かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク本牧保育園(3回目受審)

対象事業所名 アスク本牧保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 231 - 0827
中区本牧和田12-23
tel:045-628-1486
設立年月日 1952年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]


アスク本牧保育園は平成27年4月に開設し、定員60名で現在59名が在籍しています。園はJR京浜東北・根岸線「根岸駅」からバスで10 分の桜並木沿いにあります。園舎1階を0、1歳児クラス、2階は2〜5歳児クラスが使用しています。
園の周辺は閑静な住宅地や商業店舗などが混在した地域となっています。園庭や屋上スペースで遊ぶほか、近隣に大小様々な公園があり、戸外活動に利用しています。
設置法人は株式会社日本保育サービスで、首都圏を中心に全国200ヶ所以上の保育所・学童クラブ・児童館を運営する「総合子育て 支援企業」です。特徴のある保育として設置法人グループ内から派遣される専門講師による英語、体操、リトミック教室の保育プログラムがあり、子どもたちは異文化に触れ、思い切り体を動かして、音楽に合わせて自由な表現活動を楽しんでいます。


≪優れている点≫


1.  子どもが十分に遊べるコーナー保育が充実しています
子どもたちの主体的な活動や落ち着いて遊び込める環境構成として、保育室のコーナー作りに力を入れています。廃材を利用した職員手作りの衝立、小テーブル、小イスのほか、カラーボックスやマットを活用し、遊びごとのコーナーを作っています。絵本のコーナーでは子どもは好きな絵本を寝転がり、腹這いになって読んでいます。カラーボックスで囲ったおままごとのコーナーでは、子どもが一人入れるほどの段ボールの箱を利用して別空間を作っています。1歳児クラスでは牛乳パックの手作りソファに子どもが座り、ごっこ遊びをして、運動会の競技で使った牛乳パックの梯子を寝かせて、トンネル遊びなどに利用しています。幼児クラスでは、子どもが自由にぬりえやパズルができるように机の配置を工夫し、マットでは電車を走らせるなど静と動のコーナーを作り、子どもたちは思い思いの遊びを楽しんでいます。


2. 家庭的な雰囲気を大切に「一人一人を大切にする保育」に努めています
園独自の目標を「あかるく」「げんきに」「のびのびと」とし、日々の保育にあたっています。園目標は横浜保育室時代からの継承ですが、全職員で話し合い、横浜保育室から引き継いでいる家庭的な雰囲気を崩すことがないようにと園目標を継続することとし、職員は実践につなげています。全体を見て保育をしながらも「一人一人を大切にする保育」について園内研修を実施し、職員の考えや思いを出し合っています。また、クラス担任同士で子ども一人一人の伸ばしていきたい部分など話し合い指導計画の練り直しなどを行っています。0〜2歳児クラスの個別の保育連絡ノートは、その日の子どもの様子などを丁寧に記載しています。保護者も家庭での出来事、ちょっとした心配事など記載し、担任と密な連携が図られていることがうかがえます。


≪努力・工夫している点≫


1.子どもたちは積極的に地域の人々と交流しています
 散歩の途中や公園で出会う地域の人に、職員と子どもは積極的に挨拶しています。デイサービスを利用している高齢者と窓越しに手を振り合い、消防署では消防車に乗せてもらい、署員に話を聞くなど交流しています。ハロウィンでは地域の商店の協力を得て、シールを受け取っています。勤労感謝の日には商店やデイサービスを訪問し、プレゼントを渡しています。
また幼児クラスは中図書館で絵本を借りて、地区センターのプレイルームで、遊びに来ている地域の親子と交流を図っています。本牧小学校の交流会では1年生に校内を案内してもらい、教室で一対一で遊び、中区保育園合同駅伝大会では、同じ小学校に通う他園の子どもとじゃんけん列車などの遊びを通じ、小学校入学に向けて期待感を膨らませるなど、地域の人々との交流を通じ、子どもの生活の充実と地域の理解を深めています。


≪課題や改善することが期待される事項≫


1.研修の成果を職場で活かすための工夫が期待されます
設置法人の階層別研修や自由選択研修の仕組みがあり、職員個人のスキルアップ体制を整えてます。園内研修は、嘔吐処理や心肺蘇生法などその時に必要な知識の習得のため、非常勤職員も受講できるよう、何回か設定しています。外部の研修案内は職員ロッカー室に掲示しており、学ぶ環境をつくっています。今後は、個人提出の研修報告レポートの閲覧に留まらず、研修受講後には他職員も共有できるよう発表の機会を設けて、外部研修などで学んだことを現場に活かしていくための検討などさらなる工夫が期待されます。


