かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市港南台第二保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜市港南台第二保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 234 - 0054
港南区港南台7-25-28
tel:045-832-3101
設立年月日 1982(昭和57)年05月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

  港南台第二保育園はJR洋光台駅からバス5分、JR港南台駅からバス8分、バス停からすぐの住宅地にあります。目の前に大きな公園やすぐ近くに円海山や自然豊かな公園が複数あり、子どもたちの散歩コースになっています。昭和57年(1982年)5月1日に横浜市によって設立されました。
 園舎は鉄筋コンクリートの2階建てで窓は大きく、陽光を十分に取り入れることができます。広々した園庭には砂場や鉄棒、滑り台、ブランコ、プールなどがあり、子どもたちはプランターや畑で季節の花や野菜を育てています。
 定員は92名(6ヶ月〜5歳児)で開園時間は平日は7時〜19時、土曜日は7時半〜16時半です。
 園の基本理念は「子どもの最善の利益を守る(一人ひとりの子どもたちが、自分が「かけがえのない存在」と感じ、自信を持って生きていけるように)」、保育目標は「心身ともに健やかで意欲的に生活できる子ども」「人とのふれあいを喜び、お互いに認め合える子ども」「豊かな感性と創造していく力をもつ子ども」です。

 

1.高く評価できる点  
●子どもたちは保育士に思いを共感してもらうことで、自分の気持ちを素直に表現し、友だちや保育士に信頼を寄せ、園生活を楽しんでいます。
保育士は子ども一人一人の態度や表情、言葉での訴えを見逃さず、気持ちに寄り添い、必ず応えています。泣いている子どもには落ち着いて話せるようになるまで待ち、気持ちを整理できるように時間をかけて聞いています。その中で子どもたちは自分の気持ちに気づいたり、友だちへの思いに気づいたりしています。言葉でのコミュニケーションが難しい子どもには保育士は抱きしめたり、膝にのせて気持ちを受けとめ、子どもの反応を確かめながら、ゆっくりわかりやすい言葉で話しかけています。子どもたちは自分の気持ちを素直に表現し、それを受け止めてもらっているので、小さいもめ事はありますが、大きなけんかに発展することなく、お互いの気持ちを伝えあい、仲良く遊んでいます。幼児クラスではけんかになりそうなことがおこると、誰かが間に入ってとりなしたり、困っている子どもがいると友だちを呼びに行ったりして、自分たちで解決しています。保育士は子どもたちの遊びを見守り、時には遊びが発展するようにアイデアを出したリ、応援してじっくり遊べるようにし、またうまく遊びに入れない子どもには一緒に遊ぶなどしています。
また、異年齢活動の保育計画を作成し、日常的に取り組んでいます。3,4,5歳児は縦割りの「なかよしグループ」を作っていて、日頃から一緒にリズム遊び、ゲーム、会食、運動会などの行事の準備をしています。このため、普段から園庭や散歩先での遊びの中で異年齢の自然な交流を見ることができます。幼児が1歳児と電車ごっこをしたり、入室を手伝ったり、クラス、年齢に関係なく一緒にままごとをしたり、鬼ごっこに誘ったり、自分の気持ちに素直に遊びたいことを遊びたい友だちとして、どの子どもも楽しく過ごしています。

 

●地域との交流を積極的におこなっていることで子どもたちは豊かな人間関係を築いています
園は横浜市港南区の育児支援センター園として、地域の子育て支援に積極的に取り組んでいます。毎月通信を出しているほか、育児相談、園庭開放、交流保育、プチ体験(給食体験)、絵本の貸し出し、部屋の提供、育児講座の開催など、地域の未就園の親子の支援をしています。
園は職業体験の中学生や高校生の受け入れをしたり、おはなし会や手話のボランティアを受け入れています。地域の民間園と合同でリズム遊びをしたり、七夕交流会を持ったり、地域の防災訓練に参加しています。年長児は隣接する福祉ホームの人たちと一緒に毎月公園清掃を行ったり、町内の老人会の人と一緒に調理体験をして、会食をしたり、ふれあい遊びをするなど交流をしています。また、小学校とも交流があり、5年生と一緒にプランターに苗や種を植えています。1年生になった時には自分たちの蒔いた花が咲き、お世話をしてくれる6年生とは顔見知りになっています。
こうした地域との交流を積極的に行っていることで、こどもたちは園庭開放に来る小さな子どもにも障害のある人にも高齢者にも、散歩先で会う人たちやどこの保育園や幼稚園の子どもにも分け隔てなく、元気に笑顔で挨拶をし、自然に接しています。

