かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ひまわり愛児園

対象事業所名 ひまわり愛児園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 誠惠会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 241 - 0812
旭区金が谷521
tel:045-954-1777
設立年月日 1976(昭和51)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
 ひまわり愛児園は、相鉄線二俣川駅からバスで15分、バス停から3分程の閑静な住宅街にあります。昭和51年に横浜市の認可保育所として開設し、定員は90名のところ現在97名が在籍しています。
 園舎は鉄筋コンクリート造り3階建です。現園舎は築41年が経過し、老朽に伴い隣接地に新園舎を建設中で平成30年3月から使用予定です。園庭にはすべり台や鉄棒、大型の樽などの遊具が設置されています。園庭だけでなく、子どもたちの体力に合わせて、近隣の公園に出かけ季節の変化を感じながら、心身の発達を促す活動を取り入れています。5歳児クラスは専任講師による「英語で遊ぼう」を取り入れ、異文化に触れる機会を提供しています。
 運営方針、保育理念のもと、「キリスト教の保育理念を主体とします。」他6つの目標を掲げて保育活動を行っています。


≪優れている点≫
1. 子ども一人一人の個性を尊重し、子どもが主体の保育を行っています
 園は子ども一人一人の人権や個性を尊重し、主体性を育むことを大切に保育に取り組んでいます。日々の保育では、天気の良い日は園庭や公園でのびのびと外遊びを楽しんでいます。子どもは思い思いに好きな遊びを楽しみ、静かに過ごしたい子どもたちには、園庭の砂場遊びや室内でのごっこ遊びが出来るよう、子どもたちの気持ちに寄り添った保育を行っています。
 また、子どもの意見を聞いてその日の活動を散歩に変更するなど、指導計画を柔軟に変更しています。その他遊びや活動の中でも子どもの意見や希望を考慮して、活動に取り入れるなど子どもの主体性を大切にしています。
 職員は子どもの発達段階やその場の状況に応じた関わりを意識し、見守ることと必要な支援を行うことを判断し保育にあたっています。行事後の反省会や各クラス内、担任会議、昼礼などでは運営上の反省だけでなく、保育者の行動が子どもたち一人一人にとってより良いものになっていたか、子どもの主体性・自主性を育み、子どもの個性を尊重した保育になっていたかを職員間で話し合っています。常に子どもを尊重し、子ども主体の活動につなげられるようにし、子どもの育ちを支援しています。


2.職員間のコミュニケーションを大切にし、職員にとって働きやすい職場環境を整えています 
 月1回の園長・主任と各クラスの担任で話し合う担任会議で、各クラスの検討事項を話し合い、全職員で課題解決に取り組んでいます。主任は毎日各クラスに入り、職員の業務状況を把握し、助言や指導を行い、良好な状態で仕事に取り組めるよう努めています。
 職員の研修ニーズに配慮した研修計画を作成し、シフトを調整しています。年1回の自己評価と個別面談を実施し、職員の満足度、要望などを把握し、いつでも相談に乗れる体制をとっています。働きやすい職場環境を整え、非常勤職員を含めた職員間のコミュニケーションが良く、長期間勤務する職員が多い職場となっています。


3.積極的に地域交流を行い、地域支援に取り組んでいます 
 町内会、地域のボランティアグループと協力して、さまざまな活動を行い、地域交流を図っています。今宿コミュニティガーデンでは、地域のボランティアが育てたジャガイモやサツマイモの芋ほりに参加したり、公園の花壇にパンジーの植え付けを手伝っています。特別養護老人ホームを訪問し、クリスマス会で発表した合奏や劇を披露して、高齢者と交流しています。職員は地域清掃や地域避難訓練に参加し、交流を図っています。他の保育園との公園交流を実施し、ゲームやティーボールなどで交流を深めています。旭区の図書館を訪問し、子どもたちが司書から話を聞いたりわらべ歌を教えてもらっています。


≪課題や改善することが期待される事項≫
1.経験・ノウハウを活かすマニュアルを作成し、結果を記録することが望まれます
 開園から41年、時代に合わせた保育への取組み方を続けています。その間培ってきた経験やノウハウを活かして、現状に合わせた保育を行っています。
 しかし、それらの情報を文書化して共有できる仕組みが十分ではない状況です。特に、日々の保育に関する業務マニュアルが未整備です。朝の受入れ時対応、お迎え時の対応、日中の子どもたちの様子の伝え方についても、業務マニュアルとして文書化し、職員が一貫した対応が取れることが望まれます。
  これまで積み上げてきた経験やノウハウを、業務マニュアル、衛生管理マニュアル、安全管理マニュアルとして文書化し、日々実行した内容を記録することの徹底が望まれます。


2.人材育成と組織運営の中期計画を策定・運用し、職員の保育技術の向上が望まれます
 今までの経験やノウハウを文章化し、人材育成計画・キャリアパスなどの人材育成中長期計画を策定・運用して、職員の保育技術のさらなる向上を図ることが望まれます。新園舎での組織運営、設備の維持管理についても、職員の人材育成と合わせた中長期計画を策定・運用し、新たな視点で時代の要請に応えることが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

