かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

青葉保育園

対象事業所名 青葉保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 晴翔会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 225 - 0005
青葉区荏子田3-23-10
tel:045-904-0691
設立年月日 1999(平成11)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 青葉保育園は平成11年4月開園の社会福祉法人晴翔会が運営する保育園です。東急田園都市線「たまプラーザ」駅北口から東急バスあざみ野ガーデンズ循環で10分、「荏子田3丁目」下車徒歩1分ほどの所にあります。定員は120名(平成29年10月現在103名在籍)で、産休明け保育、延長保育、障がい児保育、一時保育を実施しています。
 保育理念は「子どもの最善の利益を第一に考え、子どもが主体になって生活し、一人一人が持つ可能性をひきだせるよう、全ての保育者が協働して保育を行う」です。
 近隣の環境は、戸建て住宅が整然と並ぶ閑静な住宅街で、すぐ裏手にはばら園のある小山の公園があり、付近には緑地もあり、こうした環境の中、子どもたちは伸び伸びと過ごしています。

 

《特に優れている点・力を入れている点》
○保護者とともに子どもの成長を見守る保育を実施しています
 園では、子ども一人一人に3か月ごとに「乳幼児の発達を家庭と共有するための経過記録」という個別指導計画を作成しています。個別の計画では子どもの発達に対する園の配慮、園での子どもの姿、園での人とのかかわりが記載され、保護者からも、保護者の気持ち、要望などを記載して園と情報を交換し、家庭と連携して子どもの指導計画を作成しています。この記録は園が子どもの長所、個性をどのように引き出しはぐくみ、職員に愛されているかがわかり、そして、家庭でも同じように子どもの成長を見守ってほしいという願いが込められています。保護者が感じたことや疑問、不安などを職員も周知し保護者への配慮もしています。この記録をもとに園と保護者で子どもの成長を喜び、見守っています。

 

○保育の専門性を生かした取り組みで、保護者同士の親睦を深め、職員との信頼関係を築いています
 保育所という特性を生かした取り組みをしています。園ではあじさいパーティーと小さなおしゃべりの会という、保護者を対象にした試食会を実施しています。あじさいパーティーでは給食を食べながら、その日のメニューのレシピや調理のポイントとともに、食材の栄養素などの話を栄養士が伝えています。また、職員による演奏会も行われ、毎年たくさんの保護者に楽しんでもらっています。小さなおしゃべりの会ではおやつを食べながら、子育ての悩みや疑問点などその日のテーマに合わせ、保護者同士がざっくばらんに話し合っています。その際には、職員が子育てのヒントとなるアドバイスをしています。一つのテーブルを囲み楽しく食事をする中で、気の合う仲間を見つけたり、職員の専門的な話が聞けたりするなど、ほかの保護者や職員との関係性が深まる良い機会となっています。

 

○人材育成の柱に「職務分担表」を置き、職員の参画意識や研修参加意識の向上につなげています
 園の「職務分担表」は職種または職位に望まれる業務上の知識、経験、能力を示すキャリアパスのことです。園の運営にはこうした職位のほかさまざまな業務があり、「係分担表」を作成し、担当係を基本的に職員の自己申告制で決めています。園長は職務分担表や係分担表の担当者に「○○スーパーバイザー」や「○○マネージャー」、「○○リーダー」などの名刺を作成して配付し、園組織への参画意識を高めるよう努めています。担当者は職務を任されるため、専門知識を得ようと、例えば「危機管理リーダー」が「リスクマネジメント研修」などに参加しています。こうした分担、担当制を職員のレベルアップにつなげています。

 

《事業者が課題としている点》
 園外活動や異年齢交流の充実、地域との交流の充実と保育園の専門性を地域の子育て支援に生かすこと、職員同士の連携などを課題としています。これらについて、クラスや乳児・幼児担当の枠を超えた活動の検討、小学校や区などへのさらなる働きかけ、会議や話し合いを通して職員同士の意識を統一しクラス相互の連携を強化していくなどに取り組んでいきたいと考えています。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

