かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

金沢愛児園

対象事業所名 金沢愛児園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 恩賜財団神奈川県同胞援護会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 236 - 0022
金沢区町屋町16-23
tel:045-781-8432
設立年月日 1949年06月25日
公表年月 2018(平成30)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
 金沢愛児園は京浜急行金沢八景駅あるいは金沢文庫駅からバス利用又は徒歩15分程の静かな住宅地の中にあります。昭和24年6月に開設し今年で68年を迎え、古くから地域の子育てを担ってきた歴史のある保育園です。設置法人は社会福祉法人恩賜財団神奈川県同胞援護会で、救護施設、高齢者施設、母子生活支援施設、診療所などさまざまな福祉サービスを提供しています。園は、0歳児から就学前児童を対象とし、定員は120名で現在127名が在籍しています。園の近隣には、歴史・文化のある地域柄、寺社が点在しています。また八景島や大小さまざまな公園があり恵まれた環境にあります。子どもたちは広い園庭活動のほか、散歩や周辺の公園に出かけるなど積極的に園外活動を行っています。法人共通の保育理念のもと、「笑顔で元気にあいさつができる子」「心もからだも健康で思いやりのある子」「のびのびと表現できる子」を園の保育目標に掲げ、保育を行っています。


≪優れている点≫
1. 子どもたちは、地域の中でいろいろな人と触れ合い、のびのびと育っています
 園では地域とのつながりを重視し、積極的な取り組みをしています。子どもたちは、高齢者グループホームを訪問したり、町内会館の「ふれあい会」に参加して、一緒に童謡を歌い、劇を披露するなど、地域の高齢者と定期的に交流しています。毎月の体験保育で来園する地域の子どもたちと一緒に遊び、給食を食べて仲良く過ごしています。散歩では、公園、図書館、地区センター、警察署、消防署などいろいろなところに出かけ、地域を知る経験をしています。地域交流を担当している職員たちの発案で、ハロウィンの時は近隣の商店の協力を得て、子どもたちがお店を回り、お菓子をもらって楽しく過ごしました。園の行事には、地域の人も多数参加して子どもたちの様子を見守っています。
 今年度から、子どもたちの元気な声がいつも聞こえている近所の人を招待して、子どもたちの姿を見てもらい給食を一緒に食べる交流を図りました。子どもたちは日々の園生活の中で、いろいろな人と出会い、地域のことを学び、のびのびと育っています。


2.子育て支援サービスは地域から高い関心が得られています
 園は、丁寧な子育て支援サービスを提供しており、地域の子育て世代の人々から関心を得ています。具体的なサービスとして、一時保育、園庭開放、遊びサポート(交流保育、遊具玩具遊び、移動動物村など)があります。遊びサポートの中には、金沢南部地区社会福祉協議会の子育て支援シーエンジェルとの連携で行っている地域の町内会館での出張保育(年3回)も含まれます。
 園での保育を体験する機会として、月1回「遊ぼう会」を実施し、参加するお子さんと同じ年齢のクラスに入り園児と一緒に遊んだり給食を食べ交流できる機会もあります。一時保育の受け入れは1日4〜5名としていますが、地域ニーズが高く問い合わせが多いサービスです。さらに地域ニーズに即したサービスの提供のため、園行事参加者や子育て支援サービス利用者からアンケートをとり、今後の参考にしています。


3. 5プロジェクト活動により職員の意識向上のために取り組んでいます
 保育経験豊富な職員が多く、さらに各種研修で学び、職員は園の目指す保育のために一人一人研鑽に励んでいます。
 保育士としての援助技術の向上のみならず運営面においても職員の意識を高めてもらう取り組みとして、園長の発案で5プロジェクトを立ち上げています。
 全職員が、防災、安全管理、環境整備、地域交流、食育の5プロジェクト(委員会)のいずれかに所属をしています。毎月各委員会を開催し、それぞれの会の視点に立った話し合い、意見交換を活発に行っています。毎月の職員会議での各委員会活動の進捗状況の報告は、お互いのプロジェクト活動の良い刺激になっており、プロジェクト活動を通しても、職員の技術、モチベーションの向上につなげています。


