かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

川崎市宮前平保育園(10回目受審)

対象事業所名 川崎市宮前平保育園(10回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 216 - 0006
宮前区宮前平2-11-6
tel:044-854-4855
設立年月日 1976(昭和51)年12月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
【立地】
 川崎市宮前平保育園は東急田園都市線宮前平駅から徒歩10分の高台にあり、周辺にはマンション、樹木の生い茂った公園、小学校がある閑静な住宅地です。昭和51年12月1日に川崎市立宮前平保育園として開園されました。平成21年4月1日に公設民営化され、(株)日本保育サービスが指定管理者として運営を受託して9年目の保育園です。0〜5歳児まで定員150名で現在150名が在籍しています。園舎は鉄筋コンクリート2階建てで、園庭とテラスがあり、子どもたちが戸外活動を楽しめる環境が整っています。
【特徴】
「子どもたちのために…」「全園児を全職員で」を合言葉に、一人一人を大切にしながら安心した環境の中で、のびのびと子どもたちが活動できる保育をすすめています。専門講師による英語教室・体操教室・リトミックのほか、クッキング保育・食育を取り入れ、子どもの「生きる力」「伸びる力」を育むプログラムを提供しています。また3〜5歳児は年間を通じて縦割りの4グループに分けた異年齢保育を取り入れています。

【特に優れていると思われる点】
1.職員の前向きな保育への取り組み姿勢
中・長期計画の課題である「保育の充実」の目標実現に向け、「全園児を全職員で」の今年度の合言葉を掲げ、職員は「安全安心」「子どもが一日を楽しく」「利用者のニーズに合った保育」を視野に入れながら行動しています。職員間のコミュニケーションが良くとれており、行事や日々の保育について前向きに活発な意見交換を行い取り組んでおり、園長は職員のやりたい気持ちを受け止め、奨励しています。

2.地域の福祉向上に貢献する積極的な取り組み
「地域資源としての役割を担い、必要とされる保育園になる」という長期計画の目標の実現に向けて、一時保育や園庭開放、育児相談を行うほか、園行事(夏祭り・運動会・移動動物園など)への参加を、地域の住民に呼びかけています。また宮前区保健福祉センター主催の「赤ちゃん広場」に職員を派遣して手遊び指導や子育ての悩みを聞くなど、地域交流を図り、地域の福祉向上に貢献しています。

3.地域の関係機関との積極的な交流・連携
警察署の協力を得て、園庭で幼児対象に交通安全教室を開催しています。また年長児対象に消防署、地域の保育園と連携して避難訓練、消火訓練が行われています。職員は主任児童委員を講師に人権についての勉強会を実施し、園長は宮前区認可保育園代表園長、川崎西部地域療育センター評議員となり、区長、教育者、保護者などと共に地域の共通課題の解決に向けて協働して取り組むなど、地域の関係機関と交流・連携を図っています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1. 保護者一人一人に子どもの様子を伝えるさらなる工夫と改善
職員はお迎え時に、その日の子どもの様子を保護者に伝えられるよう努めていますが、利用者アンケートで、保育の様子の情報提供と発熱や体調不良、ケガなどの対応、連絡の満足度が低くなっています。保護者とのコミュニケーションの取り方や、体調不良、ケガなどの対応、伝達方法について、さらなる工夫が望まれます。

2.記録に使用する用語の統一を
  指導計画や記録の書き方に差が出ないよう研修が行われていますが、使用する用語が統一されていないところがあります。担当職員以外の職員や関係者が閲覧することもあり、用語が統一されていないと誤解が生じることが予想されます。文章の書き方の向上を図るとともに園全体での記述の統一が期待されます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念に「自ら伸びようとする力・後伸びする力を育てる」保育、子どもの感受性や好奇心を自然な形で伸ばす「五感で感じる保育」を明示しています。子どもを尊重したサービス提供の基本姿勢は「保育園業務マニュアル」に明記されており、各指導計画に反映し、実施しています。

・日々の活動や行事の中で、職員の考えを強要することなく、子どものやりたい気持ちを尊重し、子どもの希望に合わせた活動を取り入れています。楽しく食事をすること、乳児のトイレットトレーニングの際は強い言葉遣いや怒らないよう心がけています。

・遊びのグループ分けや順番は性別による振り分けはせず、性差による固定観念を持たない支援をしています。 

・設置法人作成の「保育園業務マニュアル」に個人情報の取り扱いや守秘義務について明記しています。また、「個人情報保護マニュアル」が整備されており、書類は施錠できる書庫に保管し、個人情報を含む書類は園外への持ち出しを禁止しています。全職員は個人情報の取り扱いについての誓約書を提出しています。ボランティアや実習生には事前に説明しています。

