かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

新鶴見ホーム 新館

対象事業所名 新鶴見ホーム 新館
経営主体(法人等) 社会福祉法人 横浜市福祉サービス協会
対象サービス 高齢分野 特別養護老人ホーム
事業所住所等 〒 230 - 0002
鶴見区江ヶ崎町2-42
tel:045-583-0800
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
特別養護老人ホーム「新鶴見ホーム新館」はJR川崎駅西口より「元住吉行き」のバスで10分、バス停「江ケ崎八幡」から徒歩1分の所にあります。JR貨物線の操車場跡地が開発され、現在でも再開発が行われています。施設の裏手にはJR横須賀線が走ります。住宅街の他にも、スーパーなどの大型商業店舗や企業、高層マンション、大型福祉施設、小学校などの環境の中にあります。
母体の社会福祉法人「横浜市福祉サービス協会」は横浜市内に多数の福祉施設を運営しています。「新鶴見ホーム新館」は平成25年4月に「本館」の敷地内に増設されました。新館はすべて個室のユニット型で1階・2階に各2ユニット、3階が1ユニットとショートステイとなっています。1ユニット10床で合計5ユニットの定員50名と、ショートステイ10名の施設です。全室個室で10人の小グループを一つの生活単位として分けられることで細かな介護ケアが行われています。個室となっていることからプライバシーもしっかり確保され、食事介助や入浴介助などもユニットごとに行われ、利用者一人ひとりのニーズに応えられる個別ケアを実現しています。


≪優れている点≫
1.居心地よく過ごせるよう共用空間や居室が配慮されています


居室はすべて個室であり利用者のプライバシーが確保され、快適に居心地よく自由に過ごすことができます。隣接する同一法人が運営する「新鶴見ホーム本館」と連携しながらもユニット型の特徴を打ち出しています。特別養護老人ホームとしての方針に沿い、ユニット体制を構築しています。
居室それぞれに玄関を設えた作りとなっています。表札の他、個人の好みで居室入り口を花や季節のものなどで飾っています。居室内には馴染の家具や趣味の小物、写真などを持ち込むことができ、入居者が快適に安心して過ごせるよう配慮しています。家族や知人との面会については談話コーナーの他、屋上も人気があります。
屋上には芝生や花壇、プランター栽培の野菜作り、壁に野鳥の巣箱、目の下には横須賀線の走る様子、小学校の子どもたちの声など楽しみが一杯です。屋上の入り口には椅子付きのカウンターがあり、飲料用自販機も近くに設置してあるなど家族や利用者にとって快適な面会の場となっています。

 

2.苦情対応マニュアルが整備され、サービスに関する相談や窓口、改善などが明確化されています


苦情対応マニュアルが整備され、毎月尊厳委員会を開催し苦情や虐待、接遇などに関することについて検討しています。サービスに関する相談や窓口については苦情受付担当者や苦情解決責任者が決められています。第三者委員は中立公正な立場から学識者、福祉分野の有識者、マスコミ分野の有識者などで構成され、重要事項説明書にも記載されています。その他の公的機関も明示しています。
また、本部のサービス向上課が担当しているお客様相談室は、向上課の職員が定期的に来所して利用者や家族から話を聞く機会ができています。
発生した苦情や要望については、フロア会議や管理職会議で調査し速やかに改善するよう努めています。内容によっては公的機関に相談して適切な対応を図っています。設置したご意見箱や家族会、自己評価時の家族アンケートなどで要望や苦情を聞いています。寄せられた意見は「苦情・要望受付記録」に記載し、本部のサービス向上課が中心となり、データを蓄積し解決に取り組んでいます。

 

