かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク川崎東口保育園(8回目受審)

対象事業所名 アスク川崎東口保育園(8回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 210 - 0023
川崎区小川町13-9
tel:044-233-5030
設立年月日 2010(平成22)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
アスク川崎東口保育園は、JR川崎駅および京浜急行川崎駅から、徒歩約5分の繁華街の中にあります。周囲はビルやマンションが立ち並ぶ環境ですが、人通りの多い中心部からはやや離れ、気になる騒音もありません。平成22年4月に開園し、定員80名で、現在0歳から5歳まで81名が在籍しています。
 2階建ての建物は駐車場に面し、日当たりがよく、屋上園庭と120uの園庭があります。園庭には砂場や畑、玄関前には保護者用の自転車置き場も確保できています。周囲には小規模ながら、公園や緑地があり、園児は十分に屋外で身体を動かすことができます。
 常勤職員の平均年齢が26.4歳と若く、男性保育士4名がいることで、子どもを見守るだけでなく、職員が一緒に身体を使って遊ぶことも多く、子どもたちが元気に伸び伸びと生活しています。


【特に優れていると思われる点】
1.子どもの安全確保のための取り組み
今年8月から、園独自の「環境安全チェックリスト」を策定して、毎月、園長と当番職員1名で園内外の安全点検を実施しています。また、設置法人から配信される他園の事故事例をもとに、未然防止策を検討、協議する際に、職員が主体的に考えて話し合いに参加できるよう、今年からクラスごとでなく、話がしやすい経験年数別のグループで実施するよう変更しました。さらに、今年度は新入職員が多いため、子どもの引き取り訓練の回数を年2回に増やすなど、子どもの安全確保に力を入れています。


2.子どもが自然と触れ合えるようにする努力
大規模ターミナル駅が至近の商業地という環境にありながらも、近隣の緑地に出かけたり、桜並木を見に行ったり、公園でどんぐり拾いをしたりして、身近な自然に触れられるように努めています。設置法人独自として活動している食農活動では、年長児はキュウリ、パプリカ、ナス、小玉スイカ、バナナ、イチゴなど多彩な食物をプランターで栽培し、園庭ではサツマイモを育てています。雑草抜き、水やり、肥料蒔きなどを行い収穫の喜びを楽しみました。また、園児の希望も反映して、お泊り保育は園外で実施し、山の中で虫探しや火おこしを体験し自然と触れ合いました。


3.園運営の改善に向けた取り組み
園長は4月の着任以降、自ら保育に入って保育の現状を把握し、職員の子どもへの言葉かけについての指導などを通じて職員の質の向上に努めてきました。園長のリーダーシップの下、職員同士が意見を出し合い、協力し合って、安全管理の徹底、保育室の環境の改善、2歳児のおむつ替えの場所の変更、交通安全教室の企画や川崎小学校との交流開始など、従来の体制の見直しと改善に取り組みました。


【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.計画的に異年齢が交流する保育の実施
異年齢の子どもが一緒に散歩に出かけたり、園庭や屋上で遊んだり、5歳児が郵便屋さんになって子どもたちが出した手紙を届ける交流がありますが、単なる交流にとどまっています。現在計画中の幼児の縦割りグループでの活動の実施に当たり、それぞれの年齢における交流意義を認識し、計画的に異年齢で交流する保育になることが望まれます。


2.第三者評価を活用して、全職員による課題の共有と改善策の検討を
第三者評価を毎年受審していますが、評価結果から明確になった課題が文書化されておらず、改善策の検討は園長主導で進められ、職員が参画する仕組みになっていません。今年度は全職員で積極的に園の自己評価に取り組まれましたので、評価結果も職員全員で共有・分析して課題を明らかにし、改善策を検討して、さらなる改善につなげていくことを期待します。


3.ボランティアの受け入れを
ボランティア受け入れガイドラインが整備され、受け入れ体制は整っていますが、一昨年から、ボランティアの受け入れ実績がありません。子どもたちの園での生活に広がりをもたらすこともあり、現在検討中の、読み聞かせなどのボランティア受け入れ計画を、早期に具体化することが望まれます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・子どもの意思を尊重し、遊びはできるだけ子どもが複数の選択肢から選べるようにしています。活動に参加したくない子どもには「見ていていいよ」と声をかけています。活動内容に子どもの意思を取り入れており、今年度、年長児のお泊り保育は、子どもの希望を反映して園外の施設で行いました。


・「保育園業務マニュアル」に個人情報の取り扱いや守秘義務について明記しています。また「個人情報保護マニュアル」が整備されており、個人情報を含む書類は施錠できる書庫に保管し、園外への持ち出しは禁止しています。


