かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

おひさまっこ保育園

対象事業所名 おひさまっこ保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 藤雪会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 243 - 0003
厚木市寿町3-1 ルリエ本厚木1F
tel:046-297-7789
設立年月日 2010(平成22)年10月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
おひさまっこ保育園は平成22年10月に、特定非営利活動法人子ども未来じゅく保育園ViViの分園として開園し、平成27年4月に分園から独立しています。その後、運営法人が社会福祉法人藤雪会に移りました。
園の定員は30名で現在37名が在籍しています。園は小田急線本厚木駅より徒歩7分程の利便性の良い商業地域にあります。園舎は地上12階地下2階建ての複合用途の多目的ビルの1階の一部分を使用しています。園庭はありませんがビルの隣には大きな公園があり、周辺に神社や河原などもあり日々の戸外活動に適した環境となっています。
法人の理念は「生きる根っこの0歳から6歳。藤雪会は育ちを支えます。」以下6項目、保育方針は「子どもの権利や育ちを保障した保育を行います。」以下3項目を掲げています。保育目標を開園時に園独自に創って「意欲にあふれ、主体的に活動する子ども」の実践につなげています。


≪優れている点≫
1.小規模園の良さを活かした異年齢保育
園の保育方針に「異年齢集団の中で生活や遊びを通し、子ども同士で学びあい、子ども自身が自分の世界を広げていくことのできる時間、場所を提供します」を掲げています。0、1、2歳児クラス及び3〜5歳児クラスはオープンフロアで保育を行っています。日常的に異年齢活動の時間を多く取り入れており、年上の子が年下の子にお手本を見せる、年下の子が見て憧れて真似をするなど、身近で常に良い刺激となっています。
5歳児の「当番」は、3〜5歳児クラス合同の給食の配膳、乳児クラスの午睡後の布団たたみから、おやつの準備、公園での「約束」を伝えるなど、年下の子のお世話の役割があります。外遊びでも、なるべく遊具のない神社や河原に行くようにしており、子ども自身が何をやろうか考えて遊びを見つけ、異年齢を交えた仲間で遊ぶことができるようにしています。つながりながら育っていくことの大切さを職員は常に考え子どもたちと関わっています。

2.積極的な園外活動と自然体験の充実
園庭はありませんが、隣にある厚木中央公園を利用したり、様々な散歩コースがたくさんあり、天候が悪い日以外は毎日園外に出かけています。散歩先では、子どもたち自らが遊びを見つけ出して遊べるように、固定遊具の無い公園や神社や河原などで遊ぶことを大切にしています。
本厚木駅から程近い地域性を活かしながら、体育館、市営プール、図書館、プラネタリウム、郷土資料館など公共の施設も積極的に利用しています。日頃の散歩や公園遊びの他、年間計画の中に月1回「園外保育」の日程を組んでいます。路線バスに乗って、山登りにも出かけるなど環境を変えながら自然に触れたり、体力づくりにつながる取り組みを行っています。
また、子どもたちは園の畑で野菜作りをしています。種まきから、手入れ、収穫、調理までの一連の作業を行ったり、出掛け先で見つけた、植物や虫などを持ち帰り観察、飼育をしたり、子どもたちが自然に親しみ豊かな心が育つようにしています。

3. 園の専門性を活かした子育て支援事業
園では保護者の就労、疾病や介護のほか、リフレッシュをしたい子育て家庭のニーズに応えるため一時保育を受け入れ、ニーズに応じて休日保育の受け入れもしています。昨年度の一時保育利用者は延べ人数776名、休日保育は614名で、地域ニーズの高い、園の専門性を活かしたサービスの提供をしています。
今年度から、「土曜サロン・おひさまSUN SUN」に取り組んでいます。外部講師を招いた第一弾ではアロマオイルで体に優しい虫よけスプレーの手作り体験、第二弾はくらしの中の色使いをテーマにして地域に貢献しています。開催時には参加者からアンケートをとり、今後の取り組みの参考にしています。


