かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

上末吉白百合保育園(2回目受審)

対象事業所名 上末吉白百合保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人白百合会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0011
鶴見区上末吉3-5-2
tel:045-581-7451
設立年月日 2001(平成13)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
 上末吉白百合保育園は、JR鶴見駅前から横浜市営バスに乗り15分位乗った「行定庵前」停留所から歩いてすぐの住宅地の一角にあります。近くには鶴見川の土手、県立三ッ池公園など自然豊かな地域にあります。園は戸外活動を大切にし、子どもたちは散歩に出かけ、四季折々の自然を感じ、感性を育んでいます。自分で発見したり、触れたりしながら共通体験を通して、感動や意欲を育てていくことを大切に保育しています。
 園庭が広く運動会も園庭で行えます。園舎は木のぬくもりにあふれ、陽の光もふんだんに降りそそぎ子どもたちを包んでくれています。
 運営法人は昭和47年に設立し、横浜市で民間では初めての乳児保育園『白百合乳児保育園』が設立しました。現在は横浜市内に当園を含む5つの保育園を運営しています。
 上末吉白百合保育園は、平成13年4月、横浜市有地貸与により上末吉に開園しました。定員は60名(0歳児〜5歳児)で、開園日は月曜日から土曜日で、開園時間は平日が7:00から20:00、土曜日は7:00から18:30です。
 保育理念は、「子どもの最善の利益を求める」、「すべての子どもの発達を保障する」「保育所を地域社会の有用な社会資源として活用を図る」「たえず保育内容の改善をすすめる」ことなどを掲げています。保育目標は「元気に遊べる子ども」「自分を表現し、工夫し、考える子ども」「仲間と共感しあう、心豊かな子ども」です。


◆高く評価できる点
1.園庭やホールでの体操など毎日のびのび遊び、体力づくりができています
 園庭は年長児が思い切って走り回ることができ、のびのび遊べる広さです。鉄棒、台形ジムなどが設置してあり、竹馬や縄跳びなどもあります。園庭では乳児クラスと幼児クラスが一緒に遊んでいます。砂遊び、サッカー、おにごっこなど自由に遊んでいます。
 2階のテラスにも滑り台や鉄棒があり、乳児クラスは2階テラスで遊んで体を動かしています。2階の乳児クラス前には広い廊下もあり、0歳児でも長い距離をハイハイしており、乳児クラスも十分に遊んでいます。
 2歳児から5歳児までは年齢や発達に合わせ、外部講師による体育指導も取り入れています。幼児クラスには室内のホールがあり、その中でも体を動かしながら遊ぶことができ、カラーマットや大型ソフト積み木で遊んでいます。乳児も幼児もできるだけ園庭遊びを取り入れて、自然な形で体力づくりができています。


2.保育士は、子どもの気持ちをしっかりと受け止めた保育を行っています
 日常保育の中では、子どもたちは同年齢だけでなく、異年齢とも多くの関わりを持っていることから、子どもの気持ちの行き違いもあります。しかし、保育士は保育目標に従って、しっかりと子どもの気持ちを受け止めるために、常に子どもと目線を合わせ、子どもの気持ちを代弁しています。子どものけんかなどでも、「嫌だったね」「ごめんね」で済ませることなく、両方の気持ちが納得いくまで、子どもの気持ちに寄り添っています。上手く言葉にできない子どもの表情や動きからも、子どもの気持ちを汲み取るように努めています。また、子どもがすっきり気持ちを切り替えられるように、保育士が笑顔で「さあ、○○して遊ぼうか」と誘っています。


3.保護者や子どもの状況に合わせた、家庭的保育を丁寧に行っています
 運営法人は「働くお母さんのため」「子どもたちのより良い福祉のため」という立場で、地域の方々と連携し横浜市で民間では初めての乳児保育園『白百合乳児保育園』を設立しました。この法人設立以来の伝統を受け継ぎ、園では保護者や個別の子どもの状況に合わせた家庭的な保育を行うため、入園前に成育歴や家庭環境、食事や健康面、寝かせ方や抱き方なども含め配慮事項などをしっかり把握しています。入園後も連絡帳や登降園での子どもの様子や保護者との会話の中で子どもの状況を把握するよう努めています。
 その上で、ならし保育は子どもの状況に配慮しつつも勤務条件など保護者の状況に合わせ柔軟に対応しています。保育参加や面談には保護者が希望すればいつでも対応しています。急な残業の場合も柔軟に延長保育に応じるなど、保護者が安心できる保育園です。

