かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小向さくら保育園(2回目受審)

対象事業所名 小向さくら保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 同塵会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 212 - 0004
幸区小向西町3-52-3
tel:044-511-6555
設立年月日 2016(平成28)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要・特徴】
・立地・概要
小向さくら保育園はJR川崎駅からバスで約15分の地にあります。府中街道から一本入った住宅地域にあり、2本の細い道路が交差する角地にあります。公立保育園から平成28年4月1日に民営化され、社会福祉法人同塵会が開園した保育園で、生後5か月から就学前までの子ども118名(定員120名)を受け入れています。園舎は一昨年建造され、木造2階建ての1階には乳児クラスやホール、2階には幼児クラスや遊戯室を兼ねたランチルームが配置されています。
隣接して木々の茂った第四公園があり、近隣の複数の公園は子どもたちの良い遊び場となっています。
・特徴
保育目標には 「健康で明るい子」「友達と喜んで遊び、友達を大事にする子」「豊かな心を持ち、自分で行動できる子」を掲げています。
保育相談・地域子育て支援事業に力を入れており、一時保育・絵本の貸し出し・園庭開放・保育相談などを実施しています。


【特に優れていると思われる点】


1. 一人一人の発達や興味、状況を大事にする保育
 乳児クラスでは、外遊びや食事の時間をずらして、子どもの状況に応じた少人数のグループでの活動を多くしています。0歳児は2人の子どもに1人の職員がついて時間をずらして食事をし、1、2歳児も時間をずらして少人数で食べています。幼児の食事もクラスごとに時間をずらし、時間のかかる子どももじっくり時間を取っています。
 室内に複数あるコーナーでは、子どもたちがそれぞれ興味のある遊びを選べるようになっており、子どもの発達や興味に従い、コーナーの作り変えをし、玩具の入れ替えをしています。


2.子どもが自分を表現し、他者の表現を受け入れる遊びの展開と援助
幼児クラスでは3、4、5歳児3人で兄弟チームを作り、お店屋さんごっこ、おしゃれ屋さんごっこ、喫茶店ごっこなどを異年齢で楽しみ、2月の「ごっこ遊び」行事に向けた活動をしています。
保育室には牛乳パックなどを使った手作りのバスや電車、人形、ままごと道具、大きな木のブロックやボール、子どもが入って遊べるようなバケツなど多数の製作物を備え、子どもたちが自由に取り出して遊べるように環境を整えています。


3.地域に対する保育園情報の積極的な提供と保育園の有する機能の提供
毎月発行する「園だより」は地域の近隣の方と自治会長宅に配付し、保育園の情報を提供し行事への参加を呼びかけています。また、区役所作成の複数の広報誌に地域の方が参加できるイベントを掲載しています。なお、保育園外用掲示板で地域の方が参加できるイベント(移動動物園・人形劇、ピーマン劇場、夏祭り、バザーなど)を紹介し参加を呼び掛けています。また、保育園では、一時保育、園庭開放、絵本読み語り、保育相談などを開催し、保育園が有する機能を地域に提供しています。


【特に改善や工夫などを期待したい点】


1.保護者とのコミュニケーションの充実
乳児クラスでは担任職員を3交代のシフト制にして、担任職員が保護者に連絡帳を手渡し、その日の様子を伝えるようにし、クラスごとの「申し送り表」をもとに伝えるなど、保護者に直接伝えるための工夫をしていますが、保護者アンケートの「日々の保育の様子が情報提供されているか」について、保護者からの評価が高いとは言えません。伝達事項が主体になっている「申し送り表」に、その日の子どもの様子 やエピソードを多く記載するなど、保護者とのコミュニケーションの充実について職員が一体となり工夫されますよう期待します。


2.理念・運営方針実現のための計画(中・長期計画、事業計画)の策定
保育園が目指している理念・運営方針の実現のためには、日常の保育実務の改善だけでなく、地域との関係・保護者との関係・職員との関係を含めた全体の最適化を図ることが望まれます。そのため、現状における課題や問題点を明らかにしそれらの改善計画(中・長期計画)の策定が期待されます。あわせて年度単位の事業計画の策定も期待されます。


3.職員に求める技術水準・知識・専門資格の必要性の明確化
職員の就業年数別に組織が職員に求める技術水準・知識・専門資格の必要性などの明確化が期待されます。また、個々の職員がそのレベルに到達することを目的に、自ら個別研修計画を策定することが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・各保育室はコーナーに分かれ、年齢に合ったおもちゃが用意され、子どもたちは好きな遊びを選び、好きなおもちゃを自分で取り出して遊べるようになっています。


