かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ナーサリースクールT&Y南台

対象事業所名 ナーサリースクールT&Y南台
経営主体(法人等) 社会福祉法人 さとり
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 252 - 0314
南区1-4-20
tel:042-851-5828
設立年月日 1949年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
ナーサリスクールT&Y南台は社会福祉法人さとりが平成23年4月に開園し運営する認可保育所です。園は小田急線「小田急相模原」駅から徒歩約10分の所にあります。園舎は鉄筋コンクリート造3階建で、屋上庭園があり夏場には子どもたちがプールを楽しんでいます。
園は0歳から就学前までの定員60名(調査日56名在園)の中規模保育園です。開園時間は午前7時から午後7時です。通常の保育のほか、延長保育、障がい児保育、一時保育、地域子育て支援事業などを実施しています。
園は「子ども一人ひとりを大切にし、保護者との一体感を持ち、地域との交流を深め、愛される保育園を目指します」を保育理念としています。


≪優れている点≫
1. 子どもたちと職員が一体となり、 一人ひとりの子どもを園全体で見守る保育をしています
園では、定員60名という規模が保育を行う上での最適な環境としてとらえています。この規模のもとに、色々なクラスの子どもが担任以外の職員にも「〜先生」と声をかけて話をしており、園全体の子どもと職員が一体となって過ごしています。1、2歳児の保育室は隣り合って仕切りがないために、お互いに活動の様子を見る事ができ、コーナーの棚越しにおもちゃの貸し借りをしています。3〜5歳児は、通常では異年齢保育を実施して一緒に活動をしています。
さらに、園全体で異年齢の交流を行い、幅広い異年齢保育を実施しています。毎月1回「仲良しの日」を設けて、積極的に異年齢での活動を取り入れて交流を行っています。こうした交流を通して、子どもたちは年上への憧れの気持ちや、年下や苦手なことがあるお友だちに対して思いやりの気持ちなどを育くんでいます。
職員は一人ひとりの子どもたちの発達状況をふまえて指導計画を立て、年齢ごとの発達に応じた活動にも配慮しています。クラス会議や配慮児会議、職員会議などで、一人ひとりの子どもの個性や特性を共通理解するために時間を設けてケース会議で話し合っています。異年齢の子どもたちの交流について議論して取り組みを検討して実施しています。


2. 職員同士のコミュニケーションにより、家庭的で温かい保育環境を作っています
園は職員に「穏やかに一人ひとりの子どもたちと向き合い、子どもの気づきやかかわりを大切にする保育者であってほしい。」と伝えて指導しています。1クラス10人以下という小集団になることを活かして職員は子どもに接しています。職員は担当以外のクラスの子どもたちの状況にも関心を持ち、職員室の会話の中では担当外クラスの子どもの状況や子どもの気持ちへの配慮についてのコミュニケーションを大切にしています。
すべての職員同士で助け合う環境により、職員が子ども一人ひとりの成長や個性を把握して、個々に応じた細やかで温かな家庭的保育を実践しています。その結果、子どもたちは一人ひとりがのびのびと個性を発揮し、家庭的で温かい環境を実感できる保育になっています。


3. 子どもたちが主体的に活動ができ、落ち着きのある保育環境が整えられています
0歳児から5歳児まで、年齢、発達に沿った玩具を子どもが自分たちで自由に選択できたり、取り出したりすることができます。1、2歳児の保育室にはままごとセットが低い棚にあり、食器をしまう時に置き方がわかるように図が書かれています。人形や、ブロック、絵本、ルールを作って遊ぶゲームなどがそろえられています。2歳児の遊具の入っている棚の上には職員が作ったミニカーのコースがあり、子どもたちのお気に入りになっています。
職員が作った大きくて丈夫なボックスは巧技台として使われています。押入れの下にスペースを設けて、子どもたちがままごと遊びなどを楽しんだり、一人で落ち着ける場所にもなっています。
3〜5歳児の部屋にもさまざまな遊びのコーナーを設けています。廃材もすぐに使用できる場所に置いて、子どもたちが自分の表現遊びを自由に楽しめる環境にあります。また、子どもが転がったり、ゆっくりと過ごせるコーナーも設けています。職員が子どもの活動内容や、興味を取り入れ様々な工夫により保育環境を整えています。