               
◆改善や工夫が望まれる点
1.定期的に育児相談日を設けるなど、子育て家庭が相談しやすい環境整備を期待します
 園庭開放時などに育児相談は随時受付し、園長、主任が対応しています。また育児相談を行っていることについて園のホームページで情報提供を行っています。しかし、子育て相談日はいつ、どこで、何時から行われているかの情報提供がないため、気軽に相談できにくい状況にあります。地域の保育資源という視点を職員間でも再度確認し、園庭開放などと組み合わせて、毎週定期に開催するなど、子育て家庭が育児の悩みを相談しやすい環境を整えることを期待します。また、情報提供も、育児相談日の会場、日時などが地域の方に伝わりやすくなるよう、ホームページや園外に掲示することを期待します。


2.移動可能な棚やパーテーションにも安全に配慮した対応を期待します
 乳児保育室では棚やパーテーションを移動してコーナーを作り、子どもたちの遊びの幅を広げていく工夫がされています。保育環境の設定面からは、子どもに配慮したものになっており地震や災害にも配慮しています。しかし、一部の移動可能な棚やパーテーションについては固定されていないものもあります。移動可能な棚やパーテーションなどについても、その都度固定できる方法を検討し改善していくことを期待します。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育理念は、子どもの最善の利益を守る、すべての子どもの発達を保障する、地域社会での子どもの育ちを最優先する、保育ニーズに応え保育内容の改善をすすめることなどをうたっています。また、カリキュラム会議の際には具体的な場面にも触れて子どもの姿を話し合い、保育理念の立場に立ち返った保育を行うことを話し合っています。
・保育室では棚やパーテーションを利用して、子どもが友だちや保育士の視線を意識せず遊べる場所を作れるようになっています。また、子どもと一対一で話をしなければならないときには、1階の図書コーナー、一時保育室、育児相談室、2階廊下などを利用しています。子どものプライバシーを守れる場所として、育児相談室や一時保育室などを用意することができます。
・性差への先入観による役割意識を植え付けないように努めています。遊びや行事の役割、服装などで性別による区別はなく子どもの意思を尊重していますが、保育士が急いでいるときなどに、男の子、女の子と分けたりすることがあります。気づいたときには職員間で話し合う体制もありますが、無意識に性差による区別が行なわれていないかなど内部研修や検討会の実施が望まれます。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・幼児では、例えば、年長児では夕涼み会のリクエスト給食について、子どもたちと話し合い、子どもたちが希望したカレーにするなど、行事や活動の際には子どもに丁寧に説明し、子どもの意見も柔軟に指導計画に反映させています。年間指導計画は年度途中でも子どもの成長や状況に即して柔軟に計画を変更しています。
・トイレットトレーニングや箸や歯ブラシの導入などについては、子どもの個別性に配慮しつつ保護者とコミュニケーションを取りながら、保護者の意向も反映しています。個別の目標・計画は毎月見直しするだけでなく、睡眠、食事、排泄など子どもの発達状況に応じてその都度、柔軟に見直しています。
・鬼ごっこなどの遊びのなかにも、子どもが決めたルールや遊び方を取り入れ、保育士も教えてもらいながら集団活動を行っています。一人の子どもの遊びからクラスみんなの遊びへ繋げたり、クラスで話し合い、子どもが好きなことを取り入れるようにしています。子どもたちが自由に表現できるように、週1回のリズムを取り入れ、歌ったり踊ったりしています。また、子どもが自発的に表現しやすいように、幼児クラスではクレヨン、ハサミ、のりを個人持ちとしています。子どもたちは、少しの時間でも覚えた歌を歌ったり、踊ったりしています。また、自由に絵を描いている子どももいます。
・5歳児では子ども用の包丁も使用しています。5歳児では、子どもたちからのリクエストメニューを取り入れ提供しています。箸は保育士が時期を見極めて、家庭とも連携しながら3歳後半頃から導入しています。子どもの好き嫌いは保育士が把握するように努め、10分ミーティングなどで保育士や栄養士が一緒に検討し、栄養士が材料のきざみを小さくしたり盛り付けの量を減らすなど、盛り付け方やアレンジの工夫をしています。
・子ども一人一人の個人差を尊重し、排泄リズムを把握するために、オムツ表に排泄状況を記録し、子どもの発達状況に合わせてトイレットトレーニングを進めています。

