かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ゆたか保育園(2回目受審)

対象事業所名 ゆたか保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 恵友福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 246 - 0031
瀬谷区瀬谷1-1-3
tel:045-300-1800
設立年月日 1945年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 ゆたか保育園は、平成20年に開園した認可保育園で相模鉄道「瀬谷」駅から徒歩10分ほどの場所にあり、近隣は静かな住宅街です。建物は2階建てで広々としており、テラスには子どもたちが遊ぶことができるスペースを設けています。整った環境の中、0歳児から5歳児まで、60名の明るく元気な子どもたちが育まれています。保育理念として「様々な経験をし、未来へとつながっていく、社会で必要な人間力の基礎をバランスよく身につける」を掲げています。7時から19時まで(土曜日は7時30分から15時30分)の保育、また生後57日からの産休明け保育を実施しているほか、緊急保育、非定形保育、リフレッシュ保育などの一時保育を実施し、多くの利用者があります。また、広い園庭を挟んで同じ系列の幼稚園があり、職員や子どもたちの交流もあります。


《特に優れている点・力を入れている点》
○行事でピアノ演奏をできることを目標に2か月に1回、テーマ曲についてピアノ演奏の試験が行われ、入職時にピアノが弾けなかった保育士も含め、全員がピアノが弾けるようになっています
 園の研修計画は、初任者、中堅、主任などの階層ごとにテーマが決められ、この計画に基づいて外部研修に参加し資質向上に取り組んでいます。乳児・幼児保育、障がい児、食育、衛生管理、接続期、新保育所保育指針など多様な研修に参加しています。また、保育士は、行事でピアノ演奏をできることを目標にしています。2か月に1回、園から与えられたテーマ曲についてピアノ演奏の試験に臨み、園長による評価が行われ、合格しない場合は1か月後に追試が行われます。この取り組みにより、入職時にピアノの弾けなかった保育士も含め、全員が毎日の保育や行事でピアノが弾けるようになっています。


○月に1回、土曜日にさまざまなプログラムを組み一日研修を行っています
 園では、日ごろから職員のスキルアップを図ることに努めています。外部研修にもそれぞれの保育士が目的を持って積極的に参加しています。また、園長をはじめ保育士、栄養士も含む職員間でのコミュニケーションが活発で、栄養士も保育士と一緒に食事をしながら、子どもや保護者についてのさまざまな情報交換を行っています。また、保育士の先輩、後輩間での支援や相談も気軽に行われています。土曜日には午前中は各クラス単位でクラスの環境整備や子どものカンファレンスなどを行い、わからないことは、先輩保育士が進んで指導をしています。この日にピアノのテストもあります。午後は職員会議でカリキュラムのことや行事のことなど、さまざまなことを話し合っています。


○野菜作り、野菜の皮むき、クッキング、漬物工場の見学など、さまざまな体験を通して、食材への興味を持ち、食べる意欲につなげています
 園は食育年間指導計画表に基づき、食育に取り組んでいます。計画表は学期ごとに、乳児は食材に触れること、食べる意欲などをねらいにし、幼児は料理に興味を持つことや食器の持ち方などのマナーを身につけることなど、それぞれのねらいに基づき、行事、行事食、食育活動に分け食育に取り組んでいます。幼児は栽培園(園の畑)でブロッコリー、みょうが、おくら、いんげん、とうもろこしなどへの水やり収穫を体験し、作った野菜は給食で食べます。漬物工場の見学と漬物づくりを体験しています。2歳児のたけのこやとうもろこしの皮むき、3歳児のお月見だんごづくり、5歳児の午睡時間がなくなる時期に合わせたスウィートポテト、ホットケーキのクッキングなど、様々な体験をして、食材への興味を持ち、食べる意欲につなげています。


