かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市天王町保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜市天王町保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 240 - 0005
保土ヶ谷区天王町2-42-29
tel:045-331-1811
設立年月日 1978(昭和53)年06月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

施設の特徴
 横浜市天王町保育園は、昭和53年6月に開所し、今年で40年目になります。相鉄線天王町駅から徒歩5分のところにある利便性の高い保育園です。駅前商店街からも近く、住宅や天王町団地と公園に隣接し、帷子川も近くを流れ川沿いに遊歩道のある散歩にも適した環境にあります。
 園舎は2階建て、園庭とプールを備え、2階の屋外テラスは遊び場として十分な広さがあります。定員は101名で、通常保育・延長保育・障害児保育とともに保土ケ谷区の「育児支援センター園」と「ネットワーク事務局園」の役割を担い、担当する保育士が様々な企画や交流に取り組んでいます。園の保育方針に「子どもが育つ力を発揮し、自ら主体的に生きる力が持てるよう支援する」を掲げ「感性豊かな子」「思いやりのある子」などを園目標としています。保育園は多様な子どもたちが在園していることから、保育士・調理員・福祉員など職員が一体となり、各クラスでは「チームとシフト制」による保育を実践しています。


特に優れていると思われる点
1.遊びや生活を通して主体性を尊重した保育を行い、見える保育の機会を設けています。 
 子どもの発達に合わせ、一人一人の興味や関心がわき、遊びこめるようにおもちゃの入れ替えを年数回行っています。子どもがじっくり遊べるコーナー作りをして、自由に取り出して片づけしやすい写真表示や、高さ、配置の工夫をしています。乳児は2階への階段の上り下りをよい機会と捉え、散歩や園庭遊びを積極的に行っています。幼児は、体調なども考慮しながら、園庭や散歩に出て、鉄棒などの遊具を使用し体を動かすことを援助し、色々な遊具に十分触れられるよう活動しています。子どもの成長に合わせ、スプーンやフォーク、箸の利用も遊びの中で練習しています。
 乳児クラスでは一日保育士体験の際、保護者であることを気づかれないよう、職員風に変装して保育参加し、普段の子どもたちの様子や保育の仕方を観察できるようにしています。子どもの作品を持ち帰るなど保護者が園内活動に興味を持てるよう、見える保育の機会を設けています。


2.多様な子どもどうしの触れ合いと、地域の方々とも交流を持ちながら貴重な経験を積んでいます。
 保育園は多様な子どもたちを受け入れ、職員は一人一人の個性や特性に向き合いながら、きめ細かい援助を行っています。文化の異なる子どもやアレルギー疾患のある子ども、障害のある子どもも在籍しており、様々なことを配慮しながら保育を行っています。
 旗・絵本・歌などで外国文化を伝えたり、外国語の手遊びや誕生会の歌を振り付けで楽しんだりしています。中国語の通訳の常駐もあり、対比表を使いわかりやすく伝えるなどしています。アレルギー食については、調理員と保育士の受け渡しの際、チェック表と声出しで毎回確認しています。台布巾も専用のものを使用し、クラスで他の子どもと間違えないよう、色を決め徹底しています。    
 地域の「保育園応援隊(あたたかい手チーム)」の方には、園庭にある「ビオトープ」の管理や近くに生息するカエルの卵からかえった「おたまじゃくし」の世話の仕方を教えてもらっています。また「おはなし会」では、月に一度お話しやパネルシアターなどを行っています。


3.「育児支援センター園」「ネットワーク事務局園」としての活動と、地域子育て支援を積極的に取り組んでいます。
 保土ケ谷区の「育児支援センター園」として地域の多くの方に利用して頂いています。専任の「育児支援担当保育士」と保育園担当の保育士も協力しながら、育児相談、育児講座を始め、交流保育、園庭開放などを行っています。保育園の育児支援ルーム「つくしんぼ室」を開放し、週2回「ホッとスペース」と名づけて遊びや交流の場を提供しています。月曜日には身長測定も行っています。 
 日常の相談や、子育てについて話をしたりする「園長先生の『おしゃべりカフェ』」も好評で多くの申し込みがあります。地域で開催される育児講座には保育士の派遣を行い、地域の方の育児支援も行っています。園庭開放244回、育児支援ルームの開放93回、育児講座43回、交流保育29回、他施設での講座3回、他園での講座9回などを行っています。
 「ネットワーク事務局園」として専任保育士が主体となり、地域に密着し、近隣の保育園と交流を行いながら、保育について学びあい、情報交換や保育技術の共有に努めています。子どもたちがリレー形式で行う「がやっこかるがもウォーク」では、保土ケ谷区の鳥「かるがも」のぬいぐるみを、各園をリレーして保土ヶ谷区役所まで届けながら、近隣園と交流する機会を作っています。
 保土ケ谷名産のじゃがいも、通称「ほどじゃが」を各園で種芋から育てて収穫まで行い、色々な料理の食べ方を考えたり、様々な活動に使ったりして、区域の子どもたちが共通の体験を持てるような試みも行っています。各園で行った栽培や活動は、写真や記録に残し「ほどじゃが通信」などで共有しています。


