かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

にじいろ保育園本鵠沼

対象事業所名 にじいろ保育園本鵠沼
経営主体(法人等) ライクアカデミー株式会社
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 251 - 0027
藤沢市鵠沼桜が岡3-4-16
tel:0466-41-9100
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
 にじいろ保育園本鵠沼は、小田急江ノ島線、本鵠沼駅から歩いて5分ほどの住宅街の中に有ります。周囲は古くからの街並みで、園舎前は車と人が一緒に通る道となっています。駅に続く道は交通量が多い通りとなっています。園舎は鉄骨2階建てで、1階に乳児クラス、2階に幼児クラスが配置されています。園内各所に温水シャワーが設置され、子どもたちが泥んこ遊びをしても清潔を保つことができるようになっています。定員は80人(57日〜小学校就学前)、開園時間は、平日(月〜金)は7時〜20時、土曜日は7時〜18時です。
 保育理念は「のびやかに育て だいちの芽」、保育方針は「みとめ愛・みつめ愛・ひびき愛(信頼・安定・共感)」、保育目標は、「自然を愛し、心身ともに健やかな子ども」「自分で考え行動し、意欲と根気のある子ども」「『仲間』と関わり、人を思いやれる子ども」「自己を表現できる子ども」です。
 にじいろ保育園本鵠沼は、2015年(平成27年)4月にライクアカデミー株式会社によって開設されました。運営法人は、保育園・学童クラブ・児童館の運営、病院・事業所・大学内の保育委託サービス、保育施設運営のコンサルティングサービス等を、首都圏を中心に幅広く展開しています。
      
◆高く評価できる点
1、保育士の穏やかな見守りの中、子どもたちは素直にのびのびと園生活を送っています
 園は、自立に向けて主体性を持って行動できる子どもの育成をめざし、個を尊重する保育を心がけています。子どもたちの興味や関心がある事、やりたい事を見つけ、一人一人が集中して遊べる環境を作るようにしています。様々なコーナーが用意され、ままごと、本読み、電車の路線図を貼ったコーナーなど個室の感覚で遊べるようにされています。子どもたちは落ち着いた雰囲気の中、安心して遊んでいます。保育士は一人一人の子どもの気持ちに寄り添い、子どもが自分の気持ちを素直に表現できるように働きかけているため、子どもたちは、おしゃべりも盛んで自分の思いをたくさん話すことができています。友達とのトラブルもありますが、幼児クラスになると自分の思いを相手に伝え、自分たちで解決することができています。園庭で遊ぶ時には年上の子どもたちに交じって年下の子どもたちが一緒になって走り回ったり、タイヤを運んだり、年上の子どもが年下の子どもを遊んであげたり、お世話する様子も見受けられます。乳児クラスの子どもたちも、小さいながらも「ありがとう」や「ごめんね」も素直に言えています。相手の事を思いやる気持ちが育ってきていることが伺えます。
 子どもたちの近くで見守り、笑いかけたり誉めたり励ましたりする保育士の対応で、子どもたちは素直にのびのびと園生活を送っています。
 
2、子どものへの思いを共有し、連携して「流れ保育」にあたっています
 子どもたち自身が一日の流れを体得し、保育士がその都度説明しなくても子どもたち自身が考えながら次の行動に移していくことができるように保育士が連携して保育にあたっています。保育士は「流れ保育」が定着して、子どもたちが、主体性を持って動くことができる事を目指しています。職員会議、ミーティング、園内研修などで、子どもが動きやすい環境や人的環境について話し合っています。一斉に動くのではなく、少人数で動くため、待っている子どもたちが、どうすれば、“待っている”という感じを持たず、自分の時間としてとらえることができるかなど、子どものためにどうすれば一番良いかを日々話し合っています。園長・主任は日々の保育の中で職員が流れ保育を理解できているか確認しています。また、園長は職員と個人面談を行い、「流れ保育」についての説明をすると共にアドバイスをしています。このような取り組みを通し、保育士は流れ保育についての考え方を共有し、保育にあたっています。


◆改善や工夫が望まれる点
1、保護者に園の取り組みを理解してもらえるよう、情報提供の仕方を工夫することが期待されます
 園は今年度の課題として、「保護者への保育の見える化を図るため、情報の発信の仕方を工夫し、園の方針を保護者に理解を得る事」をあげています。朝夕の送迎時には、保育士が保護者とのコミュニケーションに努めるとともに、連絡帳や行事後にもアンケートを行い、保護者の要望や意見を聞いています。また、懇談会や保育参加を通して園の取組みが保護者に理解できるよう努めてきていますが、必ずしも、保護者からの理解が得られていないと思われる意見が見られます。保護者への情報提供の仕方にさらなる工夫が期待されます。


