かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

秋葉保育園(2回目受審)

対象事業所名 秋葉保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 顕真会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 245 - 0052
戸塚区秋葉町520-88
tel:045-812-2551
設立年月日 2005(平成17)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
秋葉保育園はJR・横浜市営地下鉄「戸塚駅」からバスで約10分、バス停から徒歩6分ほどの静かな住宅街に位置し、隣接して緑豊かな公園があります。
園は昭和53年、横浜市秋葉保育園として開設し、平成17年の民間移管に伴い社会福祉法人顕真会が運営を行い12年になります。法人は園から程近くに今年度開設の秋葉第2保育園や法人所在地の宮崎県内で保育園3園と高齢者通所介護施設1ヵ所を運営しています。平成28年度、園舎の建て替えを実施しました。その際に定員を90名から120名に増員し、新園舎には子どもたちがのびのびと外遊びができるように3ヶ所の園庭が設けられています。
保育理念に「子どもの人権や主体性を尊重し児童の幸福のために、保護者や地域社会と力を合わせ、児童の福祉を積極的に推進し、あわせて家庭支援を行う」などを定めています。保育目標に「生き抜く力の基礎を培う」を掲げています。
具体的な子ども像として「元気な子ども」「人間としての型」「考える子ども」「仲の良い子ども」を挙げ、少しの困難に負けない心と体を持つ子どもに育つことを目指しています。


≪優れている点≫
1.恵まれた環境のもと、子どもたちはさまざまな活動を体験して成長しています
子どもたちがのびのびと外遊びができるように、外園庭・2階屋上園庭・3階屋上園庭の3ヶ所に園庭を設けています。広々とした外園庭の周囲には様々な樹木が植えられ、季節を感じることができます。雲梯や八角ジム、吊り輪、可動式の鉄棒、一輪車などの遊具が備えられ、子どもたちは楽しく遊びながらバランス感覚を養い、運動能力を高めています。2階屋上園庭では、夏にはプールで水遊びや乳児がかけっこをしたり、ブランコで遊びます。また、プランターで稲や野菜、花を育て、水やりや収穫をします。3階屋上園庭ではインラインスケートや天体望遠鏡で「星座観望」などをしています。
近隣には自然豊かな公園がたくさんあり、4・5歳児は「あきば探検隊」と称して公園で自然観察を行っています。5歳児の子どもたちは登園すると自分用の万歩計をつけ歩数を記録しています。2歳児以上の子どもたちは、近くに借りている畑で野菜の苗植えから収穫までを体験しています。5歳児クラスは通園バスで地域の農園に行き給食用の野菜の購入や、9月には野外宿泊キャンプを楽しんでいます。
園では丈夫な体作りを目指して、園庭ではできる限り裸足で過ごし、バランス感覚を養う運動遊び(パカポコ・一本下駄・竹馬・インラインスケート・スラックラインなど)を年間通して積極的に取り組んでいます。運動会を年に2回実施し、2月に実施する「運動発表会」では、日ごろの運動遊びの成果を存分に発揮しています。恵まれた環境と体を動かす多くの活動により、子どもが「生き抜く力の基礎を培う」ことを大切にして子どもの成長を支援しています。

2.保護者へ積極的に情報提供をするとともに、意見や希望をもとに保護者支援を展開しています
秋葉保育園「入園のしおり」は76ページにもなる冊子で保護者に育児に関する様々な情報を伝えています。園の保育方針や保育内容・入園準備案内を詳しく掲載するとともに、育児情報や子育て支援制度などをわかりやすく紹介しています。毎月発行の「園だより」は、50ページほどでカラー写真を多用した情報誌になっています。子どもの様子や保育の意図・アンケート結果のほか、「子育てのヒント」や「育児情報」「地域のお知らせ」などを積極的に伝え、保護者との相互理解に役立つものになっています。「園だより」は冊子のほかCDやデータ配信でも受け取れるように配慮しています。
「食事に関するアンケート」や「園だよりの内容について」の詳細なアンケートをとり、保護者の意見や希望を保育や保護者支援に活かしています。全園児に連絡帳を使用し、毎日の様子を伝えるとともに、玄関にタッチパネルモニター、通園バスにはダブレットを用意して子どもの様子を画像で伝えています。また、保護者のスマートフォンでも「本日の保育内容」として閲覧できるようにしています。
平成23年より東戸塚駅周辺から24人乗りの通園バスを毎日運行して送迎を行い、東戸塚地域の3歳児待機児童の解消や保護者の負担軽減に努めています。当初は5名の利用でしたが現在は19名に増えています。乗降車場所や運行時刻についても毎年アンケートを実施して、可能な限り希望に沿うように細やかに設定しています。
保護者への対応については、「園からの情報提供」「園の柔軟な対応」として評価されています。

