かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

やまゆり保育園

対象事業所名 やまゆり保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 柳下福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 247 - 0003
栄区鍛冶ヶ谷町323
tel:045-894-5353
設立年月日 1980(昭和55)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 やまゆり保育園は、JR「本郷台」駅から徒歩15分ほどの位置にある、昭和55年4月に開所した私立保育園です。ヨコミネ式保育を取り入れ、子どもの「心の力」「学ぶ力」「体の力」を育てる保育を目ざし、保育目標に「健康で明るく元気な子」「みんなと仲良くできる子」「お約束を守れる子」を掲げています。定員は140名(0〜5歳児)、開園時間は、平日は7時00分から19時30分まで、土曜日は7時00分から18時までです。毎日、かけっこ、体操、読み書き・計算、音楽を行い、保育面では異年齢保育を実施し、子どもたちのやる気や自主性、思いやりの心を育てる保育を行っています。

 

《特に優れている点・力を入れている点》
○さまざまな体験を通して、「心の力」「学ぶ力」「体の力」が育てられています
 ヨコミネ式保育を取り入れ、0歳児からフラッシュカードによる学びを行い、1歳児からかけっこ、2歳児は柔軟体操や壁逆立ちを取り入れています。3〜5歳児クラスでは、個々のペースに合わせて、体操、音楽、ワークブックによる読み書き・計算と英語のDVD観賞を行っています。また、3〜5歳児クラスでは週1回専門講師による音楽教室を実施し、0〜2歳児は月1回、3〜5歳児は週1回専門の体操講師による指導を受けています。月1回、0〜5歳児クラスで2組ずつがペアとなり、体操の成果を見せ合ったり、鍵盤ハーモニカの演奏会を行ったりして交流しています。月1回ほど、園外活動を行い、水族館、動物園アースプラザ、科学館などに行っています。これらのさまざまな体験を通して、「心の力」「学ぶ力」「体の力」が育てられています。

 

○園では「子育て広場」の活動を通じて、地域の親子に対する子育て支援に取り組んでいます
 園では地域子育て支援事業を「子育て広場」という名称にして、育児相談、園庭開放、交流保育、育児講座などを実施し、地域に定着しています。育児相談では子育てに不安をもつ保護者に対して保育士や看護師、栄養士が相談に応じ、身近な子育ての相談機関の役割を果たしています。隣接する山を含む園庭を開放し、子どもは在園児とともに遊び、保護者は保育士との交流を通じ、子育ての助言をもらっています。さらに「親子体操」「マタニティヨガ」など、保護者に人気のあるテーマで育児講座を実施しています。園の行事に未就園児が参加する交流保育では、夏に「すいか割り」、冬に「おもちつき」など季節に合った行事を企画し、地域の保護者を招待しています。園では、「子育て広場」の活動を通じて、地域の子育て中の親子を支援しています。

 

○担任交代を取り入れ客観的に保育を見ることで、保育の質を高めています
 職員が自分以外のクラスの保育に参加して、客観的に保育内容や環境について見る機会があります。これによって、保育の良いところ、改善が必要なところについて、いろいろな角度から見つめ直すことができます。さらに、ほかのクラスに入ることで、自分のクラス子どもに対するかかわり方などについて発見することもあり、全職員がそれぞれに持つ知識や取り組み方を組み合わせることで、一人の子ども対しても、保育に対しても多面的にとらえることができてきます。このようにして、職員全体で保育内容のスキルアップを行い、園全体の保育の質の向上を図っています。

 

《事業者が課題としている点》
 社会福祉法人として社会貢献活動の重要性は認識しており、当法人として何ができるのかを役員、顧問税理士、有識者の意見を聴きながら検討したいと考えます。また、就学前児童数の減少が想定されるため、将来を見据え、あらゆる角度から園運営について考える必要があると考えます。地域の子育て家庭に対して自園のアピールを積極的に行うなど今後の園運営について考えていきたいと思います。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

