かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

柿生ルミナス保育園

対象事業所名 柿生ルミナス保育園
経営主体(法人等) 株式会社 アイオル
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 215 - 0023
麻生区片平2-30-1
tel:044-980-1622
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・施設の立地・概要
柿生ルミナス保育園は、小田急線柿生駅から歩いて2分のところに、株式会社アイオルが平成27年4月に開園しました。1歳児から5歳児まで定員60名のところ、63名在籍しています。3階建ての建物の1〜3階に保育室と事務所、屋上園庭のほか、砂場のある地上園庭があります。近くに畑を借りて大根などの野菜を植えています。 
・特徴
 職員は「笑顔で接し、優しく語りかけ、認めて褒めて大きくする」保育を心がけ、「生きていける力」を育てる保育を目標にしています。専任講師による英語遊び、サッカー、リトミック、リズムダンスを実施しています。
 栄養士が各保育室を回り、食品や栄養に関するクイズを出して子どもたちとコミュニケーションを図りながら、食に関する知識を深めさせ、食の大切さも教えています。

【特に優れていると思われる点】
1.保護者への情報提供の工夫
玄関に掲示している全職員の写真には、名前のほかに趣味などを記入し、保護者との会話の糸口になっています。クラスの子どもの居場所がわかるカードを作り、保護者がスムーズにお迎えができるようにしています。
また、朝9時までに登園する保護者には早番職員が対応し、クラス担任の勤務時間を少し遅めの9時〜6時としています。この結果、お迎え時に多くの保護者とクラス担任が直接話す機会ができ、利用者アンケートの「日々の保育の様子が情報提供されているか」に93%が「はい」と回答しており、高い満足が得られています。

2.充実した研修
 入職1年目、2年目、3年目、主任、階層別に対し設置法人の研修計画に従って該当職員は研修を受講し、また、全職員が産業カウンセラーによるコミュニケーション研修を受けて、理念や人権、保護者や職場内のコミュニケーションの方法を学んでいます。設置法人内の他園で、実際の保育現場を見る研修をしています。
 園内研修では、嘔吐処理、アクションカードを使った事故や災害訓練のシミュレーション、職場人間関係、熱中症、わらべうた、子どもが主体的に動けるような言葉がけの習得、アレルギー対応などについて学んでいます。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.遊びの環境の充実
開園して3年目であり、集団活動を主とする保育を行っているため、おもちゃの種類が多いとは言えません。コーナーの設定や、手作りおもちゃを含めたおもちゃ、教材を増やして、子ども一人一人に合わせた多様な遊びが提供できるような環境設定が期待されます。

2. 保育の計画の見直しと園としての中長期計画の策定
月間指導計画、週案指導計画は振り返り欄を設け、子どもの意向を取り入れて見直しています。しかし、保育課程(全体的な計画)や年間指導計画は、評価見直しがされていません。また、園としての中長期計画や事業計画が策定されていません。子どもや園の現状を職員間で把握し、園が目指す方向を明確にするために、各計画の作成・見直しの仕組みを構築することが期待されます。  

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・子どもが安心して自分の気持ちを出せるように、職員は子どもの気持ちを受け止める姿勢を子どもに対して言葉や表情でわかりやすく伝えるようにしています。やりたい遊び、やりたくない遊び、行きたいところなど子どもの意思を尊重し、無理強いすることはしていません。幼児は自分の作品をみんなの前で披露して、それぞれの違いを認めながら、自己肯定感が育つようにしています。

・基本方針は「笑顔で接し、優しく語りかけ、認めて褒めて大きくする」となっており、子どもを尊重したものになっています。設置法人での研修では、基本的人権への配慮や子どもを尊重した関わり方などを勉強しています。

・虐待防止マニュアルを作成し、早期発見のために子どもの様子をよく観察するようにしています。傷だけでなく、入浴をしているか、着替えやコップを洗っているかなど毎日チェックして、気付いた職員は報告し、必要な場合はケース会議を開いています。職員が興奮して声が大きくなってしまうことのないよう、施設長・主任が気を付けています。

・個人情報管理規程などの規定やマニュアルを整備し、職員は個人情報の取り扱いについて入社時に研修を受けています。個人情報が含まれる書類、写真、動画は園外に持ち出さず、保護者に渡すときにも中身の見えない封筒に入れて職員から直接手渡しています。個人情報に関しては、園外のみならず園内でも話さないようにしています。

