かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

くすのき第二保育園(2回目受審)

対象事業所名 くすのき第二保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 横浜道友会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 245 - 0053
戸塚区上矢部町1690-1
tel:045-811-0115
設立年月日 2010(平成22)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
「くすのき第二保育園」は社会福祉法人横浜道友会が平成22年4月開設した横浜市戸塚区内の保育園です。園は戸塚駅からバスで15分程のところにあり、交通量の多い県道と阿久和川との間にある4階建てのビルです。両岸に遊歩道のある阿久和川のほとりにあり、自然に恵まれた環境にあります。
園の定員は90名で、現在97名が利用しています。園は延長保育、一時保育、障がい児保育と、一時預かり事業、子育て支援事業も行っています。職員は園長、2人の主任、看護師、保育士、栄養士、事務員など39名となっています。
園の理念は「子どもは国の宝であり、日本の将来を担う財産である。子どもの最善の利益を考慮し、人権や自主性を最大限に尊重する。また、保護者や地域の子育てに対する支援も行い保育所としての社会使命を果たす」です。さらに2項目の保育方針、4項目の保育目標を明文化して保育を行っています。

 


≪優れている点≫
1 豊かな自然環境を利用しながら、子どもの健康な体づくりに取組んでいます
県道沿いにある園には、中庭や屋上などの利用や、周辺の自然を利用し保育内容の工夫により、体を動かす活動を多く取り入れて保育の充実を図っています。園の裏手には阿久和川が流れており600メートルの遊歩道があります。遊歩道での保育活動では、雨の日以外はほとんど毎日、0歳児から5歳児までが年齢に応じて運動やマラソンをしています。遊歩道のため車の通行もなく安心して歩いたり走ったりすることができます。遊歩道の脇の草花は地域の方によって整備されていて、子どもたちは川の様子や草花観察、虫探し、地域との交流など日々の活動を行っています。他にも自然に恵まれた散歩コースがいくつかあり、広い遊び場やアスレチックのある公園へ行き体を動かしています。
園の屋上には転倒しても危なくないようにクッションシートが敷き詰められており鉄棒やアスレチックが設置されています。豆自動車や玩具もあり屋外で体を動かして活動ができる環境となっており、夏場はプール遊びの場としています。
園舎内でも週に1回体操教室として体操の専任コーチのもと、跳び箱や鉄棒、縄跳びなどホールを使って行っています。積極的に外へ出かけ、体を動かすことに取り組み子どもにとってより良い保育を展開しています。

 

2. 職員の安定した連携体制により、子どもが安心して楽しめる保育生活につながっています
日々の保育は二人の主任保育士が中心となり保育士、栄養士、看護師、非常勤職員がそれぞれの役割りをよく理解して、全職員が連携して保育を進めています。職員が働きやすいように福利厚生や育休明けの職員への勤務配慮などを行っています。そのため開園時から勤務している職員が多く、退職者も少なく、復帰する職員もいます。若い職員だけでなく中堅職員、育児休業から復帰した職員、子どもを預けながら勤務している職員など幅広い層の職員がいて、それぞれの経験が保育に活かされています。
非常勤職員についても会議の報告、研修参加、担当しているクラスのリーダー保育士からの毎日の子どもたちの様子の報告等、情報共有が行われており、書類もいつでも確認できるなど質の高い保育につながっています。職員関係の良さや相互連携ができていることが保育活動に反映しています。また基準以上の手厚い職員配置により、朝夕の合同保育時間や配慮の必要な児や障がい児への対応などで非常勤職員の補助体制が出来上がっています。
専門職間の連携もできており、栄養士や調理員、保育士との連携により食育活動が盛んです。看護師との連携では健康相談、発熱、感染予防に関する情報の発信などクラスとやり取りしながら子どもたちの健康維持を行っています。職員間のしっかりした連携体制により、職員の持っている力を引き出し、「全職員で全園児を保育する」園運営となっています。

 

