かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

夢のつぼみ保育園

対象事業所名 夢のつぼみ保育園
経営主体(法人等) 特定非営利活動法人全国子育て支援ネットワーク協会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 241 - 0826
旭区東希望が丘240-4
tel:045-369-7555
設立年月日 2011(平成23)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 園の運営主体は「特定非営利活動法人 全国子育て支援ネットワーク協会」です。開所は平成23年4月1日で、定員は50名(0歳児3名、1歳児8名、2歳児9名、3〜5歳児各10名)で、平成29年11月現在59名が在籍しています。産休明け保育、延長保育、障がい児保育、一時保育などを実施しています。正規職員数は看護師、栄養士を含む18名です。園は相鉄本線「三ツ境」駅から徒歩で4分ほどのところにあります。近くには大小の公園があり、子どもたちが伸び伸びと遊べる環境が整っています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○看護師、栄養士による保健計画や食育計画が作成され、健康面、食事面への配慮が行き届いています
 「年間保健計画」が月別に作成されています。例えば6月では、目標(歯を大事にする)、保健行事(歯科健診)、保健便り(歯の衛生週間)、留意点(歯磨き確認)、保護者へのお願い(歯磨き確認)という柱で記述されています。看護師は、毎月保健便りを発行し、感染症への注意事項、熱中症(サインと応急処置)などその時期に合わせた記事を載せ、保護者に注意を呼びかけています。また、「年間食育計画」も作成されています。ここには月別に、食育(年齢別に食材に触れることから栽培、クッキング、マナーに関することなどを記載)をメインに、給食便りのテーマ、献立計画、食物アレルギーのある子どもへの注意事項などを載せています。給食便りにも栄養士が3色栄養素などをお知らせしています。このように看護師や栄養士が中心となって健康や食について十分に注意を払って保育をしています。


○多彩な活動を通して、地域の子育て中の親子の支援を行っています
 近隣の子育て中の親子への支援が充実しています。具体的には、園が行っているイベントに誘っています。毎月のお誕生会を一緒にしましょう、7、8月の時期は水遊びを楽しみましょう、あるいは、移動水族館を行うので一緒に魚に触れ合いましょうなどと言った呼びかけを行っています。こうしたイベントは、旭区役所にポスターを掲示してもらったり、地域の回覧板を利用したりして地域にお知らせしています。このほか、栄養士が中心となって給食体験(離乳食メニュー)を行い、食についての講習も行っています。また、園の図書の貸し出し活動も定着しています。こうした活動に来られる親には、随時育児相談を実施して喜ばれています。育児相談には、じっとしていられない子ども、食物アレルギーのことなどいろいろな相談があり、それらの記録もとり、継続相談の有無も聞くなどきめ細やかな対応をしています。


○英語、サッカー、日本舞踊など外部の専門講師による活動が充実しています
 英語、サッカー、日本舞踊を保育の中に導入しています。英語は週に1回、外人講師による指導があり、1歳児から順番に5歳児まで行います。挨拶やカード遊び、歌やリズムなど変化のある遊びを行い、子どもたちが集中して取り組めるよう配慮しています。低年齢の子どもたちは15分程度で、年齢が上がるにつれて長くなります。サッカーも専門家を招き、歩いて15分程度の場所で、1歳児から順番に指導をしています。ジャンプをしたり、ゴールまで走ったり、サッカーボールをキックしたりと体力を使って遊んでいます。日本舞踊は、月に1回、専門家が2歳児から指導をしています。園長は、異文化に触れ、体力をつくり、美しい所作を培うことにつながる活動を子どもたちに小さなころから体験してもらいたいという願いから、このような活動を取り入れ充実させています。