保育理念は、「一人一人の子どもの人権や主体性と個性を尊重し、愛情をそそぎ、子どもに最善の利益となる保育を行う」、「保護者や地域社会と信頼関係を築き、力を合わせ、家庭支援・子育て支援を行う」を掲げており、子どもを尊重したものとなっています。職員は、子どもの表情や様子から子どもの思いを汲み取り、子どもの意見を聞いて、その日の活動を変更するなど、指導計画を柔軟に変更して、子どもの主体性を大切にしています。


職員は一人一人の子どもの人権や主体性と個性を尊重し、子どもにとって最善の利益となるよう支援しています。職員は声の大きさが威圧的にならないよう配慮しながら、子どもに穏やかでわかりやすい言葉づかいを心がけています。子どもが話したい時や職員と1対1になりたい時は、事務室や保育室の隅など他の子どもの視線が気にならない場所で話しています。子どもの人権尊重について職員は、園内研修、担任会議、昼礼で学んでいます。


子どもの名簿は50音順に作成しています。散歩時の並び順、おままごとや運動会の並び方や色などで性別による区別はしていません。職員提案から父の日、母の日の製作を無くし、勤労感謝の日に家族への感謝の気持ちを込めて、プレゼントを作製しています。園長・主任は外部研修や旭区園長会での性差への取り組み事例を参考に、職員会議や昼礼で職員に周知徹底しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育課程は、子どもの最善の利益を第一義にして、子どもの発達や状態に基づいて、保育理念・保育目標や、家庭の状況、地域の実態を考慮して作成しています。保育課程に基づき、年齢ごとに年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。職員は、子どもの意見を聞いてその日の活動を散歩に変更するなど、子どもの主体性を大切にしています。


0〜2歳児には、個別指導計画を作成し担当職員を決めています。配慮や支援が必要な幼児についても、個別指導計画を作成しています。また個別の課題がある子どもの場合は、職員会議や昼礼で話し合い、発達状況に合わせて柔軟に変更、見直しを行っています。個別指導計画の作成や見直し時に、離乳食の進め方、トイレトレーニングなど、子どもの発達状況を保護者に伝え、連携して進めています。


乳児クラスは手作りの楽器、大きなブロック、ぬいぐるみ、おままごと用具、絵本など、幼児クラスは小さいブロックやパズル、おままごと用具、カードゲーム、図鑑や絵本などを子どもの年齢や発達、興味に合わせて用意しています。状況により職員が選んだ数種類のおもちゃを提供するときもあります。季節や興味に合わせておもちゃの入れ替えを行っていますが、子どもがコーナーで落ち着いて遊べる環境設定が十分ではないところも見受けられます。落ち着いて遊べる環境の確保が望まれます。


キュウリ、オクラなどの野菜や、夏はグリーンカーテン(ゴーヤ、ヘチマなど)を栽培し、色水遊びに利用したり、収穫した野菜は調理実習で活用し、食育に繋げています。子ども一人一人の喫食糧に応じて配膳量を調整し、完食出来た満足感を味わえるよう支援しています。保育参観日に給食試食会を実施し、栄養士が味付けや調理方法のポイントを説明しています。


入園説明会や新クラス説明会で保育理念、保育方針について説明しています。玄関に保育理念、保育目標、運営方針を掲示しています。年度末に保護者アンケートを実施し、園の目標・方針、個人情報、食育などについて保護者の理解度を把握し、園の自己評価に役立てています。保育方針についてDVD懇談会で説明し、保護者に理解されるよう工夫しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

見学時、入園前説明会などで、子どもが環境の変化に対応出来るよう、ならし保育の必要性を説明しています。新入園児には、おしゃぶりやぬいぐるみなど、子どもが安心する物を相談の上持ち込めます。家庭の状況、生育歴などは、入園時に保護者より「家庭状況調査票」を提出してもらい、児童票として個別ファイルにまとめて保管しています。入園後の子どもの成長発達記録は、児童票、健康記録表に記録しています。進級時には、個別ファイルを基に、新旧の担任で書類と口頭で申し送りを行っています。


特別に配慮が必要な子どもの保育については、保護者の同意を得て、横浜市西部地域療育センターのアドバイスを、日々の保育や個別指導計画に取り入れています。食物アレルギーのある子どもについては、かかりつけ医からの「アレルギー疾患生活管理指導表」の指示に基づき、除去食を提供しています。除去すべき食材にラインマーカーを付けた献立表を保護者に毎月渡し、除去食の変更はその都度保護者に連絡してもらっています。


「苦情対応の取組みに関する規定」に、第三者委員に直接苦情を申し立てることが出来ることを明記しています。相談・苦情受付担当者は主任で、相談・苦情解決責任者は園長です。保護者に対して、玄関に意見箱を置き、懇談会、行事後のアンケートや年度末の保護者アンケートで、意見や要望を聞いています。


