かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

白百合乳児保育園(2回目受審)

対象事業所名 白百合乳児保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 白百合会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 221 - 0041
神奈川区亀住町9-5
tel:045-461-5031
設立年月日 1972(昭和47)年05月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
 白百合乳児保育園は、京浜急行「神奈川新町」駅西口から徒歩約3分の住宅地にあり、昭和47年(1972年)5月、社会福祉法人白百合会により設立されました。
 園舎は2つに分かれ、本園舎は鉄筋コンクリート造り3階建てで、1階に保育室(2歳児、3歳児)、事務室、調理室など、2階に保育室(0歳児、1歳児)、ほふく室、医務室など、3階に遊戯室(ホール)と屋上園庭があります。幼児棟は軽量鉄骨造り平屋で、保育室(4歳児、5歳児)があります。本園舎と幼児棟の前の園庭には、鉄棒、雲梯、すべり台などの遊具や砂場が備わっています。
 定員は115名(生後2ヶ月〜就学前)、開園時間は、平日7時15分〜19時15分(0歳児のみ18時30分)、土曜日7時15分〜18時30分です。
 保育の理念は「(1)子どもの最善の利益を求める『子どもの権利条約』を遵守し、児童憲章、児童福祉法を守り発展させていきます。(2)保育を必要とする乳児・幼児を擁護・教育し、すべての子どもの発達を保障していきます。(3)地域社会で子どもの育ちを最優先する立場から、施設開放、子育て中の育児不安等の相談など保育所を地域社会の有用な資源として活用を図ります。(4)激しく変化する社会のなかで保育に対するニーズは、複雑化し更に多様化しつつあります。このニーズに応えていくことのできる広い社会的視野にたち、たえず保育内容の改善をすすめます。」です。
 理念に基づき、保育方針を「(1)子どもたちが、心身ともに健やかに成長・発達できる保育内容・良好な環境を保障します。(2)保護者の方々も、安心して働き続けることができる保育環境を整えます。(3)保護者の方と手を取り合って子育てをし、その成長の喜びを共感できる関係を築いていきます。」と定めています。保育目標は「*元気に遊べる子ども *自分を表現し、工夫し、考える子ども *仲間と共感しあう、心豊かな子ども」です。保育姿勢として、次の5項目を掲げています。「(1)子どもの最善の利益を考慮し、人権に配慮した保育を行う (2)ありのままの子どもたち一人ひとりを大切に受け止め、個人差を考慮し、自ら伸びようとする力を育てる。(3)安定した生活リズム、心豊かに育つ環境を整える。(4)保育者同士の連携を深め保育内容の向上の為に、積極的に自己研鑽をし、倫理観、専門性、感性の向上に務める。(5)子ども、保護者、職員に対して、人としての尊厳を守る。」


◆高く評価できる点
1、子どもたちは、元気に遊び、さまざまなことを学びながら、園生活を楽しんでいます
 子どもたちが思いっきり身体を動かして遊ぶ時間が十分に確保されています。晴れた日は、園庭でかけ回ったり、砂場で遊んだり、近隣の公園に出かけたりしています。3〜5歳児クラスでは、月2回、外部の専門講師による体育指導があり、年齢に応じた体育遊びを楽しんでいます。室内の活動では、リズム遊びや描画の時間があり、子どもたちは自分の思いを表現しています。わらべ歌を教えてもらい、優しく大きな声でみんなで歌っています。また、食べることが大好きな子どもになれるようにとの園の方針から、子どもたちが、給食で使う野菜の下ごしらえをしたり、おにぎりをつくったり、梅ジュースや味噌づくりをしたりと、いろいろな活動が取り入れられています。
 遊びが終わると、保育士の声かけがなくとも子どもたちは絵本やおもちゃを片づけたり、散歩や園庭などの外遊びが終わった後は、手や足を洗い、トイレを済ませて着替えしたりするなど、次に何をやるかを自分で考えて行動する習慣が身についていて、子どもたちは遊びながらさまざまなことを学び、園生活を楽しんでいます。