・職員は登園時に子どもや保護者の様子を気にかけ、子どもの着替えの際には体を観察し、虐待の早期発見に努めています。虐待の兆候が見られた時は、写真を撮り、園長が設置法人と宮前区保健福祉センター児童家庭課や川崎市中部児童相談所への連絡体制を整えています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・親子行事ごとの保護者アンケート、見学者アンケートで保護者の意見や要望、希望を把握しています。年度末の運営委員会(第三者委員参加)で、行事や保育に関して保護者と話し合い、意見・要望を把握し、次年度の行事計画や年間指導計画に反映しています。 
 
・保護者から苦情が寄せられた場合は、クレーム受理票や職員連絡ノートに記載し、園独自で対応可能なことは、昼礼や職員会議で速やかに対応を検討し、結果を公表するとともに、お迎え時に保護者に説明しています。

・運営委員会、クラス懇談会や親子行事ごとのアンケートでの保護者の意見や感想、希望の回答は、議事録の配付、掲示や園だよりで保護者に伝えています。

・職員は、子どもの年齢や発達に合わせた言葉かけを行い、子どもの要求や欲求を受け止め、子どもの気持ちを汲み取る努力をしています。

・3〜5歳児が年間を通して、4グループに分かれ、夏祭り、運動会、お店屋さんごっこ、伝承遊びなど、異年齢同士の活動を行い、小さい子への思いやりの気持ち、年上の子どもへのあこがれの気持ちを持って接するように、支援しています。

・年間保健指導計画をもとに、保護者と連携を取り、状況を確認しながら一人一人の発達状況に合わせて、トイレットトレーニング、歯磨き、着替え、手洗い・うがい、箸の使用など基本的生活習慣が身につくよう、支援しています。

・職員は、散歩や園庭での鬼ごっこ、ボール遊びなどの器具を使った遊びを意図的に準備し、子どもたちが自ら選択し、伸び伸びと体を動かすことができるよう働きかけています。

・合同保育時は、年齢に関係なく楽しめる遊びや用具を用意して、異年齢児が自然に触れ合える環境を整えています。

・看護師は子どもの年齢に応じて、トイレの後、食事前、外遊びから帰った後に、感染症予防のためにうがいや手洗いの大切さと正しい方法を教えています。職員は、散歩時に子どもたちと交通ルールや公園の遊具を安全に使う方法を確認してから、安全に遊べるよう配慮しています。

・0、1歳児は毎月、2歳児以上は年2回の嘱託医による健康診断と、全園児年1回の歯科健診は、看護師、担任が立ち会いのもと実施しています。健康診断結果は、当日中に「すこやか手帳」と書面で保護者に伝えています。健康診断で指摘事項があった場合は、かかりつけ医や嘱託医への受診を、口頭でも伝えています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園説明会を実施し、「入園のご案内(重要事項説明書)」と「入園のしおり」を配付し、保育プログラム、年間行事、延長保育の利用方法など詳しく説明し、紙おむつ、哺乳瓶、上靴、かばんなどイラストを使って保護者が理解しやすいよう工夫しています。また、各分野の専門スタッフ(設置法人運営支援課、看護師、栄養士)も同席し、保護者からの質問、相談にも対応しています。

・新入園児には、入園前面談などで、各家庭の状況を把握した上で、安心して保育園生活が送れるよう「慣れ保育」や「親子同時通園」を勧めています。子どもが保護者と一緒に保育活動に参加する「親子同時通園」では、子どもたちと一緒に過ごす中で、遊びや食事の様子を職員と共有し、保護者に安心して過ごせる環境を実感してもらっています。

・入園時に川崎市や設置法人の定めた「児童家庭調査票」「児童票」「児童健康調査表」「お子様の状況について」「すこやか手帳」などを提出してもらい、子どもの心身の状況や生活状況を把握しています。入園後の子どもの発達状況については、0、1歳児は毎月、2歳児は2か月ごと、3〜5歳児は3か月ごとに児童票(発達記録)や個別の指導計画に記入しています。

・保育サービスの基本事項、手順、標準的な実施方法などは設置法人の「保育園業務マニュアル」に明確に記載しています。また衛生マニュアル、事故防止対応マニュアル、感染症・食中毒対応マニュアル、川崎市健康管理マニュアルなどを項目別に制定しています。

・年間、月間指導計画、週案は保育課程をもとに、乳児会議、幼児会議、職員会議、昼礼などで話し合い、必要に応じて看護師、栄養士、設置法人の発達支援チームの意見を取り入れて、策定しています。指導計画の作成責任者は園長です。

・事故、災害、感染症などに対応したマニュアルを整備し、事故発生時のフローチャートや「自衛消防隊の構成と任務」「緊急時対応フローチャート」「感染症発生時のフロー」などを事務所に掲示しています。

・保育室内のロッカーや棚などに転倒防止の対応策が講じられています。119番通報要領、緊急時フローチャートを作成し、通報体制、避難経路を明確にし、緊急用の携帯電話とパソコンに職員、保護者の電話番号、メールアドレスを登録しています。火災や地震を想定した避難訓練を毎月行っています。