4.職員はPDCAサイクルを実践し、目標の達成・保育技術の向上・チームワークの醸成に努めています。  
 指導計画は、自己評価に基づいて作成し、実践の前後に職員会議などで他の職員と意見交換し、常に振り返りを行っています。毎日の全職員ミーティングや乳児担当による乳児会議、クラス担任によるクラスミーティングで互いの良い所を認め合い、切磋琢磨する機会をもっています。
 「目標共有シート」で保育園の目標に沿って各自の計画を作り、園長・副園長との面談で共有し、実現に努めています。自らの課題と「少しかかとを上げた」目標設定について話し合い、方向性を定めた上で業務にあたっています。また自発的に係りの分担を持つことで、責任をもって取り組めるようにしています。クラスごとにチームを組みシフト制にして、子どもたちへの安心感、保護者との交流機会の増加、職員の情報共有の充実を図っています。職員間で情報交換することで目標の明確化が図られ、チームワークの醸成に役立っています。


特に工夫・改善が必要と思われる点
1.園の考え方や活動内容をより理解されるよう、情報提供と意思疎通が望まれます。
 園の保育目標や保育方針、さらに年間の行事などについて、保護者に十分に伝わっていないことが、アンケートの結果などからもわかります。あらゆる機会を通じて積極的に情報を発信し、保育目標や保育方針、年間行事などを理解していただく努力が必要です。
 保育園の送迎時には、保護者に子どものエピソードを伝えるなど、シフト制になり、担任が保護者に直接話す機会があります。要望や苦情を受け付ける窓口を入園のしおりに記載し、意見箱は玄関に設置し、自由に意見を受け付けることができることを伝えています。保育園では様々な方法で伝達や意志疎通を図っていますが、必ずしも意図どおり的確に伝わっていないケースが認められます。保護者の声からも、書類や言葉による説明に加え、現物や見本でのより見える形にするなどの工夫や、十分な意思疎通を行い一層の連携が望まれます。


