かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク戸塚保育園(12回目受審)

対象事業所名 アスク戸塚保育園(12回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 244 - 0003
戸塚区戸塚町4822-12 野村ビル1・2階
tel:045-869-1972
設立年月日 2006(平成18)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 アスク戸塚保育園は、JR東海道線および横浜市営地下鉄ブルーラインの戸塚駅から徒歩10分ほどのところにあり、長後街道沿いの鉄筋2階建てビルに入居しています。
 周辺は、マンション・戸建ての住宅や商店がある住宅地となっています。近隣には、大きな寺、大小の公園や河川敷があり、子どもが自然に触れ合うことができる環境となっています。
・園の特徴
 開設は平成18年4月1日で、11年目の保育園です。定員58名で、現在58名在籍しています。1階に0、1歳児クラス、2階に2〜5歳児クラスがあります。2歳児クラスは独立していますが、3〜5歳児は、ワンフロアをロッカーで区切り、各クラスのスペースとして利用しています。場合により、区切りをなくし、広く利用することもあります。
 園庭は、園舎から50メートルほど離れており、花、野菜を育てたり、夏場のプール遊びを楽しんでいます。

 

【特に優れていると思われる点】
1.遊び込める環境作り
@保育室は1階が0、1歳児クラスで、2階は2歳児のみ保育室が独立していますが、3〜5歳児クラスはワンフロアを各クラスで区切って使用しています。「朝の会」「帰りの会」はフロアごとに合同で行っています。朝夕の自由遊び時間は異年齢合同で一緒に過ごし、好きな遊びを楽しんでいます。とくに午後のおやつ後は、異年齢で遊ぶ時間を十分とり、それぞれ興味のあるコーナーで遊んでいます。
スペースの制約がありますが、ロッカーを移動してクラスの仕切りをなくし、十分身体を使った遊びやリズム体操ができるように、職員間で連携を取り、活動に取り込んでいます。また、メリハリをつけて静かな活動に集中できるようコーナーを作るなどの工夫もしています。
A積極的に散歩や戸外活動をしています。近隣の様々な公園や、電車を見に駅まで出かけ、乳児でも歩く距離を延ばしたり、バギーに乗っている子どもも、順番に職員と一緒に歩く機会を作っています。幼児は、広い公園で思いきり走ったり、チームでリレーをしたりしています。職員や友達と一緒に、草花や虫に触れたり、鳥の観察、川を眺めて水の流れや植物なども観察し、自然に触れる機会を楽しんでいます。保護者アンケートでも、「クラスの活動や遊びについて」「子どもが戸外遊びを十分しているか」「遊びを通じてともだちや保育者との関わりが十分もてているか」の項目で、肯定的回答がそれぞれ、97%、97%、100%と高い支持を得ています。


2.職員の連携によるきめ細かい対応
 保育室が1階、2階ともワンフロアのため、職員間で、その日の予定を確認しあい、連携・協力して保育にあたっています。散歩や活動の時間を調整しあったり、集中した活動を行いたい場合は、ほかのクラスが散歩に行っている間に行う、その時間帯を合同クラスとし、空いたスペースを使うなど落ち着いて取り組めるよう工夫しています。日常保育の中で、職員は、常にほかのクラスの子どもにも声かけしたり、トイレ、食事、活動の切れ目の時間帯などの手助けもお互いに行っています。また乳児会議・幼児会議でクラスを超えて、子ども一人一人を良く知り、対応できるよう熱心に話し合いをしています。
 保護者へも、クラス担当に限らず話しかけ、子どものエピソードや楽しんでいた事・できた事などを伝えています。勤務年数の長い非常勤職員も多く、クラスを問わず、子どもや保護者と顔なじみになっており、安心感が持てる存在となっています。
 保護者アンケートでも「あなたのお子さんが大切にされているか」「話しやすい雰囲気、態度であるか」の項目で肯定的回答はいずれも100%となっています。

 

3.「たまごクラブ」の定期的な開催
 今年度の「保育課程」に、地域の乳幼児(おもに乳児)を持つ親向けに子育て支援活動として「たまごクラブの開催」を盛り込み実行しています。0、1歳児クラス担当職員が中心となり、毎月1〜3回開催しています。毎回、具体的な育児相談を受け付けるほか、参加者同士が困ったこと、悩んでいることを話し合ったり、共感しあったりする場ともなっています。また、職員が「保育園とはどういうところか」「ならし保育とはどういうことか」などを説明したり、園見学をプログラムに組み込み、子どもたちの様子、活動内容なども実際に見てもらったりしています。

 

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.第三者委員の再確認
保護者からの要望・苦情の対応について、第三者委員も交えて対応する仕組みとなっていますが、現在、機能していない状況です。苦情解決窓口としての第三者委員の再確認が望まれます。