・自主点検チェック表に基づき、年2回(9月、3月)建物構造、防火施設、避難施設について確認し、毎日最終退園職員が非常口の施錠、火気の点検を行っています。各フロアの安全チェックは遅番職員が点検し、「保育室清掃記録」に記録しています。0、1歳児のおもちゃの消毒は午睡時に毎日行い、2歳児以上については週末に行っています。

4 地域との交流・連携

・園の夏祭りや運動会の案内を外門に掲示し、近隣の家へのポスティング、マンションの階段や自治会の掲示板に掲示するなど、地域の人の参加を呼びかけています。宮前区の子育て情報誌「とことこ」に園庭開放など園の情報を掲載しています。設置法人のホームページに園の情報、日常保育の様子や行事の写真などを掲載しています。

・毎週水曜日に育児相談と園庭開放を実施しています。一時保育の利用者は月に104〜120名あり、新規の利用者は受け付けていません。宮前区保健福祉センター主催の「赤ちゃん広場」に7月、11月、3月の第2木曜日に職員を派遣し、手遊び指導や子育ての悩みを聞くなど地域の人と交流しています。

・設置法人の保育園業務マニュアルに「学生実習生・ボランティアの受入れ」及び「受入れガイドライン」があり、受け入れ方針、意義などの基本事項を明記しています。受け入れマニュアルに、登録手続き、事前説明、個人情報保護の誓約書の提出などの必要事項を記載しています。

・宮前区の認可保育園園長会、幼保小連携会議には園長が参加し、5歳児担当職員は年長児担当者会議、幼保小連携会議に参加して、具体的な福祉ニーズの把握や就学に向けての情報交換をしています。園長は宮前区認可保育園園長会議の代表園長、川崎西部地域療育センター評議員となり、地域交流に努めています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・理念・基本方針がパンフレット、重要事項説明書、入園のしおり、保育課程に記載されています。基本方針や園目標が玄関に掲示してあります。

・園長は、理念や基本方針の周知状況を職員会議や昼礼で確認し、毎日3回各クラスを見回っています。担任が作成した週案、月案、年間指導計画のねらい、評価、反省の視点が保育課程の内容とずれがないかどうかを毎月チェックしています。
・年間諸行事、避難計画、写真、食農、環境整備の効率的運営のため、全職員の役割分担を決め、園長が率先して指導しています。

・平成26〜30年度までの中・長期期計画目標を策定し、取り組むべき課題として「保育の充実」「保護者支援」「地域支援」を掲げています。中・長期計画の「保育の充実」の目標実現に向けた今年度の合言葉として、「全園児を全職員で」を掲げ、回数、人数などの数値目標を設定のうえ、子どもたち一人一人に細やかな配慮を行えるよう取り組んでいます。

・経営や業務の効率化と改善に向けて、人事・労務・財務面で設置法人が分析を行い、園長が、人員配置や労務、財務面の分析を行っています。園長は、組織の理念や基本方針の実現に向けて、人員配置、公平なシフト、時間外削減、適切な休暇取得など働きやすい環境整備を行っています。

・年に1回川崎市の基準により、福祉サービス第三者評価を受審しています。第三者評価の受審結果は、園長から職員会議で伝達し、全職員で評価・分析・検討しています。また年1回、川崎市の指定管理者評価を受審しています。

・経営状況やコストなどは設置法人が分析し、園でも、無駄をなくし、効率化を図り、一時保育利用者推移などの分析を行っています。職員の外部研修・海外研修の充実、コーナー遊び・絵本・玩具の充実、異年齢保育の充実を29年度の事業計画に反映し、取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進

・設置法人の「保育士人材育成ビジョン」には、経験年数や習熟度に応じた目標が明示されています。職員は「個別年間研修計画」を作成し、前期・後期ごとに研修の成果の評価・反省を行い、次期の研修計画に反映しています。

・職員は年2回の自己査定を行い、研修の成果や実施状況の自己評価・反省、園長と1〜3回の個人面談を通じて、査定を受けています。結果について、設置法人から園長に報告があり、職員に結果や査定理由の説明を行っています。

・園長は、毎月有給休暇の消化率や公休取得状況、残業状況を把握し、本部に報告しています。設置法人は園長からの報告・個人面談や、毎年10月に職員が本部に提出する進退や異動の希望、必要に応じて行われるマネージャーとの面談をもとに、各園の人事状況を分析し、改善策の検討を行っています。

・職員は園長と年1〜3回の個人面談で、また新人職員は「チューター制度」により、主任や経験年数の長い職員との面談を通じて、個別に相談できる体制になっています。設置法人は外部のメンタルヘルスサポート会社と契約し、メンタルヘルスチェックや無料電話相談、医療機関に繋げる体制があります。

・実習生の受け入れにあたっては「実習生受入れガイドライン」が整備されており、実習生受け入れに関する基本姿勢を明示しています。


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