≪課題や改善することが期待される事項≫
1. 自己評価から研修につながる職員の人材育成の仕組み
園はキャリアアップ研修などを通して、人材育成に努めています。職員の自己評価にもとづき、園長と職員が個人の業務の振り返りを行っています。人事については、法人の事務局もかかわり人材育成活動を行っています。今後はこの取り組みを結果につなげるため、自己評価と研修、さらに人事考課とが一体的になることが期待されます。
自己評価の振り返りを通じて、職員の目標を明確にして課題抽出を行い研修計画につながることが求められます。将来の自分の目標をイメージできれば意欲向上につながります。法人と園が連携した人材育成活動のさらなる向上が望まれます。


2. 衛生管理、感染症について専門的な研修
衛生管理、感染症についてのマニュアルがあり、職員同士の連携によって、自分たちで気になったことを改善できるように取り組んでいます。看護師が常駐していないために、日々の保育でも専門職からの視点での指示を受けられない状況にありますが、法人内の看護師が巡回で来園する計画になっています。
今後は、職員が子どもへの健康管理や衛生管理に自信を持つための活動が求められます。法人内の看護師による、衛生管理や感染症について専門的な研修を行い、定期的な来園による連携を図ることが期待されます。研修実施や情報提供により、職員が保育に取り組めるとともに、保護者の安心にもつながります。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 園は「・・・全ての子供達が公平・公正に、健全かつ健やかな育成を促すため・・・保育を実践する。」などの保育理念のもとに日々の保育にあたっています。保育方針では「@自然に囲まれた保育の実現を目指す。A保育を通じ、子育て家庭を支援する。B地域や家庭との連携を基本とする保育の実現をする。C伝統行事に触れながら、家庭や郷土への愛情を育み、心豊かな人間の育成を図る保育を実現する。」の4 項目としています。
「職員の心得」において、子どもの精神的身体的なことについて触れることへの配慮、感情的にならずに話をするなど明記して保育を実践しています。職員は子どもに対して否定的な言葉を使わないなど、子ども一人ひとりを大切にしています。必要以上に大きい声で感情的に子どもを叱ったり、子どもの体を必要以上に揺さぶるなどの行為が行われないようにしています。不適切な行為が職員に見られたときには園長、主任だけではなく、職員間でも話し合える環境になっています。
全職員に配付される「職員の心得」で守秘義務について周知しています。年度始めには法人事務長と園長が説明して徹底しています。「職員の心得」には、児童福祉法に関する項目や、連絡帳など個人情報が記載されているものの取り扱いについて記載して、これをガイドラインとしています。保護者には、「個人情報の取り扱いについて」を配付して、園での個人情報の取り組みと保護者へのお願いを記載し周知を図っています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 食事の際には、子どもたちが食べることで体も心も満たされることを大切にし、達成感が感じられるよう取り組んでいます。子どもたちの食事の量は、一人ひとりが自分で食べきれるかどうかを考えて量を調節できるようにして、子どもが食べられたという達成感をもてるよう配慮しています。乳児は授乳するときや離乳食を食べる際には、職員は子どものペースを尊重し、子どもが食べることを楽しいと感じられるような言葉がけをしています。
0〜2歳児のけんかでは、かみつきや手が出ないよう職員がそばについて、思いを代弁するようにしています。3〜5歳児のけんかのときには、できるだけ子ども同士で解決するよう見守りながら、両者の思いを受けとめ、互いの気持ちを伝えるようにしています。園の管理運営規程には、子どもの人権に配慮した職員がしてはならない行為について明記しています。乱暴な言葉がけや、叱り方でしてはいけない行為を記載して職員に周知し、職員は子どもたちに穏やかに声をかけ、信頼関係が築けるように配慮しています。
排泄は活動の前、食事の前、午睡の後など活動の節目に誘っています。子どものトイレに行きたくない気持ちを尊重して無理に誘うことはせず、行きたいときに行くことができるように配慮しています。0歳児クラスでは、連絡帳に排便の時間を記入し家庭と連絡を取り合っています。トイレトレーニングは、個別計画表を作成し、保護者と連絡を取りながら、パンツに切り替える時期を決めています。おもらしをしたときには、ほかの子どもにわからないよう着替えをしていますが、おもらしをしたことを悪いことと感じさせないよう配慮しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立 入園直後には子どもの不安な気持ちに配慮して短縮保育を行っています。入園説明会で保育園に慣れるよう配慮が必要であることを説明し理解を求めています。0 歳児、1 歳児、2 歳児と3 歳児から5 歳児まで年齢別に日程が組まれています。徐々に園で過ごす時間を長くしていき7 日間を基本として通常の保育に移行していますが、日数はそれぞれの子どもの状況、保護者の就労状況に合わせて個別に対応しています。
園児一人ひとりの健康状態や、成長の過程、特徴などを記録し、それを基に担任が保育所児童保育要録を作成して、小学校に送付しています。これらの記録は担任だけではなく、全職員が共有するように各会議で話し合い、内容を共通理解しています。進級時には新担任と旧担任が子どもの情報について申し送りをしています。
配慮が必要な子どもが入園を希望された場合は、その子どもができるだけ楽しく園生活を送れるように支援をできるように考えています。その子どもの個別計画は未満児会議、以上児会議で検討するほか、職員会議でもケース報告を行い検討し全職員に周知しています。また、対応を変更する必要が生じた時には全職員に伝え、園全体で保育する体制ができています。園長、主任ともに発達支援コーディネーターの資格を取得しています。