・言葉でうまく表現できない子どもの気持ちをくみとったり、子どもの言動の裏にある意図を読み取ったりして、子ども一人一人の気持ちを受け入れて寄り添えるように努めています。子どもが興奮している場合は、相談室や廊下で職員と二人きりでスキンシップを取りながら話したり、職員室で施設長が対応したりして落ち着かせるようにしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保護者参加の行事のあとに保護者にアンケートを行っています。開園した年には、年度末に園全体の生活や運営について保護者アンケートを行いました。
保護者には年1回個人面談を実施し、保護者と面談しています。

・職員は、日々の送迎時もできるだけ保護者とコミュニケーションをとって信頼関係の構築に努めています。
・区役所に申し立てられ解決した苦情は苦情記録に記録し保管しています。保護者からの要望は、必ず施設長・主任に報告し、職員連絡ノートにも記載して、全職員に周知しています。地域の苦情に対する対応などを園だよりに記載して注意を喚起しています。

・苦情対応マニュアルに沿って対応し、意見や要望のあった保護者には、速やかに経過を報告しています。補食の時間厳守やレインコート掛けを屋内に変える、早番の仕事を変える、職員の顔と名前がわかるように職員の自己紹介カードを玄関に掲示する、クラスの子どもの居場所がわかるカードを作る、保護者への連絡を確実にするために伝達済みの印を押すなど、保護者の要望意見を取り入れてサービスの改善をしています。

・「笑顔で接し優しく語りかけ、認めて褒めて大きくする」というアイオルマインドを職員で共有して子どもに接しています。子どもとの関わりの指標も掲示し、研修で伝えるなど、全職員が統一した関わりができるようにしています。

・お店屋さんごっこや友達と協同して砂山を作ったり、段ボールでロケットやクリスマスツリーなどの製作に取り組んだりしています。年度の後半には、進級に向けて幼児クラスでは、クラスの子ども半分をほかのクラスと交換して、食事のときから午睡まで一緒に過ごすこともあります。

・箸の使用、排泄、歯磨き、着替え、手洗い・うがいなどの基本的生活習慣は、家庭と連携を図り、子ども一人一人の発達状態に合わせ、無理なく身につけられるよう開始時期、方法を設定しています。

・配慮を要する子どもについては、専門機関から、絵カードなど視覚的な指示を受けて保育にあたる、本人の発するサインを見逃さないようにすることなどの助言を得て、ケース会議で職員に周知しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・保護者に記入してもらった「児童表」「健康記録表」を基に施設長や栄養士と入園前面談をして、「個人面談記録」に記録して個人ファイルに綴じています。入園後の心身の発達状況は「個人の観察・個人記録」に記録しています。

・各クラスの指導計画は、担任が主任と相談して作成し、施設長が確認しています。サービスの実施状況は保育日誌に、振り返りとともに記入しています。

・保育、安全管理、苦情対応、衛生管理、健康管理に関するマニュアルを作成しています。危機発生時における指揮権、役割分担を危機管理マニュアルに明記しています。

・麻生区の救命救急研修に職員が順番に毎年参加し、全職員が受講しています。年1回練習用の人形を使って、主任が全職員に救命救急の研修をしています。

・ケガや事故は「ケガ集計表」「ヒヤリハット」にクラスごとに記入しています。毎月「ケガ集計表」から、ケガが多くなる時間帯や曜日、場所、当事者を集計し、保育室の環境設定や人員配置などの防止策を検討しています。

・登園時に保護者から子どもの家庭での様子を聞き、健康状態を確認したうえで受け入れています。体調が優れない場合は、散歩や戸外活動を控え、配慮食へ変更するなど、その日の保育に反映しています。

・散歩や戸外活動、室内でのマットや鉄棒、平均台を使っての遊びを取り入れ、子どもたちが積極的に体を動かし運動能力を高められるよう支援しています。

・各クラスに「受け入れ申し送り表」を置き、その日の子どもの様子や保護者への伝達事項を記入して職員間で共有し、遅番職員もお迎え時に保護者に伝えられるようにしています。