3.「園児管理システム」によって情報の共有化や保育の質の向上、業務の効率化を図っています
運営法人オリジナルのパソコンソフト「園児管理システム」によって保育に関する多くの情報がパソコン画面上で見られるようになっており、情報の共有化や保育の質の向上、業務の効率化につながっています。パソコン22台を保育室や事務室、玄関などに設置してネットワーク化しています。職員は出勤するとまず、パソコン画面から昨日の状況、本日の予定などを確認して業務につきます。業務内容の中にパソコンの入力時間も設けられています。
「園児管理システム」には園児台帳・保育日誌・管理日誌・各種指導計画・意見要望苦情解決・
行事予定など子どもに関するあらゆる情報がリンクしており、全職員がいつでも園内のどのパソコンからでも閲覧することができて、子どもや保護者への統一した適切な対応が可能になっています。指導計画は保育課程をもとに年間計画・月間計画・週案・日案がリンクして、経験の浅い職員でも計画に沿った適切な指導が展開できる仕組みがあります。保育時間内に記録入力が出来るため、記録類作成に別時間を設ける必要が少なく、業務の効率化と保育の質の向上にもつながっています。

4.美味しく、健康的な和食を中心とした給食で食育を進めています
子どもの食生活を充実させるために給食は和食中心の献立にし、家庭と連携して食育を行っています。給食は胚芽米を使用し昆布やカツオ節、鶏ガラでだしをとっています。薄味で素材のうまみを生かして調理し、季節の野菜や果物、海藻、小魚を使い、咀嚼の発達を促すことを考慮しています。毎月の献立が1週間サイクルになっていることで、初めての食材が食べられないまま終わらずに翌週は少し食べられて家庭で報告する子どももいます。おやつには毎日、スキムミルクで作った手作りヨーグルトを提供しています。
幼児クラスの食器は、法人オリジナルの強化磁器のものを使用しています。2歳児以上を対象にマグネットシアターで食品の栄養についてわかり易く伝え、食事をする時の姿勢やお箸の持ち方の話、食材を見る機会にもしています。プランターで稲や野菜を育て、近くの畑で野菜の栽培や収穫を体験して食に関する興味や知識を育てています。離乳食については毎月、一人一人の保護者と食材の大きさ、量、味付けについてなど、面談を行い細かく確認をしています。
年1回「食のアンケート」を行い、家庭の食事状況や給食への要望を把握し、集計結果は園だよりで公表しています。給食については子どもが野菜を食べるようになったことや、栄養のバランスが取れているなどの意見が寄せられています。保育参観週間に給食の試食ができるほか、保護者の試食希望には随時対応しています。


≪課題や改善することが期待される事項≫
1.マニュアルやパソコンでは伝えきれない、子どもへの細やかな対応が期待されます
今年度、園舎の建て替えに伴って園児の定員は90名から120名に増員しています。新規採用の職員も多く常勤職員の平均年齢は25歳、平均在職年数は4年となっています。
園では、園長や主任はスーパーバイザーとしてきめ細かく助言や指導、指摘をしています。そして職員の経験や年齢に左右されない良質な保育サービスの提供が可能になるように取り組んでいます。研修内容や研修参加者を多くするなどの工夫を行い職員の力量を高めています。充実したマニュアルやオンラインによる緻密な情報共有のシステムを活用して、質の高いサービス提供が行えるように努めています。
しかし保護者の一部には、職員の入れ替わり、職員の経験やばらつき、職員対応が気になるとの意見もあります。日々の保育場面で子ども一人一人に寄り添って、多様なアタッチメントやアプローチできめ細かく対応する取り組みが期待されます。大人や仲間への信頼感をはぐくみながら、保育目標である「生き抜く力の基礎を培う」保育の展開が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

保育の理念や基本方針・保育目標は子どもの人権や主体性を尊重し、「生き抜く力の基礎を培う」ことや実施にあたっての職員の基本姿勢を示しており、利用者の尊厳を守り自立を支援したものとなっています。出勤時には理念や基本方針の要旨である基本姿勢や社是5訓を声に出して読み、心して保育するように心がけています。


