かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

笹下保育園(2回目受審)

対象事業所名 笹下保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 あらぐさ会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 233 - 0003
港南区港南6-2-8
tel:045-843-5420
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
笹下保育園は、横浜市営地下鉄「港南中央」駅から徒歩7分程のところにあります。園は港南区の桜の名所である桜道の坂沿いの住宅街の中に位置し、近隣には桜道コミュニティハウス、港南区役所、横浜市港南中央地域ケアプラザなど公共施設があります。
笹下保育園は横浜市の公立保育園から平成27年4月に民間移管され社会福祉法人あらぐさ会が運営を引き継いでいます。移管前からの地域になじみのある保育を大切にし、平成29年度からは一時保育などを開始して保護者を支援しています。園庭開放は毎日実施し、月曜日にはリトミックも実施しています。
運営法人である社会福祉法人あらぐさ会は「働く事と子育て」の両方を大切にしたいという願いから始まりました。法人の保育理念、方針の下、園の保育目標「自分で考えて行動する子」「友だちと一緒に遊ぶ子」「豊かな感性を持つ子」を掲げ保育事業を展開しています。


≪優れている点≫
1. 子どもと保護者を大切にした運営を実践しています
幼い子どもにとって、保護者と離れて過ごす時間を精神的・肉体的に支える保育を重視しています。延長保育は20:00(土曜日は18:30)まで対応して保護者を支援しています。長時間にわたり園にいる子どもたちの事を考えて、おやつなどへの配慮を行っています。延長保育にクラス担任が入る事で、お迎えの時に保護者と話ができています。お迎えの時間が遅れた時には、保護者の状況を考慮して延長料金への配慮や、当日の補食提供にも柔軟に対応しています。園では常に保護者の置かれている状況や、気持ちにも寄り添い対応をしています。平成29年度からは一時保育を開始し、さらに土曜保育に給食を実施して働く保護者のサポートに努めています。
子どもに対しては、個々の思いを大切にし子どもの気持ちに寄り添った言葉がけを行い、コミュニケーションやスキンシップを通して信頼関係を構築しています。子どもの個性・特徴を尊重し、「〜ができない」ではなく「〜ができる」という視点で子どもに接しており、子どもを急かしたりすることはありません。子どもたちは、のびのびと元気に園生活を楽しんでいます。
子どもが楽しく園で過ごせていることは、保護者が安心して園に子どもを預けられ、安心して仕事ができる支援になっています。

2.地域交流の中で保育士という仕事を紹介しています
 近隣にある笹下中学校に職業講和講師として園長が招かれ、保育士の仕事についての紹介をしています。中学校のキャリア教育「人生の先輩から話しを聞いて、将来の生き方を考えるための機会」「職業に対する理解を深める」「卒業後社会人としてのマナーを身につける事」のために話をしています。
 中学生には将来保育士になりたい学生もいて、保育士の仕事の内容や難しさ、喜び、やりがいなどについて、保育でのエピソードなどを交えて話をしています。
保育士という職業を知ってもらい、今後必要とされる、将来の保育を担う保育者の育成につなげています。

3. 保護者との連携を大切にしています
公立から民間に移管する際に横浜市・保護者・園との三者協議で十分な意見交換を行い、保護者と園の二者協議が続けられ、多くの成果を上げています。
園は職員と保護者間の情報交換で、最も重要なものが、朝夕に交換される直接の会話と考えています。今日の出来事・子どもの様子は保護者にとって関心が高く、お迎え時には可能な限り伝えるよう努めています。昼間の担任が直接お話しできない場合は、クラスの「申し送り票」に報告事項を記入して、お迎え時に保護者に報告することを徹底しています。
保護者から個別に相談を受けた場合には、児童票ファイルに綴りこまれた専用メモに、日付と相談を受けた内容、対応したことを記録し、時系列を追って記載しています。一人の子どもに関してどんな動きがあり、悩みがあり、どんな方法で解決に向かったか読み取ることができるよう工夫しています。

≪課題や改善することが期待される事項≫
1.園としての計画的な主任クラスの育成への取組みが期待されます
園は開設3年目ということもあり、主任クラスの育成にまでは至っていない状況です。法人全体としては主任クラスの育成がされ研修参加等も行われていますので、今後園としての主任クラス育成プログラムに則った育成が期待されます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

法人の保育理念は、「私たちは、憲法と児童福祉法に基づき、子どもたちがすこやかに育つ権利を守り、保護者と力を合わせてより良い保育を進めていきます」などと人権を尊重したものとなっています。保育方針に「子どもの発達に見合った生活の中で、人への信頼感を育て情緒の安定を図ります。」保育目標に「自分で考えて行動する子」などを明記しています。法人の式典を開催し、記念誌、式典を通じて理念を関係者に周知しています。保育理念、保育目標は玄関にも掲示して保護者に周知しています。


職員は、子どもの気持ちに配慮して、子どもの人格を考えて接することを基本に考えています。職員は横浜市が実施する人権についての講座を受講して理解を図っています。職員の対応については周囲の職員や主任、園長が言葉をかけており、職員会議でも気がついたことを話し合っています。子どもの不適切な行為を注意する時なども、否定するだけではなく、気持ちに寄り添いながら子どもが納得するようにして支援しています。


個人情報について、ボランティアや実習生にも受け入れ時にマニュアルに沿って確認を取っています。保護者には、「個人情報保護法」として個人情報の取り扱いについて説明し了解を得ています。職員は、就業規則、服務規程に記載されている、個人情報の取り扱いや守秘義務の重要性について周知しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育課程は保育方針、保育目標に沿って、子どもの最善の利益を第一に考えています。保護者が安心して働けるように延長保育などの配慮を行っています。保育課程は移管園ということで公立の保育を引き継ぐ形となっています。保育課程は全職員と協力して作成し、入園説明会の折に保護者に配付して説明しています。


