かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

保育園ViVi

対象事業所名 保育園ViVi
経営主体(法人等) 社会福祉法人 藤雪会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 243 - 0004
厚木市水引2-12-29 YMビル1階
tel:046-294-3003
設立年月日 2003(平成15)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 神奈川県社協版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
 保育園ViViは小田急線本厚木駅から徒歩で20分ほど、バス停「愛光病院前」から徒歩2分の所にあります。6階建てビルの1階と2階の一部分が保育園です。園の近くを相模川が流れ、近隣には多くの公園があり、子どもたちは天気の良い日は毎日、河原や土手、原っぱ、公園などに出かけています。
 定員40名の小規模保育園で、開設して14年目になります。生後4か月の乳児から受け入れ、現在は47名が利用しています。少人数の特性を活かし、異年齢クラスや縦割り保育を展開し、子どもたちの兄弟姉妹のような関わりを大切にしています。
 保育目標に「意欲にあふれ、主体的に活動する子ども」を掲げています。毎日の外遊びを基本にしながら、元気で明るい子どもに育つことを目指しています。運営は社会福祉法人「藤雪会」で保育園や障がい児支援、高齢者福祉事業を幅広く展開しています。


≪優れている点≫
1.合同保育の中で少人数のクラスを設け、一人一人の成長、発達を丁寧に支援しています
 乳児クラス、幼児クラスの合同保育時間が多い中で、一人一人の育ちを丁寧に支援しています。
1階園舎は構造上、乳児室と幼児室に分かれています。職員配置の関係を踏まえて、0・1歳児が1部屋、2歳児と一時保育が1部屋、3・4・5歳児が1部屋に分かれて保育をしています。40名定員の少人数保育園であり、各クラスの定員は0歳児5名、他のクラスは7名の少人数ですが、年齢別にクラスを設け、担任を置き、クラスごとの日誌をつけ、クラスごとの指導計画を作成して一人一人の成長発達を丁寧に支援しています。
 0・1歳児は一緒に過ごしていますが、子どもに合った午睡時間を確保するために、保育士はおんぶなどで工夫しています。3・4・5歳の幼児は常時合同の異年齢クラスですが、食事は年齢別のテーブルで食べ、製作では同じ素材でも年齢に応じたプロセスで仕上げるなど配慮しています。天気が良ければ、必ず近くの公園や河原など園外へ出かけていますが、目的地ではそれぞれの年齢に応じた場所で年齢に応じた遊びを展開しています。


2.自然の中で遊びながら体力をつけ、ルールを学び、近隣の方との交流を楽しんでいます
 近隣の自然や環境を利用して、子どもたちは日々園外で元気に活動しています。園には園庭の設置がありませんが、近くには相模川や原っぱ、多くの公園があり豊かな自然に恵まれています。天候が悪い日以外は子どもたちは毎日散歩に出かけています。
 5歳児は3歳児の手をつないで、しっかりエスコートしています。目的地に着くまでには交通量の多い道路の横断歩道を渡り、市民菜園の通路では地域の方から声をかけられ、笑顔で挨拶を交わしています。公園では遊具やわらべうたなどさまざまな遊び、河の土手では木登りや枯葉潜り、原っぱでは虫探しなど自分の好きな遊びに夢中です。4・5歳児は年に8回、日ごろの散歩の成果を発揮して、一日がかりで近くの山や田んぼなどに出かけています。この園外保育はクラスごとに下見をして十分な準備をしたうえで、保護者の協力を得てお弁当を持参し、バスなどの公共の交通機関を利用して実施しています。


3.地域の子育て家庭を積極的に支援しています
 子育て家庭の地域とのつながりづくりや、保護者のリフレッシュを目的として親子サロン「にこにこほっぺ」を無料で開催しています。毎週木曜日に開催し、昨年度の実施は51日、参加者は大人228人、子ども267人でした。園内2階の多目的室を会場として、親子サロン専任職員を配置しています。時には在園児と一緒に散歩に行き、食育、わらべうた、気功と推拿、工作とおしゃべりなどの活動をしています。また、地域のニーズに応えて定員10名の一時保育を実施しています。毎日7名前後が利用しており、専任職員を配置して、園の1クラスとして園だよりにも他クラスと同じように活動の様子を紹介しています。2階部分に併設されている児童発達支援デイルームとんとんを利用する子どもが、保育園児との生活体験を希望して一時保育を利用することもあり、障がい児の受け入れも積極的に行っています。障がい児の適切な対応のために厚木市の児童発達支援センター等の専門機関と定期的にカンファレンスを行い、園内会議で情報共有しています。


