かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ふたば保育園(3回目受審)

対象事業所名 ふたば保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 和泉福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 245 - 0016
泉区和泉町1368
tel:045-802-3713
設立年月日 1968年04月01日
公表年月 2018(平成30)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
 ふたば保育園は、横浜市営地下鉄「下飯田」駅から、徒歩約10分の住宅地にあり、周辺には畑や林なども見られます。昭和43年(1968年)4月、社会福祉法人和泉福祉会によって開設されました。
 園舎は、鉄骨2階建てで、乳児棟と幼児棟に分かれ、短い廊下でつながっています。乳児棟1階には、0・1・2歳児保育室、看護室などがあり、幼児棟は、2階に3・4・5歳児保育室、多目的室、1階に事務室、調理室、相談室、ランチルーム、ランチテラスなどがあります。平成28年(2016年)1月使用開始した新園舎は、窓ガラスを多用した明るい造りとなっています。園庭には、丸太を組んだアスレチック遊具・ジャングルジム・雲梯・すべり台・砂場などがあり、隣接して園専用の畑があります。
 定員は120名(産休明け〜就学前)で、開園時間は、平日7:00〜19:15、土曜日7:00〜18:00です。 
 運営法人の保育理念は「子どもがそれぞれに持っている個性を認め、柔軟に受け止め、尊重しながら、保育者との安定した信頼関係を基に個々に応じた社会性の芽生え・育ちを援助し、多様化する現代社会の中でたくましく「生きる」為の基礎を育む」です。それに基づき、園の保育目標を“「たくましく心豊かに育つ子ども」 かんがえる子・じょうぶな子・思いやりのある子”としています。保育姿勢として、次の3つを掲げています。
 ・薄着で過ごし身体を鍛える。 ・様々な体験を通して喜んで話しをしたり聞いたりする。
 ・異年齢の友だちと関わったり、身近な社会へ関心を示し、労りや感謝の気持ちを持つ。 

  

◆高く評価できる点
1. 子どもたちは、元気に遊び、さまざまなことを学んでいます
 子どもたちが思いっきり身体を動かして遊ぶ時間が十分に確保されています。晴れた日は、8時半頃になると幼児クラスの子どもたちは園庭に出てきます。友達と追いかけっこをしたり、サッカーボールを蹴ったり、縄跳びをしたり、好きな遊びに熱中しています。三輪車に乗ったり、四つ車を押したりする子どもは、友達とぶつからないようによけながら、園庭を走り回っています。幼児クラスの子どもたちが、外遊びを終えて保育室に入る頃、乳児クラスの子どもたちが園庭に出てきます。砂場では、丸めて団子を作ったり、コップやお皿に砂を入れ、クッキーやホットケーキに見たて、友達同士で食べるまねをしたり、楽しんでいます。 
 室内の活動では、日常的にリズム遊びや制作活動が取り入れられ、子どもたちは自分の思いを表現しています。また、発表会の練習では、みんなで声を合わせて歌ったり、劇のセリフや登場の順番を覚え、仲間との関わりを学んでいます。異年齢児間で遊ぶ機会も多く、3・4・5歳児クラスは、年齢ごとの活動のほかに、「おひさま組」として合同の活動も取り入れられています。
 園外活動として、日常の散歩のほかに、少し遠くまで行く「歩き遠足」や、公共の交通機関を利用する「卒園遠足」なども取り入れられ、子どもたちが地域を知る機会にもなっています。


2.職員間で情報を共有し、全職員で園児全員を保育するよう努めています
 職員会議、カリキュラム会議など、さまざまな会議の中で、子どもたち一人一人の様子や状況が報告され、情報を共有しています。例えば、園庭で3・4・5歳児が一緒に遊ぶとき、保育士は、クラスに関係なく適当に分散して位置し、全体を見渡し、遊びを見守っています。また、園では新任職員に「半年間で、全園児の顔と名前を覚える」ことを課していて、全員で全園児に関わることを徹底しています。


3.人材育成に力を入れています
 人材育成計画を作成し、それに基づき、職員が外部研修に積極的に参加できるようにしています。また、園内研修を定期的に行い、非常勤職員も参加できるようにしています。さらに、自己啓発の一環として、職員一人一人がコミットメントシートに自己目標を記入し、年度末に評価・反省を行っています。また、定められた自己評価チェック表に基づき、自らの保育やクラス運営などの評価・反省を、前期・後期の2回行っています。このような取り組みにより、着実に職員の育成が図られ、より良い保育の実施につながっています。


