かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

しらとり台保育園 (分園:しらとり台保育園つつじが丘)

対象事業所名 しらとり台保育園 (分園:しらとり台保育園つつじが丘)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 しらとり台保育園
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 227 - 0054
青葉区しらとり台17-58
tel:045-981-7150
設立年月日 1969年06月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
しらとり台保育園は東急田園都市線青葉台駅から歩いて10分ほどの住宅街の中にあります。園は、分園であるしらとり台保育園つつじが丘を、園から歩いて4分ほどの大通り沿いに設置しています。
しらとり台保育園は、昭和44年(1969年)6月に社会福祉法人しらとり台保育園によって開設され、平成26年(2014年)4月に分園しらとり台保育園つつじが丘を開設しました。運営法人は、他に同じ青葉区に大きな分園を持つ保育園1園と都筑区に1園、保育園を運営しています。
本園は、2階建ての明るく家庭的なぬくもりを感じる園舎で、渡り廊下でつながった5歳児保育室がありホールとしても用いています。遊具が設置された園庭と屋上があります。分園は鉄筋3階建てで1・2階は保育室、3階は広々としたホールとなっていて、屋上を園庭がわりに使用しています。
定員は、本園が90名(産休明け〜5歳児)、分園が45名(産休明け〜5歳児)です。開園時間は、本園、分園ともに平日(月曜日〜金曜日)が7時〜20時、土曜日が7時〜18時30分です。
保育方針は、「豊かな人間性を持った子どもを育成する」、保育目標は「明るく、素直で、思いやりのある、優しい子ども」「自分で考え、行動できる子ども」を掲げています。


1.高く評価できる点  

● 保育士は、一人一人の子どもに寄り沿い、子どもの心を受け止めています 
保育士は、子どもに寄り添い、子どもの表情やしぐさ、言葉などから子どもの気持ちを汲み取り、言葉にして返し子どもの意思を把握しています。
保育士は、一人一人の子どもを大切に保育にあたっていて、子どもを注意する時にも「ダメ」と禁止や制止をすることはなく、子どもの気持ちをいったんは受け止め、それぞれの子どもに合わせた声掛けや対応をしています。子どもとの関わりの中で、子どもの出来たことを共に喜び、子どもの発見や発言に共感を示し、子どもが自己肯定感を感じられるようにしています。保育士は子どもに笑顔で話しかけ、子どもの気持ちを引き出していて、子どもたちは、素直に保育士に甘え、視線や笑顔を交差させていて、信頼関係が感じられます。
また、排泄や食事、服の着脱、手洗いなどの生活面についても、個々の子どもに合わせて丁寧に関わっています。保育士は、子どもの年齢や発達に応じた手助けや声掛けをし、毎日の繰り返しの中で、子どもが自然に自分のことが自分でできるように働きかけています。観察時にも、手洗いの後に蛇口についた石鹸を落としたり、脱いだトイレのスリッパをさりげなく揃えたりするなど、子どもが基本的生活習慣を身につけ、自然に行動している姿を確認することが出来ました。 

● 子どもたちは、のびのびと自分を表現し、園生活を楽しんでいます。
園は、「明るく、素直で、思いやりのある、優しい子ども」を保育目標に掲げ、子どもが様々な経験を通し、園生活を楽しめるようにしています。乳児は、ゆったりとしたデイリープログラムとなっていて、それぞれの子どもが落ち着いて園生活を楽しめるよう支援しています。3歳児からは、年齢に応じて外部講師による体育指導、音楽指導、書き方指導、英語等を取り入れ、子どもが様々な経験を積めるようプログラムを組んでいます。
晴れていれば、毎日、園庭や近隣の公園に散歩に出かけ、身体を動かし五感を養っています。園の周囲には自然豊かな公園が数多くあり、子どもたちは四季の移り変わりを肌で感じ、落ち葉や木の実で制作を楽しんだりしています。
自由遊びの時間には、子どもたちは鉄棒や縄跳び、鬼ごっこなどで思いっきり身体を動かしたり、ままごとやブロックなどでごっこ遊びをしたり、とそれぞれが好きなことをして遊んでいます。友達と話し合って独自のルールを決めて集団で遊ぶこともあります。0歳児から5歳児までが一緒の朝夕の合同遊びでは、幼児が0・1歳児に手遊びをして見せたり、膝にのせて歌を歌って聞かせたりと異年齢で自然に関わっている姿も見られます。いつもは元気な子どもたちも、年下の子どもに対しては細やかな優しい心遣いが出来ていて、思いやりの気持ちが育っています。
このように、家庭的な雰囲気の中、子どもたちは自分を素直に表し、園生活をのびのびと楽しんでいます。
● 職員は子どもの様子について常に話し合い、方向性を共有しています。
保育理念、保育方針、保育目標について具体的に記載した説明書を全職員に配付し、初任者研修などの研修で周知しています。クラス会議、乳児・幼児会議、給食会議、職員会議などの各種会議で情報共有を図るとともに、日常会話の中でもコミュニケーションを密にとり、全職員が子ども一人一人の様子を共有しています。
また、人材育成にも力を入れていて、運営法人の人材育成計画「人材育成についての基本方針、方法」に基づき、職位や経験、本人の希望などを考慮して、研修計画を作成し、園内研修も定期的に行われています。運営法人が主催する系列園合同の初任者、中堅、指導管理職などの職位別の研修に該当する職員が参加するほか、横浜市や青葉区などが主催する研修や横浜保育フォーラム等、外部研修にも積極的に参加しています。研修などで得た良い事例や不適切な事例は園内研修や職員会議で報告し、園でも活かせるよう話し合っています。