 

2.さらなる工夫・改善が望まれる点 
● 職員間の情報共有をより一層密にしていくことが期待されます  
園には保育士、調理員、育児支援保育士、ネットワーク保育士、福祉員など職種の違う職員が多く在籍し、また非常勤勤務、週に2日、3日などの勤務、短期間勤務など雇用形態もさまざまです。1日の保育の中で時間によって複数の職員が子どもと関わる状況にあり、そのことで細かな情報を共有することの難しさがあげられます。昼間の保育士と夕方以降の福祉員が同じミーティングノートを使い、記入する色を変えて、引継ぎ内容をわかりやすくしたり、話し合いの機会を増やす努力をしていますが、保護者アンケ―トの結果からも、勤務体制の複雑さや担任と話す機会の少なさ、情報の共有化がされていない不安、不満が保護者にあることが推察されますので、更なる工夫が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育方針は「子どものありのままの姿を受け止め、心地よい園生活が送れるようにします。」「安心と信頼感のもとで、自己肯定感を育てます。」「さまざまな人との関わりの中で、豊かな体験ができるようにします。」「家庭と連携を取り、安心して子育てができるように支援します。」「地域とのつながりを大切にします。」保育目標は「心身ともに健やかで意欲的に生活できる子ども」「人とのふれあいを喜び、お互いに認め合える子ども」「豊かな感性と創造していく力をもつ子ども」を掲げています。保育目標等をホームページや園のしおりに記載するとともに、各保育室にも掲示してあります。全職員は「保育理念」「保育方針」「園目標」「保育姿勢」を記載したカードを携帯し、ミーティングで読み合わせています。
・子どもが友達や保育士の視線を気にせずに過ごせるよう室内環境を考え、1階廊下『りんごの部屋』や保育室の押し入れの下にカーテンを付け『秘密基地』などを用意しました。また、必要に応じて事務室や廊下、ホールなどで一対一で保育室から離れて穏やかな気持ちで静かに話し合える場所があります。年齢に応じてトイレにドアを設置し、シャワーにカーテンを付け、プール使用時には目隠しネットを付ける等プライバシーに配慮しています。
・遊びや行事の役割、服装などで男女の区別することなく、順番やグループ分けなども性別分けをせず活動しています。ジェンダーについて研修を受けた職員はミーティングや会議で報告し、職員は内容を共有しています。職員は固定観念を持たずに保育ができるよう職員会議などで話し合い、反省する仕組みを作っています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 保育課程は、保育方針や保育目標、地域の実態、家庭の状況、保育を取り巻く社会環境などを考慮し、年度末に全職員で見直していて、子どもの最善の利益を第一義としています。入園説明会や懇談会で保育課程について分かりやすく保護者に説明し、また、各クラスに掲示し、保護者がいつでも見られるようにしています。
・子どもの状況や保護者の就労状況などを考慮し、保護者と相談しながら、ならし保育を実施しています。入園当初は食事や排泄、午睡などの生活面を主に担当する保育士を決めています。タオルなど子どもが心理的拠り所とする物を持ち込むことが出来ます。連絡帳を用いて保護者と情報交換するほか、送迎時には、保護者に家庭での様子を聞いたり、園での子どもの様子を伝え、保護者が安心できるようにしています。
・子どもたちの意見や自由な発想を受け止め、集団活動に取り入れています。子どもの興味を遊びや行事等につなげています。子どもたちは、自由遊びの時間には友達とごっこ遊びをしたり、落ち着いて絵本を読むなど自分の好きな遊びをしています。保育士は鬼ごっこやドッジボールなどルールのある遊びを取り入れたり、遊びが見つけられない子どもには、一緒にやってみようと誘うなど、子どもたちが興味、関心を持って遊べるよう援助しています。
食育活動年間計画をもとに、子どもたちは畑で野菜を栽培し、収穫を体験しています。収穫物は調理活動に発展させたり、地域の人々を誘ってカレーパーティーを実施したりしています。また、子どもたちはオタマジャクシ、カブトムシ、カマキリなどを飼育して、図鑑で調べ、生き物を観察したり、制作に繋げるなど、動植物の飼育や栽培を保育活動にフィードバックしています。
・園だよりやクラスだよりを定期的に発行して、園や子どもたちの様子、子どもに関する情報などを伝えています。幼児クラスはその日のクラスの様子を「クラスノート」に書いて活動内容を保護者に知らせています。また、子どもたちの様子を写真に撮って保育室や玄関、廊下などに掲示したり、懇談会でスライドショーを行うなどして日常の保育の様子を伝えるよう努めています。
・子ども同士のけんか等については、保育士は、子どもの気持ちを尊重し、思いを代弁するなどして、子ども同士で仲直りできるよう配慮しています。調査日も保育士は泣いている子どもの話を根気づよく聞き、丁寧に対応している様子が確認できました。異年齢交流は、行事や野外活動など日常的に行うほか、夏季の幼児クラスの縦割り保育や年間を通しての仲良しグループの交流など異年齢の子どもたちや保育士と関わる時間を設けています。また、5歳児は着替え当番、トントン当番として、年下の子どもの着替えや午睡の手伝いに出かけています。保育士は常に公平で温かい態度や言葉遣いで子どもと接し、信頼されるよう努めています。
・保護者が予定を立てやすいよう、年度末に次年度の年間行事予定を配布し、園だよりには月の予定を掲載して知らせています。保育参観や保育参加はクラスごとに設定された日がありますが、それ以外の日でも受け入れています。懇談会などに出席できなかった保護者へのフォローは、懇談会などのレジメを手渡し、内容を個別に口頭で伝えています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