                 
4.地域との良好な関係が築かれています
 地域の子育て支援として、一時保育・園庭開放・育児講座などを行っています。一時保育で、定期的に来園する子どもも多く、園庭で、年齢の高いクラスの子どもが、話しかけたり、遊びに誘ったりする姿が見られます。子どもたちが近隣の小学校を訪れたり、小学5年生が「町探検」の学習のとき、園に来たり、子ども同士の交流もあります。敬老の日などに、4・5歳児が近隣の高齢者施設を訪れ、歌を披露しています。また、運動会や「ふたば祭り」に地域の人々を招待し、多くの人が来園しています。


◆ さらなる工夫が期待される点
1.保護者への情報伝達の工夫が期待されます
 今回の利用者家族アンケートにおいて、「年間の保育や行事に、保護者の要望が活かされているか」「送り迎えの際の子どもの様子に関する情報交換」「年間の保育や行事についての説明」「感染症の発生状況や注意事項などの情報提供」の項目で、「不満」「どちらかといえば不満」の回答が多くなっています。園からのお知らせは、玄関の掲示板に掲示し、その日の保育の様子は、各クラスとも「今日のおたより」として掲示していますが、保護者が望む内容に達していないことも考えられます。父母の会の意見なども聞き、どのような情報を、どのような形で伝達するのが良いのかを検討し、対応することが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・運営法人の保育理念は、「子どもそれぞれが持っている個性を認め、柔軟に受け止め、尊重しながら、保育者との安定した信頼関係を基に個々に応じた社会性の芽生え・育ちを援助し、多様化する現代社会の中でたくましく「生きる」為の基礎を育むこと」です。それに基づき、園の保育目標を“「たくましく 心豊かに育つ子ども」 かんがえる子・じょうぶな子・思いやりのある子”としています。
・全国保育士会倫理綱領を明記した「職員ハンドブック」を全職員に配付し、年度替わり時期にはこれに基づいた説明や、読み合わせをしています。「職員ハンドブック」には、「私たちの心構え」として、「子どもの気持ちを十分理解できる保育者になる」「一人一人の子どもの気持ちを良くくみとり、適切な愛情のある保育を心がける」などを明記しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保育課程は、保育目標・保育姿勢を踏まえ、子どもの最善の利益を第一義にして、作成しています。保育課程を園の掲示板に掲示し、保護者に周知しています。
・保育課程に基づき、年齢ごとに、年間指導計画・月間指導計画・週案を作成しています。
・入園説明会の後、保護者と個別面談しています。短縮保育(ならし保育)については、入園説明会の際に、十分な説明を行い、保護者と話し合って個別に対応しています。
・乳児は、毎月個別指導計画を作成しています。幼児は、特に配慮や支援が必要な子どもについて、個別指導計画を作成しています。
・保育室内の本棚やおもちゃの棚は、子どもの目線に合わせて作られ、子どもが自分で取り出しやすくしています。絵本は季節や傷み具合で入れ替えや買い替えを行い、おもちゃについては、リーダー会議やカリキュラム会議で話し合い、子どもの成長に合わせ、おおむね年度の前期と後期で入れ替えを行っています。
・室内では絵本読み、ままごと・ブロック遊びなど、園庭では、かけっこ・三輪車乗り・砂場遊びなど、子どもたちは自由に自分のしたい遊びを楽しんでいます。また、子どもたちは、みんなで一緒に遊んだり競い合ったりする中で、友達の気持ちを理解したり約束を守る大切さをも学んでいます。日常的にリズム遊びや制作活動などを取り入れ、子どもの表現力を育んでいます。
・園外活動としては日常の散歩の他に、少し距離のある「歩き遠足」や、公共の交通機関を利用する「卒園遠足」なども取り入れ地域や社会を知る機会も設けています。3〜5歳児クラスは週に1回、外部の専門講師による体育教室があり、発達に応じた運動遊びを楽しんでいます。
・異年齢児間の交流は日常的に行っています。屋外遊びでは園庭で毎日異年齢クラスが共に遊んでおり、毎月の誕生会についても全園児参加で行っています。3・4・5歳児クラスは、年齢ごとの活動の他に「おひさま組」として、異年齢合同の活動も取り入れています。
・栄養士が主となり、年間食育計画をたてています。子どもが食材や調理に興味を持つように、工夫のあるテーマで取り組んでいます。また、節分・ひな祭り・七夕・クリスマスなどには行事食を取り入れ、季節感のある献立作りをしています。
・幼児クラスにはひらがなで書いた献立表を貼り、子ども自身が読めるようにしています。
・子どもの送迎時には、口頭で子どもの様子を伝えるように心がけています。連絡帳は、0・1歳児クラスは規定の記載項目のあるノートを毎日用い、2歳児クラスからは自由記載形式のノートで希望に応じての情報交換を行っています。その日の保育の様子は「今日のおたより」として、各クラスに掲示しお迎えの保護者に見てもらっています。
・「ふたば保育園父母の会」があり、年数回開催される委員会に場所の提供や、委員会参加時の子どもの保育を行っています。
・園と「ふたば保育園父母の会」との共催行事である「お楽しみ会」の開催や、毎年発行する文集作りなどを協力して行い、保護者組織とは良好な関係です。
3 サービスマネジメントシステムの確立