3.人材育成や技術の向上に取組み、人事考課に反映し職員のモチベーションの向上に努めています


法人本部の人事課で人員計画を作成しています。所長や事務長を交えた課長補佐会議で具体的なホームの人事に関する取り組みや各フロアの運営について随時話し合っています。人材育成のための研修計画等は課長補佐が中心となって策定しています。新採用時の研修をはじめ2年目研修・3年目研修・4年目研修と年次ごとに階段的にレベルアップするように研修の機会を設けています。
入職後1年間はプリセプターによる個人別教育(プリセプター制度)を採用しています。内部研修や外部の研修会には常勤・非常勤を問わず、本人が受講を希望すれば参加できるよう、勤務表に配慮しています。研修受講後は報告書を作成しフロア会議で共有し、日々の支援に取り入れるよう努めています。


≪努力・工夫している点≫
1. 感染症対策やノロウイルスの予防対策を徹底しています


感染症予防会議は発生しやすい6月・9月・12月・3月の年4回感染症発生状況の確認や予防、研修に関することなど外部専門家を交え、話し合っています。清掃については委託業者により定期清掃をしています。
一般のエレベーターとは別に、リネンや汚物専用の小荷物用ダムウェータを備え、感染症や臭気に配慮しています。ドアの下部にセンサーを取付け、手がふさがっている場合や汚れているとき等、センサーの反応により手を使わずにドアを開閉できるようになっていて衛生管理への対策をしています。トイレではアロマスプレーにより消臭と除菌を行うとともにバリアフリーにより転倒防止などに配慮しています。トイレには手や身体を清潔にするためにホットキャビネットを設置し、暖かいタオルを備えています。


≪課題や改善することが期待される事項≫
1.入退所委員会の透明性や公平性を高めるために施設外の第三者の参加


入退所検討委員会を設け、毎月定期的に委員会を開いています。横浜市の申し込みセンターからの連絡を受け、入居希望待機者の自宅を訪問し、その後入所検討判定会議を経て入所決定します。入退所検討委員会の内容は議事録に記録され、利用者や家族から要望があった場合は検討内容について公開し、待機期間中の相談に応じるなど必要な際には助言等をしています。
 現在、入退所検討委員会メンバーには施設外の第三者が入っておらず、透明性・公平性を高めるためにも、今後、第三者委員等の参加が期待されます。

 

2.環境配慮に対する取組みについて運営方針などに明文化し、職員一同で取組むこと


ペットボトルやゴミなど分別し業者が回収しています。紙のリサイクルや電球をLEDに変えるなど省エネルギーに取り組んでいます。施設の敷地内で地元の住民の協力で花壇や屋上の芝生の敷地、プランターで稲・野菜の栽培など小規模ですが緑化に努めています。
しかし、高齢者の健康などに配慮している施設としては一般企業以上に厳しい社会的責任が課せられています。施設の環境に対する取り組みや理念が、運営方針に明確ではありません。具体的にどのような環境改善に取り組むか明文化して節電や節水の目標値を定め、職員に周知徹底されることが期待されます。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

利用者一人一人をお客様として考え「一人ひとりが主人公」と利用者を尊重し、日常生活、食事・排泄・入浴など具体的なサービス提供場面において職員は利用者の立場に立って常に利用者に必要なケアを提供しています。必要なケアを実施することによって利用者本人がどう改善されたかなど利用者の担当職員を中心にいつもチェックをしています。また必要なケアだけでなく、これまでの長い生活習慣を尊重し支援しています。担当職員はモニタリングした情報を介護ソフトに入力し、職員全員で共有し、次のケアプランに反映しています。


「個人情報規定」や「基本方針」を整備し、職員や実習生から個人情報の守秘義務に関する誓約書を交わしています。職員の入職時や法人内・施設内研修では、個人情報保護に関して実施し意識を高めています。尊厳委員会を設置し、虐待・接遇に関する事項を含め身体拘束を行わない取り組みをしています。


居室はすべて個室であり、利用者のプライバシーは確保され快適に居心地よく自由に過ごしています。家族や知人との面会については、談話コーナーの他に屋上も人気があります。屋上には芝生や花壇、プランター栽培の野菜作り、壁には野鳥の巣箱、目の下には横須賀線の走る様子、小学校の子供達の声など楽しみが一杯です。屋上の入り口には椅子付きのカウンターがあり、そばに飲み物の自販機があるなど家族や利用者にとって快適な面会の場となっています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