2、職員は、子どもの思いを尊重し、子どもが自分で考えることを大切にしています
 職員は、子ども一人一人の自主性を尊重しています。例えば、園庭遊びをするとき、「何を準備すれば良いかな?」と子どもたちに聞いたり、散歩先の公園で遊び始める前に「お約束は?」と質問したりしています。室内の活動では、「お楽しみ会のとき、何が楽しかった?」と子どもたちに聞いて当日の思い出を絵に描くきっかけにしたり、言葉遊びで「ま」で始まる言葉をみんなで出し合ったりしています。
 保育の心構えや職員行動指針などが記載された冊子「白ゆりの保育」が全職員に配付されています。園内研修や法人学習会、さまざまな会議や勉強会の場で、「子どもが第一」という考え方が浸透され、一人一人の子どもを尊重した保育となるようにしています。


3、保護者との良好な関係が築かれています
 父母の会(保護者会)が結成されていて、総会には園長が出席するほか、要請があれば役員会議にも園長または主任が参加しています。夏まつり(バザー)は、園と父母の会との共催となっています。また、園の行事である運動会の準備に父母の会も協力しています。
 父母の会で、保護者に対し園や保育に関するアンケートをとり、園長・職員代表・父母の会代表および有志が参加する三者懇談会で要望などを伝え、意見交換しています。「保護者の方と手を取りあって子育てをする」という園の方針のもと、保護者との良好な関係が築かれています。 