4 地域との交流・連携 育児相談を月曜から金曜日までの8時半から16時半の間に受け付けています。電話での育児相談の実績はほとんどありませんが、来園した保護者からの相談に応じています。妊婦さんの来園も歓迎しています。お店屋さんごっこは、近隣の方が参加しやすいように年間行事を決める際に園の開放日に当てています。昼食の試食会を行い、栄養士からの説明も行っています。
市役所の巡回相談担当、児童相談所、病院などの関係機関とは必要に応じて連絡を取り合い連携しています。内容によっては相模原市の子育て支援課や児童相談所などの行政関係機関と園長が連絡を取り、適切な対応をとるようにしています。関係機関のパンフレットはいつでも入手・参照できるように玄関入口の脇に置き、貼り出しています。嘱託医、市の巡回相談にはいつでも申し込み・相談ができるようになっています。また、地域防災会議、近隣保育園と連携を取り、災害時の対応や備蓄の情報共有をしています。
園見学を積極的に受入れ、パンフレットを使いながらサービス内容などを丁寧に説明しています。一時保育や園開放で来園した方にも希望があれば見学に応じています。見学では日常保育の担当者の案内のもと見ていただいています。入園希望時期の見学については園長や主任が対応しています。できるだけ見学を受け入れて、園のことや保育目標について理解したうえで入園希望をだしていだだけるように努力しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性 守るべき法、規範、倫理について文書により明確にしています。入社時の新人研修では、「職員の心得」に従って法令順守、守秘義務を周知しています。園の行事で子どもたちの映像をとる場合があるので、事前に保護者から承諾をいただくようにしています。守るべき法、規範、倫理についての記事があったときは、職員会議で話し合うなど啓発に努めています。経営に関する報告は職員会議等で行っています。
保育士一人ひとりの自己評価から明らかになった保育所の課題を職員会議で話し合い、改善に結び付けるようにしています。園としての自己評価を作成するに当たっては、理念や基本方針、保育課程、保護者からの意見も参考にしています。職員からの改善提案を大事にして、園全員で現在の施設規模においてできる限りのサービス向上を目指していきたいと考えています。
運営法人内で複数の園があり、全体を見据えながら中長期の事業計画や事業報告書を作成しています。事業計画や結果は職員に説明しています。園長や主任は次代の施設運営に備え、運営やプロセスの改善が検討課題となっていると認識しており、次代の組織運営を支える人材として3人の副主任を任命しています。園の運営については、運営法人本体からの意見も取り入れ、保育内容や保育環境の改善に役立てています。

6 職員の資質向上の促進 自己評価による振り返りの後、園長と面談を行ってはいますが、目標を定めてはいません。個人評価表があり、年度の始めに現状、職員の思い、ありたい姿を記入し、年度末に振り返りを行っています。振り返りで個人の学びを得るようになっていますが、組織として振り返りを次の保育に活かすような活動が望まれます。園で必要な人材がバランスよく配置されるように園長や主任が注意を払っています。職員の役割や昇給については明文化しています。
職員は年度末に自己評価を行います。そのあと園長と個別に話し合い、各人の課題や日々の保育についての意見交換をしています。自己評価を行った上で園長と話し合いをして、向上を目指しています。平成29年から全方位にまたがる人事評価を行うようになりました。行政の保育課からアドバイスを受け、臨床心理士やケースワーカーともやり取りができる仕組みがあり、保育技術の向上に役立っています。

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