また、受注班はフードパックの具材のシール貼等の作業を行い、利用者の働く意欲と喜びを支援している。班の編成は、年度の初めに利用者の希望を尊重し、気が合った仲間づくりに配慮し決定している。


A利用者一人ひとりの人権擁護の職員意識の徹底を図っている。施設の基本理念に、「一人ひとりの人権と思いを大切にします」「自立した生活が送れるように支援します」を掲げている。また、「利用者の能力を信じ、個性や一人ひとりの気持ちを尊重した支援に努めます」を職員の行動指針とし全職員に周知している。平成29年度施設の年間運営計画の重点課題に、利用者の権利擁護に努め施設内虐待に対する研修及び人権委員会活動として虐待対応・防止マニュアルを整備することを明記している。利用者の家族による虐待を発見し、市に通報して対応した経緯がある。ただ通報しただけではなく、自宅訪問を重ね、法律を説明し、家族の理解を得て改善の方向へ導いている。


B地域の社会資源の一つとして、地域に根ざした開放的な施設の運営に努めることを年間運営計画の重点目標にしている。パンの販売コーナーが入口奥にありガラス窓越しにその様子も見ることができる環境になっている。1日10〜20名の住民が来てパンを購入し利用者と顔馴染みになっている。施設を地域に開放し、住民(高齢者)が散歩の際に1階の障害者トイレを気軽に使用している。地域交流を積極的に推進している。平成28年度は、地域ふれあい祭りやバザー等各種イベントに積極的に参加し、年間30回程度に及んでいる。また、地域のボランティアを積極的に活用している。平成28年度は施設内作業援助、植木剪定等延べ80名を超えている。


C20年間、毎月、避難訓練を実施している。訓練の実施に合わせて職員がマニュアルの内容を再確認し、災害発生時の迅速な対応に努めている。長年の訓練の継続により、避難で重要な「おかしも」((お)押さない、(か)かけない、(し)しゃべらない、(も)戻らない) は利用者が内容を説明できるまでに至っている。


○独自に工夫をしている点


@パン教室を夏休み期間に年1回開催し、小学生40名が参加している。パン教室は、技術指導員がパン作りの指導を行い利用者も一緒にパンづくりを行っている。小学生にとっては知的障害者と交流し、その特性を知る機会となっている。また焼き上がるまでの時間帯は、施設見学も行っており、障害者手芸品の制作過程を知る機会となっている。


○改善すべき事項


@利用者の高齢化等支援内容の変化の状況に配慮し、生活支援マニュアルや生活環境に関するマニュアルの整備が望まれる。また、リスク管理マニュアル等サービス管理に関するマニュアルの整備が望まれる。


A年に2回、2月と9月に内科検診を実施し、3ヶ月ごとに看護師が訪問し生活支援員や利用者の健康相談に応じている。障害支援区分の高い利用者が多いこともあり、看護ケアの一層の充実が求められる。看護師の配置に工夫が望まれる。
評価領域ごとの特記事項