 

2.要望・苦情の記録化
 日常寄せられる意見や要望、苦情などについては、全職員に周知し、対策を講じていますが、記録が確認できませんでした。保護者から寄せられる細かな要望、意見なども記録に残し、蓄積・整理して、解決に活かすことが期待されます。

 

3.地域に根差し、開かれた保育園運営
 平成24〜29年度中長期計画に「地域に開かれた保育園を目指す」をあげています。園行事の案内を掲示していますが、地域住民の参加実績はありません。また自治会や、地域の団体・関係機関との定期的な交流や協働した取り組みは行っていません。今後、自治会や地域の行事への参加や、地域の団体と定期的に交流の機会を持つなどの取り組みが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・設置法人統一の運営理念は「安心・安全を第一に」「お子様にとっていつまでも想い出に残る保育を」「利用者のニーズに合った保育サービスを」「職員が楽しく働けること」、保育の基本方針は「子どもの自ら伸びようとする力、後伸びする力を育てる、子どもの感受性や好奇心を自然な形で伸ばす」「五感で感じる保育の充実を目指す」としています。園目標は「元気なあいさつ・明るい笑顔」「花や緑を大切にしよう」としています。運営理念、園目標とも子どもを尊重したものとなっています。

・職員は設置法人研修などで、子どもの人権尊重について学んでいます。「保育園業務マニュアル」に人権の項目があり、言葉かけ・対応など職員に周知しています。

・設置法人作成の「個人情報保護マニュアル」があります。個人情報の取り扱いについて「保育園業務マニュアル」内に記載があり、入社時に説明を受け誓約書を会社に提出しています。

・個人情報の取り扱いについて入園前の説明会で保護者に話をしています。「重要事項説明書」にも記載しています。ホームページ上の写真の掲載などについて承諾の有無を確認し保護者から承諾書を提出してもらっています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・低年齢児クラスは、月齢や発達段階により、ベビーベッドやつかまり立ちできる低い棚などを用意しています。食事や午睡、活動の場は同じ保育室内ですが、動線や環境設定を工夫し、衛生面に配慮しています。

・乳児、幼児はそれぞれワンフロアを保育室として使っており、日常的に交流しています。朝、夕の合同時間帯は異年齢で過ごしています。お誕生会、節分などの行事に、異年齢で交流しています。出席人数により、クラス別の「体操」「リトミック」の活動を合同で行う場合もあります。

・ワンフロアを、クラスごとにスペースを区切って使用しています。ロッカー内におもちゃや絵本・お絵かきの道具などが整理して置かれてます。おもちゃや絵本などを背の低いロッカーに収納することで子どもが取り出しや片づけがしやすくなっています。自由遊びの時間は、クラスを超えた異年齢合同で、色々な遊びのコーナーや場を設けています。

・園庭で野菜や花の栽培や収穫を体験しています。積極的に散歩や戸外活動に出かけています。草花や虫に触れたり、鳥の観察、かたつむりを育てるなど自然や生き物に触れる機会を多く作っています。

・職員は子どもの気持ちを受け止め、共感できるようにし、信頼関係を築くよう努めています。言葉遣いや対応について、園長・主任が助言や指導をするほか、設置法人階層別研修で学んでいます。

・食事は、子ども同士や保育士と会話も楽しみながら食事をしています。食事量の少ない子どもには配膳時に少ない量にして食べきること、おかわりをすることで食べきる満足感を味わえるようにしています。食具は子どもの発達状況に応じ、対応しています。お当番活動、クッキング保育や野菜の栽培などを通し、自分たちで調理することの楽しさや、作ってくれる人への感謝の気持ちも持てるようにしています。

・午睡は、眠れない子どもには身体を休める大切さを説明し、布団の上で横になるようにしています。乳幼児突然死症候群を防ぐために、呼吸チェックを行い、寝る姿勢についても確認し、記録をつけています。5歳児クラスは年明けから午睡の時間を減らし就学に向けて生活のリズムを調整しています。

・トイレットトレーニングは子どもの個人差を考慮し保護者と相談しながら、個々のペースで進めています。

・地域の施設利用や交流については、踊場公園内のログハウスや図書館、地域ケアプラザの利用をしています。戸塚消防署の見学に行くこともあります。

 

3 サービスマネジメントシステムの確立

・ならし保育については、入園前説明会、入園前面談の時に保護者に説明しています。ならし保育は各家庭の都合に考慮し、期間を決めています。

・「児童票」「面談シート」「健康調査票」を個人別ファイルにまとめています。
入園後の子どもの成長については、毎月の身長・体重測定の記録や健診結果を「健康調査票」に記載しています。発達の記録は、0〜2歳児は毎月、3〜5歳児は3か月ごとに「児童票」に記入しファイルに綴じています。子どもの個別ファイルは事務室の鍵付き書庫に保管してあり、職員は必要な時に事務室内で確認できます。