・保育士は登園時に子どもの様子を観察し、保護者から口頭で様子を聞くなどしています。また、必要に応じて園での子どもの健康状態について保護者に電話連絡をしたり、引き継ぎノートに記載して降園時に口頭で状況を伝えたりして、保護者と降園後の対応を話し合っています。歯磨き指導は年齢発達に応じた指導を行っています。子どもたちは、歯科健診の際に歯科医や歯科衛生士から歯磨き指導を受け、巡回看護師から歯磨きや健康面に関する指導を受けています。また、虫歯予防集会を行い、5歳児クラスの子どもたちの劇などを他のクラスに見せて歯磨きの大切さを伝える工夫をしています。
・感染症マニュアルには、各種感染症とその対策、対応方法が明記されています。保護者には、感染症の主な症状と登園停止基準が記載された「入園のしおり」を配布して説明しています。保育中に感染症の疑いがあった時には、担任が園長、主任に報告して保護者に速やかに連絡し、事務室で静かに過ごしお迎えを待ちます。感染症が発生した時は、病名・症状・潜伏期間・感染経路・登園のめやすなどを記載したボードを各クラスや登降園門の掲示板に掲示して知らせています。感染症に関する最新情報は港南区役所から情報を入手でき、その都度職員に周知しています。
・安全管理に関するマニュアルとして「安全管理マニュアル」「保育・教育施設班活動マニュアル」があり、マニュアルは事故や災害に適切に対応し、全職員に周知しています。緊急連絡体制は確立しています。緊急時にはメール配信を行い地震を想定してロッカー等は転倒防止策がとられ安全対策が講じられ、年間計画を立てて毎月地震や火災、不審者対応などについて避難訓練を行っています。また、地域の防災訓練や他園と一緒に合同訓練にも参加しています。消防署の職員が来園して救急救命法(AED・心肺蘇生法)の園内研修を実施しています。

 