 保育理念は「児童福祉法及び児童憲章の精神に基づき、未来を担う子どもたちの人間形成のもとを培う」、保育方針は「子どもの無限の可能性を引き出し3つの力 <心の力><学ぶ力><体の力> を育成する」とあります。これらは利用者本人を尊重したものとなっています。職員室には保育理念、行動指針を掲示して、職員は毎日朝礼にて唱和し、理解を深めています。また、年度末の自己評価で基本理念に基づき、自身の保育について気づいたことを記述して次年度に備えています。園の特色であるヨコミネ式保育や、外部講師による体操教室、音楽教室、そして園をとりまく豊かな自然を利用した子どもたちの感性をはぐくむ体験活動は、保育の基本方針に沿ったものになっています。
 やまゆり保育園のルールとして「子どもを呼び捨てにしない、ニックネームで呼ばない」と決めています。子どもの人権を尊重し、子どもに対する言葉のかけ方や、否定的な言葉を使わないことを職員は周知しています。子どもに対して、「はやくしなさい」ではなく、「おともだちが、まってるよ」と、子どもが自発的に頑張ろう、行動しようと思えるような言葉がけをするように配慮しています。
 子どもの様子に配慮し、子どもが一人になりたいときには、応接室や職員室を使ったり、保育室をパーテーションで区切り、一人になれるスペースを作ったりしています。保育士と一対一で話をするときは、その子どもの様子を見て、部屋の隅や使っていない部屋、職員室などを使用しています。着替えは外部から室内が見えない場所で着替えたり、パーテーションを立てたり、お泊まり保育のときにはオムツを使用している子どもの着替えは別室で行うなどして子どもの羞恥心に配慮しています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  保育理念に沿って作られた保育課程は、保育の基本方針と保育目標「健康で明るく元気な子」「みんなと仲良くできる子」「お約束の守れる子」に沿って、子どもの最善の利益を第一義に作成されています。そして、子どもの家庭環境や園を取り巻く環境、地域の実態、長時間保育に関しての配慮などを考慮し保育の実施などに取り組んでいます。年度末の職員会議で保育課程の見直しをしています。保育方針や理念について園のパンフレットに掲載し、入園時には園長が保護者に向けて具体的な説明をして、保育課程をかみくだいて説明をしています。
 保育課程のもとに年間指導計画、月間指導計画、週日案が各年齢別に立てられています。活動の前には、子どもに内容について、ていねいに説明しています。子どもの年齢や発達に応じたわかりやすい言葉、また視覚的にとらえやすい方法でゆっくり話しながら説明しています。日々の保育はこの指導計画のもとに進められますが、子どもたちの発案やその日の意向などで変更する場合もあります。例えば劇などの配役は子どもたちの意見を尊重し、子ども同士で話し合ったりしますが、職員はこども一人一人が輝けるように、配役や内容について提案をする場合もあります。園では自分のクラス以外の担任をする「担任交換」を行い、他クラスから見た各クラスの良い点、改善点を伝え合い保育の質の向上を図っています。
 入園にあたって、職員が保護者と面接をしています。新入園児説明会には親子で来てもらい、保護者のみ説明会を実施し、その際に子どもの様子を職員が観察しています。その後、個別に面談アンケートに沿って子どもの生育歴や家庭の状況、園への要望などを聞き取り、保護者と子どものかかわり方も見ています。アレルギーのある子どものように特別に配慮が必要なケースには、栄養士など必要な職員が同席します。面接時に記録した内容は面接報告書に記載し、その日のうちに職員に周知しています。面接の記録内容は職員会議も個々の状況について報告し、話をして全職員で把握するようにして、入園後の指導のあり方を全職員で確認しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  短縮保育について保護者に説明し、保護者の納得を得たうえで保育を進めています。また、短縮保育は保護者の希望に応じて日数、時間を決めています。0、1歳児には主担当職員を決めて、子どもとの愛着関係を築くようにしています。自宅で使用しているタオルなど子どもの心の拠りどころとなる物の持ち込みにも対応しています。保護者とは連絡帳を通して子どもの様子を毎日詳しく報告し合い、園と家庭での生活が無理なく連携できるようにして、保護者とも信頼関係が築けるようにしています。進級時にはクラス担任のうちできる限り一人が持ち上がり、引き継ぎを進めています。また、進級前に新しいクラスで過ごす時間を計画的に作り、進級時に子どもたちが落ち着いて活動できるよう配慮しています。
 毎月の指導計画には、保育士の自己評価と子どもの評価の欄があります。この欄を活用して次月の指導計画を立てる際の評価、見直しをしています。クラス内の子どもの様子は月に1度は会議にて情報交換をして、課題があれば解決策を検討するなど話し合いが持たれています。保護者とは、連絡帳や日々の会話を通じて要望、意向を得ています。例えば、トイレットトレーニングや、離乳食などの個々の発達による個別の対応が必要なものは、保護者の意見、意向を指導計画に反映させて家庭との連携がとれるように配慮しています。保護者が自由に意見を言いやすいように、お便りポスト(意見箱)も置かれています。
 保育所児童保育要録は担任が記入し、主任、園長が確認し小学校に送付しています。入園時には保護者から提出された児童票をもとに個人別のファイルを作成しています。子どもの成長が具体的にわかるように、0〜2歳児は毎月、3〜5歳児からは年間を3期に分けた期ごとに個人記録(発達成長記録)を保管しています。健康状況表はクラスごとに管理し、入園調書は事務室に全園児分が保管され、子どもの個別の記録は全職員が情報共有できるようにしています。重要な業務事項を引き継ぐ際には、「連絡ノート」を活用しています。毎月記録される子どもの「状況報告」を参考に、進級時には次年度の担任に引き継ぎが行われています。
4 地域との交流・連携

