かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

平沼保育園(2回目受審)

対象事業所名 平沼保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 横浜クレッシュ
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 220 - 0055
西区浜松町13-6
tel:045-232-8744
設立年月日 1943年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
〇平沼保育園は、相鉄線「西横浜」駅から徒歩5分の位置にある、平成18年4月に開所した私立保育園です。近くには自然豊かな公園が多く、散歩コースに恵まれています。保育目標に「子どもたちが健康で楽しく過ごせる保育園」を掲げています。健康、安全で情緒の安定した生活ができる環境を用意し、集団の中で信頼感、協調性、忍耐力、自立心を育てることを保育方針としています。定員は68名(0〜5歳児)、開園時間は、平日は7時00分から20時00分、土曜日は7時30分から18時30分です。運動会、お誕生会、季節の行事、異年齢交流や地域の方とのふれ合いを通して、豊かな人間性を持った子どもを育てる保育をしています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○さまざまな体験を通して、子どもの主体性や感性が育てられています
 子どもたちが季節を感じて楽しく過ごすことができるよう、こいのぼり、七夕、クリスマス会、節分など暦や季節に合わせた行事のほか、運動会、お楽しみ会など子どもたちが主体性を持って楽しめる行事を実施しています。また、週1回全園児が集まって朝の会を開き、月1回お誕生会を行っています。その中で、運動会の司会や七夕の由来を紹介する劇を5歳児が行ったり、朝の会やお誕生会で子どもたちが司会や発表をしたりする機会を持つなど、子どもが主体となる場面を取り入れています。そのほか、月1回、全園児を対象に年齢に合わせて専門講師による音楽リズムやお話し会を行い、3〜5歳児クラスでは専門の講師による体操教室を実施しています。これらのさまざまな体験を通して、子どもの主体性や感性が育てられています。


○全職員が全園児について把握し大きな家族のような雰囲気のもと保育が行われています
 職員は毎日子どもの午睡の時間にミーティングを行い、子どもの健康状態などについて情報交換するほか、気になることがあるときには迅速に話し合う体制ができています。職員会議では、毎月、全園児の状況について報告を行い、全職員が全園児について把握して保育を行っています。会議では、折に触れて、理念や方針、「保育士の心得」などについて振り返りを行い、子どもたちが仲良くするために職員がお手本にならなくてはならないことを確認するなど、言葉かけや子どもへの接し方を題材に意見交換をし、子どもと信頼関係を築けるよう努力しています。このような取り組みにより、大きな家族のようなアットホームな雰囲気のもと保育が行われています。


○子ども一人一人を尊重する園でありたいと考えていて、特別な課題がある子ども、障がいのある子どもの保育にも力を入れています
 小規模園であることを生かして、全職員が全ての子どもの特性を把握して保育を実践しています。子どもたちの特性に応じて特別な課題がある子どもや障がいのある子どもについては、担任が毎月、個別の指導案を作成しています。月ごとの「ねらい」を定め、生活習慣や遊びの面で「今の子どもの姿」「予想される子どもの姿」「保育者のかかわり」を記し、さらに毎日の子どもの様子を見守り記録も残し、保護者とのかかわりや経過と評価なども記録しています。必要に応じて関係機関の助言も受け、毎日のミーティングや職員会議でも子どもたち個々の様子や状況について職員間で情報共有しています。全ての子どもが園生活や行事を楽しみ、将来への見通しをもってその子らしく自己肯定感を持てるように、工夫、配慮をしながら保育を行っています。


《事業者が課題としている点》
 人材育成の強化、地域支援、育児相談などに課題を見出し取り組んでいます。中でも地域支援では園のランチルームの開放や他園との交流保育に力を入れ、また育児相談については園内で日時を決めて行い、地域の子育て家庭の支援に取り組んでいきたいと考えています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

 園目標は「子ども達が健康で楽しく過ごせる保育園」、保育方針は「健康、安全で情緒の安定した生活ができる環境を用意し健全な心身の発達を図る」「集団の中で信頼感、協調性、忍耐力、自立心を養い明るく素直で思いやりのある豊かな心を育てる」「季節を通じて、身近な自然や行事、地域との関わりを持ちながら好奇心や知識をたくわえ、やる気を大切にし、感性を育てる」「のびのびとした環境の中で、個性を伸ばし、個々の発達に沿った保育を心掛ける」「お友達や安心できる人と一緒に楽しく食べることの喜びや、良い食の習慣を身につけ、年齢に合った身体的発達、精神的発達を考えながら食を通じて、健康に育てる」とし、利用者本人を尊重したものとなっています。園目標、保育方針は園内各所に掲示され、全職員で子ども一人一人を尊重した保育を行っています。
 園長は子ども一人一人を尊重する保育園でありたいと考えていて、職員に配付されている「保育士の心得」にも明記されています。子どもの名前を呼び捨てにしたり、あだ名で呼ばない、どの子どもにも公平に接し、威圧的な叱り方をしない、せかしたり強制したりせず穏やかに分かりやすい言葉で話すなどの内容は日常的に確認し合うほか、年度初めの全体会議でも確認し合って保育にあたっています。子どもの気持ちを汲み取り、年齢に応じて子どもが理解しやすいような工夫を心がけています。子どもがおもらしをした場合は、ほかの子どもに見られないように配慮し、子ども同士のトラブルの際は個々の特性を考慮しながら双方の話をよく聞いて状況を把握してから穏やかに対応します。
 子どもが友達や保育士の視線を意識せず 1人になりたいときなどは、状況に応じて段ボールで作った仕切りや可動パーテーション、ランチルーム、テラスにある大型遊具の中などを活用しています。職員は必要に応じて声をかけながら子どもの様子を見守ります。子どもと1対1で話し合う必要が生じたときには、保育士は子どもの自尊心やプライバシーに配慮してランチルームや空いている部屋、職員用の部屋など、ほかの子どもの視線を気にせず済むような場所で、子どもが理解し納得できるように穏やかにかかわるよう心がけています。