《事業者が課題としている点》
 保護者の自主的な活動について、今まで要望もなく実施をしていませんでしたが、要望があれば協力する旨をホームページや新年度説明会などで周知し、保護者間のコミュニケーションや保護者と園とのコミュニケーション等を活発にできるよう体制を整えていきたいと考えています。そのほか、園の環境への考え方や取り組み方を明文化し、実際の取り組みがわかるよう掲示やホームページに記載するなど周知できるようにしていきたいと考えています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 園では、保育理念として「様々な経験をし、未来へとつながっていく、社会で必要な人間力の基礎をバランスよく身につける」、保育方針として「児童の福祉を守り、心身の調和的な発達のために、子どもたちの生活や環境を踏まえて適切な養護と教育を行う」、保育目標として「元気にあいさつができ、人とふれあう中で思いやりの心が育つ」「友だちといろいろな遊びを体験する」などを掲げています。職員は入職時や年度末の職員会議で説明を受けています。内容は子どもを主体として考えられたものになっており、日々の保育活動にも取り入れています。健康増進のための「はだし保育」なども盛り込まれています。
 日ごろから子ども中心の一人一人を大切にすることを心がけて保育を行っています。保育中、子どもをせかしたり強制したりする言葉は使用せず、子どもの気持ちを汲むよう心がけて保育にあたっています。さまざまな取り組みの際も、余裕をもって行えるよう、ゆったりとした雰囲気作りを工夫しています。また、子どもの自尊心を尊重し、子ども個々の成長、発達に応じて、着替えや排泄の際も配慮をしています。子どもの人格を尊重したかかわり方については職員会議などで確認し合い、職員間で気になることがあれば声をかけ合うよう努めています。
 子どもが一人になりたい様子のときは、パーテーションでコーナーを作ったり、必要に応じて空いている一時保育室や事務室、広い廊下なども使用したりして、見守ります。また、トラブルがあったときや、おもらしをしてしまったとき、子どもと1対1で話し合う必要が生じた場合も、子どもの自尊心やプライバシーに配慮して、ほかの子どもから見えないような工夫、配慮をしながら優しく対応しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 保育課程は、子どもの最善の利益を考慮した内容となっています。保育を実践する際に理解しておきたい内容として、主任が中心となって職員の声を汲み入れながら園の大切にする保育の理念、方針、目標を踏まえて作成しています。子どもの年齢や発達に応じて発達過程、養護、教育、食育についての細かな項目でまとめられ、年度末に全職員で保育や行事の振り返りをしながら、内容を確認し合います。現状の良い点を残しながら、新しい環境でのさらなる保育サービスの向上に向けて見直しています。保育課程について、保護者には、入園時や年度初めに説明し、必要に応じて園だよりやおたよりなどでも理解してもらえるように努めています。途中で改定があればその都度お知らせしています。
 年齢ごとの保育の年間指導計画、月間指導計画、週案などは、担任が中心となって、保育課程に基づき子どもの成長、発達を考慮しながら作成しています。園では、日ごろから子どもの自主性や主体性をはぐくむために、一人一人の子どもの意見や要望を汲み取るよう心がけ、子どもの様子や状況に応じて柔軟に計画を変更しています。例えば、縄跳びが人気のときには、縄跳びの時間を増やしたり、ごっこ遊びがはやっているときにはその遊びが発展するような内容に変更したり、子どもの要望を保育に取り入れたりしています。子ども中心で考える保育をしよう、という思いは職員へも浸透していて、保育士間でもお互い連携しながら、より良い保育サービスの提供に努めています。
 入園時には、園長、主任、担任、栄養士が保護者と子どもと一緒に面接を行います。面接では、保護者から提出される「児童連絡表」「健康生活調査票」をもとに子どもの生育歴や家庭の状況、要望などを細かく聞き取り、入園後に子どもが安心して園生活を楽しめるように適切な把握に努めています。また、園長が園の保育方針などをていねいに説明して保護者の理解を得ています。食事面についての情報は主に栄養士が把握します。さらに面接には子どもの様子の観察も行います。面接で得た情報のなかで、保育に必要な情報は職員会議を通して職員間で共有し、日々の保育に生かしています。