保育課程に基づき、年間指導計画、月間指導計画を作成しています。月間指導計画では子どもの発達に合わせて作成し、一人一人の子どもに柔軟に対応しています。週案は子どもたちの興味、関心などをクラスごとに話し合い微調整をして、子どもの「〜したい」という気持ちを大切にして柔軟性を持たせています。


0〜2歳児は個別指導計画を作成しています。3〜5歳児クラスでは配慮の必要な子どもや気になる子どもについても情報を共有したうえで、個別に月間指導計画を立てています。子どもの状況変化に関しても報告し合い、全職員で情報を共有し、計画の見直しを行っています。個人差のある離乳食の進め方、トイレトレーニングについては、一人一人の発達状況を送迎時や連絡帳などを通して保護者と相談しながら進めています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

新入園児の慣れ保育については「入園のしおり」に記載し、入園説明会の中で保護者に説明しています。年齢や子どもの状況、保護者の就労に合わせて相談し保育を進めています。保護者とは連絡帳や送迎時の会話を通して子どもの様子を毎日詳しく報告し合い、子どもの生活が家庭と園で無理なく連携できるようにしています。進級時にはクラス担任の一人が持ち上がり、引き継ぎを進めています。


職員は指導計画の自己評価欄を活用し、評価、見直しを行っています。他のクラスからの再評価や見直しをして子どもの発達や状況を正確にとらえるようにしています。保護者との情報共有を大切にして、園でのその子のエピソードや全体での様子を伝えるなど保護者とのコミュニケーションを大切にしています。職員は常に保護者の思いを把握し、懇談会や入園説明会でも意見を募っています。連絡帳や日常の会話などから、保護者の要望、意見を把握し、改定の際に反映させています。


食物アレルギーのある子どもについては、横浜市のマニュアルに沿って、アレルギー疾患生活管理指導表を提出してもらい、栄養士や担任が面接し対応しています。職員は横浜市の研修などに参加し、アレルギーに関する最新の知識と技術を学び、研修受講後には報告書を作成して全職員に回覧し、職員会議で研修内容を共有しています。アレルギー除去食を提供する際にはアレルゲンになる食品ごとで食器の色が決まっています。専用食器を使用し、誰でも区別できるようにしています。

4 地域との交流・連携

園の見学希望は年間を通じて受け付けています。園の大きな行事と重ならなければ、できるだけ希望に沿ってお受けしています。説明は、園長ないし主任が担当し、パンフレットを中心にして、ご案内しています。同時に園が行っている育児相談など、子育て地域支援についても情報をお伝えしています。


地域の子育て支援ニーズの把握に向けて種々対策を講じています。港南区のネットワーク専任保育士とも連携して、園として地域の子育て支援を行っています。一時保育、園庭開放、園の育児講座を開催しています。園見学者へのPRを強化して、ニーズの把握に取り組んでいます。


園の玄関の外側に、地域に向けての掲示板を設けて、情報提供を行っています。園内には港南区マップをはじめ、関連する行事などのパンフレットを置いて参加を呼び掛けています。園としての独自の情報発信としては、園庭開放・交流保育・育児講座「あそびにきてね」や園児の祖父母をお招きして「お月見の会」を開催して地域の方々とのふれあい、園のPRを行っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

指導計画に保育方針が反映されるようにし、自己評価、反省などは毎月の指導計画会議で話し合い、改善をして次の計画に反映させています。職員一人一人の評価については、71項目のチェックシートを実施し、その結果をホームページに公表しています。これらを集約させたものを園の自己評価としています。


子どもの製作に裏紙や牛乳パックなどを利用して、リサイクルに取り組んでいます。ゴーヤなどのグリーンカーテンを実施しています。「環境教育指導計画」を作成して環境への取り組みを明文化しています。港南区資源循環局の協力による「かるがも教室」「紙すき体験」や公園愛好会の長寿会の指導でひまわりの種まきをして、公園環境の整備活動に参加するなど取り組みを行っています。


園では、事業運営に関する情報を港南区や外部の保育団体から情報を収集し分析しています。さらに、法人の社労士、会計士からも新しい情報を得ています。職員会議では指導計画会議を行い、園の課題や改善点を見つけています。リーダー会議も行い、改善・周知・事業展開について園全体で取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進

指導計画を毎月指導計画会議でクラスごとに成長や発達、子どもの変化などのついてを話し合い、翌月の目標や計画を見直しています。園内外の良い事例をもとに保育内容を改善しています。日常の保育の振り返りを行う一つとして、よこはま港南地域療育センターの巡回指導から気になる子どもについての保育の評価や指導を受け、子どものサポートの仕方などについて指導を受けています。


園では運営規程に経験や能力に応じた「事務分掌」を作り、キャリアシートに在席年数に応じた保育士として求められる期待水準を明文化しています。キャリアシートには自分のキャリアに必要な9つの研修の受講回数がレーダーチャートにわかりやすく書かれています。客観的に自分の状況を見て、新年度の目標、課題、必要を記載して園長と面接をしています。日常の業務は各保育士に権限を委譲し日常の保育は職員に権限が委譲されています。園長は、面接や職員会議、日常的な会話などから職員からの改善提案や意見、職員意向調査を実施しています。

詳細評価(PDF1,408KB)へリンク