2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 保育課程は、保育理念にある「児童福祉法に基づき保育に欠ける乳幼児の最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進する」ことに努力し、子どもを預ける保護者とのコミュニケーションを密にし、様々な保育ニーズに対応できる保育園の運営を目ざし、子どもの最善の利益を第一義に作成されています。園長は子ども一人一人を尊重した保育を行うとともに、保護者支援も大切にする園でありたいと考えています。保育課程に沿った保育内容は入園時と年2回の懇談会で保護者に説明しています。
 保育課程を基に園の「基準保育計画」、年齢ごとの「年間指導計画」「月間指導計画」「週案」を作成しています。年間の「健康管理保健計画」も作成しています。日々の活動について子どもが見通しを持って1日を過ごせるように朝の会で伝えています。また、2歳児以上では、活動内容をイラストと文字でわかりやすく表した「絵カード」を、朝からお迎えの時間までの一日の予定に沿って、クラスごとに壁に掲示するなど工夫しています。また、日常の保育については活動のねらいを考慮しながら、子どもたちの様子や意見、自主性を尊重しながら計画を柔軟に変更しています。
 入園説明会の際に個人面談を行っています。保護者に記入してもらった「調査表(年齢ごとのアンケート)」「児童票」「児童健康台帳」をもとに、可能な限り入園後担任になる予定の職員が面談を行い記録を残します。子どもに食物アレルギーがある場合には栄養士も面談に加わります。また、入園説明会の日には子どもと親とのかかわり方や子どもの様子も観察しています。提出書類や面談で把握した一人一人の子どもの様子や生育歴、家庭の状況などについては、新年度準備のために3月に行う全職員参加の職員会議で情報を周知して共有し、記録類はクラスごとにファイリングし、日々の保育に生かしています。


3 サービスマネジメントシステムの確立

 入園時の短縮保育(慣れ保育)は、5日間を目安に年齢に応じて時間を設定し、子どもの様子や保護者の事情を考慮し相談しながら進めています。新入園の0、1歳児については気持ちが安定するよう子どもとの相性も考慮しながら担当保育士を決めています。心の拠りどころとなる物の持ち込みは個別の相談に応じています。保護者との日々の情報交換は送迎時の会話のほか、0〜2歳児では連絡帳を使用して家庭と園での子どもの様子について密に連携しています。新入園児の受け入れの際は在園児の不安を軽減できるよう、0〜2歳児では担任が持ち上がるようにしたり、進級に向けて3月に新担任とかかわる機会を作ったりして子どもたちを落ち着かせるなどの配慮をしています。
 子どもの成長、発達に応じたクラスごとの「年間指導計画」「月間指導計画(1歳児以上では「週案」含む)」は担任が中心となって作成しています。「年間指導計画」には3か月ごとに「自己評価」欄が、「月間指導計画」には「反省・評価(自己評価)」欄が設けられ、担任は子どもたちの様子、状況に応じて計画の反省、評価、見直しを行っています。全職員が全ての子どものことを把握していて、担任は必要に応じてミーティングや職員会議などでほかの職員の意見も聞き、主任、園長のチェックを経て次の計画へつなげています。日ごろから保護者の意向は送迎時の会話や連絡帳などで汲み取るよう心がけていて保育計画にも反映するよう努めています。
 入園時に把握した子どもの家庭の状況は「児童票」に、生育歴や食事、排泄、睡眠の状況などについては「調査表(年齢ごとの生活アンケート)」に、子どもの既往歴や予防接種の記録、入園後の身体測定、健康診断の記録などは「児童健康台帳」に記されています。また子ども個々の記録「個人別成長経過」では、基本的な「食事」「排泄」「睡眠」「運動」「人間関係」「表現」などの項目についてチェックしています。子どもの記録はクラスごとのファイルとともに、今年度よりパソコンでのデータ管理も行い、全職員が情報共有して保育にあたるほか、進級時の申し送りにも使用しています。


