かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

合歓の木保育園(2回目受審)

対象事業所名 合歓の木保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 神奈川厚生福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 240 - 0005
保土ヶ谷区神戸町140-6
tel:045-338-1052
設立年月日 2006(平成18)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
合歓の木保育園は、相模鉄道本線星川駅から歩いて10分ほどの所にあります。隣接して障害者地域活動ホームがあり、通りを隔てて、横浜ビジネスパークが広がっています。
合歓の木保育園は、平成18年(2006年)4月に社会福祉法人神奈川厚生福祉会によって設立されました。運営法人は他に同じ保土ケ谷区内で1園保育園を運営しています。
園舎は鉄筋コンクリート 2 階建てで、1 階・2 階にそれぞれ広いホールがあり、子どもたちの動きを考えて細部までよく工夫されたつくりになっています。砂場や花壇がある園庭のほか、屋上に芝生などを植えて「屋上はらっぱ」としています。 
 定員は、90名(産休明け〜5歳児)、開園時間は、平日(月曜日〜土曜日)は7時から20時、土曜日は7時から18時です。
 保育目標は、「のびのびと育つ子どもとし、元気で優しい子どもの育成を目指す」、保育姿勢として「保育士が、子どもに対し精一杯の愛情をもって保育にあたる」「障害者や老人とも『優しく触れ合える子ども』の育成に配慮する」「約束事(社会のルール)を守ることの大切がしっかりと身に付くように保育にあたる」を掲げています。


◆高く評価できる点
1、子どもたちはのびのびと園生活を楽しみながら、社会生活を送る上での約束事を身につけています
 基本姿勢に「子どもに対し精一杯の愛情をもって保育にあたる」を掲げ、子どもの人権を大切に保育にあたっています。乳児は、クラスをグループ分けし、小集団で活動できるようにしています。子どもたちは、言葉や表情での発信を、一つずつ保育士に受け止めてもらっていて、保育士に甘え、のびのびと自分を表現しています。子どもたちは小さな発見や成功を保育士にたくさん褒めてもらうことで自己肯定感を味わい、様々なことに挑戦しています。このような積み重ねの結果、幼児になると、友達と話し合って活動内容やルールを決めることができるように成長しています。また、皆の前で自分の思いを発表する機会を設け、子どもが自分の言葉で表現できるように働きかけています。
 異年齢の関わりもあり、日常的にホールや園庭で一緒に遊ぶほか、3・4・5歳児は縦割りの「なかよしグループ」を作って一緒に遊んだり、リトミックをしたりしています。観察時にも、0歳児が1歳児の真似をして三輪車に挑戦している姿を見ることができました。
 晴れていれば毎日、園庭や屋上で遊んだり、近隣の公園に出かけたりしています。公園での子どもたちはとても元気で、鬼ごっこやかくれんぼ、リレーなどで思いっきり身体を動かしています。また、落ち葉をシャワーやプールに見立てて遊ぶなど季節の自然を楽しんだりしています。
 食育にも力を入れていて、子どもの意見を聞いてクラスごとにサツマイモやにんじんなどの野菜を育て、クッキング活動につなげています。育てたトウモロコシを使ってポップコーンパーティを開いたり、「屋上はらっぱ」に生えていたヨモギを見つけた子どもたちの声を受けてヨモギ団子を作ったり、3歳児が米味噌、4歳児が麦味噌、5歳児が合わせ味噌と3種類の味噌を作り給食で食べ比べをするなど、楽しい企画がたくさんあり、子どもの食へ興味が持てるようにしています。
 園は、手洗いやうがい、服の着脱などの基本的生活習慣が身に付くようにしています。毎日少しずつ練習を重ねていき、自発的に出来るようになるよう支援しています。また、テーブルマナーや礼儀作法などについても、少しずつ教えていくことで、自然に身に付くようにしています。
 このように、子どもたちは様々な経験を積み、のびのびと園生活を楽しんでいます。


2、保育士は、自己のやりたい保育の実践に向けて連携して保育にあたっています
 園目標と保育姿勢を園のしおりに記載し、職員に配付し、4月初めの園内研修で周知しています。職員は、職員会議や乳児・幼児会議、クラス会議などで目指す保育について話し合い、方向性を共有しています。年度末には、保育士は自己評価表を用いて、保育理念や子どもの発達援助、園の課題などの項目ごとに自己評価しています。
 研修も盛んで、内部研修が定期的に行われるほか、横浜市や保土ケ谷区などの外部研修に希望する職員が参加しています。研修に参加した職員は研修報告書を作成し回覧したり、内部研修で報告したりし、共有しています。クラス運営は担任に任されていて、保育士は研修で得た知識や技術をすぐに保育で実践することができ、保育士のモチベーションにつながっています。