2.保護者からの苦情、要望、相談など記録に残し、今後に活かす仕組み作りが期待されます
開園時からの保護者からの苦情、要望をまとめたファイルがありますが、記録の欠落など整合性に欠ける部分があります。保護者からの相談についても口頭でのやりとりで解決に至った場合など、記録に残っていない場合があります。今後は、小さな事例でも記録に残すことでデータを蓄積・整理し、解決に活かして、継続的なフォローができる仕組み作りが期待されます。


3. 保育園の専門性を活かした子育て支援サービスの提供について検討が期待されます
中区独自の子育て支援であるグランマ保育園事業(実家のおばあちゃんに頼るような心のよりどころになるようにという主旨)の一環で、園では絵本の貸し出しを行っていますが、実績はなく、認知度も高くありません。今後は、園として取り組める範囲で、保育園の専門性を活かした子育て支援サービスの提供について検討が期待されます。
 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 設置法人の4項目からなる運営理念と子どもの「自ら伸びようとする力」「後伸びする力」を育てる保育、「五感で感じる保育」の充実を基本方針として掲げており、子ども本人を尊重したものとなっています。園独自の目標を「あかるく」「げんきに」「のびのびと」とし、保育にあたっています。園目標は横浜保育室時代からの継承ですが、全職員で話し合い、横浜保育室から引き継いでいる家庭的な雰囲気を崩さないようにと園目標を継続することとし、職員は実践につなげています。
職員は子どもを急かしたりせず、子どもの年齢に合わせて穏やかにわかりやすい言葉で話をしています。また職員は子どもの目線に合わせて語りかけ、子どもの気持ちや発言を受け止めるようにしています。乳児クラスではスキンシップをとりながら、代弁などで子どもの気持ちを汲みとるよう心がけています。職員は入職時に「人権について」の研修を受けています。
個人情報の取り扱いや守秘義務については、全職員は入社時研修やオリエンテーション時に説明を受け、「誓約書」を取り交わしています。個人情報に関する書類は、事務所の施錠できるロッカーに保管し、持ち出しを禁止しています。実習生やボランティアはオリエンテーション時に「承諾書」に押印しています。保護者に対する個人情報の取り扱いについては、入園説明会で説明し、ホームページに掲載する写真について承諾書を得ています。
遊びや行事の役割、持ち物や服装などで、性別による区別はせず、子ども一人一人の好みや意向を尊重しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育課程に基づき、年齢ごとに前年度の反省をふまえた年間指導計画を作成しています。月間指導計画、週案を作成する際は、日々の子どもたちの考えや発言、興味関心を反映するようにし、子どもが意欲的に活動できるようにしています。全体を見て保育をしながらも「一人一人を大切にする保育」について園内研修を実施し、職員の考えや思いを出し合っています。
保育室のコーナー作りを充実させることで、各保育室とも子どもの発達に応じた環境を作っています。低い棚や、遊びによって段ボールや牛乳パックの手作りのパーテーションを使用し、低年齢児が小さなグループでも遊べるようにしています。
個別指導計画は担任が作成し、子ども一人一人に合ったねらいを設定し、それらの達成を意識しながら保育をしています。また、職員会議で共通事項として話し合い、ほかの職員からの意見も参考にして柔軟に変更、見直しを行っています。保護者には離乳食の進め方やトイレトレーニング、食具の使い方など子どもの状況に合わせて説明し、同意を得ています。
園庭で大根、さつまいも、ブロッコリーなどを栽培し、観察して図鑑で調べて絵を描き、収穫した野菜を給食やクッキング保育で活用しています。散歩で出会う地域の人々と積極的に挨拶を交わし、消防署では消防車に乗せてもらい、消防署員から話を聞くなど交流しています。子どもたちはクワガタ、めだかなどを飼育し、散歩の途中でドングリや雪などを手に取って触れ、鳥や花を観察するなど自然に触れる機会を持つようにしています。
食事、排泄、睡眠については一人一人の発達状況・健康状態や生活パターンを把握・考慮しながら、保護者と連携を取り、家庭との連続性を心がけています。園で提供している食事について、月1回の給食会議で食材の味付けや刻み方、ゆで方を検討し食事作りに反映しています。「好きなものをお腹いっぱい食べる満足感」を大切にし、苦手な物を食べられた時は褒めるなど子どもが自信を持てるよう配慮しています。栽培活動、クッキング、食環境整備は年齢発達に応じて実践しています。
個別の連絡帳、送迎時のやりとり、懇談会、個別面談、保育参加、園行事など保護者との交流の機会を設けています。園だよりなど毎月の配付物で情報提供をしています。今年度5月からの新しい打刻システム(パステル)や毎日発信される園情報をスマートフォンやパソコンから確認することができる保護者向けの新サービス「hugnote」の試験運用も始まっています。