≪課題や改善することが期待される事項≫
1.記録の整理整頓、分類のさらなる工夫が期待されます
 各種マニュアル類を作り、業務の標準化を図り、業務点検として活用をしています。会議録や研修報告などは今後に活かすため記録に残しています。しかし、ファイル類や記録が分散されている傾向があります。必要な情報をすぐに確認するため、まとめ方の整理整頓、分類のさらなる工夫が期待されます。


2.子どもたちが主体的に活動できる環境構成を、さらに進めていくことが期待されます
 保育室内に絵本や図鑑以外を収納するスペースが無いため、保育室近くの倉庫で保管をしています。保管しているおもちゃや教材は写真に撮り、必要時には子どもたちに写真を示し、選べるようにしていますが、今後は、施設の構造上の制約がある中でも子どもたちがより主体的に活動できる環境構成について検討が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

今年度、園は設置法人の保育理念に基づいた保育目標を作り変えるにあたり、全職員で意見や思いを出し合い、「笑顔で元気に挨拶ができる子」「心もからだも健康で思いやりのある子」「のびのびと表現できる子」という園独自の目標を掲げました。新目標決定後も園長は、「子どもがどうしたいのか」を中心にした保育への思いを職員会議などで折にふれ伝えています。職員は、新しい保育目標で目指す方向性をさらに明確にし、実践につなげていこうとしています。


職員は、子どもの気持ちや発言を受け入れられるよう配慮し、威圧的な言葉遣いにならないように気をつけています。全職員に配付される「職員の心得」には、10項目の保育に関しての心構えが示されており、職員会議で子どもの人権を尊重することの大切さについて確認しています。園長が気になった言葉かけについては、その場で確認しています。


「個人情報保護管理規程」に個人情報の取り扱いが定められています。「職員の心得」にも、情報の管理についての項目があり、守秘義務について周知されています。保護者には「個人情報の利用目的について」を配付して説明を行い、「個人情報の使用等に係る同意書」を提出してもらっています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育理念、基本方針に基づいた保育を実践するために、それらを保育課程に明記しています。保育課程に基づいた年間指導計画から月間指導計画・週案を作成しています。職員は、毎月の職員会議、乳児、幼児会議(ケース検討含む)で話し合いや、振り返りの時間を設け、子どもの様子を共有し、保育に活かしています。


0〜2歳児クラスは個別の指導計画を作成し、一人一人の発達に合わせ、丁寧に関わっていこうとしています。乳児会議、職員会議で常時情報を共有し、意見交換を行い柔軟に変更・見直しを行っています。保護者には、離乳食の進め方、トイレトレーニング、個別の課題がある場合など、園での工夫点を交えながら子どもの状況に合わせて説明し、同意を得ています。


保育内容の遊びでは、子どもの年齢、発達に応じたおもちゃ、教材、絵本を用意しています。日々の園庭遊びなど日常的に子どもたちは関わっていますが、幼児は異年齢活動を年間計画に基づいて行っています。戸外活動は園庭遊びのほか、近隣の公園など積極的に出かけています。


食事、排泄、睡眠については一人一人の発達状況・健康状態や生活パターンを把握・考慮しながら、保護者と連携を取り、家庭との連続性を心がけています。職員会議の中で、味付けや調理方法、職員との給食提供時の連携について検討し、食事作りに反映しています。食育を担当する職員チームが計画を立て、栽培活動、クッキング、食環境整備を年齢発達に応じて実践しています。


保護者とは、朝夕の送迎時の会話を心がけています。子どものその日の様子は、各クラスの「クラスノート」で、今日の出来事や園生活に関する情報を確認することができます。その他月1回の園だよりやクラスだより、年2回の懇談会で日常の保育や子どもたちの様子が保護者に分かりやすく伝わるようにしています。また、保護者会が組織されており、保護者会会長2名と園長との定期的な意見交換や園と共催でバザーを行っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