《事業者が課題としている点》
 保育室のクラスごとの間仕切りの設置の必要性を感じており、職員はパーテーションなどを活用して、独立した保育室として使用したいこともあると話しています。業者に相談したところ、床にレールをつけないと閉じた空間はできないとのことでした。それではレールの部分に子どもがつまずいて危険ですので、現在検討段階にあります。このほか、保育士不足や継続年数が短いことも課題としています。これには永年勤続表彰を法人で実施するなど職員のモチベーションの維持に努めています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  保育理念は「ひとりひとりの気持ちを大切にし、個性を伸ばす」「心身共に健やかに、生きる力を育てる」、保育方針は「さまざまな経験を通し、人と関わるなかで、生きる力を育てる」「子どもの心身の健やかな成長を求め、職員の質の向上を目ざす」「一人一人の気持ちを受け止め、愛情を持って接することで愛されていると感じられる保育を行う」「子どもたちが安心して過ごせるよう、優しい気持ち、優しい言葉がけで触れ合う」「保護者との信頼関係を心掛け、保護者が安心して子育てと仕事の両立が出来る環境作りを行う」とし、子どもや保護者を尊重したものとなっています。保育理念、保育方針は保育目標、運営方針とともに園内各所に掲示され、全職員でいつも笑顔であたたかい保育の実践に努めています。
 園では「夢のつぼみ保育園 職員の心得」を作成し全職員に配付しています。そこには子どもへの言葉づかいや接し方、やってはいけない言動などが記されています。園長の保育理念である「いつも笑顔で温かい保育を」も常々話され、周知されていて、全職員が日ごろから笑顔で子どもたち一人一人の気持ちを受けとめ、人権を尊重する姿勢で穏やかにかかわっています。また子どもの年齢に応じたわかりやすい言葉で話すよう心がけています。子どもがおもらしをした場合は、ほかの子どもに知られないよう配慮しながら優しく対応し、子ども同士のトラブルの際は個々の特性を考慮しながら双方の話を聞き状況を把握したうえで、必要に応じて子どもの気持ちを代弁しながら双方の子どもが納得できるよう対応しています。
 保育中の並び順やグループ分け、身に着けるものなどで男女を区別することはありません。描画や製作においても子どもたちが好みの色を自由に選び、行事の役決めや衣装に関しても子どもの自主性を尊重しています。自由遊びの時間にはブロックやままごとなど思い思いの遊びに集中しています。園では父の日や母の日の代わりに5月に「ファミリーデー」を設定し、子どもが手作りしたプレゼントを家庭へ持ち帰るようにしています。無意識に性差による固定観念で子どもにかかわる様子を見かけたら、保育士同士で声をかけ合い気をつけるようにしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  保育課程をもとに年齢ごとの年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。また、年齢ごとに年間食育計画書や、製作、絵画、運動、音楽についての年間計画予定案のほか、全年齢共通の年間保健計画も作成しています。日々の活動については年齢に応じてわかりやすいように工夫をしながら子どもたちに説明しています。3〜5歳児には朝の会で一日の流れを説明し、帰りの会では次の日の活動についても伝えています。行事の内容は子どもの状態や意見をふまえて計画し、日常の保育内容についても子どもたちの様子や自主性を大切にしながら計画を柔軟に変更しています。
 子どもの成長、発達に応じたクラスごとの年間指導計画、月間指導計画、週案は担任が中心となり、子どもたちの様子、状況に応じて作成しています。月間指導計画と週案には振り返りや自己評価の欄が設けられていて担任が子どもたちの様子をよく見ながら反省、評価、見直しを行っています。また少人数の園であるため、全職員がすべての子どもたちのことを把握しているので、必要に応じてほかの職員の意見も聞き、園長、主任のチェックを経て次の計画へつなげています。日ごろから連絡帳や送迎時の会話、行事後のアンケートなどで確認している保護者の意向も汲み取り、保育計画に反映するよう努めています。