3 サービスマネジメントシステムの確立 ・運営法人で策定した健康マニュアルに基づいて、子どもの健康状態の把握に努めています。運営法人策定の感染症・保健衛生対応マニュアルがあり、園内で感染症が発生したときは、感染症発生状況を掲示しています。各保育室には感染症対応、嘔吐処理のマニュアルが置いてあります。マニュアルに基づき、園長から職員へ清掃の仕方などを口頭で伝えています。保育終了後に遅番の職員が、食中毒対策除菌剤のスプレーを散布しています。
・安全管理マニュアルとして、運営法人策定の防災マニュアル、災害対応マニュアル、事故防止マニュアル、防犯マニュアルなどを設置しています。
・地震、災害、水害、不審者などを含めて、年15回の訓練を実施しています。園から鶴見川が近いことから、水害避難訓練を実施しています。水害時には、3階にテントを張って職員と子ども全員が避難できるようにしています。
・各クラスや調理室には防災係を設置しています。職員と子どもを含めて、3日分の食料の備蓄をしています。また、発電機や水のう(土嚢のような水を止めるためのもの)も備えています。
・事故、ケガについては、内容に応じて、事故、アクシデントレポートにも記録しています。事故、アクシデント、ヒヤリハットは10分ミーティングのなかで、報告、分析、改善策の検討などを行っています。
4 地域との交流・連携 ・関係機関、地域の団体などはリスト化し、事務所に書面で設置しています。また、情報は職員で共有しています。関係機関との連携は園長、主任が担当者となって、末吉地区センター、嘱託医、小学校などとは日常的に連携を図っています。
・近隣の中学校の英語部の生徒が来園して英語での紙芝居を子どもたちに見せたり、地域の小学校の小学3年生10数名と教師が保育園探検で園に来訪し、子どもたちと交流し、子どもの園での生活を豊にしています。
・ボランティアや実習生の受け入れマニュアルがあり、職員には事前に受け入れの趣旨を説明し、保護者へは園だよりで知らせています。ボランティアの受け入れ担当者は主任が担当し、実習生の受け入れ担当者は主任と受け入れるクラスのリーダーで、それぞれ記録を残しています。中学生の職業体験、高校生のインターンシップなどのボランティアなどを受け入れています。また、ボランティアからの質問を受け、共通認識につなげ、ボランティア終了時にアンケートを実施し、感想や意見を園運営に反映させています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・就業規則の服務規律の欄には、守秘義務や個人情報保護など守るべき規範・倫理が明記され職員に周知しています。玄関に人権擁護をうたった児童憲章が掲示してあります。
・運営法人には次期主任の候補となるクラスリーダーを対象に、主任研修を受講させています。主任はフリーで、日々クラスを巡回し、クラスや保育士の様子、保育の内容や保育士の対応を把握しています。主任は乳児クラスの会議、幼児クラスの会議、パート会議に出席し、助言や指導を行っています。主任は声かけを行って職員の体調管理に気を配っています。
・重要な情報は月1回、園長・主任・リーダーのメンバー4人で構成される運営委員会で検討し、新保育所保育指針を全職員で学び、その時々の重点課題を設定しています。子どもの園での生活をより豊かにしていくために、園長は経営についての研修会、厚労省の職員が講師となる福祉に関する研修会などに継続的に出席し、乳児異年齢保育の導入など新たな仕組みをたえず検討しています。
6 職員の資質向上の促進

・実習生を受け入れるにあたっては、実習生の希望に沿ってクラスを決め、プログラムには誕生会などに参加するなどの工夫もし、実習が充実したものになるように全職員で対応しています。主任は、実習生に声をかけたりして緊張を和らげるような配慮をしています。実習後、反省会を行い意見交換の場を設けてアドバイスを丁寧に行っています。実習生を受け入れることで、保育士たちも振り返りを行うことができ、積極的に受け入れを行っています。
・人材の育成については職員ごとの研修課題に基づいて研修計画を策定しています。具体的研修内容は年度が始まった後、個々の職員の研修課題にあった研修を全ての職員を対象に参加させています。
・職員面接や職員会議の中で、業務改善の提案や、配置の要望、業務への満足度を聴取し職員のやりがいや満足度改善にとりくんでいます。園庭の人工芝の設置や環境設定のための棚の配置、職員休憩室の改善などの意見を把握し、対応可能なものは実施しています。

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