3.地域や保護者と協力し合う保育の実現
園は地域への貢献や交流を通じて地域の理解と保育の専門性による支援を行っています。人通りの多い県道に面した塀に情報提供と行事・講座への案内を掲示しています。地域への子育て支援として、育児講座、交流保育及び施設開放を行っています。
地域で子育てしている方には年3回の育児講座を開き、栄養士による離乳食、看護師による発達相談、主任保育士による「お話を見よう」としたパネルシアターなどを実施しています。交流保育では「スイカわり」「観劇」「生活発表会リハーサル」などに招待して地域と園の子どもたちが交わっています。園は屋上を地域の未就学児に開放しています。そのほかに地域の母親の悩みや育児相談などを主任保育士や看護師が対応して地域を支えています。

 

4. 調理室と保育士が連携して食育活動を進めています
栄養士、調理師及び保育士が連携して食育活動で子どもたちに食べることに関心を持ち、楽しむ中で体が育つような取り組みを行っています。食事の前に年長クラスの子どもが食品の3大栄養素を紹介し、食ベ物への興味や関心が持てるようにしています。栄養士により食事中の子どもとの交流、確認や行事に関係づけたメニューなど保育を支援しています。
子どもたちは、調理室に面したランチルームで過ごし食事に関心を持てるようになっています。調理室で作業する栄養士や調理師も子どもと交流して、顔なじみになっています。食事の時間には栄養士などが子どもたちの間を回り確認しています。保育士も子どもたちと同じテーブルで一緒に食事をしており、嫌いな物でも食べてみようと思えるようにしています。
旬の食材に触れる機会を大切に考えています。0歳児クラスでもお座りが出来る子どもは、もやしのひげ根取りなどにも挑戦しています。お誕生会やクリスマスなどの行事食メニューもたくさんありますが、運動会の前日には「カツ」をメニューに入れるなど、クラスと調理室との連携をとっています。食事を豊かに楽しむために、食事の場、食材等に配慮しています。稲を育てて収穫し、脱穀・精米することも体験しています。系列保育園との交流も兼ねて、月1回、1クラスずつお互いに行き来する交換給食を行っています。


≪課題や改善することが期待される事項≫
1.マニュアル体系の整備
園では安全、衛生などについて多岐にわたるマニュアルを作っています。安全面に関しては事故防止、地震、火災、災害対策、災害時の給食提供に関するものや不審者対策等の様々なマニュアルがあります。また、河川に面していることから河川氾濫を想定したマニュアルもあります。衛生管理についても病気、感染症対応・蔓延防止、嘔吐処理、給食室衛生管理のマニュアルがあり管理されている事がうかがえます。
しかし、衛生管理などは個々のマニュアルで備えていますが体系化されておらず、園全体の衛生管理を網羅されているとは言えない状況です。マニュアルには目次や制定・見直し後の改定日時などの記載もされていません。マニュアル全体を見直し体系化するとともに、日常の保育の中で緊急に使う部分を取り出して使える、クラス常備のマニュアル検討も望まれます。日々行われている園舎内での清掃や玩具の消毒など日々の清掃場所や清掃方法のマニュアル化なども検討して全職員で認識し保育に活かすことが望まれます。

 

2.中期計画の策定と共有化
園は年度ごとに事業計画を策定し、結果としての事業報告を継続的に行っています。しかし、中長期的な展望を示す中期計画は作られておりません。また、日々の保育の中でリサイクル・リユース活動を行い、保育の中で子どもとともにごみの分別も行っていますが、理念の中に環境問題への取り組みは明記されていません。
園の方向性を職員と共有し、中期的に主任に続くリーダー育成も含める中期計画の明文化が期待されます。また社会を先導する社会福祉法人として、地球環境を理念に盛り込み、次世代の子どもたちに認識してもらうことが期待されます。

 

 


 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

人権尊重を盛り込んだ保育理念、保育方針、保育目標を明文化し掲示しています。年間計画、月案、週案、個別指導計画を会議で検討・実施して、さらに見直しをして保育目標を実現していけるよう保育を進めています。子どもが主体的に遊びを通して成長・発達していけるような保育を心がけています。保育中の子どもの呼び方や叱り方などで、子どもの人権尊重を意識しています。


人権について「職員対応マニュアル」に職員の基本姿勢や保育を実施する上での心構えなどを記載して、日々の保育に活かしています。各保育室には、保育目標と全国保育士会倫理を掲示しています。必要に応じてプライバシーが守れる空間を確保できるような工夫をしています。段ボール等で作成した仕切りや階段の踊り場などを利用した個別の空間を作って落ち着ける空間づくりも工夫しています。