 0〜2歳児についてはクラスの月間指導計画の中に子ども一人一人の欄を設け、0歳児では「子どもの姿」「養護」「教育」「食育」「配慮事項」「保護者への支援」などについて、1、2歳児では「ねらいに対しての配慮・援助」「食事」「排泄」などについて個別指導計画を作成しています。3歳児以上で特別な課題がある子どもについては子どもの状況に応じて2、3か月ごとに基本的な生活から遊び、保護者や友だちとのかかわりまで複数の視点で個別指導計画を作成しています。子どもたちの様子や状況は毎日のミーティングや職員会議などで情報共有しながら保育に生かしています。個別の目標、計画は保護者と連携しながら子どもの発達、状況に応じて柔軟に変更、見直しを行っています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  入園時には短縮保育(慣れ保育)をお願いしています。0、1歳児では2週間、3歳児以上では1週間を目安に子どもの様子や保護者の事情を考慮しながら進めています。新入園の0、1歳児については気持ちが安定するよう担当保育士を決めています。また心の拠りどころとなるぬいぐるみなどの持ち込みも認めています。保護者との日々の情報交換は送迎時の会話のほか、0〜2歳児と配慮の必要な子どもには連絡帳を使用し、睡眠、食事、排便、家庭や園での子どもの様子について細かく連携して保育を行っています。3〜5歳児では毎日、クラスごとのファイルでその日の活動の様子を写真入りで紹介しています。新入園児受け入れの際は在園児の不安を軽減できるよう担任間で話し合い、主任やフリーの職員がサポートに入るなどの配慮をしています。
 園内の床部分は段差がなくバリアフリー構造になっていて、車いすで利用可能なトイレも設置されています。障がいのある子どもについては、子どもの様子や特性などを状況に応じて2、3か月ごとに個別指導計画および毎日の個人日誌を作成しています。また、保護者と密接に連携しながら子どもがスムーズに園生活を送れるよう努めています。なお、保護者の同意を得て、横浜市の臨床心理士や横浜市西部地域療育センターなどと必要に応じて連携しています。障がいのある子どもの様子や状況について、毎日のミーティングや職員会議で情報共有し、全職員が子どもの特性を理解して保育にあたっています。必要に応じて専任の職員を配置して、ほかの子どもたちと自然にかかわれるよう配慮しています。
 アレルギー疾患のある子どもについては必ず生活管理指導表を提出してもらい、保護者と綿密に連携しながら適切な対応をしています。食物アレルギーがある場合は除去食を提供しています。栄養士がアレルギーのある子ども専用の献立表を作成し、それをもとに栄養士も参加して保護者と面談を行い、次月の食事内容を確認しています。栄養士は年2回のおやつバイキングなどのメニューを含めて食物アレルギーのある子どもも楽しめるよう、できるだけ除去のないメニュー作りを心がけています。除去食については調理時と配膳時、担任による提供時のトリプルチェックを行い、専用トレイ、名前を記入した食器を使って提供するなど、誤食防止に努めています。
4 地域との交流・連携  園は地域支援活動として、地域の子育て中の親子に園が主催する活動への参加を呼びかけています。具体的には、お誕生日会への参加、ふれあい移動水族館で水辺の生き物に触れる体験、7、8月に実施している水遊び、給食体験(離乳食メニュー)などがあります。これらの行事に参加した親からイベントの感想を聞くだけでなく、日ごろの悩みを聞いています。園には看護師や栄養士が常駐していますので、食に関すること、健康に関することなどの悩みにすぐに応えています。そのほか、貸し出し絵本コーナーを設置し、絵本を借りに来た親子を観察したり、声をかけたりしながら、育児に関する相談も行っています。なお、系列の子育て支援センター「のびのび」が主催する講演会に職員が参加するなど、子育ての現状について学んでいます。
 地域支援活動は主任が担当し、毎年4月に園長、副主任とともに新年度の活動内容を話し合い、計画のたたき台を作ります。その後、職員会議にかけ、意見交換をして年間のテーマを決めています。活動内容の骨子は一時保育をはじめ、基本的には行事のお誘い、水遊び、育児相談、身体測定サービス、絵本貸し出しなどです。このほか、乳児対象の触れ合い遊びや離乳食の簡単レシピの紹介などを予定しています。また、職員による地域住民に向けて「わらべうた」講習や看護師による「応急処置」などの講習も行っています。これらのさまざまな活動は、「地域支援ファイル」「電話相談ファイル」「絵本貸し出しノート」などに記録をとり、今後の地域支援を充実させるための参考にしています。
 園見学については電話での問い合わせが多く、その際に見学の希望日や時間帯を聞いて、なるべく希望に沿うように対応しています。実際に見学に訪れた方には、パンフレットを渡し、園で細かに撮っている行事や活動の写真などを見てもらい説明をしています。園見学の担当者は園長で、園長不在時は主任が代行をします。見学者の希望を優先していますので、土曜日になったり、父親が仕事帰りに見学したいということで夜8時になったりしたときもあります。見学時間は概ね30分です。その間に園の方針や利用条件などと子どもの活動などを伝えるようにしています。