3 サービスマネジメントシステムの確立

 就学を迎える5歳児に関しては、年度末に保育所児童保育要録を作成し、小学校に提出しています。子どもや家庭の個別の情報は、入園時に得た情報とともに個別の「児童連絡表」ファイルに保管しています。また、入園後の子ども一人一人の成長発達状況については、「児童票」に記録していきます。成長発達記録は、0歳児では発達の様子を観察し、できたらチェックしていく書式(保育指導概案記録)を使用し、記録しています。児童票(1、2歳児用、3〜5歳児用)は生活面、遊びの面での様子を項目別に記入する書式で、期ごとに子どもの成長発達を記録し、課題を捉えて指導計画に反映させています。「児童連絡表」「児童票」などの記録は職員が共有して日々の保育に生かすとともに、重要な事項については進級時に申し送りをしています。
 園には積極的に配慮を要する子どもを受け入れる姿勢があり、職員は最新の情報を得るため横浜市や瀬谷区主催の研修や横浜市西部地域療育センターなどが主催する障がい児保育についての研修を積極的に受講しています。研修後は研修報告を行い、情報を職員間で共有しています。配慮を必要とする子どもの受け入れに際し、個別のケースについては職員会議で話し合って、記録を残し対応しています。なお、対象となる子どもには、個別指導計画を作成しています。必要に応じて、フリーの保育士がサポートするなどの配慮もしています。また、研修レポートなど共有する記録はファイリングして、いつでも見られるようにしています。
 園内には多目的トイレ、エレベーターを設置し、バリアフリーの環境が整備されています。配慮を必要とする子どもの受け入れにあたっては、個別指導計画を作成し、職員会議やクラス会議で子どもの支援方法などについて話し合う体制ができています。職員は横浜市西部地域療育センターなどの外部機関の研修に参加するなど、学ぶ機会を積極的に設けています。障がいのある子どもの受け入れに際しては、個別指導計画書を作成し、保護者の同意を得たうえで行政や専門機関と連携できる体制があります。また、職員会議などで子どもの特性、支援方法を共有し、必要に応じて担当の保育士を配置するなどのサポートを行いたいと考えています。障がいのある子どももほかの子どもとともに園での生活を楽しみ成長できるように配慮しています。


4 地域との交流・連携

 園のバザーや園の行事である運動会に参加された地域の子育て家庭や入園希望の見学者などから、一時保育などの要望を把握しています。また、瀬谷区の園長会に出席し、「赤ちゃんの駅」などの子育て支援ニーズを把握しています。公園で会った地域の子育て家庭や見学者にはその都度、離乳食や子どもの成長などについて育児相談を行っています。園長会に集まる他の保育園とともに、地域の子育て家庭の状況について話し合い、子どもの人権擁護や虐待防止について保育園で何ができるのかの支援策について検討し、園としてできることを検討しています。
 地域の子育て支援のため、園の保育への影響も考慮し、定員を3名と決めて一時保育を行っています。毎年5月に3歳児が横浜市の施設である「こどもログハウス」に出かけ、地域の子育て家庭の子どもと一緒にアスレチックのトンネルを楽しむなど、地域の子どもと園の子どもが一緒に遊んで交流しています。今年度は台風で中止になりましたが、毎年、地域の子育て家庭支援のイベント「瀬谷っ子まつり」に参加して、おもちゃづくり、外遊び、大型絵本の読み聞かせなどを瀬谷区内の他の保育園と協力して取り組んでいます。
 園の行事である運動会やバザーについて、園の外にある掲示板に掲示して情報提供をしています。園のホームページでは地域に園についての情報提供をしています。園の年間行事、園だよりや給食だより、地域の子育て支援の情報として一時保育の情報などを提供しています。「瀬谷っ子まつり」に参加して、園のポスターを作り、情報を伝えています。


