かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

つぼみ保育園

対象事業所名 つぼみ保育園
経営主体(法人等) 特定非営利活動法人全国子育て支援ネットワーク協会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 241 - 0826
旭区東希望が丘188-1
tel:045-360-0202
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 園の運営主体は「特定非営利活動法人 全国子育て支援ネットワーク協会」です。開所は平成27年4月1日で、現在3年目を迎えた園です。定員は66名(平成29年12月現在65名の在籍数)です。産休明け保育、延長保育、障がい児保育、一時保育などを実施しています。
 園は相鉄本線「希望ヶ丘」駅から徒歩で約8分ほどの所にあります。園の前には幹線道路、園庭の後ろは相鉄本線が通っています。施設はどの保育室も採光が良く、明るい雰囲気です。近隣には大小の公園があり、子どもたちはいろいろな公園に散歩に行き、楽しんでいます。


《特に優れている点・力を入れている点》
○明るく、新しい施設のもとに、子どもたちが主体的に遊べる環境が整えられています
 園内はとても明るく、玄関を入ると壁面装飾や天井から吊るされたモビールなどが目に入り、温かな雰囲気を醸し出しています。それぞれの保育室は、絵本やおもちゃ類が低年齢の子どもたちでも自分の興味や関心のあるものを自ら取り出して遊べるよう工夫されています。また、絵本は表紙が見えるように絵本ラックに収納され、子どもたちが一目でわかるようになっています。保育室は日によってブロックのコーナー、キッチンセットを使ったままごとコーナー、絵本をじっくり見る絵本コーナーなどマットを上手に使ってスペースを作り、コーナー保育を実践しています。このように子どもたちが主体的に遊べる環境が整えられています。


○充実した食育計画が年齢ごとに立てられ、実践されています
 「年間食育計画書」が作成されています。「目指す子ども像」「配慮事項」のもとに年間を5期に分けて各年齢の計画、及び給食だよりのテーマ、献立計画が具体的に記載されています。これを基にさらに各年齢の詳細な計画として「食育年間カリキュラム」が作成されています。そこには、年間目標、食育活動の目的のもとに年間を5期に分けて、期ごとに「ねらい」「働きかけ」「食事環境・援助」の柱で具体的な計画が記載されています。子どもたちは、植物の栽培、食材に触れる、クッキング、栄養についての知識、、マナーなど食に関するさまざまな事柄について、年齢に合わせて体験したり学んだりしています。また、保護者にも食の大切さを知ってもらうために、特に4月は年齢ごとに「きゅうしょくだより」を作成し、食育や今月の給食の目標、噛むことの大切さなど、年齢に合わせた観点で情報を発信し、啓発を図るように工夫しています。


○さまざまな体験を通して子どもたちは成長をしています
 外部のサッカー指導者によるサッカー教室を週1回実施し、1〜5歳児まで年齢別に指導を受けています。園から10分ほどの広場で、ボールを取る、走る、ボールを蹴るなど年齢に合わせて取り組んでいます。また、外人講師による英語遊びを週1回、年齢別(1歳児は隔週)に実施しています。この時間は日本語は使わず英語だけのやり取りで活動しています。そのほか、体育指導を月2回、0〜5歳児が受けています。さらに、必要な研修を受けた園の職員がリトミック指導を行っています。このようなさまざまな活動を通して、子どもたちは体力作りをしたり、異文化に触れたり、表現遊びを楽しんだりしています。