・食物アレルギー、発達の遅れなど配慮を要する子どもを積極的に受け入れています。発達障がい、アレルギー対応などの設置法人研修を受講し、研修受講後は職員会議で、内容を報告しています。また職員会議、ケース会議で子どもの様子や状況を話し合っています。

・虐待防止マニュアルがあります。設置法人の研修受講で、定義が全職員に周知されています。虐待が明白になった場合には、設置法人、戸塚区こども家庭支援課、横浜市南部児童相談所に通告、相談する体制となっています。

・要望・苦情の受付担当は主任、解決責任者は園長としています。第三者委員の連絡先を園内掲示、および「入園のご案内」に記載していますが、現在連絡が取れていません。苦情解決窓口としての対応の改善が望まれます。横浜市福祉調整委員会の苦情相談案内ちらしを掲示しています。

・健康管理、衛生管理、安全管理に関する各マニュアルを整備し、マニュアルに基づいた対応や、訓練、内部研修を行っています。

 

4 地域との交流・連携

・地域の乳幼児を持つ親向けの「たまごクラブ」、育児相談日、園見学者などから、子育て支援ニーズを把握しています。園長が戸塚区の保育園園長会議、地域ごと(戸塚西口地域)の園長会、新設園間話し合いなどに出席し、意見交換と情報交換をしています。

・「たまごクラブ」を毎月1〜3回開催しています。育児相談や参加者同士の話しあいや、園見学も同時に行っています。

・散歩中に近隣の住民と挨拶を交わしています。戸塚消防署の見学に行くこともあります。クッキング保育の際、近隣の商店で食材の購入をしています。年長児が近隣地域の保育園との交流会に参加しています。高齢者施設「ミモザ」に4、5歳児が出かけ、一緒に歌ったり、プレゼント交換などをして交流をしています。

・地域の自治会、団体や機関との定期的な交流は行っていません。今後、定期的な交流や協働への取り組みの検討が期待されます。

・入園希望者の問い合わせには、園長・主任がパンフレットや入園のご案内に基づき、対応しています。見学については、午睡や登降園の時間を避け主活動のある10時以降や午睡明けの15時以降を勧めていますが、可能な限り日程調整をおこなっています。また「たまごクラブ」参加者は園見学もプログラムに組み込んでいます。

 

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園のパンフレットや設置法人のホームページにより園の情報などを掲載しています。さらに、財務データ、運営状況についても公開しています。

・職員の守るべき倫理、服務規程は、「就業規則」「保育園業務マニュアル」に明文化し、全職員に周知しています。

・設置法人が作成配付している、倫理・規程が書かれた「CREDO」カードを全員所持しています。設置法人にコンプライアンス委員会を設置し、不正があった場合の連絡先などを事務室、休憩室に掲示し、直接通報できる仕組みがあり、職員に周知しています。

・ごみ減量化、リサイクル分別をしています。牛乳パック、ペットボトルなど廃材を利用し、手作りおもちゃや製作に利用しています。ペットボトルの蓋回収箱を玄関に置いています。節電、節水に努めています。子どもが水を出しっぱなしにしないように伝えています。保護者にも節電に協力をお願いしています。

・事業運営に影響のある情報は設置法人で収集・分析しています。園では園長が、設置法人園長会議、戸塚区園長会議や行政機関などから情報を収集しています。改善課題については、職員会議、幼児・乳児会議で話し合い、職員に周知し保育所全体の取り組みとしています。

 

6 職員の資質向上の促進

・人材育成については経験年数に応じた、設置法人の「階層別研修」があります。年に2回職員は「自己査定」を行っています。個々の職員は「自己査定シート」をもとに、個別年間研修計画を作成し、半期ごとに振り返り、園長との個別面談を行い、目標の達成度、研修成果についての評価を行っています。

・設置法人が年間研修計画を作成し、職員は「個人別年間研修計画」を立てています。非常勤職員も研修に参加できる体制となっています。研修受講後は、レポートを提出し、職員会議で報告や、保育に活かせる点を説明しています。資料、レポートはファイルにし回覧や閲覧できるようにしています。「おう吐処理」「衛生管理」については業務の中で、非常勤職員に説明や確認を行っています。

・年間指導計画、月案、週案には評価反省の欄がある書式となっています。子どもの育ちや、意欲、活動への取り組みを重視して振り返りを行うようにしています。

設置法人作成の「保育士人材育成ビジョン」に経験年数に応じた役割が期待水準として明文化されています。職員は年に2回「自己査定」をしています。園として毎年、第三者評価を受審しています。

 

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