≪課題や改善することが期待される事項≫
1.3歳未満児、障害のある子どもや配慮を必要とする子どもの個別指導計画の作成
園では乳児の指導計画がありますが、今年度3歳未満児および障害のある子どもや特別に配慮を必要とする子どもの個別の指導計画の作成がありません。職員会議、保育ミーティング、各クラス会議などのケース検討で、子ども一人一人の成長を把握する仕組みはあります。3歳未満児は、発達が著しい時期であり、個人差も大きいことから、一人一人に適した対応をするために指導計画の作成が求められます。また障害のある子どもや個別に配慮が必要な子どもに関しても、障害は多様であり、個別の特性など配慮を要する子ども一人一人に則し、よりよい発達を目指した対応のため、個別の指導計画の作成が求められます。

2.不審者侵入を防ぐ対策
園の門扉は原則施錠することとしていますが、徹底がされていません。アンケートにおいても、「外部からの不審者侵入を防ぐ対策について」に40%の保護者が「どちらかといえば不満」「不満」と回答しています。
施錠方法などを再検討し、徹底した管理が望まれます。また保護者にも説明し、共通認識のもとで施錠管理することにより保護者の不安を取り除く対策が期待されます。

3.整理整頓や落下防止策など安全対策の工夫
園内では子どもの目線よりも高い位置に積み重ねたものがあります。園内の広さや収納場所の確保など構造上の制約がありますが、地震などにより落ちてくる可能性があります。また避難時などの動線を確保するためにも、園備品類の整理整頓と落下防止策を講じることが期待されます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

法人の理念や保育方針に人権尊重の内容を盛り込んでいます。保育目標である「意欲にあふれ、主体的に活動する子ども」を開園時に園独自に作っており、利用者本人を尊重したものになっています。理念、方針、目標に沿った保育を目指すために、今年のキーワード「子どもが主役」を定め実践につなげています。


「保育方針」に「子どもの権利や、一人一人の育ちを保障した保育を行います」を掲げています。「保育園業務マニュアル」で保育の基本姿勢として「子どもの気持ちを受け止める・子どもの裏にある気持ちを読み取る・温かな言葉遣いでゆっくり話す・肯定的な言い方をする」などを記載しており、職員で周知しています。


個人情報の取り扱いでは、法人が作成したマニュアルに従って全職員が周知しています。保護者には年度初めに「写真掲載について同意の確認書」で了解を得ています。個人情報に関する記録は、園長の机の施錠のできる引き出しで保管・管理をしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育課程を作成した後に、子どもの年齢ごとの発達に一貫性があるか、保護者の状況、周囲の環境に即しているかなどの見直しをしています。年間指導計画を基に、月・週案を作成しています。職員は、子どもの個々を知り、子どもの思いをくみ取る姿勢を常に持つよう努めています。子どもの意見や興味を取り入れ、計画には柔軟性を持たせています。


保育内容の遊びでは年齢や発達にふさわしい環境構成に配慮しています。食事、排泄、睡眠については一人一人の発達状況・健康状態や生活パターンを把握・考慮しながら、保護者と連携を取り、家庭との連続性を心がけています。栽培活動、クッキング、食環境整備は年齢発達に応じて実践しています。


個別の連絡帳、送迎時のやりとり、個別面談、毎月の園だよりなどで保護者へ子どもや保育の様子を伝えたり、情報提供をしています。また、懇談会、保育参観、保育参加、園行事などで保護者同士の交流の機会を設けています。園だより内のクラスのエピソードでは、写真で日常の保育や行事での子どもの様子が保護者に分かりやすく伝わるよう工夫しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

0、1、2歳児クラスは個別の週案日誌を育成記録としています。3〜5歳児クラスは3ヶ月ごとに個人記録を作成しています。個別のファイルは園長のカギのかかる机の引き出しで保管管理をしています。必要時には全職員が閲覧可能なほか、職員会議で常に情報共有をしています。進級時は育成記録に基づいた引継ぎ書類を旧担任が作成し、新担任に申し送りをしています。