《事業者が課題としている点》
 保護者支援の技術向上を目ざしています。園にはさまざまな環境の子どもが在籍し、当然多方面での保護者支援が必要であることを認識しています。職員の年齢も若く経験も浅いことから、子育ての相談に加え保護者自身の相談に的確に応えるには技術が必要になります。まずは職員自身が回答し解決できる事柄なのかを判断する力から養い、必要に応じて園長、主任、先輩に報告するなど初期対応の大切さを指導していく考えです。さらに、保護者支援に関する研修に参加し専門家から学ぶ機会も得たり、園内研修も充実させてスキルアップを図っていきたいと考えています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  保育課程に示す保育理念には「ひとりひとりの気持ちを大切にし、個性を伸ばす保育」、保育方針には「ひとりひとりが健康に安全に楽しく過ごし、子どもたちの心を大切に受け止め、職員が協力して保育を行う」を掲げ、子ども本人を尊重したものになっています。保育理念は玄関、保育室、廊下に掲げ、日常の保育で確認を行っています。月1回の夜ミーティングでは、保育理念や保育方針について読み合わせを行い、そのうえで月間指導計画の振り返りを行い、職員への周知を図っています。
 つぼみ保育園ガイドブックには「ことばへのおもい」という職員心得を示し、職員に対して、ことばの使い方に対する配慮を強く求めています。そこには「表現方法」「世代に対する語彙」「『叱る』のではなく『教える』」「肯定的な言葉」など、具体的内容が示されています。大人同士が優しく、穏やかに話すことで、子どもが正しい言葉を学ぶことから、常に職員間での会話にも注意をしています。
 「守秘義務マニュアル」に個人情報に関する記載があり、入職時、年度初めのミーティングで周知を図っています。同様に、ボランティアや実習生に対してもオリエンテーションの際に周知を図っています。ミーティングでは、守るべき個人情報はどのようなものがあるか事例で学習し、職員から守秘義務に関する同意書をもらっています。個人情報に関する書類は、鍵付き書庫に保管し、必要に応じて職員は閲覧することができます。保護者に対しては、写真撮影に関して「顔出し」「後ろ姿」「全てNG」などを確認のうえ、承諾書をもらっています。園便りなど広報に関しては、この確認書を踏まえて写真を利用しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  保育課程に基づき月齢または年齢別の年間指導計画を作成しています。中でも0〜2歳児については、月齢別に16の段階に分けて詳細に立てられています。年間指導計画では子どもの主体性をはぐくむことを基本とし、例えばおもちゃは自由に取り出して遊べる環境作りに配慮することなどが計画に盛り込まれています。月案や週案は、その時々の子どもの興味や関心に応じて、柔軟に見直しを行い、子どもの実態に合ったものとしています。
 おもちゃは収納ボックスだけでなく、遊びの雰囲気作りと取り出しやすさを兼ねてメッシュのウォールポケット、斜め置きのラックなどにも入れています。また、合同保育でも使えるおもちゃをサンルームに置いています。この月齢にはこの遊び、と決めず、手先が器用かどうかなど個々の特性を見極めて、子どもの能力に合った遊びを提供できるよう心掛けています。また、年齢の低い子どもに対しては、誤飲の危険性を考えて、おもちゃの大きさにも注意しています。ラグやパーテーションを活用して、遊びごとにコーナーを作っています。多目的利用が可能なサンルーム、アコーディオンカーテンで仕切ってある3〜5歳児の部屋は、合同活動に対応が可能です。ままごとが楽しめるキッチンセットも各クラスにあります。
 製作材料や道具は多種用意しています。「この中から5つ取ってね」など材料や道具を子どもに自由に選んでもらうこともあります。4、5歳児は各自の道具箱も持っています。家庭に呼び掛けて廃材を集め、製作に利用しています。歌やリトミックに力を入れ、すべての保育室に鍵盤楽器を置いています。「今月の歌」を決め、みんなで一緒に歌うだけでなく、散歩や食事前など折に触れて口ずさむようにしています。リトミックは、研修や公開保育に参加した職員が主となって推進しています。年齢の低い子どもは、食事前に担任による読み聞かせを楽しんでいます。園内の絵本の貸し出しを行い、各週木曜日に園の前に来る移動図書館も利用しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  新入園の子どもが新しい環境に慣れるため、短縮保育を実施しています。一日2時間から開始し、1、2週間を目安としています。保護者の就業状況によっては短縮保育が困難な場合もあるため、保護者と相談しながら、子どもの状況に応じて最善の方法で対応しています。短縮保育中には、子どもが安心できるタオルやぬいぐるみなどの持参を認めています。また、担任の保育士が受け入れ時やお迎え時の対応を行うこととし、保護者には連絡ノートの提供とともに、一日の様子を口頭で伝え、帰宅後のかかわり方も助言しています。在園児には新しいお友達が入園することを伝えて、一緒にムードを盛り上げるなど、在園児の気持ちにも配慮しています。
 つぼみ保育園ガイドブックに「苦情解決規程」を掲載し、その中の苦情解決の手順には、第三者委員を交えて対応する仕組みが明示されています。規程には「苦情受付書」「苦情受付報告書」「話し合い結果記録」「苦情解決結果報告書」の様式が整備され、受付から解決までの各段階に応じた記録用紙が整備されています。苦情内容によって園で対応することが困難な場合、かながわ福祉サービス運営適正化委員会の紹介をしています。要望などを受けた場合、職員はマニュアルに基づき職員で情報を共有し、解決に向けて協議を行うとともに、保護者への対応を行います。
 「安全管理マニュアル」「災害対策マニュアル」を整備し、各職員に配付している「つぼみ保育園ガイドブック」に記しています。室内、園外、公園での活動時の注意事項を列挙した「安全点検表」を作成し、各クラスで毎日チェックしています。ロッカーや棚には転倒防止の滑り止めを使っています。自衛消防組織を作り、避難訓練、消防訓練をそれぞれ毎月一回行っています。外部の救急救命研修を全職員が毎年受けており、毎回の避難訓練時には救命訓練を行っています。
4 地域との交流・連携  地域支援として、育児講座や交流保育、園庭開放、絵本の貸し出しなどを行っています。活動やイベントに参加した母親からは、一人で育児に悩んでいるので話し合える友達がほしい、という切実な声が多く聞かれます。このような母親に寄り添うためにも支援活動を充実させていきたいと園長は考えています。参加した保護者からはこのイベントをどのように知ったのか、また、実施内容はどうだったのかなどのアンケートを実施して園に関する意見・要望を把握し、今後の子育て支援活動を充実させていくようにしています。
 旭区役所、旭区のコミュニティハウス、地区センターなどに園のパンフレットを置かせてもらい、園の活動内容を知らせています。育児相談については、地域支援活動の際に実施するほか、随時相談にのることを伝えています。また、毎年実施している旭区主催の子育て支援事業「保育園にあそびにきませんか」には区内全域の保育園が参加しています。これに園も参加し、ブースを作り、地域の子育て家庭の保護者への栄養相談やパネルシアターなどを行ったり、パネルを使って園の紹介を行ったりしています。
 入園希望者や一時保育希望者には事前に見学を受け付け、主任がていねいに説明をしています。主任が不在のときは園長または事務職員が対応するようにしています。一時保育利用者には事前に園見学に来てもらい、園の保育方針、理念、概要を説明し、利用料金など納得のうえで利用してもらうようにしています。入園希望者の園見学に対しては、できるかぎり見学希望者の都合に合わせた時間帯で行っています。ただ、園としては子どもたちの活動がよく見られる午前中をお勧めしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  職員の自己評価や他者評価と合わせて保護者アンケートも実施しています。保護者アンケートは、15の質問項目について4段階評価になっており、自由記述欄もあります。これらを加味して、最終的に全員で保育園の自己評価を行っています。この自己評価結果はファイリングして玄関に設置し、保護者も自由に閲覧できるようにしています。また、園のホームページからも見られるようになっています。保護者アンケートから見えてくる園への要望については園全体で受け止め、改善の方法や取り組みの方法、さらには、保護者への伝え方などをしっかり検討しています。
 園は「特定非営利活動法人 全国子育て支援ネットワーク協会」の系列園です。従って経営や運営状況は、内閣府のNPO法人ポータルサイトにて法人の事業報告を公開しています。また、園内の経理に関しては園長に任されていますが、主任や副園長、事務員などが加わって透明性を高めています。なお、横浜市から得られる情報(事故報告や不適切な事例など)は、全職員に回覧し、自園での改善につなげるように話し合っています。
 平成27年〜平成30年までの中期計画と平成27年〜平成33年までの長期計画が作成されています。例えば、職員の育成は、中期計画では「つぼみ保育園のガイドブックの完全周知」、長期計画では「キャリアアップ受講により分野別リーダーの育成、主任・副主任・リーダーの育成」などいずれにも入っています。そのほか、中期計画、長期計画いずれにも地域支援、保護者支援、経営基盤、保健計画、職員配置などの項目で計画されています。計画通りに運営できているかを園長や主任は常に把握し、年度末には全職員で確認・反省を行っています。また、保護者代表が参加する運営委員会でも園長が説明をしています。なお、公認会計士には月次に来てもらい財政面の指導を受けています。社労士には、同じように毎月、就労関係の指導を受けています。
6 職員の資質向上の促進