5 運営上の透明性の確保と継続性  職員一人一人が自己評価し、それをもとに年度末に園長と面接をしています。その自己評価から浮かび上がった園としての課題は、各保育室の使い方です。現状は広いオープンスペースを年齢ごとに棚や柵で仕切り、使用しています。子どもたちはその中で自由にのびのびと過ごしていますが、職員は保育内容によってはパーテーションなどを活用して、独立した保育室として使用したいこともあると話しています。園長は現在、業者にあたるなどして検討しています。このような課題については、保育園の自己評価の結果と改善策という形で園内に掲示する予定です。
 他施設での不適切な事案を新聞報道などで見た際は、職員会議で園長が詳しく職員に報告し、お互いに戒めるようにしています。また、不適切な事案(事故や経理だけでなく、子どもへの不適切な接し方、暴力、あるいは、保護者への対応なども含む)にはどういった行為があたるのか職員会議で話し合い、注意し合っています。なお、就業規則の中に職員の守るべき服務規定があり、職員はそれを遵守することを入職時に確認しています。園の経営状況については、運営法人である特定非営利活動法人全国子育て支援ネットワーク協会全体の損益がホームページで公開されています。
 単年度の計画は立案されています。そこには、職員定数、職員会議、避難訓練、健康管理、保育内容、行事予定などが記載されています。今後は中・長期計画の作成を期待します。なお、園長は、次代を担う幹部職員の育成に取り組み、会計士には財政面のアドバイスを、社労士には就労面でのアドバイスを得ています。
6 職員の資質向上の促進  年度末と年度初めに園長面接を行い、保育の振り返りや新年度の目標の確認をしています。さらに、人材育成の一環として現場の仕事の調整を図り、可能な限り研修を受講し、それをほかの職員に伝えるようにしています。なお、職員個々に、年度の自己目標を提出しています。そこには、個人の目標、それを達成させるための活動(研修参加、参考資料など)、中間振り返り(10月末に提出)、目標達成のための具体的な内容(3月末提出)、最終振り返りという項目で記載するようになっています。
 研修担当者は主任です。毎年、研修の案内が来ますので、主任が行きたい研修、あるいは、その職員に学んでほしい研修など総合的に判断して職員に声をかけ、研修一覧表を作成しています。今年度は、「親が子どもにできること」「経年別研修」「保育エキスパート研修」「食物アレルギー研修」「障がい児研修」など32の研修があります。これらの研修は常勤職員、非常勤職員を問わず、必要な研修に参加してもらっています。そして、外部研修に行った職員から研修発表という形で、園内研修の中に組み込み、ほかの職員にも理解を促し、全体の底上げを図っています。なお、園内研修には、園外の研修発表のほかに、CAP研修(人権教育)、救急救命法、児童相談所の講師による虐待に関する研修などがあります。
 職員の自己評価は、「業務遂行能力」として専門技術、企画実行力、安全管理能力、「対人能力」として説明・応対、「姿勢・態度」としてチームワーク、役割意識、服務規律など22の小項目について行っています。この結果に対し、一次評価を主任、最終評価を園長が行い昇給や賞与に連動させています。他園で実施している良いサービス事例については、自園で導入したほうが良いものはできるだけ取り入れるようにしています。そのほか、最近、見守りを必要とする家庭が増えてきて、個々の職員にも専門的知識を身につけてほしいという園長の思いから、「見守りの保育について」というテーマで児童相談所の職員を招いて研修を行いました。

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