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 @職員には年度の初めの支援会議や、朝の打合せで、人権尊重について等周知徹底をはかっている。気づいたことについては常にお互いをチェックして報告しあうことの習慣づけをしている。
A新採用の職員に対し「あおぞらプランU」を使用して、利用者の人権擁護研修を実施している。平成29年度の採用者については4月に3日間をかけて実施し、「利用者の権利保障」「支援者のための虐待ハンドブック」を配布し人権意識の徹底を図っている。
B隔月にオンブズパーソンが来所し、利用者の相談に応じ人権擁護の立場での利用者支援を行っている。
C利用者の家族による虐待を発見し、市に通報して対応した経緯がある。ただ通報しただけではなく、自宅訪問を重ね、法律を説明し、家族に理解を得て改善できる方向へ導いた。
D法人の個人情報保護規程に基づき職員には利用者個人の情報を、施設外で話題にすることを厳禁しており、来訪者にも個人情報が漏れないように、配慮している。また見学者にも見聞きした個人情報を他者には漏らさないように注意を依頼している。利用者個人の各種記録はパソコン内で管理し、パスワード設定をしてセキュリティを保っている。職員のパソコンはUSBを使用できないようになっており、持ち出しによる漏洩のないようにしている。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 @個別支援計画作成時に利用者や家族に対し意思や希望、思いの把握に努めている。障害の軽重にかかわらず、生活の質の向上を求めて個別に利用者の希望などを聞き、他の社会資源(居宅支援事業・就労支援事業等)の利用を検討している。
A日頃のコミュニケーションの中から、日常の会話を通して利用者の意向を汲み取ることができるように配慮しているが、重度の障害ではそれが難しい場合もある。その場合支援員はチームで話し合い、利用者本人にとって何が一番必要なニーズかということを検討して対応している。
B家族には6ヶ月毎に面接をして、今後の意向等について確認している。家族のほ
とんどは利用者が楽しく毎日を過ごしてくれればそれが一番良いといった意見である。ヘルパーや支援員の意見も確認し本人にとってより良い支援内容に出来るように配慮している。
Cパン作りを担当している利用者が、その経験を活かして、パン制作に関わる就労を目指している。職員は就労説明会に参加できるように配慮している。また、地域の学習センターに通いパソコンを使用しながら地域の方々と交流することが可能な利用者には、学習センターまでのウオーキングを日頃の計画に入れて支援している。
3 サービスマネジメントシステムの確立 @法人の苦情解決規程があり、施設玄関に苦情解決制度と「苦情受付責任者」「苦情解決責任者」を明記したポスターを掲示し、苦情解決第三者委員の氏名と顔写真を掲示している。また、苦情解決委員会を年に1回開催している。必要に応じて第三者委員にも相談し、その結果は翌日の朝礼や支援会議等で職員に周知している。
Aリスクマネジメント体制を整え、事故・不祥事を防止することを年間運営計画の重点事項に明記している。ヒヤリ・ハット報告は対策等を検討し、朝の打ち合わせで発表し全職員に周知している。また、年間の報告を集計しリスク傾向を分析し、内容を5段階に分類しリスクレベルに応じで十分な対策をとるようにしている。
B「社会福祉施設における感染症マニュアル」(神奈川県鎌倉保健福祉事務所作成)を活用し感染症の防止に努めている。3年前のノロウィルス、2年前のインフルエンザ罹患の利用者が発生したことを踏まえ、その予防と蔓延の防止についてリスクマネジメント委員会で協議し、標準予防策の手洗い等対策を写真入りで掲示し、全職員と利用者に周知している。
C20年間、毎月、避難訓練を実施している。訓練の実施に合わせて職員がマニュアルの内容を再確認し、災害発生時の迅速な対応に努めている。長年の訓練の継続により、避難で重要な「おかしも」は利用者が内容を説明できるまでに至っている。(お)押さない、(か)かけない、(し)しゃべらない、(も)戻らない
D年に3回防災委員会を開催し最新の動向等を話し合い、翌日の朝礼で他職員間の情報共有を図っている。また、毎年、新人職員は消防署が主催する救命救急法講習会に参加し、必要な知識と技術を習得している。更に研修後は、支援会議にて発表するため、習得度が再確認されると同時に、ベテラン職員も復習する機会となっている。
4 地域との交流・連携 @年間運営計画の重点目標に「地域の社会資源の一つとして、地域に根ざした開放的な施設の運営に努めます」と明記している。地域交流を積極的に推進している。平成28年度は、地域ふれあい祭りやバザー等各種イベントに積極的に参加し、年間30回程度に及んでいる。また、地域のボランティアを積極的に活用している。平成28年度は施設内作業援助、植木選定等延べ80名を超えている。
Aパンの販売コーナーが入口奥にありガラス窓越しにその様子も見ることができる環境になっていて、1日10〜20名の住民が来てパンを購入している。また、施設を地域に開放している。住民(高齢者)が散歩の際に1階の障害者トイレを気軽に使用している。
B施設長が中学校と高校の総合学習の講師となり、地域の福祉意識の向上に努めている。パン教室を夏休み期間に年1回開催し、小学生40名が参加している。パン教室は、利用者も一緒にパンづくりを行っているため、小学生にとっては知的障害者と交流し、その特性や能力を知る機会となっている。また焼き上がるまでの時間帯は、施設見学も行っており、手芸品の制作過程も知る機会となっている。リピーターに加え、20年経った今職員になった小学生もいる程である。
5 運営上の透明性の確保と継続性 @施設の基本理念に、「一人ひとりの人権と思いを大切にします」「自立した生活が送れるように支援します」「地域交流を深め、明るい街づくりをします」を掲げている。また、理念の実践に向けた職員の行動指針を定め職員に周知している。理念や職員の行動指針を「ご利用のしおり」に明記し、利用者・家族に説明している。
Aホームページに施設運営方針を明記し、サービス支援内容、日中活動内容等を掲載している。また、法人としての年度ごとの決算報告書、事業報告書をホームページに開示し透明性の確保に努めている。
B毎朝の朝礼、支援会議の場で施設長自ら業界の動向を紹介し、理念と方針を周知している。年間運営計画に施設の運営方針を明記し、年度ごとの重点目標を定めている。利用者の障害特性に見合った支援を行うため、構造化等活動環境の整備を実施すること等を重点取り組み課題とすることを明記し、職員に周知している。
6 職員の資質向上の促進 @平成28年度は人権研修、強度行動障害養成研修、防災研修等53回の外部研修を受講している。内部研修は施設長が講師となり、成年後見、てんかん、感覚統合等の研修を実施している。平成29年度より研修計画を立て職員の育成を推進している。
A外部研修後受講者は必ず報告書を作成し資料を添付した上で、施設内で回覧し、支援会議の際には概要を発表している。その後、必要時に閲覧できるようファイリングしている。
B新人研修時には、障害の特性に加え、ケースワーク技法や面接技術の基本を学べるように内容を準備している。また、社会福祉、保育、教職の実習生を受けている。平成28年度は、12名(延べ111日)の実習生を受け入れている。機関側から提出された指導要領に基づいて、現場の支援員が指導にあたっている。

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