4 地域との交流・連携 ・地域の子育て支援ニーズについては、年度末に次年度の計画を立てる時に職員間で話し合っています。地域の子育てを支援するために、交流保育、園庭開放を実施しています。地域の親子と園児の交流を目的にする交流保育は“どろんこ遊び”“七夕まつり”“ボディペインティング”“リズム”“体を動かして遊ぼう”“わらべ・ふれあいあそび”“節分”“ひなまつり”などを実施するほか、毎月1〜2回「プチ体験」を実施して、園児と交流し給食を一緒に食べる機会を設けています。また、地域住民に向けて『おはなし会』『室内楽を楽しもう』『保育園てどんなところ?』『リースを作ろう』などをテーマに育児講座を開催しています。
・地域の文化・レクレーション施設としてログハウスや子ども科学館などを利用しています。散歩など園外活動時に地域の人々と接する機会を持ち、挨拶をするなど交流を図っています。また4,5歳児は年に数回、高齢者施設に手作りのプレゼントを持って出かけ、歌を披露したり、一緒に折り紙を折るなど交流を続けています。小学校とは、ひまわりの種まきから栽培を通して交流を図り、近隣の保育園、幼稚園と交流をしています。年長児は、七夕フェスティバルや焼き芋などの地域の行事に参加しています。
・実習生の受け入れのためのマニュアルがあり、マニュアルに基づいてオリエンテーションを実施し、実習生に対して保育園の方針、利用者への配慮を十分説明し、誓約書を取っています。実習生の受け入れは主任が担当しており、受け入れにあって、あらかじめ職員へは会議で説明し、保護者へは掲示や園だよりで周知しています。実習目的に沿って、効果的な実習が行われるよう学校側と相談してプログラムを作成しています。毎日の終了後反省会を行い、終了一日前に実習生、担当保育士、主任、園長でより良い実習が行われるよう、反省会を実施しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・園長は、横浜市や港南区などの会議や研修に参加し、必要な情報を収集しています。収集した情報は、リーダー会議で分析、検討してから、乳児会議、幼児会議で話し合い、重点改善課題とし、職員会議で決定し、園として全職員の取組みとしています。
・保育士の自己評価をもとに、保育会議や職員会議で報告、話し合い、保育所としての課題を明らかにし、改善に向けて取り組んでいます。年度末に保護者アンケートを実施し、結果をもとに課題を取り上げ、話し合っています。保育所としての自己評価は保育方針と保育目標に沿って行い、課題と取り組み状況を評価し、次年度の課題、検討事項を明らかにしています。自己評価は保育室に掲示し、保護者に公表しています。
・業務にあたっては必ず、正規職員と非常勤職員を組み合わせて職員配置をしています。非常勤職員は福祉員研修、アルバイト職員研修、港南区の人権研修に参加しています。非常勤職員に業務マニュアルは配布されていませんが、読み合わせをし、また各クラスに保管されており、いつでも見ることができるようになっています。
6 職員の資質向上の促進 ・主任、乳児リーダー、幼児リーダーがいて、毎月のカリキュラムについては、主任、フリー保育士が目を通し、指導、助言を行っています。また、個々の職員の業務状況や精神的、身体的な状況を把握し、必要な助言をしたり、相談にのっています。
・園内研修担当者が園内研修の内容を決めています。今年は保育室や園庭の環境についてとりあげ、年間をとおして改善に取り組んでいます。また、全職員を対象とした嘔吐物処理や消防署員によるAEDなど救急法など内部研修をおこなっています。外部研修としては横浜市や港南区、よこはま港南地域療育センターが主催する研修に積極的に参加しています。外部研修に参加した職員は研修報告を作成、提出するとともにミーティングや職員会議で報告しています。
・横浜市人材育成ビジョン、横浜市人材育成計画に経験や能力、習熟度に応じた役割が期待水準として明記されています。
・運営業務分担表を作成して、個々の職員の運営担当業務を決め、可能な限り権限を委譲しています。
・園長は全職員と面談をし、職員の満足度や要望を聞いています。

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