子どもが一人で遊びたい時には、広い保育室や廊下の一角で、他の視線を意識せずに過ごすことができます。絵本コーナーやエスケープゾーンで過ごすときは職員がそっと見守っています。子どもと職員が一対一で話し合う場合は、事務所や一時保育室で必要に応じてロールカーテンを下ろし、プライバシーを守りながら威圧感を与えずに子どもに接することができます。


個人情報管理規定に沿って個人情報保護の基本方針が定められており、全職員に周知されています。保護者には、入園時に説明を行い、園だよりやホームページなどに、子どもの名前や顔写真を掲載することの可否について確認書を取ります。個人情報保護の基本方針は、保育室や廊下に掲示しています。パソコンによる情報管理はサーバーを置いて厳重に行っています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

園舎は建て替えが終わったばかりで、屋外、屋内とも安全・清潔に配慮した最新の設備が備えられています。屋内は白木を多く使い、清潔で温かい雰囲気があります。保育室や廊下は広く、全館バリアフリーとなっています。ガスによる冷暖房、床暖房、使用する水は全て浄水、便の付いたおむつや下着、嘔吐物が付いた衣類などを密封パックして空気感染を防ぎ衛生的に処理する機械の設置など細かい配慮がされています。


園庭が3ヶ所あり、外園庭では雲梯や八角ジム、吊り輪などの体育遊具で楽しく遊びながら、基礎的な運動能力を高めることができようにしています。3階屋上園庭ではインラインスケートや天体望遠鏡で「星座観望」をしています。2階屋上園庭では夏にはプールを設置して水遊びをします。園では丈夫な体作りを目指して、バランス感覚を養う運動遊び(パカポコ・一本下駄・竹馬・インラインスケート・スラックラインなど)を年間通して積極的に取り組み、年2回運動会を行っています。


給食は和食が中心で毎月の献立は1週間サイクルとなっています。ご飯は胚芽米で添加物を使わずに出汁を取り、季節の野菜や果物、海藻、小魚を積極的に使用しています。おやつは手作りの軽食とスキムミルクで作ったヨーグルトを提供しています。幼児クラスの食器は強化磁器で、持ちやすさ、盛り付けやすさなどを考慮して作られたものを使用しています。職員は子どもの食べようとする意欲を大切にしながら声かけをしています。


毎月発行される園だよりは、50ページ程度あり、前月の保育の記録、今月の保育のすすめ方、給食の献立やレシピ、絵本の紹介、育児情報など、読み応えのある内容で、たくさんの写真も掲載されています。子どもの保育園生活が良く分かり、保護者からの意見やアンケートの結果も載っています。園だよりは、データ配信、CD、冊子の中から保護者の希望する方法で提供しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

保育課程をもとに年間指導計画→月間指導計画→週案→日案が展開される仕組みができています。法人オリジナルの「園児管理システム」を使い、各指導計画が連携して自動的に計画が展開されるようになっています。全園児に個人指導計画・個人発達記録を作成しています。「個人発達記録」は発達健康記録とチェックリストを兼ねた内容で、詳細な発達過程を年齢別にチェックし、一人一人が項目を通過した時期と経過がわかるようになっています。チェックしながら発達の違いや偏りを把握し、個人の指導計画に反映する仕組みができています。


子どもの家庭状況や個別指導計画・ケアー経過記録・保育日誌・連絡帳など「園児管理システム」に入力しすべての情報がリンクして、全職員で情報共有ができる仕組みが整っています。保護者からの伝達事項や保護者への伝達事項、連絡帳の記載事項をパソコン入力した「保護者送迎備忘録」で送迎時の不備がないように工夫しています。


法人の「利用者の意見・要望・苦情等の相談解決実施要領」や「保護者の要望をどう受け止めるか」を職員必携マニュアルで整備し、保護者等の要望や苦情を真剣に誠実に受け止め解決する仕組みを設けています。玄関には「意見箱」と投稿用の用紙を置き、意見や要望等を「子どもたちの為の保育業務改善」に活かす旨が記載してあります。意見・要望・苦情の集計結果は年2回、園だよりやホームページに掲載し保護者等に公開しています。


保護者は送迎時に玄関の門扉のセンサーに、電気錠をかざして解錠します。不審者の侵入や非常事態に備えて「不審者対応訓練計画」があり、毎月、職員間の連携方法、園児の安全を守る方法などの訓練をしています。園内の各所に防犯カメラ18台が設置されています。事務室のモニターで確認ができ、各保育室は内線、外線、無線を使って通話が可能です。緊急時には非常用ボタンで警備会社に通報できる仕組みがあります。