2.保育園運営のシフト制の採用に伴う、職員体制の工夫や配慮が期待されます。
 保育園は、土曜日の11時間保育の移行に伴い、職員の勤務形態の変更を行っています。「シフト制」は、担任を含む保育士が朝夕の時間帯にも勤務する形態を採用しています。
 土曜日開所の目的から、全体として平準化した勤務が行え、朝夕の時間帯に担任が直接保護者と話し合える利点があります。シフト制ではA〜Hまでの8パターンに細分化し、6時50分から10時25分の勤務開始の幅になります。翌日の最終的勤務シフトは前日に確定することとなります。勤務形態の工夫や配慮を行い、職員満足度の向上とシフト制の円滑な定着が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・理念や方針は子どもの最善の利益を念頭に作成しています。保育所保育指針や横浜市立保育園の保育の基本となる「よこはまの保育」に沿って、保育理念・園目標・保育姿勢を作成し、年度始めに職員に説明して共有するとともに見直しの機会を設けています。入園のしおりにも記載し、明文化しています。
保育課程は、保育理念・園目標・保育姿勢に沿って作成しています。
保護者には入園説明会で理念や方針を伝えています。クラス懇談会、保護者会などでも話しています。子どもが自分の意見や思いなどを保育者に伝える大切さを職員が共通理解し保育課程に反映しています。
・園内研修を行い、全職員が人権の尊重について配慮できるようにし、職員会議で研修のフィードバックをしています。  
・個々の職員が無意識の中で、子どもを傷つけていないか周りの職員と協力しながら保育を行っています。注意をするときには、子どもの話を聞いて一緒に考えるようにしています。子どもの様子やその時の子どもの精神状態などを考慮しつつ、子どもに分かりやすいよう一人一人の気持ちに寄り添っています。名前の呼び捨てはしないようにしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・日々の保育の中での子どもの姿や様子から保育士同士が話し合い、様々な視点から子どもたちを見て指導計画に反映させています。子どもの育ちを一人一人について話し合い、特に月間指導計画・個別指導計画は、日々の子どもの言葉などからくみ取り見直しをしています。シフト制により担任だけでなくフリー保育士が入り、他の保育士の保育を見たり話し合いをしたりして、保育に活かしています。
・子どもの様子や発達状況をみながら、クラスミーティングを通じ職員間で話し合って指導計画の評価や見直しを行っています。クラスの指導計画以外に異年齢交流計画も作成しています。
・子どもの様子を伝え、保護者の疑問や意見も聞けるようにしています。常に担任が話をできるよう、シフト制なので連絡洩れがないよう連絡ノートなどを利用し情報の共有を図っています。
・乳児は個別指導計画を毎月作成し、必要に応じて子どもの姿や対応の仕方を検討し見直しを行っています。クラス目標を掲示したり、それに沿った活動の様子を保護者に伝えたりしています。日々の会話や面談を通して、子どもの姿を共有し保護者の意向を聞いています。トイレトレーニングは、開始時期について保護者と相談しています。
・子どもの発達に合わせ、一人一人の興味や関心がわき、遊びこめるようにおもちゃの入れ替えを年数回行っています。子どもがじっくり遊べるコーナー作りをして、自由に取り出したり片づけたりしやすいよう写真表示や高さ、配置の工夫をしています。自由に遊べる時間を作り好きな遊びができるようにしています。
遊具の安全、清潔には十分配慮し、安全点検表を活用し、毎日点検しています。
・4歳児・5歳児は配膳を当番制で行っています。取り分ける皿の用意をし、自分の食べられる量を知り、加減ができるようにしています。
栽培物を育てることで、食材に興味を持てるようにして、育てた野菜を食べたり、調理体験をしたりしています。保育士も一緒に同じものを食べ、食材に関心を持たせ、楽しい雰囲気になるよう努めています。 
・バイキングの日、パーティの日を設定し、行事の際はそれにちなんだ形や盛りつけの行事食を出しています。行事やメニューに合わせてエピソードを伝え、七夕にはオクラを星に見立てたソーメンを提供して、昔の食べ物の話をしています。異年齢での会食の機会も持っています。
・普段の子どもの様子を見られるように、乳児クラスでは、保護者とは気づかれないように職員風に変装し保育参加をおこなっています。参加できなかった保護者には後日レジュメを渡し説明しています。
・保育参加はいつでも受けつけていますが、クラスごとに期間を決めて予定を立てられるようにし、参加しやすいスケジュールを保護者に提案しています。気持ちの良い挨拶を心掛け、園や職員に親近感を持っていただき、参加しやすい雰囲気をつくっています。
・製作した作品を持ち帰るなど「見える保育」を心掛け、園生活に興味を持ち様子を見たり、一緒に行いたいと思ったりしてもらうよう努めています。