利用者一人ひとりのニーズに沿ったサービスを提供するために食事から心理面まで詳細なチェック表を作成しています。カンファレンスにはケアマネジャーをはじめ、介護職員や看護職員、栄養士、生活指導員などそれぞれの担当者が参加しアセスメントを行っています。職員は利用者の日々の変化に気づいた時は、介護ソフトの「ケース記録参照一覧表」に入力して情報を共有しています。必要なケアを実施することにより、利用者がどう改善されたかなど担当職員やフロアリーダー、ユニットリーダーなどが確認し、介護ソフトに入力し次のケアプランに反映しています。


食事については利用者の希望や体調により食事時間を変更したり、居室内での食事提供をするなど、ユニット制度ならではの細かな個別支援が行われています。給食委員会を立ち上げ、食べる楽しみを重視した食事支援に努めています。管理栄養士と委託給食業者が連携し、旬の素材を生かしたメニューを提供しています。利用者が季節を感じられる行事食や、月に一度の全国郷土料理は利用者が出身地を思い出すことができるようにと工夫しています。入浴は週2回が基本ですが清拭、足浴など適宜行っています。


排泄については利用者一人ひとりの排泄パターンに合わせた支援をしています。夜間トイレに行くのが困難な利用者にはポータブルトイレを使用し、安易にオムツを使用しないようにしています。トイレ内にはアロマを定時に散布して清潔に保つとともに心地よく排泄ができるよう努めています。また、便座に座った状態で腹圧が掛かるように可動式の補助レバーを設置し、排便しやすい様に工夫しています。
利用者それぞれ好きなこと、興味あること、得意なことを引き出せるよう工夫・配慮しています。余暇活動や行事が単なる活動とならないように一人ひとりのケアプランに盛り込んでいます。その人らしい生活が送れるよう支援しています。日々の生活の中で歩行訓練や口腔機能を高める嚥下体操など行って機能を維持できるよう支援しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

苦情対応マニュアルが整備され、毎月尊厳委員会を開催し、苦情や虐待、接遇などに関することについて検討しています。サービスに関する相談や窓口については苦情受付担当者や苦情解決責任者が決められています。第三者委員は中立公正な立場から学識者、福祉分野の有識者、マスコミ分野の有識者などで構成され重要事項説明書に記載されています。発生した苦情や要望についてはフロア会議や管理者会議で調査し、速やかに改善するよう努めています。設置したご意見箱や家族会、自己評価時の家族アンケートなどで要望や苦情を聞いています。寄せられた意見は「苦情・要望受付記録」に記載し、本部のサービス向上課が中心となり、データを蓄積し解決に取り組んでいます。


感染症予防会議は発生しやすい6月・9月・12月・3月の年4回感染症発生状況の確認や予防、研修に関することなど外部専門家を交え、話し合っています。清掃については委託業者により定期清掃をしています。一般のエレベーターとは別にリネンや汚物専用の小荷物用ダムウェータにより動線や臭気に配慮しています。汚れた洗濯物で手がふさがっている場合ドアの下部にセンサーを取付け、汚れた手を使わずにドアを開閉できるようにして衛生管理に工夫しています。トイレではアロマスプレーにより消臭と除菌に努めるとともにバリアフリーにより転倒防止などに配慮しています。トイレには手や身体を清潔にするためにホットキャビネットを設置し、暖かいタオルを備えています。


事故に対しては、事故防止対策委員会は尊厳委員をはじめ衛生委員、防災委員、給食委員など多くの委員が参加して事故防止対策について検討します。内容によっては事故対策マニュアルの見直しを図っています。

4 地域との交流・連携

毎月第一火曜日に新鶴見ホームの本館の地域交流室で「コミ二ティカフェ」を開催し地域の住民が認知症の家族で悩んでいたり、近所の高齢者のことで気になることなど気楽に相談を受けています。災害時における在宅要援護者のための避難場所の協定を区役所と結び、協力体制ができています。