 保育課程には園の社会的責任として、人権尊重を明記し職員に周知しています。子どもに対して否定的な言葉づかいや人格を傷つけるような言葉づかいはしていません。例えば「走らないで」ではなく「歩こうね」と肯定的な言葉を使っています。子どもをせかしたり強制したりする言葉は使いません。しかし、場合によって子どもにしっかりと伝えておかなければならない事があるときは、その状況や、子どもの気持ちに寄り添って話を聞いてから、子どもにわかりやすい言葉でゆっくりとていねいに説明をするようにしています。子どもの人格を尊重した声かけや保育者の正しい言葉づかいについては自己評価で振り返りをし、職員会議でも話し合いをしています。
 家具、パーテーションなどで必要に応じてほかからの視線が気にならないような空間を作れるようにしています。子どもが自分で柱のかげなどで静かにしているときは安全を見守りながら、様子を見て声をかけています。子どもにクールダウンが必要なとき、小さな部屋(図書室、お星様の部屋)を使用します。図書室は保育室にも近く、子どもに疎外感や威圧感を与えない場所であるため、職員が子どもと個別に話をしたい場合に利用しています。着替えなどは扉のある部屋の裏で行い、プライバシーに配慮しています。
 個人情報の取り扱いについては、業務マニュアルの中に個人情報に関する記載があり、職員は内容を周知しています。また、自己評価を通じて各自で個人情報保護の理解度を確認しています。さらに、入職時には個人情報に関する守秘義務の誓約書を提出しています。保護者には重要事項説明書に「個人情報保護法」にもとづいた園の姿勢と保護者に向けての禁止事項を記載し、口頭でも確認しています。実習生などには実習生受け入れマニュアルに沿って事前にオリエンテーションを行い、守秘義務について説明しています。児童票、入園までの生活状況など個人情報に関する書類は事務室の鍵のかかる書庫に保管し管理をしています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供   保育課程のもとに年齢ごとの年間指導計画を作成しています。年間指導計画はクラスの保育目標、各領域の目標、そして食育の目標も掲げています。年間指導計画を基に月案、週案が各年齢で立てられ、日々の保育はこの指導計画のもとに進められています。計画を作成するにあたり、クラスごとで話し合い、さらに職員会議では他クラスからの意見も取り入れて、園全体での子どもたちの発達を促す保育の展開ができるようにしています。職員は、子どもの様子から、どのようなことに興味を持っているか、遊び込んでいることは何か、また、子どもたちの「〜をしてみたい」という声を指導計画に取り入れています。
 0〜2歳児は個別月案を作成しています。さらに、全園児に家庭と共有する経過記録「乳幼児の発達と家庭を共有するための経過記録」を3か月ごとに作成しています。特別な課題のある子どもについても、この経過記録に記載しています。この経過記録は、保護者の気持ちや要望などを保護者に記載してもらい、園と情報を交換しているので、家庭と連携して子どもの指導計画を作成することにつながっています。個別の指導計画は子どもの園生活が快適になるように子どもの発達状態に合わせ柔軟に変更、見直しが会議などで話し合われ、職員は情報を共有して対応しています。個別の対応が必要なトイレットトレーニングなどは保護者の意向を聞いて園の様子を伝え、共通の方針のもと家庭と連携して対応しています。
 0、1歳児、2歳児、3〜5歳児、3か所の保育室があります。0、1歳児は子どもの月齢に合わせて小集団で活動ができるように、パーテーションで部屋を区切るなどしています。3〜5歳児はホールで新体操をするグループと、保育室で自由製作をするグループなど、活動内容によってクラスを2つに分け、時間ごとに活動内容を交換して、子どもが伸びのびと活動ができるように工夫しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

 配慮を要する子どもの入園希望があった場合は、積極的に受け入れをする方針です。職員の子どもへの対応法については職員が受講した研修を園内研修で報告したり、地域療育センターあおばからのアドバイスや職員の経験をもとに全職員が会議で話し合いをしたりして情報を共有し、同じ対応がとれるように配慮しています。
 園には段差のない保育室やテラス、多目的のトイレなどを備え、バリアフリーの環境を整えています。さらに、配慮を要する子どもには、荷物の場所がわかりやすくなるように、ロッカーの置き方などに配慮しています。また、専門機関とのかかわりを持つ場合は、保護者の同意を得て保育内容を検討しています。職員は、子どもが快適に園生活を送ることができるように研修を受講したり、地域の療育センターからのアドバイスや指導を受けたりして、会議で検討し個別の指導計画を作成しています。
 食物アレルギーのある子どもに対しては生活管理指導表に基づいて対応を行っています。アレルギー対応マニュアルがあり、職員は緊急時の対応など、必要な知識を得ています。また、栄養士も入園児のヒアリングに参加して個別にアレルギーの内容と対応を話し合い、その内容は職員会議などで全職員に周知しています。保護者には入園説明会で給食の除去食提供について説明をしています。誤配食防止のために毎朝調理室から各クラスに除去食が記載されたボードが届き、配膳時はアレルギーのある子どものトレイや食器の色を変えて区別がつくようにしています。3〜5歳児は席を決めて誤配食が起きないように配慮しています。


 