4 地域との交流・連携

 地域住民の保育園に対する要望については、西区の合同保育講座に参加し、参加者との交流を通じて把握するほか、行政から提供された政策資料や、園見学者への子育てに関する相談対応、散歩先の公園での未就園児の保護者との会話などを通じて把握し、職員間で共有に努めています。園見学者や電話での相談にも応じています。また、園長は、西区の園長会、幼保小交流事業などに参加し、地域における共通課題の解決に向けて協働して取り組んでいます。
 毎年秋に行政の主管課から、入園希望者の状況や待機児童の状況の報告があります。このような西区内の保育ニーズの動向や、日ごろの保育を通じて把握したニーズ情報を踏まえ、職員会議では、次年度以降の事業に向けて検討を行っています。また、平成28年度までは一時保育を実施していましたが、今後、職員体制の整備とともに、地域の子育て支援ニーズを踏まえて、地域支援事業の検討を行う予定です。さらに、西区内の他の保育園と協働して、「出前育児講座」を実施し、育児相談や遊びの指導を通じて、地域の親子への支援に取り組んでいます。
 育児相談については、地域子育て支援への取り組みの必要性を踏まえ、実施を園内で検討しています。


5 運営上の透明性の確保と継続性 保育園の利用希望者に必要な情報を提供するため、カラー刷りで、専門用語を使わない、わかりやすいリーフレットを制作し、西区や関係機関等で配布をお願いしています。このほか、ホームページ(リニューアル中)はもとより、横浜市青少年局のホームページ「ヨコハマはぴねすぽっと」や、民間の保育園紹介サイトなど、インターネットで情報提供に努めています。また、サービス内容の詳細、料金、職員体制など、実際の利用を考えている保護者のため、「平沼保育園のしおり」を用意し、希望者に配布しています。また、玄関ホールには、職員の写真と担任を明示したパネルを掲示し、見学者への情報提供に努めています。
 利用希望者からの問い合わせには、園長と主任が応じていますが、電話を受けた職員のだれもが、いつでも応対できるよう、園のリーフレットや園のしおり、業務マニュアルなどを事務室に常備しています。さらに、その場で対応できない場合は、折り返しの連絡をすることを伝え、時間をおかずに連絡するよう努めています。利用希望者には見学できることを案内し、できる限り保育を実際に見学できる時間帯を勧め、難しい場合は、見学希望者の要望に沿って日時を決めています。なお、見学が決まると、予約受付ノートに記録し、カレンダーに記入して、職員に周知して受け入れ体制を整えています。
 職員一人一人が作成する自己評価は、個別に達成状況の確認、評価が年度末に行われています。また、園全体の年度目標の達成状況については、年度末に職員会議で全体の評価・反省が行われ、次年度の計画に生かしています。今年度施行の運営規程には、保育園の自己評価と公表を義務付けており、年度明けに公表を行う予定です。
6 職員の資質向上の促進

 園では、保育士の養成が保育園の社会的な使命であるとの認識のもと、積極的に受け入れています。「保育士の心得」(保育実習生用)をもとに1か月前にオリエンテーションを行い、事前学習の期間を設けています。あらかじめ、どんなテーマを深めたいかを確認し、担当保育士と情報を共有し、必要に応じて、担任に代わって自分の立てた日案で保育を行う、責任実習も受け入れています。担当保育士は、実習ノートの添削を行うとともに、毎日、質疑応答の時間を設けて、実習生の学習テーマが深まるよう、配慮しています。終了に当たっては、感想を聞く機会を設け、実習生の意見などを職員で共有し、運営に生かすよう努めています。
 職員体制では、園運営規程に基づいて複数担任制をとりながら、フリーの保育士を配置しており、この配置を標準として、欠員が生じる場合、人員の補充を行っています。補充にあたっては、保育士養成校をはじめ、公私の職業紹介事業者、人材派遣会社を通じて求人を行っています。園の理念、方針を踏まえた保育が実施されるよう、人材育成計画を作成し、計画的に育成に取り組んでいます。毎年3月に自己評価シートに基づき当該年度の自己の振り返りを行い、これを踏まえて次年度の目標を設定して、職員は保育実践に取り組んでいます。
 研修担当者は主任が担っており、面談を通じて研修の希望テーマを把握し、研修計画を作成しています。外部研修の募集案内が届くと、対象となる職員に回覧し、受講を促しています。内部研修は、職員会議の一部を研修に充て、事例検討を行うなど、限られた時間を有効に活用して職員のスキルアップを図っています。一方、外部研修は、横浜市の主催する研修のほか、市内関係団体、事業者・職能団体、民間事業者が開催する研修に参加しており、研修参加者が不在時の体制を整えて、保育に支障が生じないよう取り組んでいます。研修受講者は、振り返りのため研修報告を作成し、園長、主任はこの成果を評価しています。また、報告書は回覧し、成果の共有に努めています。


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