・食事は子どもに適した味付けをして提供しています。また、ひな祭りのちらし寿司など、伝統行事の日には行事食やおやつを楽しみながら食べています。

・その日の給食・おやつのサンプルを展示し、保護者に知らせています。また、子どもたちが畑で収穫した野菜やクッキングで作ったピザやケーキを展示し、家庭での親子の会話に繋げてもらえるよう工夫しています。

・子どもの年齢に応じて、うがいや手洗いの大切さと正しい方法を教えています。道を歩く時のルール、公園で遊ぶ時のルール、保育室内での活動時のルールを、子どもたちと遊ぶ前に約束して、安全に遊べるよう配慮しています。

・入園前説明会で感染症や乳幼児突然死症候群(SIDS)について説明し、睡眠チェックをしています。園内で感染症が発生した場合は、玄関の掲示板とメールで感染症の情報と発生状況や予防法を保護者に伝えています。

・身体測定結果に基づき、看護師が一人一人の成長曲線を作成しています。体重の増減が気になる子どもについて、職員と栄養士と協議し、必要があれば保護者とも話し合っています。

4 地域との交流・連携

・園のパンフレットを見学者と麻生区役所で開催される保育まつりや作品展で配付し、運営法人のホームページに園の概要、特色、年間行事、一日の流れなどを掲載しています。

・地域で乳幼児の子育てをしている家庭を対象に、子育ての相談や離乳食講座などを行う「すくすくパーシモン」を年数回開催しています。保育園入園を希望している保護者と既に子どもを保育園に通わせている保護者との座談会を行い、先輩ママに直接聞くことで入園前の不安を解消してもらっています。

・麻生区園長会や幼保小園長校長連携会議に施設長が参加し、5歳児担当職員は年長児連絡会議、実務担当者会議に参加して、就学に向けての情報交換をしています。

・麻生区の共通課題として、若い世帯が増えていることから入園希望者が多いこと、子育てに関し小学校との連携も必要であることなどを把握しています。待機児童が増えていることについては、解決に向けて運営法人としても組織的に取り組むよう努めています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・理念・基本方針は、パンフレット、重要事項説明書、保育課程などの文書に記載し、設置法人のホームページに明示してあります。運営理念に「子どもの最善の利益を考慮する」「家庭との緊密な連携の下に、養護および教育を一体的に提供」「保護者に対する支援および地域の子育て家庭に対する支援」を掲げ、目指すべき保育の方向や考え方が表れています。

・就業規則に服務規程、倫理規定があり、遵守すべき法令・規範・倫理が明記されています。服務規程研修を設置法人の研修と主任による園内研修で行い、1問ずつ質問形式により職員に確認しています。

・職務分担表に、施設長始め職員の職務内容を明文化しています。園の運営に関して職員に管理者としての役割・責任と園長不在時の職務代行者として主任やそれに代わる職員を伝えています。

・施設長は、保育の質の現状について、各指導計画や保育日誌の評価反省欄をチェックし、毎日クラスを見廻って評価・分析しています。子どもへの接し方、環境設定、保護者への対応などについて職員に改善の取り組みを指示して、その後の取り組みを見て評価し、十分でない場合は指導しています。

6 職員の資質向上の促進

・設置法人の運営本部の人事部門で、職員採用、各園の人員体制、人事管理を行っています。施設長会議で、ライフステージや家庭状況に合わせた働き方、長く就労できる環境について検討し、人事管理に反映しています。
  
・「アイオルマインド」に職員に求める姿勢が明示されています。保育実践に必要な専門知識や技術、組織が求める経験・能力に応じた姿は「等級別の求める姿」として入社時に職員に配付しています。

・入社1年目、2年目、3年目、主任、階層別に対しての設置法人の研修計画に従って、該当職員は研修を受講しています。ほかに川崎市や麻生区の研修も受講しています。職員一人一人は目標を設定していますが、研修計画を作成していません。

・職員の有給休暇の消化率や時間外労働のデータはリストにして、施設長と主任がチェックし、設置法人の運営本部に報告しています。分析した結果は、施設長会議で改善策たとえば時間外労働を減らすにはどうすればいいかなどを検討しています。

・勤務表を作成する際には、公平性を考えると共に、職員の要望も考慮しています。有給休暇の消化率が低い職員には有給休暇を取るように勧告しています。常勤職員は年2回、非常勤職員は年1回施設長との面談のほか、職員相談ノートを使って施設長に相談できるようにしています。

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