・日常保育で順番や行事の役割など子どもが自由に決め、性差への固定観念を植え付けないようにしています。


・職員は全体職員会議で川崎市の子どもの人権についてパンフレットの内容を確認し、子どもの名前を呼び捨てにしないなどを確認しています。


・子どもの尊重や基本的人権への配慮については、4月の園長による「平成29年度 運営方針」の説明の中で周知するとともに、川崎の子ども権利条約についてのパンフレットを各クラスに置き、職員は幸区主催の11月の研修に参加しています。


・朝の登園時の親子の様子、着替え時に身体の観察、子どもの言動などから、虐待の早期発見に取り組んでいます。気になることがある場合は、職員は園長に報告し、全体職員会議で話し合い、児童相談所に報告することになっています。なお、言葉の暴力や声のトーンなど気になったことについて園長はその都度本人に注意喚起し、「平成29年度 運営方針」の説明の中では人権に含めて説明・周知しています。 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・行事ごとにアンケートを実施し、結果は次期の計画に反映しています。また昨年度は2月に川崎市と保育園で保護者からアンケートを取り、結果は問題点をピックアップして園だよりで保護者に知らせています。


・公立からの民営化のため、保護者、川崎市、設置法人(含保育園)による三者会議を実施し、保護者からの意見要望にはその場で回答できるものは回答し、その他については職員会議で検討し、会議の報告書として保護者に配付しています。保護者の意見から延長保育時の補食のサンプルを写真で掲示しています。


・苦情解決体制を整備し、「入園のしおり」に相談・苦情・意見の窓口として苦情対応窓口、苦情対応責任者、第三者委員の名前を明示し、玄関に苦情解決体制を掲示しています。


・苦情を受け付けた際には園長に報告し、全体職員会議で検討、苦情処理簿にファイルしています。 苦情を申し出た保護者には経過と結果を報告し、意見箱に入った意見要望は「園だより」で回答しています。


・登園時には親子観察を行い、保護者からは家庭での子どもの様子や健康状態を聞き取り、0歳児は検温し、通常と違う状況の時は必ず伝えてもらい、一人一人の名前の入った引継ぎ簿に記載し、担任職員に伝えています。


・子どもの発達年齢と個々の状況に合わせて基本的習慣が身につくように支援しています。乳児は生活の部分を担当制にしており、しっかり時間を取って個別に対応しています。箸の使用は3歳児から、トイレットトレーニングは1歳児からトイレに座ることから始め、歯磨き指導は幼児クラスで行い、3、4歳児には仕上げ磨きを行っています。


・年齢別に食育計画を立て、フォークやはしの持ち方、食事のマナーなどが身につくよう、計画的に進めています。七夕集会、お芋ほり遠足、お別れ会バイキングなどの会食の機会を設けています。


・5歳児クラスは調理体験としてお月見団子、夏野菜ピザトーストつくり、おいもパーティー、おにぎりパーティーを行い、また、カレーパーティーの時には幼児クラスみんなで作って楽しんでいます。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・保護者に対しては「重要事項説明書」「入園のしおり」を作成しており、2月下旬の入園説明会で説明するとともに、保育説明会(保護者会総会)やクラス懇談会・個別面接の際にも説明しています。また、「重要事項説明書」説明後には同意したことならびに個人情報使用同意書を保護者から文書でもらっています。


・指導計画作成にあたっては、まずクラス担任職員で打ち合わせ、乳児会議・幼児会議で審議し、最終的には全体職員会議で審議・決定・周知されています。食育計画については給食委託先のマネージャー・栄養士が参加し、衛生・健康関係については看護師も参加しています。


・毎月末に各クラス担任職員が日々の子どもの様子や保護者対応の結果などを持ち寄って打ち合わせをし、必要ならば指導計画の見直しをしています。


・毎月の乳児・幼児会議で必ず個別カンファレンスを実施しています。また、障がい児については外部からボランティアの臨床心理士を招いてケースカンファレンス(平成29年度は2回)を開催しており、半日子どもの様子を見てもらい午後カンファレンスを実施しています。