≪課題や改善することが期待される事項≫
1.中長期的な事業の方向性を定めた「計画」の作成が期待されます
 法人の単年度の事業計画では、老朽化施設の建替え計画等について検討されています。しかし、保育事業者には、地域社会における貴重な社会福祉資源である保育所を安定的かつ効率的に運営することが求められています。同時に、現在および将来の環境条件に適切に対応した、より質の高い保育サービスの提供も必要となっています。
 将来の地域における保育ニーズや資源の確保・活用等を含め、環境条件に対応し、中長期的な事業の方向性を定めた「計画」を作成することが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

保育理念に「乳幼児の最善の利益を基本に保育を進める」「一人ひとりの子どもの育ちを支える」「保護者の子育て、働くことを支援する」「子育てしやすい環境づくり、地域づくりを進める」を掲げています。また、「子どもの権利や一人ひとりの育ちを保障した保育を行い、保育を必要としている子どもたちがより身近な地域の中で多くの大人たちに見守られながら育つ場を作りだし、子どもたちが楽しく生活する場を提供する」を保育の基本方針としています。これらの理念や方針は子どもを尊重し、保護者を支援するものとなっています。


『目の前の子どもたちから学ばせてもらう』との思いを持ち、保育者にとっても子どもに教えられる立場であると考え、園では保育者のことを先生ではなく『〇〇さん』と子どもたちが呼んでいます。先生として子どもたちに教えたり指導したりするのではなく、生活を共にする人として、一緒に笑ったり、考えたり、正しいことを伝えたりすることを大切にしています。


法人の「個人情報保護に関する基本方針」をもとに、職員や保護者・見学者・実習生などに個人情報保護について周知しています。職員は入職時に研修し、保護者からは園だよりやホームページへの写真掲載についての承諾書を得ています。個人情報の含まれている書類は、警備会社のセキュリティのかかる部屋で厳重に保管しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育課程は理念、基本方針にもとづき、園長・主任がたたき台を作成し、職員間で検討して4年前に作成しました。園は40名定員の小規模保育園で、乳児と幼児の2グループでの活動が主となっていますが、年齢別のクラスを設けています。保育課程には「年齢別のねらい」を大きく取り上げ、各年齢の子どもの発達保障に配慮しています。保育指針の改訂に合わせて、見直しを予定しています。保護者には入園時や年度初めの懇談会で、毎年、見直しをしている「保育園ViViのしおり」をもとに説明しています。


子どもたちの遊びの幅を広げ、運動の力を高め、健康増進の活動としてわらべうたや夏季のスイミング教室・JAGY(ダンスと体操を合わせたようなもの)に取り組んでいます。保育士はわらべうたの研修で技術を磨きながら、日々の保育の中で様々な場面(朝の会・帰りの会・手遊び・縄跳び・集団遊びでルールや順番を伝える時など)で使用しています。JAGYは子どもたちの運動量の確保のために取り組み、近隣のスポーツセンターを借りて、毎月1回外部の専門講師を招いて指導を受けています。子どもたちは運動会や高齢者施設訪問時に日ごろの成果を披露しています。夏季のスイミング教室には4・5歳児が参加して、着衣水泳の体験もしています。


保育士作成の「食育計画」と厨房職員作成の「給食のコンセプトと年間計画」をもとに食育を展開し、手作りでおいしい、安心安全な給食の提供に努めています。食育の一環として地域の方から畑を借りて、さつま芋やジャガイモ、ダイコンなどを年間通して育て、毎月1回クッキングの日を設けて、梅ジュースや味噌づくりなどの体験をしています。5歳児クラスになると給食当番や米研ぎが始まります。米研ぎは保育士と一緒にマンツーマンで順番に行い、炊飯器でごはんを炊き、幼児クラス用として給食に出されています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

指導計画は年間、月間、週日案を丁寧に作成しています。月間指導計画には週ごとの計画、週日案には日案が盛り込まれており、月間指導計画と週案、日案が自動的に連動するようになっています。乳児クラスでは月案に一人一人の個別指導計画を盛り込んであります。計画には「前月の子どもの様子、ねらい、食育、具体的なかかわり、ふりかえり」欄が設けられており、次月につながるようになっています。


事故や怪我の再発防止に向けて、「ヒヤリハット報告書」「ケガの報告書」「事例報告書」「事故報告書」を作成しています。「事例報告書」「事故報告書」には事故発生から予防策の検討まで、詳細に記録されています。「ヒヤリハット報告書」は日々の些細な危険や気づきを簡潔に記載してあり、全職員が毎日、閲覧してお互いに保育時の注意を促すものになっています。報告書は毎月、統計処理し、危険な時間帯や場所などの参考にしています。