年2回の健康診断、年1回の歯科健診を実施し、結果についてはその日のうちに保護者に伝えています。健康管理・病気対応マニュアルを基に、一人一人の健康状態を把握しています。入園説明会で感染症の登園停止基準について保護者に説明しています。病気や保健衛生管理に関するマニュアルありますが、感染症対応マニュアルがありません。感染症対応マニュアルを作成し、全職員に周知徹底することが望まれます。


毎月地震や火災など想定を変えて避難訓練を実施し、備蓄の入れ替えを兼ねて炊き出し訓練も行っています。保育室内の棚やロッカーは転倒防止策が施されていますが、安全管理マニュアルはありません。事故や災害に備えた安全管理マニュアルの整備が望まれます。年1回、不審者対応訓練、防犯対策指導を実施するとともに、警察官による職員対象の防犯訓練を行っています。玄関は必ず施錠し、保護者の顔を確認してから解錠しています。

4 地域との交流・連携

地域の未就園児を対象として、週1回の育児相談、園庭開放、身体測定、絵本の貸し出しを行っています。旭区白根、今宿エリアの保育園が共同で「ミニ保育園ひろば」を開催し、近隣の未就園親子を招待し、子どもの身長・体重測定と記念写真を渡す「おおきくなったかな?」や絵本コーナーとままごと・ブロックコーナーで自由に遊べる場所を提供しています。小学校訪問や老人福祉施設での交流を定期的に行っています。町内会の地域清掃活動、避難訓練に職員が参加しています。


ホームページに、園紹介、年間行事、園見学案内、園庭開放、保育の特徴、職員体制、自己評価結果などの必要な情報を掲載しています。利用希望者には、随時見学ができることを、園のホームページに掲載しています。園見学者には、希望日時を聞き、全クラスの活動が見られる午後3時以後を勧めています。


実習生受け入れマニュアルがあり、受け入れ時に受け入れ担当の主任がマニュアルに基づいて、園の保育方針、子どもたちや保護者への配慮等を説明しています。実習プログラムは、各クラス担任が育成の担当者になり、出身学校の先生や実習生の要望をもとに、全クラス及びリトミックのクラスで実習が行えるよう、主任が日程調整し作成しています。ボランティアの申し出があれば、主任・副主任が園での活動について説明する仕組みがありますが、ボランティア受け入れマニュアル及び受け入れ実績がありません。

5 運営上の透明性の確保と継続性

園の「倫理・法令遵守」として、職員が不正・不適切な行為を行わないよう守るべき法・規範・倫理が明記されています。園長は、旭区園長会や幼保小連携会議、新聞報道などから、他園でのアレルギー児の誤飲事例、プールでの事故事例など不適切事案を、職員会議や昼礼で取り上げて話し合い、注意喚起しています。


経験やノウハウを業務マニュアルとして文書化することが大切であり、業務マニュアルの作成が望まれます。次代の組織運営に関しての課題として、新園舎の運営方法検討、後継者の育成、職員の更なる保育技術の向上を目指して、次代の組織運営に関しての課題を計画的に実施する為にも、園運営に関する中長期計画を作成し、実行することが望まれます。


保育日誌の振り返り、月案の自己評価などは、クラスの職員間で話し合って、クラスの自己評価、振り返りとしています。年度末の園の自己評価は、園の理念や基本方針に沿って行われ、職員の自己評価、保護者アンケート結果をまとめて、ホームページで開示すると共に、保護者に配付しています。

6 職員の資質向上の促進

園長は園運営に必要な人材や配置状況を把握し、必要に応じた人材補充を行っています。園長は、園の理念・方針を踏まえた保育が行えるよう、階層別・経験年数に応じた人材育成計画を策定しています。外部研修は、園長の推薦や職員の申し出を受け、主任が日程調整して参加しています。園内研修には、非常勤職員も参加しています。職員は、毎年園長・主任・事務長と個人面談を行い、就労上の要望や意見を把握し、次年度の園運営に反映させています。年度末には自己評価を行い、達成度の評価と目標の見直しを行っています。


職員は年間、月間の指導計画、週案などのねらいを明確にし、各指導計画について振り返りを行い、評価反省の欄に自己評価を記入しています。職員は指導計画の振り返りの中で、自己の保育技術、保育内容を評価し、次期の計画に反映できるようにしています。


園長・主任・事務長は、年1回職員と個人面談を行い、意見要望を把握しています。担当職員の能力、適性に応じて、自主的に判断してクラス運営が出来るよう任せて、スキルアップややりがいを感じられるよう配慮しています。園長は、日頃から職員に声掛けし要望や意見が出しやすいようにして、業務改善につなげています。職員の能力や習熟度に応じた役割や期待水準の明文化がされていません。経験・能力や習熟度に応じた役割が期待水準としての「職種別人事評価基準、キャリアパス」を明文化・運用することが望まれます。

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