◆さらなる工夫が期待される点
1、地域の子育て支援サービスに関する情報発信の工夫が期待されます
 地域の子育て支援サービスとして、一時保育、交流保育、育児講座、給食試食会を行っていて、多数の参加があります。そのほか、園開放(夏は園庭開放、冬は園舎開放)を月一回、育児相談を週一回行い、赤ちゃんの駅サービスなども行っています。しかし、これらの活動については、利用者が少ないのが現状です。これらの情報は、園のホームページに記載していますが、園の掲示板をこれまで以上に活用するなど、子育て支援サービスに関する情報発信を工夫することが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育の理念は、「(1)子どもの最善の利益を求める『子どもの権利条約』を遵守し、児童憲章、児童福祉法を守り発展させていきます。(2)保育を必要とする乳児・幼児を擁護・教育し、すべての子どもの発達を保障していきます。(3)地域社会でこどもの育ちを最優先する立場から、施設開放、子育て中の育児不安定等の相談など保育所を地域社会の有用な資源として活用を図ります。激しく変化する社会のなかで保育に対するニーズは、複雑化し更に多様化しつつあります。このニーズに応えていくことのできる広い社会的視野にたち、たえず保育内容の改善をすすめます。」です。
・子どもへの呼び方は「さん」「くん」「ちゃん」とし、名前を呼び捨てにすることはしていません。保育の様々な場面において、保育士が一人一人の子どもにきちんと向き合い、子どもの言葉や気持ちを受け止める姿勢があります。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・園の玄関に、保育理念・保育目標および児童憲章を掲示しています。また、全職員に保育理念・保育方針・保育目標などが記載された冊子「白ゆりの保育」を配付し周知しています。
保育課程は、保育理念・保育方針・保育目標を踏まえ、子どもの最善の利益を第一義にし作成しています。
・保育課程に基づき、年齢ごとに、年間指導計画・月間指導計画・週案を作成しています。
・入園説明会の後、保護者と個別面談しています。短縮保育(ならし保育)は、保護者と話し合い、個別に対応しています。
・乳児は、毎月個別の指導計画を作成しています。幼児は、特に配慮や支援が必要な子どもについて、個別指導計画を作成しています。
・おもちゃや文具、絵本などは、子どもが自分で取り出しやすい高さの棚にわかりやすく分類して収納しています。保育室内は、畳敷きのコーナーや、低い棚で仕切った空間を作るなど、使い方を工夫しています。
・園庭遊びでは鬼ごっこや砂場でのごっこ遊び、室内では絵本読みやブロック遊び、お絵かきなど、子どもたちはそれぞれ自由に遊びを楽しんでいます。また一斉活動では、友達と一緒に遊んだり競い合ったりする中で、友達を気遣う気持ちやルールを守る大切さをも学んでいます。
・リズム遊びやわらべ歌、描画などを取り入れています。子どもたちは優しい声や大きな声で歌の内容を上手に表現しています。
・3〜5歳児クラスは月2回外部の専門講師による体育指導があり、年齢別の体育遊びを楽しんでいます。
食育計画を立てています。給食で使う野菜の下ごしらえ・おにぎり作り・箸の使い方などに加え、クッキングや、時間をかけて仕上がりを待つ梅ジュースや味噌作りなど、多彩な内容です。
・園では布おむつを使用しています。布おむつを使う事により一対一で子どもと向き合う回数が増え、子どもの排泄の間隔を、より的確につかみやすい利点があると考えています。
・毎年度末に、園の自己評価を目的とした保護者アンケートを実施しています。保育全般に関する設問と共に自由記述欄の記入も多くあり、園の方針に対する保護者の理解を読み取れる内容です。
・園だより・保健だより・おいしいわ(給食だより)を、毎月発行しています。この他に写真を多く取り入れたクラスだより(各クラスで不定期に月に1〜2回発行)や、行事の様子を伝える幼児部だよりなど、多くの発行物により園生活の情報提供を行っています。
・園・職員代表・父母の会代表及び有志による「三者懇談会」があり、活発な意見交換を行っています。共催行事での協力を含め、良好な関係を構築しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・子どもの発達や状況に応じて、月間指導計画・週案を、クラスごとに作成・評価・見直しを行っています。
・子どもや家庭の個別の状況・要望などを決められた書式に記録しています。子どもの記録を個人別にファイルし、鍵のついた書架に保管、全職員が必要なときに見ることができるようにしています。
・特に配慮や支援を要するこどもについて、カリキュラム会議で話し合い、記録しています。
・職員は、特に配慮を要する子どもや障がいのある子どもの保育に関する研修に参加しています。参加した職員は、日々行われる午後のミーティングで概要を報告し、研修報告書を回覧して、全職員が情報を共有できるようにしています。
・アレルギー疾患のある子どもの場合、医師からの「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」に基づき、保護者と話し合い、適切な対応をしています。食物アレルギー対応マニュアルを定め、必要な知識や情報を全職員に周知しています。
・漢字を読むことが不得手な保護者に対し、連絡帳をひらがななどを用いて書く配慮をしています。また、絵本読み聞かせやお話の中で、文化や生活習慣の違う国や地域があることを子どもたちが知る機会をつくっています。
・苦情対応マニュアルを定めています。相談・苦情受付担当者は主任、相談・苦情解決責任者は園長であることや、第三者委員に直接苦情を申し立てできるようになっていることを、「園のしおり」(重要事項説明書)に記載し、保護者に周知しています。
・園の玄関に意見箱を設置しているほか、クラス懇談会や、園長、職員代表、父母の会代表および有志が参加する三者懇談会でも、要望や苦情を聞いています。父母の会がまとめた要望事項に丁寧に答え、年度末には保護者に対しアンケートを行っています。