4 地域との交流・連携  園のホームページやリーフレットなどを通して将来の利用者に園の情報提供をしています。ホームページには園の特徴と保育に対する考え、年間予定、一日の保育内容の紹介、最近の園の行事などのトピックス紹介、園へのアクセスなど園の概要を掲載しています。リーフレットにはホームページの内容のほか、保育方針、ランチルームなど園内施設の紹介、定員、保育時間、敷地・建物概要、専任講師による体操・英語・新体操、特色の音楽表現などを記載しています。リーフレットは青葉区地域子育て支援拠点ラフールに置いています。園の情報は青葉区や横浜市にも提供しており、青葉区や横浜市のホームページでも園の情報を見ることができます。
 利用希望者からの問い合わせには、重要事項説明書や園のリーフレットに基づいて園長、主任が対応しています。見学希望者にはできるだけ子どもの活動の様子がよく分かる午前中の見学を勧めますが、希望者の都合がつかない場合には、保育に支障を来たさない範囲で、見学希望者の都合の良い日時に応じています。
 ボランティアの受け入れは「ボランティア受け入れマニュアル」に基づいて行っています。毎年地元の中学校からの職業体験を受け入れています。事前にどんなボランティアが入るのか職員には職員会議などで、利用者には園内掲示で知らせています。受け入れ責任者は園長ですが、受け入れ担当の職員がオリエンテーションを行い、園の理念、方針、保育の留意事項や子どもの人権尊重、守秘義務などを説明しています。ボランティア終了時には受け入れ担当者やクラス担任に園長、主任も参加して振り返りを行い、意見交換をしています。参考になる意見は園の運営に役立てています。別に地元の高校からサークル活動の申し出があり、紙芝居をしたり、子どもたちとゲームをして遊んだりしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性

  保育理念や保育目標、保育方針を玄関や事務室に掲示して、園の保育への考えを明示しています。保育理念などが記載された重要事項説明書を保護者や職員に配付して、入園説明会や年度初めの全体職員会議で園長や主任から説明を行い、周知を図っています。新人や途中入職者には重要事項説明書や「職員勤務心得」で説明しています。また、保育課程の表題部にも保育理念、目標、方針を明示し、年度末の年間指導計画の更新会議などの際に、職員は再確認しています。園長は年度末に全職員と個人面談を行い、職員が園の保育理念、保育目標、保育方針を理解して1年間行動してきたか確認しています。
 年度末に行う「保育士の自己評価」を数値化し、各項目の平均点と大項目ごとの平均点を算出してこれを園の自己評価の点数としています。またこれをカラーの棒グラフにして見やすくしています。「総評と考察」「今後の課題」では、この結果を昨年度と比較分析し、「一番評価が低かった『保護者に対する支援』が今年度(28年度)は最も高くなり、確かに保護者との信頼関係は非常に良好であった」と分析しています。逆に低くなったものもあり、遊びや表現の新たな技術の習得、主体的な自己研さんが必要、としています。自己評価を今後も職員の質の向上に生かしていきたいとしています。
 「就業規則」の服務心得や園の運営規程には法、規範、倫理などが明記され、職員に周知しています。また職員は入職に際し守秘義務の誓約書を提出し、「職員心得」や「全国保育士会倫理綱領」により、倫理と価値をもって一人一人の子どもの最善の利益を尊重するよう説明を受けています。年度初めの全体職員会議で園の理念、方針とともに守秘義務や職員心得を確認しています。園の経営、運営状況は法人のホームページに公開しています。世間で発生した虐待などの不適切な事例は、速やかにミーティングなどで情報を共有し、対応について話し合っています。

 

6 職員の資質向上の促進   研修担当の主任は職員の受講希望や園の人材育成に必要な指名研修などを踏まえて、内部・外部の年間研修計画を具体化しています。横浜市や青葉区などからの研修案内を事務室の全職員が目につく場所に置き、全職員に参加希望を募っています。職員は自分が選んだ係分担に必要な研修などに参加しています。配慮を要する子どもについて地域療育センターあおばなどの見学や実地研修に参加しています。研修参加者は復命書(研修報告)を作成し、午睡時間中の職員会議で報告したり、資料とともに回覧したりして職員間で研修成果の共有を図っています。園長と主任は研修成果の保育への活用状況などから研修を評価して、次の研修に生かしています。
 職員は「保育士の自己評価」などで年度末に自己評価を行っています。保育の自己評価は、定型化された書式によるクラス別の年間指導計画、月間指導計画、週指導計画・保育日誌があり、保育課程に基づいて、それぞれに目標や配慮点を記入し、目標と関連づけて自己評価、反省を行っています。保育の自己評価は、子どもの意欲や過程を大切にしています。職員は自己評価を通じて自らの実践の改善やその後の計画作成に生かしています。
 園運営上の「職務分担表」には資格や職種に応じた技術、能力などの業務の期待水準を記したキャリアパス(キャリアアップのモデル)があります。また園運営上の係分担を本人の申し出で決め、「○○リーダー」などの名刺を作成して渡し、その分野の遂行を任せています。通常の保育実践は職員に権限委譲していますが、偶発的な事故や苦情など状況判断を要する事例は速やかに園長や主任に報告、連絡、相談することを徹底しています。職員の改善提案を基に運動会の5歳児の親子競技をなくし、競技に集中させることとしました。子どもの頑張りを保護者が見ることができ、好評でした。職員専用の自由意見箱を設けています。園長は年度末の個人面談で職員の満足度や要望を聞いています。

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