2.工夫・改善が望まれる点

● 保護者との連携関係をさらに深めるための工夫が期待されます 
園は、乳児は子どもの健康状態や生活を所定の様式で記入する連絡帳を用い、幼児は自由に書けるノートを用いて、毎日、密に子どもの様子について情報交換しています。保護者との会話を大切にしていて、朝夕の送迎時には保護者とコミュニケーションを取り、子どもの様子について伝え合っています。 
年1回保護者懇談会を実施するほか、保護者からの要望に応じていつでも個別面談や保育参観を実施していて、その旨を入園説明会や懇談会で知らせています。ただし、保護者の参加はそれほど多くなく、保護者アンケートにも実施を求める声があります。実施期間を決めて案内するなど、保護者が参加しやすい形を工夫し、保護者が実際に保育を見ることで園への理解を深め、保護者との双方向の連携関係をより深めていくことが期待されます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育方針は「豊かな人間性を持った子どもを育成する」、保育目標は「自分で考え行動できる子ども」「明るく、素直で、思いやりのある、優しい子ども」を掲げています。保育目標をホームページや園のしおりに記載するとともに、入職時の新人研修や全職員が参加する運営法人の合同研修会で周知しています。・職員はみな穏やかな口調で話しかけ、子どもの気持ちに寄り添い、わかりやすい言葉を使って、丁寧に話をしています。注意をしなければならない時はかたわらに呼んで目線を合わせて静かに気持ちを聞きながら、話しかけています。職員は人権を尊重することを意識しており、日ごろの保育の場面で気になる言葉かけなどに気づいた時には、お互いに言い合える環境にあります。・個人情報の取扱いや守秘義務の意義については職員会議でも話し合われ、職員は周知しています。また、ボランティアや実習生にも周知しています。個人情報に関する記録は施錠できる場所に保管、管理されています。・遊びや行事の役割、並ぶ順番やグループ分けなどを性別で分けたりしていません。職員は固定観念を持たずに保育ができるよう職員会議などで話し合う機会を作っています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・入園前に保護者に入園までの生育歴や家庭での状況を「家庭生活調査票」「健康管理問診票」に記載してもらい、それに基づき、総主任、主任、看護師が親子面接し、「入園時面接」に記録しています。離乳食や食物アレルギーがある子どもに対しては、栄養士も立ち合います。面接時に把握された情報は、職員会議で記録を閲覧し、配慮事項などは口頭でも共有しています。
・衛生管理・感染症拡大予防マニュアルと清掃チェック表に基づき清掃がなされていて、園の内・外とも清潔に保たれています。まめに窓を開けたり、換気扇を回したりして換気していて、気になる匂いはありませんでした。温・湿度計を設置し、エアコン、床暖房、加湿器付空気清浄器を用いて温・湿度の管理をしています。
・保育室には、おもちゃや教材、絵本等が用意されています。園庭や屋上にも子どもたちが自由に使ったり、しまったりできるようおもちゃが用意されています。また、ホールや収納棚にあるおもちゃや教材も、子どもたちの要望に応じて保育士が運んで来るなど配慮しています。遊ぶおもちゃの種類別にマットを敷いたり、椅子を置いて絵本コーナーを作ったり、工夫しています。
・子どもたちはカブト虫の飼育をしたり、夏にはミニトマトやゴーヤを園庭で栽培して、給食に出してもらったり、クッキングでピザに使ったりして食べています。昆虫や野菜を観察して絵を描いたり、野菜スタンプで遊んだり、どんぐりや松ぼっくりを使って制作するなど、保育士は飼育や栽培、散歩先で得られた体験などを自由に表現できるように保育活動にフィードバックしています。
・子どもたちは自由遊びの中で数人で楽しそうに英語の歌を歌ったり、ダンスをしたりし、合奏の時間にはいろいろな楽器遊びを楽しんでいます。また折に触れ、みんなの前で自分の言葉で発表する場面があります。各保育室には子どもたちが制作した作品が掲示してあります。