5 運営上の透明性の確保と継続性  園のホームページでは園の年間行事、給食、職員体制、施設概要、保育時間、園長保育の料金、見学ができること、園だよりや給食だより、一時保育などについて写真や図表入りでわかりやすく情報提供をしています。また、横浜市や瀬谷区に園の情報を提供し、横浜市のホームページ「ヨコハマはぴねすぽっと」や瀬谷区のホームページに掲載されています。瀬谷っ子まつりでも園の情報をパネルにして将来の利用者に情報を提供しています。見学者には園のパンフレットを配布し、園の行事や運営の詳細について伝えています。
 見学者や問い合わせで来園した人については、園の保育目標、行事、給食、地域交流、施設概要、保育時間、職員体制、一時保育などを掲載した園のパンフレットで説明をし、見学者、問い合わせ内容について記録しています。問い合わせや見学者の対応は園長が担当になり、常時対応できるようになっています。電話での問い合わせでは見学できることを案内しています。見学希望者については土曜日も含め、園の運営に差し支えがない限りは、見学者の都合に合わせ対応していますが、できるだけ子どもの活動を見学できる平日の昼間を勧めています。見学は一日2名に限定し、園長が時間をかけていねいに説明しています。
 月間・年間指導計画を作成する際に保育士の自己評価をクラス会議で話し合っています。作成した指導計画は園長、主任がチェックしたうえで、リーダー会議や職員会議でも話し合われます。噛みつき、ひっかきなどの対応で、すぐに結果は出ないときも、子どもの様子を見て、子どもの気持ちを受け止め、しっかり汲み取ることを大切にすることなど、園の課題を明らかにしています。
6 職員の資質向上の促進

 園に必要な人材構成をチェックし、人柄、能力、技術を基準に採用し、理念実現に向け国の基準より多めの配置をしています。欠員が生じた場合は子どもとのかかわりを重要と考え、人柄と明朗さを基準に採用しています。採用がすぐにできない場合も非常勤職員などで補充しています。初任者、中堅、主任などの階層ごとの全職員対象の園の研修計画に基づき、外部研修に参加し、資質向上に積極的に取り組んでいます。また保育士は行事でのピアノ演奏を目標にしています。2か月に1回、園から与えられたテーマ曲についてピアノ演奏の試験に臨み、園長が達成度を評価しています。合格しない場合は1か月後に追試を行ってフォローしています。
 面接や日常の会議の中で職員の研修希望を把握し、研修担当者の園長、主任が研修ごとの参加者などを記載した研修計画を作成しています。園内研修は年3回のピアノ演奏の研修を行っています。非常勤職員には嘔吐物の処理方法、清掃の仕方などの園内研修を行っています。園外研修は、新任、中堅、リーダーごとの研修計画に基づき、乳児・幼児保育、障がい児、食育、衛生管理、接続期、新保育所保育指針など多様な研修に参加しています。研修に参加した職員は研修報告書を提出し、園長、主任が重要と判断した内容は、職員会議で報告し共有しています。研修報告書に基づき、園長、主任により研修の成果を見直し、次年度に生かしています。
 通常業務の流れ、子どもの受け入れ・引き渡し、健康管理など日々の保育のための「業務マニュアル」は非常勤も含めた全職員に配付しています。業務にあたっては、当日の子どもの登園状況や職員の配置状況を見ながら、職員と非常勤を組み合わせて配置しています。非常勤職員は園内研修には交代で全員が参加しています。非常勤職員の指導担当者は園長ですが、日常業務のコミュニケーションは同じクラスの職員がとり、非常勤職員は早番ノートに目を通したうえで保育室の配置につくようにし、共通認識に立って仕事ができるようにしています。折に触れ、園長、主任が声かけして非常勤職員の相談にのっています。


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