・2歳児の排便時のおむつ替えを、これまで保育室内でしていましたが、子どもの気持ちに配慮し、今年度から、トイレ奥のスペースで衝立を立てて行うように変更しました。


・「虐待防止対応マニュアル」があり、職員は登園時に検温をしながら、保護者から家庭での様子を聞きとり、着替えの際に身体の観察をして、虐待の早期発見に努めています。


・職員は常に、子どもの立場・気持ちになって考え、「待って」と言わず、「今、○○だから、次にしようね」などと言い替え、「ダメ」などの否定的な言葉を使わず、「○○しようね」と前向きな言葉かけをするように努めています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・行事後に、行事に関する保護者アンケートを実施し、年度末には「振り返りアンケート」を実施して、保護者の意見、要望、満足度を把握し、次年度の年間行事や活動内容の見直しに役立てています。


・入園のご案内(重要事項説明書)に園に関する質問・苦情相談の窓口として設置法人運営本部と第三者委員2名の連絡先を記載し、園内にも掲示しています。


・子ども一人一人の発達の様子や、生活リズムを把握して保育を行っています。各年齢に応じた分かりやすい、穏やかな言葉で話しかけています。言葉で表現できない子どもに対しては、表情やしぐさから気持ちを読み取り、対応しています。


・異年齢の子どもが一緒に散歩に出かけたり、園庭や屋上で遊んだりしていますが、それぞれの年齢における交流意義を認識した計画的な異年齢保育になることが望まれます。


・子ども一人一人の発達に合わせ、歯磨き、箸の使用、排泄、着替えなど基本的な生活習慣を身につけられるよう支援しています。


・年齢や発達に応じて、休息時間を工夫しています。0歳児は子どもの発達に応じて午前睡の時間を取り、体力の消耗が激しい夏場は、午睡の時間を長く取るなどの工夫をしています。


・子どもの様子は、お迎えの際に口頭でひと言でも、散歩の行先や、遊びの様子、何を作っていたかなど、その日のエピソードを伝えるように心がけています。


・子どもたちはクッキング保育や当番活動などから食事への興味を持ち、食事を楽しんでいます。当番は4歳児から行い、テーブルを拭いたり、メニューを発表したり、5歳児はエプロンをつけ、盛り付けも行っています。


・年齢や発達に応じて、園内では廊下を走らないことや、はさみの正しい使い方、園外では公園で遊ぶ時のルールなどを子どもたちと常に確認して、安全に遊べるように指導しています。


・入園説明会で乳幼児突然死症候群(SIDS)や感染症について説明し、登園許可書の必要な病気の一覧表を配付しています。SIDS予防のため、0歳児は5分、1、2歳児は10分、3〜5歳児は30分に1回、呼吸チェックを行っています。


・園内で感染症が発症した場合には、園の玄関に掲示して情報を伝えています。


3 サービスマネジメントシステムの確立

・ホームページには設置法人の運営理念や、保育方針を載せ、園のページには保育方針、園での子どもの様子などを載せています。


・「入園のご案内(重要事項説明書)」と「入園のしおり」に保育料、一日の流れ、持ち物、送り迎え、感染症、緊急時対応などが分かりやすく書かれています。


・年長児担任が川崎区幼保小連携事業実務担当者会議に出席し、小学校生活の情報を得て懇談会や個人面談で保護者に伝えています。


・入園時に「入園時家庭調査票」「児童健康調査票」「児童票」などを保護者から提出してもらい、それをもとに入園前の面談で子どもの心身の状況や家庭状況を把握して「入園前面談シート」に記入し、保育に活かしています。


・入園後は、0〜2歳児は毎月、3〜5歳児は3か月ごとに児童票(発達記録)を記録し、日々の状況は保育日誌に記入しています。


・個々の子どもに関する日々の記録は、0、1歳児は生活記録簿に、2歳児以上はクラスの保育日誌の「個別の記録欄」に記録しています。18時以降に残る子どもの様子は延長保育日誌に記入しています。


・毎月の職員会議および毎日の昼礼で子どもの状況などを報告・検討しています。参加しなかった職員には誰がその内容を伝えるのかをルール化し、伝達漏れの無いようにしています。