・入園時に提出してもらう「児童健康台帳」を基に、一人一人の子どもの健康に関する状況や情報を把握しています。
・感染症等への対応に関するマニュアルがあり、保護者には各感染症の基礎知識・感染期間・登園停止基準を明記した「園のしおり」を、入園時に配付しています。
・「衛生管理マニュアル」「清掃マニュアル」「調理室衛生管理マニュアル」を作成し施設内外の場所ごとの配慮すべき点を明記していますが、毎年の定期的な見直しを行うには至っていません。
・嘔吐を伴う流行性の疾病が予想される時期前に、看護師による嘔吐処理の研修をしています。また、各保育室、および共有室の全てに嘔吐処理セットを備え、迅速かつ的確に処理が出来る体制を整えています。
・安全管理に関するマニュアルがあります。毎月、火災や地震を想定した避難訓練を実施しています。その中で、年1回、消防署の職員に来てもらう訓練や津波災害を想定した避難訓練を実施しています。
・子どものケガについては、軽いものであっても必ず保護者に報告しています。事故やケガが発生した場合には「事故報告書」に発生状況・発生後の対応・今後の対応などを詳細に記録しています。ヒヤリハットも記録に残し、内容の分析を行い、発生する時間帯などの傾向を導き出し、再発防止に役立てています。  
4 地域との交流・連携 ・子育て支援サービスとして、一時保育・交流保育・園庭開放・園舎開放を実施しています。また、外部講師による育児講座「わらべうたと心の育ち」や給食試食会を開催しています。
・育児相談は毎週水曜日に相談日を設けています。育児相談は従来より行っていましたが曜日に関する広報が不十分な状況があり、今回ホームページへの明記をしました。
・地域とのつながりの深い、歴史のある園であり地域との関係は大変友好的です。地域住民から七夕の笹を頂いたり、育てた鉢花を園舎周りに飾っていただく交流は長年続いています。また園として、近隣の公園の掃除を毎週自主的に行う他、園庭に実る柿や枇杷、焼き芋大会の焼き芋などを近所に差し上げるといった交流があります。
・園のホームページがあり、わかりやすい画面で園の基本方針やサービスの内容などを掲載しています。また、かなーちえ(神奈川区地域子育て支援拠点)には、園のパンフレットを置いています。
・ボランティアとして、職業体験の中学生や高校生を毎年受け入れています。また、実習生を積極的に受け入れています。受け入れ時には事前にオリエンテーションを開き、園の方針及び利用者へ配慮すべきことなどを説明しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・保育士等の自己評価を踏まえ、保育所としての自己評価を毎年行い、評価結果を、保護者に配付し、周知しています。
・職員行動指針を定め、「白ゆりの保育」に記載し、全職員に周知しています。
・ゴミの分別をしています。職員が、牛乳パックや段ボールなどを使って手づくりおもちゃを作製するなどリサイクルに取り組んでいます。廃材を子どもたちの制作の素材として利用することもあります。また、夏まつりでは、マイ箸・マイ容器持参を保護者にも呼びかけています。
・無駄な照明をこまめに消したり、冷暖房温度を適正に設定したり省エネルギーに取り組んでいます。
・「環境への取り組み」を明文化し、職員会議で説明しています。
・園長は、朝夕の送迎時に保護者とコミュニケーションをとるようにしています。また、園長・職員代表・父母の会代表が参加する三者懇談会で意見交換しています。
・主任は、クラス会議やカリキュラム会議に参加するほか、日誌から一人一人の業務を把握しています。一人一人の職員の能力や経験に合わせ、的確な指導や助言を行っています。
・事業運営に影響のある情報は、横浜市私立保育園園長会や横浜市社会福祉協議会などから得ています。
・重要な情報は、幹部会議やリーダー会議で議論し、適宜、職員会議などで一般職員にも知らせています。
・運営法人として、中長期計画を定めています。現在、改定案の策定中です。
6 職員の資質向上の促進 ・人材育成計画を定めています。保育理念・保育方針・保育目標や、保育の心構え、職員行動指針などを記載した冊子「白ゆりの保育」を全職員に配布し、職員会議や園内研修などで説明、周知しています。
・一人一人の職員が、毎年度初めに自己目標を設定し、年度末に達成度の評価をしています。
・職員は、横浜市や神奈川区などが行う研修に参加しています。また、運営法人が行う研修にも参加しています。外部研修に参加した職員は、日々行われるミーティングで概要を報告し、研修報告書を回覧して、全職員が情報を共有できるようにしています。
・非常勤職員も園内研修に参加できるようにしています。また、年2回、非常勤職員と園長・主任との会議を行っています。
・外部研修などで、他園の工夫した良い事例を入手した場合は、職員会議や園内研修で取り上げ、検討しています。また、姉妹園間で、同年齢クラスを担当する保育士がお互いに他園のクラスを見学する機会を設けています。
・わらべ歌研修などで、外部講師による指導を受けています。また、横浜市東部地域療育センターから、特に配慮を要する子どもや障がいのある子どもの保育に関し、指導や助言を受けています。
・保育の指導計画に関する自己評価は、計画で意図したねらいと関連付けて行い、子どもの意欲や取り組む姿勢がどうであったかなどを重視して行っています。
・人材育成計画中に、経験年数や習熟度に応じた期待水準を明文化しています。初任者には、約3ヶ月間、先輩職員がついて指導するチューター制を取り入れています。
・日常の保育や保護者との対応など、クラスの担当者が責任を持って対応するようにしています。判断に迷った場合は、主任や園長に連絡・相談するように指導しています。また、職務分担表により、それぞれの役割を明確にしています。
・会議の場だけでなく、いつでも主任や園長に、改善提案や意見を述べることができるようにしています。

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