・園長は緊急時や事故災害時にはリーダーとなり安全確保に努めています。また、防災訓練実施担当者・安全点検担当者を決めており、毎月訓練・点検を実施しています。


・火災・地震・事故・感染症などに対応した「役割分担表」が作成されており、それに基づき管理することにしています。


・「マニュアル(安全管理)」「マニュアル(事故発生)」などのマニュアルを整備し、各クラスに配備しています。


4 地域との交流・連携

・毎月発行する「園だより」は地域の近隣の方と自治会長宅に配付し、保育園の情報を提供し、行事への参加も呼び掛けています。なお、保育園外用掲示板に地域の方が参加できるイベント(移動動物園、人形劇、ピーマン劇場、夏祭り・バザーなど)を紹介し参加を呼び掛けています。


・区役所作成の広報誌(「お散歩に行こうね!」「親子読み語りタイム」)に地域の方が参加できるイベントを掲載しています。


・保育園では、園庭開放(月〜金、9:30〜11:00)、絵本コーナー開放(月〜土、9:00〜11:00)、絵本読み語り(毎月第2月曜、10:00〜10:30)、保育相談(随時)などを開催し地域へ参加を呼び掛けており、毎回地域から1〜10名の参加があります。


・ボランテイア受け入れに際してはマニュアル(ボランティア・実習生受け入れ)があり、基本姿勢を明文化しています。年6回絵本の読み聞かせのボランティアや年2回臨床心理士のボランティアの受け入れを行っています。


・幼保小連携会議の校長・園長連絡会や年長児担当連絡会議には定期的に参加し、具体的な福祉ニーズの把握に努めています。また、幸区認可保育所園長会議に参加し、川崎市「保育の質ガイドブック」について説明を受け、公開保育・授業参観そして懇談会などを通じて具体的な福祉ニーズの把握に努めています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・「平成29年度 職員個別職務分担表」が作成されており、4月の全体職員会議で周知されています。その中で園長の役割も細かく整理されています。


・園長は面接などにより職員の意向・意見を把握するとともに就業状況を含めて、園長・副園長で対応策を検討しています。


・民営化2年目であることから、川崎市・設置法人(保育園)・保護者の三者会議が年2回開催され、種々の課題解決を図っています。


・園長は経営や業務の効率化や改善のために、保育内容の確認を積極的に行い、人材育成の必要性を認識し自ら保育現場に入る機会を増やしています。


・理念は「児童福祉法に基づき、人権や主体性を尊重し、自ら伸びていく可能性を信じてお子様のために誠意の限りを尽くします。子どもが現在をもっともよく生き、一生を通じて学び続ける姿勢を持ち、幸せな人生を送るための土台を築いていきます。」となっており、設置法人の使命や目指す方向や考え方を読み取ることができます。また、運営方針は職員の行動規範となるよう具体的な内容となっています。


・職員に対しては、昨年度より4月の全体職員会議冒頭に園長から説明しています。
保護者に対しては、理念や運営方針・保育方針について、4月に開催された保育説明会(保護者会総会)でプロジェクタ―を用いて説明しています。


・平成29年度に取り組む項目について「平成29年度 運営方針」として、分かりやすい言葉で書かれ具体的な内容となっており、職員には周知されるとともに、保護者には4月に開催された保育説明会(保護者会総会)でプロジェクタ―を用いて説明しています。


・「光熱費の節約・ごみの削減・一時保育利用人数のアップなどについて会議の際に伝えています。


・中長期計画や中長期計画を踏まえた事業計画は策定されていません。

6 職員の資質向上の促進

・「平成29年度 運営方針」の中では、職員には研修の意義や必要性について共通理解をし、知見と人間性を深め自己研鑽に努めることが求められています。しかし、組織が職員に求める技術水準・知識・専門資格の必要性などの明示がありません。


・職員全体についての研修計画は策定されていますが、職員一人一人についての個別の研修計画は策定されていません。なお、策定された研修計画に基づき、実際に計画に従った研修が実施されています。


・人事考課については設置法人から基準が示されており、職員には園長から説明しています。考課結果も職員に説明し理解は得られています。


・設置法人制定の「マニュアル(ボランティア・実習生受け入れ)」があり、事前説明・オリエンテーションの実施方法などが明記されています。実習生対応の責任者は園長です。実習内容については事前に学校側と調整していますが、実習生の希望も取り入れ、実習が初めてか、最後の実習かで実習内容を変えています。
今年度は1人の実習生を受け入れました。


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