保護者会は単独の活動はしていませんが、毎年役員を交代しながら、運動会や餅つき、夏まつり、お楽しみ会などの園行事に協力いただき、連携しています。園長が保護者会との窓口になっています。毎年の役員決めについては園側で、懇談会の際などに保護者に依頼しており、園だよりで保護者会の役員を紹介しています。夏まつりでは保護者会で「おとうさん相撲」など3つのブースを担当し、お楽しみ会では保護者の出し物を職員と相談しながら決めています。

4 地域との交流・連携

週に1回、園内で定期的に開いている「親子サロン」で、情報提供や育児相談を実施しています。「親子サロン」についてのお知らせは、近隣のスーパーマーケットや市役所等の公共施設に掲示し参加を呼びかけています。食育に関することでは、簡単にできる夕食や手作りおやつの作り方、食品添加物や保存料に関する知識なども話しています。また、親子サロンの場で地域住民の相談事業を実施しており、電話による育児相談も随時対応しています。


毎年、園内で開催している1月の餅つきと8月の夏祭りに地域の方を招待し、近隣の公園の清掃活動には定期的に参加しています。中学校生徒の職場体験や中高校生のボランティアを積極的に受け入れています。定期的に実施している「親子サロン」参加者に部屋の開放や備品の貸し出しを行っています。近隣との友好関係づくりとして、園児が利用している保育所裏手の路地を清掃したり、散歩の際に地域の方と挨拶を交わしたりしています。


地域へのサービスの提供については、地域のニーズに応じて一時保育を定員10名で実施しています。また、園の保育に積極的に取り入れている「わらべうた」の講座に地域の方にも参加いただいています。「親子サロン」終了後に、参加者の要望がある時は会場を引き続き開放しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

法人のホームページでは、サービス内容、各年度の現況報告、事業報告、決算報告などを掲載して情報提供をしています。また、園のブログでは、親子サロン、中学生の職場体験、遠足、運動会、誕生会など、日々の活動を掲載し紹介するなど、常に最新の情報を提供しています。また、園発行の「保育園ViViのしおり」には、施設の概要、保育理念、保育方針、職員体制、保育時間、利用料等の情報を掲載しています。


重要な意思決定に際しては、職員、保護者に説明し理解を得るよう努めています。保育所の分園開設や増築・定員増に当たっては保護者懇談会で説明し保護者の理解を得ています。分園開設に伴い、新園長を選定する際には、保育現場を含め、法人内での意見交換を踏まえて決定しています。また、4・5歳児が参加する夏季のスイミング教室は、保護者の要望を踏まえて事業内容を決定していますので、園の主要な活動の1つとして定着しています。


法人本部で保育所の新設や老朽化に伴う建替えについて計画し、用地選定、行政情報の収集などに積極的に取り組んでいます。法人の施設長連絡会議では、人材育成の計画について意見交換をしています。保護者との連絡等についてICTを導入しました。スマートホンをかざしての送迎チェックやメールでの欠席等の連絡、さらには園で撮影した写真の注文など、ICTを活用して運営の効率化を図っています。また、園の経理、労務に関わっている会計士や社会保険労務士から、経営の安定に向けたアドバイスを受けています。

6 職員の資質向上の促進

人材育成に関する計画については現在法人内で検討を進めています。保育内容については、学期ごとに「保育チェック表」を用いて振り返りを行い、これをもとに園長と面談して保育の改善につなげています。年1回全職員対象に理事長面接を実施しており、資質向上に向けた目標等を話し合っています。法人研修を定期的に実施しており、職員は交代で参加しています。保育短期大学や市社会福祉施設連絡会などが主催する外部研修にも積極的に参加しています。外部研修については、参加者が報告書を作成して回覧し、月1回開催されるミーティングで報告しています。


月・週・日ごとの指導計画に対応し、それぞれの保育の振り返りを行っています。3歳未満児については、個別指導計画に対応して個別に振り返りを行っています。また、保育日誌では、指導計画に対応した保育記録と振り返りを記載しています。日誌は毎日、園長、主任が確認し、必要な場合にはアドバイス、コメントを記載し職員をサポートしています。職員の振り返りの中から必要な事例について、園長、主任が取り上げてミーティング等で全職員が共有しています。


防災、保健衛生、社会貢献、教材、広報、各行事等について、それぞれ担当職員が責任を持って企画、実施するなど、職員の資質向上に向けた体制をとっています。散歩時の判断は、主任と副主任に任されており、一時保育の予約は担当者の判断で受付するなど、現場で責任を持って対応しています。また、日誌やヒヤリハット事例の中から改善提案があれば、職員会議等で意見交換して業務改善に取り組んでいます。

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