・子どもや家庭の状況・要望などを決められた書式に記録しています。記録は個人別にファイルし、鍵のついた書架に保管、全職員が必要なときに見ることができるようにしています。
・特に配慮を要する子どもや支援を要する子どもについて、会議で話し合い、記録しています。
・職員は、特に配慮を要する子どもや障がいのある子どもの保育に関する研修に参加しています。参加した職員は報告書を作成、職員間に回覧し、全職員が情報を共有できるようにしています。
・アレルギー疾患のある子どもの場合、医師からの「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」に基づき、保護者と話し合い、適切な対応をしています。アレルギー疾患対応マニュアルを作成し、全職員に必要な情報を周知しています。
・漢字を読むことが苦手な外国籍の保護者に対して、「園便り」や園からの連絡事項に振り仮名をつけたり、個々に口頭で丁寧に伝える工夫をしています。
・「意見・要望・苦情・不満を解決するための仕組みに関する規程」を定めています。苦情受付責任者は主任保育士、苦情解決責任者は園長であることや、第三者委員に直接苦情を申し立てできることを、「入園のしおり」に記載し、保護者に周知しています。
・意見箱を設置しているほか、クラス懇談会や個人面談の際にも、要望や苦情を聞いています。また、行事後にアンケートを行っています。
・「毎朝登園前の健康チェックマニュアル」および「感染症の症状及び登園停止基準」を「入園のしおり」に記載し、入園時に保護者に配付しています。
・衛生管理に関するマニュアルを作成し、各保育室及びランチルームに、嘔吐処理セットを備えています。マニュアルには写真による嘔吐物の処理手順や消毒薬の説明等を丁寧に記載し、流行時期前には看護師がマニュアルに基づいた嘔吐処理セットの使用方法を説明しています。
・「安全管理マニュアル」「災害マニュアル」「防犯管理マニュアル」を、様々な事象を想定して作成しています。
・子どものケガについては軽いものであっても保護者に必ず報告しています。事故やケガの状況に応じて「事故報告書」「インシデントレポート」「ヒヤリハット記録」に発生状況及び改善策を記録しています。