「個人情報保護方針」があり、個人情報の取り扱いや守秘義務について職員等に周知しています。入園時に重要事項説明書を配付し、保護者からも承諾を得ています。園だよりやホームページなどでの名前や写真の掲載の可否などの確認もしています。個人情報の守秘義務に関しても、全職員・実習生・ボランティア全てに指導をしています。性差への先入観による役割分業意識を植え付けないように配慮しています。園では、性差の区別はなく、自分の好きな遊びができるように声をかけています。帽子の色は、クラスカラーを取り入れています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

年齢や発達に合ったおもちゃを用意して環境作りを行っています。子どもの遊びに合ったおもちゃを職員が用意し、子どもの要望にも応えながら遊びが充実するようにしています。時間の許す限り、楽しく遊べるように職員が援助しています。粘土やクレヨン、自由画帳などはお道具箱に常備しており、子どもたちが使いたい素材や道具は自由に選べるようになっています。


自然に触れ地域や社会に関わる体験を取り入れています。稲や野菜などを栽培し、実った稲や野菜は食育の一環として、子どもたちと調理して食べたり、家庭へのお土産として持ち帰ったりしています。また、生き物も飼育・観察し、生き物について気になることがあった時、すぐに調べられるように本や図鑑の用意もしています。子どもが身体を動かすなどの体験を通して、自分の気持ちを自由に表現できるよう配慮しています。子どもたちは体操を通して、順番を守る・人の話を聞くなど基本的なルールも学んでいます。


食事の場、食材、食器等に配慮しており、系列保育園と月1回、交換給食を行っています。子どもの喫食状況を把握し、献立の作成・調理の工夫に活かしています。夏には「お泊り保育」があり、近所のスーパーへ見学も兼ね、夕食の材料を買いに行きます。排泄は個人差があることに十分に配慮して対応しています。排泄チェック表に個々の排泄状況を記録し、排泄リズムを把握しています。トイレトレーニングについては、家庭と園との連携が大切であり、排泄には個人差があることや、トイレトレーニングがうまくいかずに悩む保護者には、声かけして支援の手を差し伸べています。


保護者には入園時及び進級時に、園の保育方針、保育目標及びクラスごとの年間保育目標を記載した資料を配付して説明しています。毎月発行している園だよりに各クラスのその月のねらいを記載しています。クラスごとのホワイトボードにその日の活動状況を知らせています。保護者の要望などにより個別に面談して相談に応じています。相談結果は子育て相談記録簿に記録して児童票に綴じ、継続的にフォローしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

「子どもと職員の健康マニュアル」や「健康管理台帳」により、健康管理を適切に実施しています。健康診断・歯科健診の結果を保育に反映させており、毎月、身体測定を行い記録し、各家庭で受けている健診の結果なども聞いています。「病気・感染症対応マニュアル」等のマニュアルを整備して保護者にも周知しています。職員は、救命救急や感染症に関する研修に参加しています。園内研修において、看護師が嘔吐物の処理方法などの研修をしています。


安全管理に関するマニュアルがあり、事故や災害に備えた安全対策を実施しています。毎月、避難訓練・消火訓練を行っています。園が川の近くに立地していることもあり、「河川氾濫対応マニュアル」も用意されています。引き取り訓練も実施しており、保護者の協力を得ています。事故や怪我の発生時及び事後の対応体制が確立しています。「ヒヤリハット報告書」を作成し、全職員が起こりうる事例について把握し、大きな事故につながらないようにしています。


「不審者対応マニュアル」があり、外部からの侵入に対する対応策が整備されています。出入り口は自動ドアになっており、開閉にはIDカードが必要になります。来客者はインターホンで確認してから通しています。戸塚警察署生活安全課の立ち合いのもと、不審者侵入訓練を行い、全職員で対応策を検討しています。警備会社に全館24時間警備を依頼しています。


苦情解決に向けて保護者が保育についての要望や苦情を訴えやすい仕組みになっています。苦情解決窓口や第三者委員を記載した「苦情・意見受付対応アニュアル」を整備しています。要望や苦情などを受けて、第三者や外部の関係部門と連携して面談を行い迅速に対応する体制になっています。要望などの内容を「苦情処理及び要望受付報告書」の経過記録を掲示して職員に周知しています。「苦情処理及び要望受付報告書」をファイルに綴じていつでも閲覧できるようにしています。