・午睡時は安心して心地よい眠りにつけるよう、カーテンを引いて部屋を暗くし、身体をさすったり、乳児は抱いたりしています。眠くない子どもには午睡を強要せず、静かに過ごせるようにしています。0、1、2歳児は5分おきに呼吸や体勢、顔色のチェックをしています。年中児の10月頃から午睡を週に1日ずつ減らしていき、年長児は4月から午睡を一斉活動としていません。
・トイレットトレーニングについては、保育士が一人一人の排泄リズムを把握し、おおむね1歳10か月頃から始めています。保護者に園での子どもの様子を知らせ、家庭での様子も聞いて、子どものストレスや負担にならないよう細かに対応しています。
・保護者との情報交換は送迎時に顔を合わせて行うほか、乳児は子どもの健康状態や生活を所定の様式で記入する連絡帳を用い、幼児は自由に書けるノートを用いて、密に連絡を取っています。
・園だより、クラスだよりで保育内容を知らせたり、1日の保育の様子を各クラスごとに知らせるボードを玄関に置いています。また、給食時や午睡時など普段の保育の様子を撮ったビデオをクラス懇談会で上映して園生活の情報を提供しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・年間指導計画はクラスで話し合って指導案を作り、職員会議で話し合って作成しています。月間指導計画、週案は、クラス会議で子どもの様子について話し合って作成、評価、見直しをし、職員会議で他クラスの指導計画と調整し、共有しています。指導計画の作成にあたっては、行事後の保護者アンケートや保護者会役員会の意見なども反映しています。
・ケース検討会でアレルギーや熱性けいれんなどの個別のケースについて話し合い、記録しています。熱性けいれんを起こしたり入院した際には保護者に面接し、対応について職員間で共有しています。職員は横浜市や地域療育センターの障害に関する研修に参加し、研修報告書を作成するとともに職員会議でも報告しています。記録はファイリングされて事務室に置かれていて、いつでも確認することが出来ます。
・虐待の定義、虐待の見分け方、虐待予防チェックシートなどの虐待防止マニュアルがあり、勉強会で職員に周知しています。虐待が明白になった場合や疑わしい場合、見守りが必要な場合には、青葉区こども家庭支援課や横浜市北部児童相談所と連携する体制を整えています。職員は、朝の観察を行い、気になることがあった時には保護者に確認するなどし、虐待の予防に努めています。
・保護者に対しては、懇談会で要望や苦情を聞いています。また、日々の保護者との会話や連絡帳、後援会(保護者会)の行事後のアンケート結果でも把握しています。今後は、無記名の保護者アンケートや意見箱の設置など、直接に声をあげない保護者の意見を幅広く吸い上げるための仕組みを設けることが期待されます。
・嘱託医による健康診断を年に2回、歯科健診を1回実施し、記録しています。健康診断・歯科健診の結果は、保護者に保健連絡票で看護師から伝え、子どもの健康状態について共有しています。嘱託医は開園以来、感染症等についての情報をもらったり、どんなことでも相談できる良好な関係を構築しています。
・安全管理に関するマニュアル「保育中における災害時対応」「災害危機管理マニュアル」「事故防止及び事故発生時対応ガイドライン」「プールの安全標準指針」等があります。万一の災害に備えた対応や職員の役割分担、地震・火災・土砂災害・津波などの際の避難手順などを明記しています。
・避難訓練は、いろいろな時間帯に地震、火災、不審者対応等を想定し、毎月実施しています。地域の避難場所に全園児で行くこともあります。消防署の救急救命法を受けた職員が園内研修で、他の職員の指導を行っています。
4 地域との交流・連携 ・地域ニーズについて話し合いを行っています。また、一時保育を提供したり、見学者にいつでも遊びに来て欲しいと伝えています。しらとり台公園で第3木曜日の午前中に「しらとり広場」として保育士による紙芝居、大型絵本の読み聞かせ、パネルシアター、手遊び、季節の歌などを地域の子どもたちに向けて開催し始めました。今後、相談経験の豊富な看護師が中心となって、子育てに関する講習会を開催することを検討しています。