3、保護者の意見や要望を把握するために様々な工夫をしています
 園は、保護者が自由に意見や要望を発言できるよう、様々な仕組みを作っています。朝夕の送迎時には、保育士は保護者に子どもの様子についてエピソードを交えて保護者に伝えながら家庭での様子を聞いて、保護者の意見や要望を引き出しています。年度初めの懇談会の前にはアンケート「あなたの意見を聞かせてください」を用いて保護者の意見や要望、疑問点などを聞いています。懇談会では、アンケートの結果を基に園の方針を説明して保護者の意見を聞いて疑問に答え、保護者の理解を深められるようにしています。
 5月から12月の原則水曜日には、保育参加を受け入れています。同日に給食とおやつの試食会と個人面談も実施しています。日常の子どもの様子が見ることができると保護者に好評で、9割の保護者の参加があります。


◆さらなる取り組みが期待される点
1、園の保育理念、保育目標の表現での整理・統合が求められます
園のしおりによると、「保育目標」は、「のびのびと育つ子どもとし、元気で優しい子どもの育成を目指す」としています。また、「保育姿勢」として、「保育士が、子どもに対し精一杯の愛情をもって保育にあたる。」などと書かれています。これに対して、保育課程では「保育理念」、「保育方針」、「保育目標」と記載されていますが、それぞれに書かれている内容が園のしおりと異なっています。さらに、事業計画書でも「保育目標」「保育の方針」と書かれていますが内容も異なっています。このように、文書によって異なった表現と内容が記載されています。園の運営の方向性をしっかりと定めるうえでも、園の保育理念、保育方針は用語も内容も一本化し、分かりやすい表現にしていくことが望まれます。