3 サービスマネジメントシステムの確立 入園時に把握した生育歴を始め、入園後の子どもの成長発達記録は、児童票、健康調査票、個人健康記録表に記録し、クラスごとにファイルしています。0〜2歳児は毎月、3〜5歳児は3ヶ月ごとに発達状況を確認しています。記録内容は書庫に保管し、全職員が共有できるようにしています。クラスの進級時には、児童票を基に、新旧の担任で申し送りを行っています。
食物アレルギー、外国籍、家庭支援の必要な子どもなど特に配慮を要する子どもを受け入れる体制があり、受け入れています。クラス会議のほか、職員会議で各クラスの様子を確認して、ケース検討を行っています。設置法人の方針として、統合保育を行っています。また、設置法人の発達支援アドバイザーから情報を得て相談ができる体制があるほか、必要に応じて横浜中部地域療育センターの巡回相談で、援助方法などアドバイスを得ています。
玄関に意見箱を置き、行事後に保護者アンケートを行い、意見や要望の把握に努めています。さらに職員は送迎時に保護者に積極的に声をかけ、要望を聞くように心がけています。園のみで解決できない場合は設置法人や中区こども家庭支援課と連携して対応することとしています。
健康管理・衛生管理・安全管理などに関する各マニュアルを整備し、マニュアルに基づいた対応や訓練を行っています。行政、医療機関、児童相談所など必要な関係機関・地域の団体をリスト化しています。
4 地域との交流・連携 園見学者からの質問や相談を通じて、地域の子育て支援ニーズを把握しています。今後は把握したニーズを記録に残されることが望まれます。また、園長が中区の園長会に出席し、情報や意見交換をしています。
中区独自の子育て支援であるグランマ保育園事業(実家のおばあちゃんに頼るような心のよりどころになるようにという主旨)の一環で、園では絵本の貸し出しを行っています。
園の夏まつりに近隣の人を招待して、8組の参加を得ています。地域の商店の協力を得て、ハロウィンパーティーで商店を訪問し、勤労感謝の日にはプレゼントを届けています。本牧小学校の1年生との交流会や中区保育園合同駅伝大会に参加し、連携を深めています。夏のプール遊びなど園庭で行事を行う時は、近隣へ事前にお知らせして挨拶に行き、地域住民の理解を促しています。
園見学者には園長が園の基本方針、概要、サービス内容などパンフレットに基づき説明しています。利用希望者からの問い合わせには園長が対応し、見学できることを伝えています。見学日は子どもの活動の様子が分かりやすい平日の午前10時頃としていますが、見学希望者の都合に合わせ、午後や土曜日でも対応しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 職員が守るべき法・規範・倫理などは「保育園業務マニュアル」や「就業規則」で明文化されており、職員は入社時研修により周知しています。設置法人のホームページで園の経営、運営状況を公開しています。
設置法人にコンプライアンス委員会があり、園と職員を指導し、あわせて不正などを職員から直接通報できる仕組みを整えています。また、毎日2回設置法人からのアクシデント速報発信や設置法人本部での園長会議で報告された他園の事例などを職員会議で話し合い、自園のルールを再確認しながら職員のモラルアップを図っています。
設置法人で、事業運営にかかわる情報の収集・分析をし、次世代の組織運営に備えると同時に、計画的な後継者の育成も行っています。園長は、設置法人での園長会議などで情報を収集し、職員会議で職員に周知しています。
6 職員の資質向上の促進 設置法人作成の「保育士人材育成ビジョン」に基づき、各職員の持つ知識や経験に照らし、目標を明確にした人材計画が策定されています。職員は年度初めに目標を立て、実績や達成度について半期ごとに自己評価し、園長、設置法人のスーパーバイザー、部長の評価およびアドバイスを受け、次年度の目標につなげています。
第三者評価を毎年受審しているので、その際の自己評価において園の自己評価を計画的に行う仕組みをつくっています。第三者評価結果を基に、園の自己評価を行っています。
園長は職員の改善提案や意見を職員会議や日常会話の中で把握し、いつでも職員と個別に話ができる環境を整えています。また、設置法人に「提案メールBOX」というメールで業務改善の提案ができるシステムがあり、職員からの提案に対して、迅速な対応が取れる仕組みがあります。さらに、「良い職場推進委員会」を設置し、希望者が参加し、業務についての話し合いできる仕組みも作っています。

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