・今年度、8月から、園独自の「環境安全チェックリスト」を策定し、毎月、園長とその月の担当職員1名で園内外の安全点検を実施しています。


・ハザードマップや消火器、避難誘導灯、避難用滑り台および避難梯子を備え、保育室内のロッカーや遊具棚に滑り止めシートを施しています

4 地域との交流・連携

・運動会のお知らせなど、園の行事の案内を、園の屋外掲示板に掲示するほか、町内会の掲示板に貼ってもらい、地域の方に園のことを知ってもらうように努めています。


・毎月第4木曜日に、「のびのびクラブ」を開催し、身体測定や足型取り、育児相談を行っています。見学経験者を中心に、毎月5組程度の利用があります。


・ボランティア受け入れガイドラインが整備されており、受け入れ体制は整備されていますが、ボランティアの受け入れ実績がありません。


・川崎区の発達支援コーディネーター会議に、配慮が必要な子どものいるクラスの担任が、子育て支援会議及び川崎区次席者会議に中堅のリーダー職員、年長児担当者会議に5歳児担任、看護師会議に看護師、保育所等施設長連携会議に園長が参加し、具体的な福祉ニーズの把握に努めています。


・地域の関係機関の連絡会で、共通課題として、卒園後の子どもの状況の把握が挙げられていることを受け、卒園児の学童保育終了後の保護者との待ち合わせ場所として園を提供することで、卒園児とのつながりを継続するようにしています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・理念・基本方針は、設置法人や園作成のホームページに明示しているほか、「重要事項説明書「保育課程」に記載しており、運営理念として「安心&安全」「想い出に残る保育」「ニーズに合った保育」「楽しく働ける職場」、保育理念として「自ら伸びようとする力」「後伸びする力」を育てる保育、「五感で感じる保育」の充実を掲げ、保育に携わる事業者としての心構えを表明しています。


・理念・基本方針の実現のため、中期計画の目標として「地域の交流」「保育の質の強化」「保育環境の見直し」「災害対策」を掲げています。


・中期計画を踏まえて29年度の事業計画として「町内会への加入と行事への参加」「外部講師による研修」「子育て支援」「園行事へのお誘い」などを取り上げ、実施結果を四半期ごとに記載し、必要な場合は修正できるようにしています。


・設置法人で作成した「保育士に求められる役割」に、園長の役割と責任が明文化されており、事務所内に掲示しています。園長は職員会議や個人面談で、園長の役割と最終的責任は園長にあることを伝えています。


・クレド(CREDO 行動指針を記載したカード)を職員が携帯し、職員会議でクレドの読み合わせをしています。「子どもたちにとってどうか」、「プラスになることか」など、子どもの視点に立って考えられるように話し合っています。


・第三者評価を毎年受審していますが、評価結果から明確になった課題は文書化されておらず、改善策や改善計画の策定は、園長主導で進められ、全職員が参画する仕組みになっていません。第三者評価を有効に活用するために、評価結果の分析を職員も交えて行い、全職員で課題を共有して改善策を策定し、継続的・計画的に改善につなげていく仕組みづくりを期待します。


・経営状況やコスト分析などについては設置法人が担当しており、分析結果や改善策は園長会で示されるので、必要に応じて連携し対応しています。全社的な経費削減策を受け、節電対策や備品購入希望に対する必要性を検討し、職員会議で話し合っています。

6 職員の資質向上の促進

・「保育士人材育成ビジョン」が策定されており、人事管理に関する方針が確立されています。


・職員の採用は、設置法人で一括して実施しています。保育士、看護師、栄養士など、必要数の有資格者を採用し、各園に配属しています。


・園長は園長会で採り上げられた他園の事故や不適切な事例を職員会議で報告し、法令遵守するよう職員に周知しています。職員は、入社時研修で法令遵守について学び理解しています。


・設置法人は、資格や経験年数に応じた「階層別研修」と職員が自由に選択できる専門的テーマからなる「自由選択研修」を設定しています。職員は個別に研修計画を策定し、必要な研修を受講しています。


・園長は、年2回実施する職員との面談の中で、研修について振り返り、研修成果が保育実践に活かされているか評価するとともに、アドバイスを行って次期の研修計画に反映しています。


・設置法人作成の保育園業務マニュアルの中に、実習生の受け入れについて記載されているほか、「実習生受入れガイドライン」が策定されており、受け入れ体制が整備されています。今年度は2名の実習生を受け入れました。


・持株会制度、フィットネスジムの利用や化粧品購入の料金割引など、設置法人によって、職員のための多様な福利厚生制度が整備されています。


・職員の悩みには、園長および看護師が相談に乗り、必要に応じて、設置法人のスーパーバイザーや運営支援課に報告して、設置法人の産業医または外部委託しているカウンセラーに相談できる仕組みがあります。新卒職員には、経験年数の近い職員が付くチューター制度があります。


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