4 地域との交流・連携

地域の子育て支援ニーズを施設開放や地域交流の中で把握しています。子育て相談や栄養相談、発達相談で要望などを把握しています。ケアプラザでの地域交流会に参加して検討し情報共有を行っています。地域の子育てについて看護師、栄養士、職員で話し合っています。一時保育を毎週火曜日、木曜日に実施しています。スイカわり、人形劇や生活発表会リハーサルを交流保育で行っています。主任児童委員、地域ケアプラザ、社会福祉協議会などが集まる「地域子育て支援者会議」で検討会や情報交換を行っています。


園から地域の方への情報提供を県道に面した園のフェンスにポスターで掲示しています。交流保育や育児相談、育児講座についても掲示して知らせています。育児相談は随時、看護師、栄養士、職員が参加して相談に応じています。園の行事を地域住民にお知らせして来園してもらっています。地域の夏祭りや「アクアフェスタ」に参加して園の情報提供を行っています。近くのグループホームと定期的に交流して、組体操や生活発表会のダンス等を披露しています。


常時にボランティアを受け入れています。海外からの方や福祉の学校に通いながら実習を兼ねたボランティアもいました。マニュアルに沿ってボランティアを受け入れ、「ボランティアカード」に目的、期間、内容、感想を記入してもらい記録しています。実習生の受け入れは、実習内容については事前に要望を聞き「受け入れ回答書」で対応しています。実習生の担当を0歳児から順次5歳児クラスに移るように配慮して、子どもの発達段階が分かるようにしています。実習後は園長、主任、担当保育士を交えて反省会を開き実習の改善や保育への意見をいただいています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

事業者として守るべき法・規範・倫理等を就業規則、職員マニュアルに明文化して職員に配付しています。「全国保育士倫理要綱」を玄関や各保育室に掲示して職員で確認し合っています。年度始めには職員会議において、他施設の事案等を事例に取り上げ、職員マニュアルの内容を確認しています。園のホームページで情報提供をして、戸塚区の情報提供欄や地区センターの紹介ページに情報提供しています。園のパンフレットのほかに、一時保育、延長保育などは利用時間や料金などの情報を別のパンフレットにして配付しています。施設開放、一時保育や交流保育、育児講座などのポスターも掲示して園の情報を提供しています。


保育所の理念・基本方針を明文化したものを職員に配付して周知しています。保育理念を5つの保育目標にして、玄関や各クラスに掲示して職員が常時に確認しています。園の保育理念や基本方針等について保育課程にいれて、毎年見直しをしています。利用希望者の問い合わせや見学は曜日を決めず希望者の要望に沿って対応しています。見学者にはパンフレットを配付して説明を行い、見学者名簿を作成して記録しています。


外部環境の変化に対応した事業に関する情報は、保育団体などから情報を収集し、理念や基本方針が実現できるようにしています。地域の園長会や看護師会などで得た情報は全体会議などで職員に伝え、話し合って確認しています。保育園の運営に関しては理事会などで審議して事業計画に展開しています。関連の保育の専門家や会計士、社労士からも意見を聞いています。毎年度の事業計画を作成して運営や保育に新しい施策を設けて結果を事業報告で評価しています。

6 職員の資質向上の促進

職員の人材を育てていく為には様々な場面で自己評価を行っています。職員は年度始めに自己の年間目標を掲げて、年度終わりで反省等の振り返りをして自己評価に繋げています。質の高い保育をしていく為研修制度体制を整え、内容によって職員を人選し研修の受講後に全職員に報告を行い研修効果を上げ人材育成につなげています。非常勤職員に対しても情報の共有化、非常勤職員会議、内部研修参加により職員間の透明性を図っています。


職員の技術向上に向けて日々の保育を通して日誌、月案や年間計画の振り返りをしています。研修参加だけでなく地域療育相談の巡回助言、ヒヤリハットの確認、年間、月案、週日案での自己評価などを通して技術の向上に努めています。職員としての適性、経験、能力を人事考課表に明文化して、やりがいに繋げて満足度を高めています。又、個人面談を年1回実施し仕事分担での役割を伝えて意欲をもって仕事をしていけるようにモチベーションの維持に努めています。

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