 栄区の区民まつりでの住民との交流や子育て支援会議、幼保小連携会議などに参加して情報交換することにより、園に対する要望の把握に努めています。さらに、子育て支援事業の一環で行う園庭開放や交流保育、育児講座などの参加者のアンケートや会話を通じて、地域の福祉ニーズの把握に努めています。育児相談では月曜から金曜日までの相談体制を整え、個別の相談に応じながら、保育ニーズの把握に努めています。園長会や横浜市内の事業者団体では、テーマに応じて地域の共通課題について協議し、課題解決に向けて、関係者と連携して活動に取り組んでいます。
 園では、育児相談や交流保育などの子育て支援活動や、園長会などで得た地域の子育て支援ニーズに関する情報を整理、分析し、職員会議等で検討し、次期の子育て支援活動計画を作成しています。地域の未就園児の保護者を対象に一時保育を行うほか、地域子育て支援活動を「子育て広場」というプログラムとして、園庭や山の遊び場、多目的室の開放、「親子体操」「マタニティ体操」などの育児講座、「おもちつき」「プール遊び」などの交流保育、育児相談などに取り組み、園が有する機能、専門性を地域に還元しています。
 子育て支援事業を案内するチラシを作成し、子育て支援センターや栄区役所に置いてもらうほか、近隣の保育園の協力を得て地域の子育て中の保護者に配布しています。

 

5 運営上の透明性の確保と継続性

 保護者が必要とする情報をわかりやすく伝えるため、園独自の媒体としてパンフレットを作成するほか、ホームページを運営しています。ホームページは本年度、リニューアルを行い、保育方針、保育園の概要、保育園の一日、地域子育て広場などのメニューのほか、「ブログ」や「園だより」のコーナーを設け、リアルタイムに情報を更新しています。外部の情報媒体では、栄区広報誌、横浜市や栄区地域子育て拠点「にこりんく」などのホームページへの情報提供など、行政の子育て支援に関する広報に協力しています。
 利用希望者が保育園のことを正しく理解できるよう、見学者に「Q&A」を配付しています。見学の対応は月曜から土曜日までとし、可能であればプログラムのある午前中を勧めながら、利用希望者の都合に合わせています。見学者への対応は主任、副主任が行い、入園のしおり、年間行事予定表、「Q&A」などをもとに説明するとともに、実際の保育を見てもらい、保護者の不安の解消に努めています。
 園では、ごみ減量化やリサイクル、省エネルギーの促進に努めています。段ボールや牛乳パックを再利用して、保育教材に活用するほか、ペットボトルの分別回収などに取り組み、リサイクルに努めています。保育室の照明はLEDを採用するほか、一年を通じて室温を適切に管理し、使っていない部屋の電気を消すよう心がけるなど、省エネルギーに努めています。横浜市の「環境教育出前講座」に応募し、園で環境教室を開催しています。教室では、ごみ分別の意義や方法を学び、環境問題の意識啓発に努めています。園だよりで環境対策に対する協力を保護者に求め、ごみ分別などの啓発に取り組んでいます。

 

6 職員の資質向上の促進

 実習生の受け入れのため、「保育実習・ボランティア受け入れマニュアル」の冊子が整備されています。実習が充実したものとなるよう、養成校の担当者と定期的に意見交換を行っています。実習の2週間前にオリエンテーションを行い、実習生に実習上の留意点などを説明しています。保育実習は年間10人程度受け入れ、保育士の養成という社会的な役割を果たしています。また、保育実習のほか、小児科希望の看護師の2日間の看護師実習も受け入れ、医療従事者の養成に貢献しています。保護者には実習の前に園だよりや掲示板で周知するとともに、職員には適切な指導、助言を行うよう求めています。実習最終日には反省会を開き、振り返りを行い、反省や意見などを求めて園の運営に生かすようにしています。
 職員配置は中堅以上の職員と初任者の組み合わせを標準として、日常的にOJTが円滑に実施できるバランスの良い職員配置となるよう努めています。この配置に支障が生じるような場合、保育士養成校や職業紹介事業者、人材派遣事業者に依頼して補充を行うなど、保育の質の維持と現任職員の負担の軽減に努めています。自己評価に伴う年2回の園長面接を通じて、目標の達成度の評価を行うなど、個々の職員の目標管理を支援しています。園では、この自己評価と研修計画を一体的に運用することで、人材育成を計画的に推進しています。
 面接を通じて個人の研修希望を把握し、キャリアパスに基づく階層別の役割に応じて、年度ごとに研修計画を作成しています。園内研修は、月1回の職員会議の一部を研修にあてるほか、年2回の全体研修を実施しています。また、他の保育園と相互に公開保育を実施するなど、他園の取り組みを保育内容に生かしています。研修計画の要件に該当する研修案内を職員に回覧して、希望を確認のうえ地域の集合研修や、事業者・職能団体が行う研究大会に参加してもらうようにしています。研修参加者は研修報告を提出し、振り返りの機会にするとともに、職員会議で報告を行い、共有に努めるとともに、研修で得た成果を園の運営に反映するよう努めています。

 

 

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