2、自然に触れたり、園周辺の様子を知ることのできる園外活動のさらなる取り組みが期待されます
 園では園庭の遊具を子どもの想像力を掻き立てるものとして設定し、子どもたちが興味を持って、創造的に遊べるように多くのタイヤを置き、子どもがひっぱったり、転がしたり、上がったりして遊べるようになっています。わざわざ、フェンスの傍まで運んでいき、そこでタイヤに上がって高い位置を楽しんでいる子どももいます。曜日ごとにタイヤの位置を替え、三輪車や乗用自動車が走り回るサーキット場を作るなど、子どもたちが毎日元気に外の空気に触れ、遊びまわれるようにしています。また。園庭の隅に遮光ネットを張り、子どもたちの想像力で遊びが工夫できるようにしています。このように、園庭遊びの環境構成に工夫が見られ子どもたちが自然に触れることができるようになっていますが、園周辺の様子を知ることができるような散歩の機会が比較的少ない状況になっています。園周辺の道路が狭かったり、交通量が多かったりで、散歩に出ることが難しい状況ではありますが、様々な場所に出ることにより、五感の刺激を得たり、周辺の住民との交流を楽しんだりすることができます。公園までの安全確認、職員の確保、少人数グループで行うなど、園外活動への環境整備を行い、日々の活動に散歩を積極的に取り入れ、自然に触れたり、地域を知るための園外活動のさらなる取り組みが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育理念は、「のびやかに育て だいちの芽」、保育方針は「みとめ愛・みつめ愛・ひびき愛(信頼・安定・共感)」〈保育園像〉「陽だまりのような保育園」「地域と共に育つ保育園」「子どもと共に輝いていける保育園」、保育目標は、「自然を愛し、心身共に健やかな子ども」「自分で考え行動し、意欲と根気のある子ども」「『仲間』と関わり、人を思いやれる子ども」「自己を表現できる子ども」です。保育理念、保育方針、保育目標は、利用者本人を尊重したものとなっています。
・運営法人策定の人権のマニュアルがあります。言葉かけや子どもとの関わり方など、園内研修や職員会議などで取り上げ職員間で相互に配慮しています。皆に話すときも一人に話すトーンで語り掛けています。子どもの「今はやりたくない」気持ち、待てば「やってみたい」と思い始める子どもの意思を尊重した保育に心がけています。保育士は毎日の振り返りを記録し次につなげています。子どもと一対一で話し合うときは、子どもが安心して話せる環境にしています。
・遊びや行事の役割、持ち物、服装、色などによる性別の区別、名簿、グループ分け、整列においても性別で区別せず行っています。母の日、父の日など母親、父親の役割を固定的にとらえた話し方や表現はしていません。日々の中で性別にとらわれないよう、職員会議などで職員同士の振り返りを行っています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 保育課程は、子どもの最善の利益を第一義にしています。保育士は一人一人の子どもを尊重しながら子どもの「なぜ?」、「どうして?」を大切にし、その子どもに分かり易い言葉で個々に説明しています。保育士は子どもが何に興味を持っているかの把握に努め指導計画の見直しに反映しています。
・子ども一人一人の発達や状況を話し合い、年間指導計画、月間指導計画、週間指導計画の作成・評価・見直しをしています。保育士は、子どもの興味、関心や自由な発想などを受け止めています。宇宙博士、昆虫博士、恐竜博士のいる昨年度の5歳児クラスでは、博士を中心にクラス全員で意見を出しながら合同で製作をしています。一斉活動は保育士が決めるのではなく、子どもたちが興味ある遊びを提案し、どんな遊びをみんなでするか決めています。年小児との遊びや、幼児クラスが行うお店屋さんごっこ、ファッションショー、夏祭りに乳児クラスを招待するなど、異年齢児と関わりが持てるよう配慮しています。
・食べることを強制したり偏食を叱ったりすることなく子どものペースに合わせた対応をしています。苦手な食材は、一口でも食べられれば多いに誉めて次につなげています。幼児は食べられる量を自分で決め、完食の満足感が得られるようにしています。授乳は、欲しがる時に子どもが安心して飲めるよう、やさしく話しかけながら行います。離乳食は、子どもが味わって食べられるようにゆっくりと行います。手つかみ・フォーク・スプーン・箸と移行する過程で、食べたいと思う気持ちを尊重し、子どもの意思に任せて進めていきます。
・出汁から味噌汁を作る体験や、栽培した野菜をクッキングに利用するなど年齢に合わせた食への興味につなげています。毎月給食会議を行い、職員の更衣室に情報ノートを置き意見が記載できるようにして栄養士が給食に反映させています。園児の誕生月には保育参加ができ、保護者は子どもと同じ給食を試食することができます。この機会に園での取り組みや配慮している点など保護者に説明しています。
・一人一人の排泄リズムを注意深く観察し、タイミングを逃さず個人差を尊重した対応をしています。トイレットトレーニングは、トイレで排泄することへの関心から始め、決して無理強いすることなく子どもの気持ちを尊重した対応をしています。家庭と園と情報を密にした協同的な進め方をしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・運営法人策定の保健衛生マニュアルがあります。日常の健康管理は、看護師を中心に行われ、全ての子どもの健康状態を把握しています。運営法人作成の保健衛生マニュアルの中に看護師の業務としてのガイドラインがあります。
・感染症対応のマニュアルがあり全職員に周知され、感染症予防策や消毒方法の知識・情報は、看護師を中心に対応できるよう学習会・研修会を行っています。保育中に感染の疑いが生じた場合は、子どもの様子を確認し保護者に連絡をいれます。
・危機管理のマニュアルがあります。事故、災害、不審者対応や防止策など職員全員に周知しています。緊急連絡体制も整備され、職員の役割分担表、緊急連絡網など事務室と各保育室に掲示しています。月に1回、全園児も一緒に火災・地震・津波・不審者対処など発生場所や時間を変えて行っています。広域避難場所の鵠洋小学校では津波を想定し、小学校の屋上までの避難訓練を行います。避難訓練終了後には、各クラスで改善策などを話し合い次の訓練に反映させています。
・保育中の子どものケガは、軽微なものであっても看護師と園長が判断し対応ています。保護者にはケガや事故が発生した時の状況と園の対応を説明をしています。事故予防・対応マニュアルがあります。職員の役割分担表を作成し練習もしています。事故の場合は、関わった職員と看護師が記録し、運営法人のスーパーバイザーに報告しています。ヒヤリハットやアクシデントレポートは、クラス会議・カリキュラム会議・職員会議などで原因の分析や改善策を検討し、保護者へは今後の改善策などを丁寧に伝えています。
4 地域との交流・連携