・子育て情報誌を玄関、地域ケアプラザ、コミュニティハウスなどに置いたり、子育て相談をしていることを記載した見学パンフレットを地域ケアプラザに置いて情報提供をしています。また、近くの公園で月に1回「しらとり広場」を開催し、その場で育児相談にも応じています。今後、見学パンフレットを地域の自治会の回覧板で回してもらうことを予定しています。
・バザーや運動会などの行事には、近隣住民、嘱託医、小学校、さつきが丘自治会長などを招待しています。自治会に園のテントや鯉のぼりを、休日には近隣住民や野球チーム、教会などに駐車場を貸したり、分園のホールを地域の野球チームに貸すなど日常的に交流を図っています。また、職員は、毎朝、園の前の道路の清掃をしています。雪の日は職員総出で雪かきを行い、近所の方にお礼を言われるなど良好な関係を作っています。
・保育目標や特色などを書いたパンフレットや見学のチラシを地域ケアプラザやコミュニティハウスに置いて将来の利用者が園の最新情報を入手できるようにしています。外部の情報機関としては、青葉区保育園情報やヨコハマはぴねすぽっと、青葉区役所の保育園パネルに情報提供を行っています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・利用希望者の問い合わせには総主任、主任、事務などが対応し、希望者は見学ができることを案内しています。見学は基本的には保育の様子がよくわかる午前10時頃からを勧めていますが、午睡の時間や、午後あそびなど見学者の希望に応じた時間にも対応しています。
・園は、年に2回職員の自己評価を基に結果を12月の全体研修の日に職員に報告し、質疑応答を行っています。
・「倫理綱領」「保育従事者の心得〜信頼される保育従事者として〜」を明文化し、全体研修で全職員に周知しています。経営・運営等の状況は、横浜市こども青少年局所管の社会福祉法人の現況報告書に公表しています。不適正な保育についての事案の情報があった時には、タイムリーに研修会や職員会議の場で総主任から題材に基づいた話をし、それらの行為を自園で行わないように啓発をしています。
・園内研修で、総主任が「倫理」「保育理念」「保育方針」について説明し、議事録に残して周知しています。また、研修会後に出席者全員が「園内研修記録」にテーマ、内容、学んだこと、感想などを記載し、理解度を確認しています。
・園長は青葉区の園長会に出席して他園での情報を得たり、青葉区役所や横浜市の情報をインターネットで得ています。収集した情報は、園長、総主任、主任による会議で議論・分析し、重点改善課題について職員に伝えています。
6 職員の資質向上の促進 ・ほぼ全員が常勤職員で、新人から20年以上のベテランまでバランスのとれた職員構成となっています。産休や育休後も継続して働く職員が多く安定した人材確保が出来ています。複数担任制を取り、日々の登園人数や予定を見ながら、主任がフリー保育士をどのクラスに入れるのかを決めています。
・「人材育成についての基本方針、方法」が明文化されており、経験や能力に応じた望まれる像が示されており、進むべき方向が見えるようにしています。また、今年度から全職員が「職員ふりかえりシート」に記入し、一人一人に対して総主任がコメントを入れ、職員と一緒に目標設定を行っています。年度末に再度評価表の見直しをする予定です。
・週案・日案には一人一人の子どもの様子を詳しく記載し、クラスごとに反省や評価など自己評価を記載しています。自己評価の内容を振り返り、結果を次の計画に活かしています。
・運営法人として「人材育成についての基本方針・方法」が明文化されており、『人材育成についての基本方針』『人材育成の方法』『キャリアパス制度』などが示されています。行事や係などを職員の担当制とし、毎年担当から担当に引き継ぎ、それぞれ自主的に運営するようにしています。また職員アンケートを実施し、その内容に基づいて担当者で話し合い、マニュアルをより詳細にするなど、業務改善につなげています。個別面接は年2回行われ、次年度への意向の確認などを行います。また園長と個別に話す機会を毎月持っています。総主任や主任は気になる職員に声かけをし、必要に応じて個別面接を行い、職員の意見や思いを聞き、取り入れ、職員が満足して働ける環境設定に気を配っています。

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