食物アレルギー、虐待、家庭支援の必要な子どもなど特に配慮を要する子どもを受け入れる体制があり、受け入れています。クラス会議のほか、職員会議で各クラスの様子を確認したり、ケース検討を行っています。障害のある子どもの対応方法など最新情報に関して研修に職員が参加をし、職員間で共有することで同じ認識で保育にあたれる体制を整えています。


健康管理・衛生管理・安全管理などに関する各マニュアルを整備し、マニュアルに基づいた対応や訓練を行っています。行政、医療機関、児童相談所など必要な関係機関・地域の団体をリスト化しています。保護者懇談会、個人面談での話し合い、アンケートのほか、職員は送迎時に保護者に積極的に声をかけ、要望を聞くように心がけています。

4 地域との交流・連携

園では「一時保育」「休日保育」を受け入れています。今年度より子育て支援事業として「土曜サロン・おひさまSUN SUN」を開始しました。親子参加で保育士が子どもの保育を担当する中、参加者は「アロマで虫除けスプレー作り」や「くらしの中の色使い」などの体験をしながら参加者同士の交流ができるようにしています。参加者とのつながりを大切にし、どんなことを期待しているか、どんなことをやってみたいかなどを聞いています。


「土曜サロン おひさまSUN SUN」の案内を地域子育て支援センターに配布、近隣のスーパーに掲示して、ホームページでも紹介しています。地域の子育て支援の情報ネットワークの、年4回発行「こども未来通信」があり、園の「休日保育」「土曜サロン おひさまSUN SUN」や学童・障害のある子どもの療育・厚木市内の子育て広場を紹介しています。園の玄関に掲示しています。


園行事の「ありがとうの会」には自治会、園が借りている畑の所有者、デイサービス事業所といった園と関わりのある地域の人々を招待しています。学校教育との連携として年長児が小学校へ行き、授業参観や交流会に参加をしているほか、中学生やフリースクールの職業体験学習を受け入れています。今年度は、さらに中学校の吹奏楽部に来園してもらいミニコンサートを開催しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

理念、方針、目標を園内に掲示し、いつでも確認ができるようにしています。毎月の職員会議では理念、方針、目標、今年のキーワードを確認する時間を設けています。さらに園長は、折に触れ保育の方針や目標に立ち返る話をし、職員の理解を深めるようにしています。職員が守るべき法・規範・服務規程などは就業規則に明記され、入職時に説明をしています。園単位の経営・運営状況の公表はしていませんが、報告書をホームページで公開しています。


主任は、園長と協力し、毎日クラスを見回り、職員の様子を見ながら、クラスの援助やフォローに入っています。職員の心身の状況を把握し、無理のないシフト編成を心がけています。またどのクラスの子どもや保護者にも接することができるようにシフトを組んでいます。


事業運営に影響のある情報の収集は、運営法人内の施設長連絡会で情報交換、検討をしています。園では、園長が厚木市内の園長会、幼保小連絡会などの会合に出席し情報収集・分析をしています。園に関わる事項は職員会議で話し合っています。

6 職員の資質向上の促進

運営法人内の研修があるほか、園内研修計画は園長・主任が立てています。外部研修情報を職員に知らせ、本人の希望も取り入れ、効果的な研修となるように園長・主任が助言したり、勧めています。研修受講後は報告や発表の機会が作り、報告書を回覧しています。


年間指導計画、月・週案があり、書式が定型化されています。計画では意図した保育と関連付けを行い、評価反省後、見直して次の指導計画に反映しています。振り返りから気づいた課題は職員会議で話し合っています。園の自己評価をまとめるにあたり、職員の自己チェックと保護者アンケートを実施しています。さまざまな取り組みから課題を把握し、園の自己評価を作成しています。


クラス運営、行事担当、各業務において現場にいる職員が主体的、自発的に判断して保育にあたれるよう可能な限り、権限を委譲しています。主任・園長に連絡や報告をし、最終的な責任を明確にしています。園長は年2回職員と個別面談をし、職員の満足度や要望を把握しています。各会議や打ち合わせ時に意見要望を聞いているほか、自己評価チェックシートにも意見・提案を記載できる項目があります。

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