 研修計画は主任が担当しています。研修の内容によって、受けてほしい職員に依頼するようにしています。園の外部研修の受講回数は極めて多く、年間200以上の研修に参加しています。そのためのシフト調整は園長が行っています。研修に参加した職員は研修報告書を提出し、これを回覧して全員が情報を共有しています。また、月1回の全員参加の園内研修の場で研修発表を実施しています。他園の公開保育にも参加し、良いところを吸収し取り組みに生かすようにしています。さらに、園でも公開保育を実施し、20〜30園の参加者が振り返りを行ったり、講師による感想なども聞いたりしながら、保育の質を向上させています。
 個々の職員が年度初めに目標を立て、年度途中に振り返りを行っています。そして、自己評価や他者評価(ほかの職員による評価)、保育園の自己評価などを実施しています。職員たちは、自分で立てた課題や周囲の職員から与えられた課題に取り組んでいます。そして、職員全員で集まる機会を設け、お互いに良い点、改善、見直しなどを出し合い、それらをもとにミーティングや研修を実施しています。
 職務分担表が作成されています。園長、主任、副主任、リーダーなどはそれぞれの経験や能力に応じた役割を担っています。また、乳児、幼児、子育て支援、食育、障がい児、保育実践、安全対策などの分野ごとにリーダーを立てて問題解決を図っています。リーダー制をとることにより、問題が生じたときはリーダーがいち早く取りかかり、解決に向かうようにしています。そして、ほかの職員に対しても、起きた問題に対して、だれが指揮をとるのか理解しやすくなっています。なお、園長との個別面談は10月ごろに行い、いろいろな話題について話し合っています。また、職員が希望すれば、いつでも個人面談ができるようになっています。

詳細評価(PDF564KB)へリンク