入園時に把握した生育や生活記録、入園後の成長発達記録、面談記録のほか、子どもの経過記録は、特に記録期間を設定せず、担任が子ども一人一人の状況に応じて成長発達の記録をしています。記録は児童票としてファイルし、事務室で保管管理をしています。必要時には全職員が閲覧可能なほか、職員会議などで常に情報共有をしています。


職員は、発達支援、虐待、アレルギー、外国籍など配慮が必要な子どもの様子については職員会議や乳児、幼児会議で子どもの様子を確認したり、ケース検討を行っており、すべての職員が同じ認識を持って保育にあたれる体制があります。


意見箱の設置、保護者会からの意見、保護者懇談会、個人面談での話し合い、アンケートでの確認のほか、職員は送迎時に保護者に積極的に声をかけ、要望を聞くように心がけています。第三者委員2名のほか、園のみでの解決が難しい場合は、金沢区福祉保健センターこども家庭支援課と連携を図っていく体制を整えています。


健康・衛生・安全などに関する各マニュアルを整備し、マニュアルに基づいた対応や訓練を行っています。行政、医療機関、児童相談所など必要な関係機関・地域の団体の連絡先を把握しています。

4 地域との交流・連携

園は、地域での子育てを支援するためのサービスとして、一時保育、園庭開放、遊びサポート(交流保育、遊具玩具遊び、移動動物村など)を提供しています。丁寧な育児支援サービスを提供しており、地域の子育て世代の人々から関心を得ています。


散歩で、地域の図書館や地区センターのプレイルームを利用しています。近隣の保育園、小学校、高齢者施設、商店などと子どもたちは交流しています。


保育園のホームページで、サービス内容、保育時間、職員体制などの詳細な情報を発信しています。その他、地域子育て支援拠点のホームページ、シーエンジェル(金沢南部地区子育てしやすい地域づくり事業推進協議会)のお知らせブログに紹介されています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

自己評価シートに基づいたチェックの後、仕事への姿勢、仕事の成果、課題の再確認の自己コメントを記載しています。年度末には職員が1年の振り返りを6グループに分かれ、討議をしています。園の自己評価は、園だよりで公表をしています。


職員が守るべき法・規範・服務規程などは就業規則やそれらをまとめた職員の心得として明記されており、入職時に説明をし、職員の心得を配付しています。


園単独の経営、運営状況などの公表はありませんが、設置法人の経営、運営状況はホームページで公開しています。


園目標の改定にあたっての話し合い、新しい目標・保育方針の理解度「卒園までに育てたい子どもの姿」とは、を内容とした園内研修など、職員は、理念、目標、方針の理解を深めています。園長は、職員会議で折に触れ保育の方針や目標に立ち返る話をし、職員の理解をさらに深め、実践につなげるようにしています。

6 職員の資質向上の促進

設置法人の人事考課フレームに基づき人材の育成に取り組んでいます。初任者は保育主任、それ以上の職員は園長との年2回の面談で職員個々の目標や人事考課フレームを用いての話し合いや評価を行い、達成度を確認し、次年度につなげています。


非常勤職員は補助的な立場で保育に関わっていますが、常勤職員同様に園の状況を把握できるよう、シートに基づいた自己評価を実施しています。園長面談を通し、評価、課題の把握につなげています。


年間指導計画、月間指導計画・週案があり、反省・評価が出来る書式が定型化されています。記録を取る際は、子どもの目に見えない心の動きを捉え支える、大事な出来事を忘れない、改まって振り返って考えることなどを意識しています。見直し後、次の指導計画に反映しています。振り返りから気づいた課題などは、職員会議で話し合っています。今年度、保育日誌の書式を変更しています。子どもの姿、保育士との関わり、子どもの声など、題名をつけてエピソード形式で記載をしています。


防災、安全管理、環境整備、地域交流、食育の5プロジェクト(委員会)を立ち上げ、全職員がいずれかに所属をしています。毎月各委員会を開催し、それぞれの会の視点に立った話し合い、意見交換を活発に行っています。委員会活動を通しても、職員の技術、モチベーションの向上につなげています。

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