・相談内容によって病院(専門科別)、湘南北部療育センター、神奈川中央児童相談所、藤沢市保育課、藤沢市子ども家庭課・藤沢市民生委員児童委員などと連携できるようにしています。関係機関のリストが作成され、職員は必要に応じていつでも確認出来ます。
・ボランティア受け入れのマニュアルがあります。事前に職員・子ども保護者にボランティア受け入れの内容などを伝えています。受け入れは園長・主任が担当しています。必ずオリエンテーションを行い、園の保育方針や心得など伝え、機密保持誓約書に署名をもらっています。受け入れの記録は整備されています。ボランティア終了後には振り返りの時間を設け、率直な感想や意見を聞いています。内容は職員全員に周知され保育に反映しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性 ・職員会議や園内研修など、折に触れて理念や方針を議題に取り上げ、職員の共通理解が深まるようにしています。パート会議においても年に1度保育理念、方針について周知しています。「理念をどのように保育の中で活かしているか」というテーマで、職員にプレゼンテーションしてもらっています。
・主任は毎日、保育の様子を見て回り、職員全体の業務状況を把握しています。個々の職員の精神面、健康面や希望などを考慮してシフトを作成しています。個々の職員の能力や経験に合わせ指導やアドバイスをしています。毎月のクラスだより、ほけんだより、給食だよりの指導など職員の質の向上にも努めています。行事を行う場合には、主任は計画から担当職員の相談にのりアドバイスしています。また、職員と園長の架け橋となるよう努め園長の補佐的職務を行っています。
・重要な意思決定(変更)について、職員には職員会議で、保護者には懇談会で目的、決定理由、経過等を説明しています。また、保護者には行事後のアンケートで意思確認も行っています。
6 職員の資質向上の促進 ・実習生受け入れのマニュアルがあります。事前に職員、保護者に受け入れ期間、内容、プロフィールなど知らせています。学校の担当者、実習生の要望なども聞き入れ、効果的な実習が行われるようにプログラムを作成しています。日々の振り返りは、主任、配属のクラス担任で行い、最終日に実習生から感想や意見を聞いて、保育に反映させています。園だよりに実習生受け入れ後の様子を保護者にも伝えています。
・園長が研修担当を行っています。運営法人による、新任研修・スタートアップ研修・スキルアップ研修・レベルアップ研修・フォローアップ研修に参加しています。個々の職員のニーズや希望を配慮すると共にクラス運営のために必要なスキルのための研修計画になっています。また、藤沢市主催の障がい児発達支援コーディネーター研修、乳児保育研修や保護者支援研修などにも参加しています。
・職員の次年度の意向調査を行っています。園では、職員のコミュニケーション能力、協調性、経験年数を基に、風通しの良い園運営に参画できる人を求めています。今年度からは成長支援制度も導入され、よりきめ細かな職務分担を行い人材育成が行われるようになっています。また、園内独自の人材育成として、クラス運営に必要な研修を職員に勧め、保育理念、方針、目標が、保育に活かされるようにしています。

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