2、職員の育成を計画的に進めていくことが期待されます
園では、職員がキャリアアップを図れるように研修計画を作成し、職員の研修に力を入れています。職員は、希望する研修に積極的に参加しています。園長はじめ、職員の役職別の職務分担表は作成されており、それに従って業務が遂行されています。しかしながら、経験・能力や習熟度に対応した役割や技術が期待水準として明文化されていません。職員のキャリアアップの目標設定のためにも人材育成計画を策定し、キャリアパスの仕組みを作成することが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・園目標は、「『のびのびと育つ子ども』を目標とします。そして『元気でやさしい子ども』の育成を目指します。」、保育姿勢は「保育士が子どもに対し精一杯の愛情をもって保育にあたる」「障害者や老人とも『優しく触れ合える子ども』の育成に配慮する」「約束事(社会のルール)を守ることの大切さがしっかりと身に付くように保育にあたる」で利用者本人を尊重したものとなっています。 
・マニュアル「保育の基本姿勢」に子どもの人権尊重や言葉遣いなどについて記載し、園内研修で職員に周知しています。職員は、子どもの人権を尊重することを意識して保育にあたっています。
・個人情報取り扱い規程があり、職員会議や園内研修で職員に周知しています。保護者に対しては、入園時に個人情報の取り扱いについて説明し、重要事項説明書に署名してもらっています。個人情報に関する記録は事務室の鍵のかかる棚に保管し、適切に管理しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保育課程に基づき年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。指導計画には、振り返りの欄があり、様々な方法で子どもの意向を把握した結果を指導計画の評価、見直しに活かしています。0〜2歳児は個別指導計画を作成しています。幼児についても、個々の子どもについて年3回の目標・課題を作成しており、それぞれの子どもの評価を記載しています。
・子どもが自分の好きなことをして遊べるよう、デイリープログラムはゆったりと組まれています。幼児は、活動の切り替え時に自由遊びの時間をとっています。また、子どもが遊び込んでいる時には、プログラムを柔軟に変更し、子どもが好きな遊びを継続できるようにしています。
・クラスごとに野菜の栽培をし、クッキング活動をしています。屋上で サツマイモを育て、1〜3歳児が芋掘りをし、焼き芋大会を行いました。サツマイモのツルでリースを作るなど、制作活動にもつなげています。
・季節の歌や手遊び、リトミックなどの表現活動を保育に取り入れています。制作の時間には、子どもたちは画用紙いっぱいにしっかりとしたタッチで思い思いの絵を描いています。できあがった絵はその場ですぐに掲示しています。
・晴れていれば毎日のように子どもたちは園庭や屋上で遊んだり、近隣の散歩に出かけたりしています。
・献立は旬の食材を用いた、一汁二菜を基本とした和食中心のメニューとなっています。七草がゆやカレーパーティ、クリスマスのバイキング、世界の料理など子どもが食を楽しめるよう、献立を工夫しています。
・年度初めの全体保護者懇談会で、園の基本方針について説明しています。懇談会前にはアンケート「あなたの意見を聞かせてください」を用いて保護者の意見を聞き、それを基に懇談会で園の方針について説明しています。
・5月から12月の原則水曜日に、保育参加を受け入れていて、9割の保護者が参加しています。保育参加時には給食とおやつの試食と個別面談を実施しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・入園後の子どもの発達記録は保育経過記録に記載しています。保育経過記録は事務室の鍵のかかるロッカーで管理し、必要なときに職員はいつでも見ることができるようになっています。
・特に配慮を要する子どもを一時保育も含めて積極的に受け入れる姿勢があります。気になる子どもについて、職員会議で話し合われ情報共有を図っています。
・入園のしおりの中に苦情解決システム、重要事項説明書には第三者委員の名前と電話番号が記載されています。要望や苦情があった時には、まず事務所にあるホワイトボードに記して職員に知らせ、職員会議でも周知しています。
・健康管理、衛生管理、安全管理などの各種マニュアルを整備しています。マニュアルは定期的に見直しをしています。
・地震等を想定し、棚などは、固定ないしは滑り止めが施されています。毎月、火事や地震を想定した避難訓練を実施しています。また、地域の防災訓練に子どもも一緒に参加しています。
4 地域との交流・連携 ・地域の子育て支援としては、一時保育、週1回の園庭開放、月1回の身体測定、「サンタが合歓にやってくる」などの交流保育を実施しています。年1回、育児講座を実施しています。園庭開放時には、育児相談を受け付けています。
・保土ケ谷区土木事務所と連携し、近くの公園の花壇の管理をしています。子どもたちと一緒に花を植えたり、水をあげに行ったりしています。
・4・5歳児は、勤労感謝の日に星川交番、保土ケ谷区土木事務所を訪問しています。0〜3歳児は食材を仕入れている商店にお手紙を書いています。
・敬老の日、2月の餅つき大会、卒園式と年3回、地域の老人会と交流しています。
・「ボランティア・実習・体験学習のしおり」があり、それに基づきボランティアに対して、園の基本方針や守秘義務、子どもの人権や関わり方について説明しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・職員の倫理綱領、就業規則等で職員が不正な行為を行わないように明文化されています。
・屋上は土を敷き詰め、芝生にしています。玄関周りにはフラワーボックスを置いて、緑化に努めています。保育室が日射で暑いときには、窓にシェードをかけて省エネルギーにも取り組んでいます。ただし、環境への取り組みが、文章化されていないので、明文化することが期待されます。
・主任はクラスを持たずに現場に入っていき、業務全般を把握するようにしています。主任はリーダー会議や、毎朝のクラスの巡回などを通して、現場の職員の状況を把握しており、職員が良好な状態で仕事ができるように配慮しています。
・園長は系列園との園長会や私立保育園園長会議などに参加して、事業運営に影響のある重要な情報を収集・分析しています。
・平成19年〜平成33年を期間とする長期計画、平成29年〜平成33年を対象とした中期計画を策定しています。
6 職員の資質向上の促進 ・研修担当者は主任で、職員一人一人の研修計画を作成しています。内部研修が定期的に実施されており、職員は自由に参加できます。職員は、系列園との交流研修会、横浜市や保土ケ谷区の外部研修などに積極的に参加しています。外部研修に参加した職員は、必ず研修報告書を作成し、報告書は全員に回覧し、職員は見たときに押印することになっています。
・業務マニュアルを、非常勤職員を含む全職員に配付しています。
・非常勤職員の指導担当者は主任が行っており、非常勤職員も園内研修に参加することができ、資質向上への取り組みが行われています。
・職員会議やクラス会議でよりよい保育の在り方について話し合っています。横浜市西部地域療育センターや保土ヶ谷区のソーシャルワーカー、保健師から必要に応じて、指導を受けるようにしています。
・職員の年度の自己評価書式が定まっており、この中で自己の実践の振り返りを行って、次期の目標設定に生かしています。保育士の自己評価は保育園の自己評価と直結しており、職員同士で話し合っています。
・園長はじめ、職員の役職別の職務分担表は作成されており、それに従って業務が遂行されています。しかしながら、それぞれの職務の期待する技能・期待水準は作成されていません。職員がキャリアアップの目標を作るためにも早急に作成することが期待されます。

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