4 地域との交流・連携 ・地域に向けた子育て支援として、一時保育・園庭開放・育児講座開催などを行っています。
・運動会やふたば祭りに、地域住民を招待しています。招待行事の際には、5歳児が描いた絵をポスターにして園舎周りに掲示し、地域の方に広報しています。
・近隣の小学校3校と連携し、5歳児の小学校訪問のほか、小学生が「町探検」で園を訪れたり、小学5年生によるレクリエーション招待など多くの交流をしています。また高齢者との交流では、毎年敬老の日のイベントに4・5歳児クラスの子どもたちが参加して、高齢者に歌などを披露して喜ばれています。
・園のホームページがあり、保育方針やサービス内容などをわかりやすい画面で情報提供しています。また、「ヨコハマはぴねすぽっと」(横浜市のホームページ)、「いずみっこひろば うぇぶ」(泉区のホームページ)への情報提供やグーグルネットへの写真掲載などをしています。
・中学生の職業体験をボランティアとして受け入れています。
・実習生の受け入れに際し、学校や学生の希望を聞き、効果的な実習プログラムとなるようにしています。実習最終日には主任と担当保育士が同席し、反省会として実習の振り返りを行っています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・園の自己評価は、所定の項目について職員一人一人が行い、それを基に、幹部職員間で議論しまとめ、園の自己評価としています。園の自己評価結果は、年度末に園の掲示板に掲示し、保護者に公表しています。
・全職員に全国保育士会倫理綱領を配付しています。また、「職員ハンドブック」中に、勤務の心構え・保育についての心がけなどを記載し、周知しています。他施設での不正・不適切な事例を入手した場合は、職員会議で周知し、啓発しています。運営法人内施設長会議で得た情報も伝えています。
・ゴミの分別に取り組んでいます。また、子どもたちが絵を描く用紙に、裏紙を多用したり、牛乳パックや段ボールを制作の素材に利用したり、リサイクルに取り組んでいます。
・施設内の照明をすべてLED化したり、自動点灯・自動消灯設備をつけたり、省エネルギーに取り組んでいます。また、照明・空調機などの消し忘れ防止のため、集中管理システムを導入しています。
・環境年間プログラムを作成し、子どもたちにも、ゴミを分別する・水の無駄使いをしない・散歩先でゴミが落ちていたら拾うなど、環境を意識した行動をするよう指導しています。
・重要事項が決定されたときは、職員会議で目的・決定理由・経過などを説明しています。保護者には、掲示や文書で知らせています。園舎建て替えの際には、集会を開き、丁寧に説明する場を設けました。
・主任は、クラスリーダー会議やクラスの話し合いに参加し、一人一人の職員の業務状況を把握し、一人一人の職員の能力や経験に合わせ、的確な指導や助言をしています。気づいたその場で助言・指導するか、後で話しをするかなど、職員の性格なども加味し、適切な対応をしています。
・事業運営に影響のある情報は、横浜市私立保育園園長会や、運営法人内施設長会議などから得ています。重要な情報は、幹部職員間で検討するほか、適宜、職員会議などで一般職員にも知らせています。
・運営法人として10年間の長期計画を策定し、2年ごとに、進捗状況のチェック・見直しを行っています。
6 職員の資質向上の促進 ・人材育成計画を策定しています。それに基づき、一人一人の職員が、毎年度初めに、コミットメントシートに自己目標を記入し、年度末に自己評価・反省を行っています。
・園内研修を行っています。職員・非常勤職員とも受講できるようにしています。研修担当者が中心となってテーマなどを計画し、実行しています。
・職員は、横浜市や泉区などが行う研修に参加しています。また、運営法人が行う全職員に対する研修にも参加しています。外部研修に参加した職員は、研修報告書を作成、職員間に回覧し、全職員が情報を共有できるようにしています。実技研修の場合は、園内研修の際などに、実地に研修内容を伝えています。
・外部研修などで、他園の工夫した良い事例を得た場合は、職員会議や園内研修で取り上げ、検討しています。また、運営法人内の施設長会議で得た情報を、園長が職員会議で報告しています。
・職員は、毎年、自己評価チェック表に基づき、4つの観点から前期・後期の2回、評価・反省を行っています。自己評価は、計画で意図したねらいと関連付けて行い、子どもの意欲や取り組む姿勢がどうであったかなどを重視して行っています。職員の自己評価結果を、カリキュラム会議で報告し、クラス運営の課題などについて話し合っています。
・人材育成計画中に、「求められる職員像」を職位(新任職員、中堅職員、指導的職員、管理職など)に応じて、明記しています。
・日常の保育や保護者との対応など、クラスの担当者が責任を持って対応するようにし、適宜、副主任・主任・園長が助言しています。職員には、報告・連絡・相談を密にするよう指導しています。また、経験年数などに応じて、会議の記録係、司会、行事の企画、実行などを担当させることで、やりがいを与え、モチベーションの維持を図っています。
・会議の場だけでなく、いつでも副主任・主任・園長に、改善提案や意見を述べることができるようにしています。

詳細評価(PDF2,197KB)へリンク