3 サービスマネジメントシステムの確立 ・子どもの様子に合わせて保護者と相談し短縮保育の期間などを調整しています。初日は親子で過ごすようにして、フリーの保育士も応援に入り、手厚くフォローしています。短縮保育中は子どもの様子で柔軟に対応しています。中国語の通訳に仲介してもらうなど外国籍の子どもにも対応しています。
・健康台帳は、保護者に予防接種の状況などを随時加筆してもらっています。0歳児と個別対応児については毎日の状況を記載し、そのほかの子どもは半期に分けた経過記録を記載し、全職員が共有しています。一人一人の経過記録とともに個人面談の記録も取り、共有できるようにしています。
・ケガは事故報告書に記載しています。保護者からの相談などの記録を保育日誌の中に別紙として記載しています。クラス内で、個々の気になる様子を保育日誌に記載し、共有しています。個人配慮の必要な子どもの個人日誌も作成しています。
年度末に新旧担任で引き継ぎをする時間を設けています。就学する小学校に保育所児童保育要録を提出しています。
・クラスミーティングやカリキュラム会議でケースの話し合いを行っています。ケースによっては配慮の必要な子どもの対応を研修しています。園内研修で基本的な対応について学び、対応の仕方を共有しています。
・また個別のカリキュラムを作成し、カリキュラム会議の中で周知しています。個別の記録を毎日取っています。
・入園説明会や入園のしおりで苦情解決制度を紹介しています。要望や苦情を受け付ける窓口を入園のしおりに記載し保護者に説明しています。入園のしおりに2名の第三者委員を記載しています。保護者は第三者委員の名前や連絡先をしっており、容易に申し立てができるようになっています。行事などのアンケートで意見を聞く体制を作っています。アンケートなどで出た要望は、その対策をお便りなどでフィードバックし、要望を訴えやすいようにしています。ご意見箱を玄関に設置し、いつでも意見を受け付けていることを伝えています。
4 地域との交流・連携 ・保土ケ谷区の「育児支援センター園」として種々の活動を通じ子育てニーズを把握するよう努めています。地域子育て支援拠点の関係者、民生委員、地域の学校の先生なども参加する「地域子育て支援連絡会」に出席し、ニーズの把握を行っています。
・園長が講師となり日常の相談や悩みを聞いたり、子育てについて話をしたりする「園長先生の『おしゃべりカフェ』」を開催し、地域の子育て中の保護者の支援をしています。保育園内の育児支援ルーム(つくしんぼ室)を開放し、月曜日と木曜日に「ホッとスペース」と名づけて遊びや交流の場を提供しています。月曜日には身長測定もおこなっています。
・ネットワーク専任保育士、育児支援担当保育士を配置し、様々な企画運営を行っています。「がやっこかるがもウォーク」では、保土ケ谷区の鳥「かるがも」のぬいぐるみを、子どもたちが各園をリレー形式で運び保土ケ谷区役所まで届けています。保土ケ谷区内の保育園では、すごろくやカルタを作り見せ合っています。
・毎朝、保育園周辺の道路清掃を行っています。
・保育園応援隊(あたたかい手チーム)の方々には、園庭にある「ビオトープ」の管理や近くに生息するカエルの卵からかえったおたまじゃくしの世話の仕方を教えてもらっています。「おはなし会」では、月に一度お話やパネルシアターなどを行ってもらいます。年に1度お茶の先生によるお茶会も開催しています。地域のボランティアの方を招いて、保土ケ谷区制80周年に作られた「わがまち、保土ケ谷」(音頭)を教えてもらい一緒に楽しんでいます。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・自己評価を踏まえ、各自が園の自己評価を行い、保護者アンケートの結果とともに掲示および保護者に配布しています。保育士の自己評価の結果だけでなく、保護者アンケートの意見なども踏まえ、保育所としてのあり方を話し合っています。保育所の自己評価はソフト(人的)面とハード(設備環境)面について行われ対策がとられています。
・子どもにもゴミの分別の仕方を伝え、施設全体でゴミの分別を実施しています。
環境整備担当がいることで発信があり、そこから各職員が意識して取り組んでいます。各場所から出る不用品を別の場所で、別の活用ができないか検討するため、一旦保管することがあります。
・主任保育士は、主任研修など必要な研修を受講し、園運営に役立てています。
職員が報告、連絡、相談しやすいように、主任保育士またはそれに準ずる職員ができるだけ事務室にいるようにしています。各クラスにフリー保育士がいることでそこから様子を伝えられるようになっています。
6 職員の資質向上の促進 ・園長は職員との面談を行い、個人の希望・目標などを踏まえた上で、配置や勤務時間を考え対応しています。様々な勤務形態(勤務時間がバラバラ)のため、少人数で園内研修をし、保育力を高める取り組みを行っています。主任クラス(職員V)が中心となって、園内研修やアルバイト職員研修を実施しています。
各職位(職員T・職員U)でのミーティングを年4回行い、保育について語り合うようにしています。
・全職員が園内研修や保土ケ谷区こども家庭支援課、横浜市こども青少年局の研修に参加するようにし、研修の振り返りを報告し職員で共有しています。研修に参加した職員が職員ミーティングを利用し、内容をまとめて報告しています。
主任・リーダー層の研修で、それぞれの立場の役割の確認を行っています。職員は職位に合わせた研修に参加し、内容を記録しています。
・職員のスキルの段階を示した人材育成ビジョンがあります。スキルの段階に合わせた研修に計画的に参加して、各自技術の向上を目指しながら、職員間での研修や研修報告会なども定期的に行っています。
・保育日誌、指導計画、自己評価と段階を踏んだ記録書式があり、自己評価表に沿って計画し振り返りを行い、改善点は園長と面談し課題として次に活かしています。
・年度初めに年間のねらいをたてて、ねらいに向けて具体的な仕事の取り組みを行っています。年度途中で振り返り、自分の仕事を見直す機会をもっています。クラスミーティングで日々の保育の反省をし、それを基に次の計画をたて、保育日誌で振り返り次に活かしています。

詳細評価(PDF1,173KB)へリンク