地域のボランティアの協力で植物を育てる体験を通して利用者の心身を生き生きと若返る園芸療法や利用者の若い時代を思い出す回想法など余暇活動に取組んでいます。雛飾りの準備や片付けなども近隣の住民の協力を受けています。事業所の「秋まつり」には多くの地元住民や他の福祉施設の職員や利用者も参加して毎年盛り上がっています。近隣のお祭りにも職員が神輿担ぎに参加して、施設の玄関先で休憩する時は利用者も楽しんでいます。


散歩や外出の際には近隣の商店やスーパーなどとは日常的に交流しています。近くの障害者作業所ではクッキーを作り販売しています。毎月施設に販売に来た時には、利用者は自分でお金を出してクッキーを買っています。また、その作業所にある喫茶店に、利用者は時々職員と出かけお茶の時間を楽しんでいます。

 

5 運営上の透明性の確保と継続性

パンフレットやカラー刷りの広報誌など定期的に発行し、入居のご案内や時期に応じた情報を地域や関係機関に随時わかりやすく提供しています。玄関わきに置かれたきれいな立て看板では、事業所の行事の案内など紹介しています。施設独自の媒体だけでなく、新聞社が施設の秋祭りや介護現場で採用している介護ロボットなどの様子を紙上で紹介しています。


新採用時に理念や基本方針や倫理綱領を配布し、施設長より説明しています。毎年施設長から発表される事業計画書には、理念を基に新年度の「新目標」を掲げ1年の思いを説明しています。経営・運営状況などの情報は法人のホームページで公表しています。施設長は施設内を定期的に巡回し、利用者に気楽に声掛けしコミュニケーションに努める一方、利用者の要望など聞き取りながら職員のケアについても利用者に質問しています。


ホーム全体の運営や経営に関する重要な課題については全体会議で職員に説明し、さらに所長や事務長による管理職会議やフロア会議で検討しています。各フロアの運営や具体的なホームの課題などの取組みに関することは課長補佐を含めた課長補佐会議で討議しています。ホーム全体の適正な運営やサービス向上に向けた取り組みは各種職員でチームを編成し「あり方プロジェクト」として取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進

法人本部の人事課で人員計画を作成しています。所長や事務長を交えた課長補佐会議で具体的なホームの人事に関する取り組みや各フロアの運営について逐次話し合っています。人材育成のための研修計画等は課長補佐が中心となって策定しています。新採用時の研修をはじめ2年目研修・3年目研修・4年目研修と年次ごとに階段的にレベルアップするように研修の機会を設けています。入職後1年間は各フロア長によるOJTの個人別教育(プリセプター制度)を採用しています。内部研修や外部の研修会には常勤・非常勤を問わず、本人が受講を希望すれば参加できるよう、勤務表に配慮しています。研修受講後は報告書を作成し、フロア会議で共有し日々の支援に取り入れるよう努めています。


介護マニュアル、看護マニュアル、生活相談員マニュアルなどにより求められるそれぞれの技術のレベルが示されており、職員は利用者一人ひとりの特性に応じたサービスが提供できるよう努めています。毎年、2年目職員による課題発表会が行われ、1年間の自己のケアを振り返り、フォローアップ研修として発表しています。歯科医などの外部講師を招き、口腔ケアの講習や内部の看護職員・生活相談員により、感染症、喀痰、褥瘡など一貫性のある援助技術の取得に取り組んでいます。それぞれのマニュアルは担当委員会が定期的に見直し、いつも新しい現実的な基準書となっています。


各種の業務マニュアルにより経験や能力による業務分担や権限など明文化されています。各フロアでは職員同士で介護方針について話し合い「フロア目標」をそれぞれ作成し、身近な目指すべきものを掲示しています。さらに職員一人ひとりも自己の目標を作成しその成果を発表しています。人事考課制度を導入し、所長や事務長は職員と面談の上、職員の目標や成果について評価・査定し、報酬に反映することによりモチベーションを高めています。

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