4 地域との交流・連携

保育園への理解促進のために様々な取り組みを積極的に展開しています。夏祭りや星座観望・運動会・育児講座など行事の案内文を近隣住民にポスティングし、毎回、数名が参加しています。また、絵本貸出「あきば文庫」も行っています。自治会に加入しており、園児や住民の安全のために近隣住民と相談して園玄関前道路を一方通行にしています。1階ホールの地域への貸し出しについて体制を整えています。


保育園間のネットワーク事業や横浜市推進地区事業での幼保小活動に積極的に参加し近隣の幼稚園、保育園、小学校・中学校と交流を深めています。秋葉小学校の職員が来園し保育の様子を見学し、給食を一緒に食べ、子どもたちと交流しています。秋葉小学校校長先生作の紙芝居「思いやりの山」を劇にしたものを、5歳児が秋葉中学校の舞台で発表しました。また5歳児が小学校へ行き、「学校探検」「学校給食を食べる交流」の中で5年生や1年生と交流して小学校への期待を高めています。


地域との日常的な交流に努めています。5歳児が年に1回、近隣の高齢者通所施設を訪問し、楽しいひと時を過ごしています。また、三ツ沢体育館や舞岡公園を利用するとともに、地域の八百屋で給食に必要な野菜などを購入しています。園の掲示版や園だよりで地域行事のお知らせを掲示して保護者に知らせ、地域の防災訓練には職員が参加しています。園の建て替えや行事などで近隣への騒音が考えられる際には事前に挨拶に行き、近隣との友好関係の構築に努めています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

正規職員、非常勤職員全ての職員が「保育士の自己評価」を実施して、保育士としての在り方や現状を見直す機会としています。全職員の自己評価結果を分析して、横浜市こども青少年局が作成している128項目の「保育所の自己評価」を実施しています。園の自己評価結果は「保育園の自己評価」として、説明とともにグラフに示して玄関に掲示して保護者に公表しています。評価の低かった項目については「業務改善評価委員会」で検討して、会議やパソコン上で話し合い、全員で改善に努めています。


月1回程度開かれる保護者役員会議に園長または主任が参加して情報提供や意見交換を行い、理解を得て運営しています。昨年度は行事の日程や園舎の建て替え、建て替えに伴う園庭の大木(欅)の伐採など相談し、保護者の希望により伐採した木で和太鼓2個を作り、子どもたちが使っています。


3か年計画をもとに中長期的な事業の方向性を定めています。平成29年3月に告示された厚生労働省告示第117号「保育所保育指針」を全職員で理解し、平成30年4月の適用までに年間指導計画の改訂などを今年度の必須課題としています。また、平成31年度認定こども園移行に向けて昨年度から「幼稚園教諭免許状」の全職員取得に取り組んでいます。法人の施設運営を参考にしながら、横浜市の待機児童解消のために通園バス事業拡充、保育事業の新規展開などを検討しています。

6 職員の資質向上の促進

今年度、定員が90名から120名に増えたことや、新任職員や比較的年齢が若く、経験も浅い職員が多いため、人材育成には力を入れて取り組んでいます。主任を2人配置し、職員は横浜市の基準を超えて配置しています。法人オリジナルの「園児管理システム」を駆使して経験が浅い職員でも、安定的、効率的に子どもの発達に沿った保育が展開できるような仕組みができています。しかし、緻密に作られたマニュアルによって、個々の職員が自ら考え工夫して保育する部分は少なくなりがちな側面もあります。


個々の職員の資質向上に向けて、年間の個人目標を設定した個人別の年間研修計画を作成し、役割による期待水準を明らかにしています。研修計画は本人の希望や自己評価、参加研修名、園長の評価とともに、保育士として初任者から管理的職員まで職種ごとの業務内容(専門職としての基盤・専門的価値、役割・保育実践に必要な専門的知識、技術、組織性)について段階的、具体的に期待水準の項目が設定され、チェックできるようになっています。園長は個人別研修計画書をもとに必要に応じて面談を行い、意向や希望を確認しています。


内部研修、外部研修ともに力を入れて様々に工夫しています。内部研修は年間計画を作成して、職員会議その他で実施しています。内容は人権関係、危機管理・安全・衛生、保育の質を高めるもの、パソコンの操作などです。クラス間での職員トレードや実技を伴うものは数回に分けて実施して全員が参加できるようにする、実技場面を動画にとりパソコン上で常に確認できるようにする、各クラスの保育場面を撮影したものを検討するなど取り入れています。様々な外部研修に積極的に参加し、昨年度は延べ138名でした。

詳細評価(PDF1,367KB)へリンク