かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク川崎西口保育園(8回目受審)

対象事業所名 アスク川崎西口保育園(8回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 212 - 0014
幸区大宮町1310 ミューザ川崎1F
tel:044-520-8025
設立年月日 2010(平成22)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年02月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
<施設の立地・概要>
  アスク川崎西口保育園は平成22年4月1日に開所された0歳児から5歳児までの定員60名で、現在67名が在籍する中規模園です。園は、JR川崎駅より徒歩3分のところにある27階建てのシンフォニーホールを内蔵する商業ビル「ミューザ川崎」の1Fに立地しています。天気の良い日は、積極的に近隣公園などに散歩に出かけるようにしていますが、天気の悪い日には、雨のあたらない「ミューザ川崎」の地上、2階部分の回廊や、近隣大型商業施設「ラゾーナ川崎プラザ」内を散歩に利用するなど、立地の利便性を活用しています。


<特徴>
   園は「輝く笑顔 元気な子・あいさつできる子・やる気のある子・かんしゃできる子」を職員の総意で園目標として打ち出し、これを保育課程、指導計画に展開して位置づけ、全職員一丸となって保育にあたっています。また設置法人から派遣された「英語教室」「体操教室」「リトミック」などの専門講師による教育プログラムを導入しているほか、園独自の「リズム体操」を実施しています。


【特に優れていると思われる点】
1.心身の成長を促す、全クラスで行う「リズム体操」
  5歳児の担任が、研修会などで習得し、園のプログラムに導入した「リズム体操」は、園の保育の目玉として、発達に伴う動きや速度の差を考慮して0〜5歳児まで年齢に応じて実施しており、2、3歳及び4、5歳の異年齢活動の一つとしても位置付けています。園庭がないため、屋内でこなせる「体力づくり」が目標で、カーテンウォールを開放して広くした、保育室内トラックを子どもたちは、全速力で思い切り走り回っています。


2.保護者との円滑なコミュニケーション
  本年度の事業計画に「保護者とのコミュニケーションを高める」をあげ、日々の送迎時に子どもの様子を必ず伝えることを心がけ、クッキングや製作などの保育の様子を写真に撮り、掲示しています。運営委員会(懇談会)、個人面談、行事後のアンケートなどで、保護者の意向を聞く機会を作っています。今回の保護者アンケートでは、「日々の保育の様子を保護者に情報提供し、体調やケガなどの対応についての連絡が適切である」との回答が9割を超え、日頃の保護者とのコミュニケーションが円滑に行われている様子がうかがわれます。


3.「ミューザ川崎」や「絵本の読み聞かせ会」を通じての地域との連携
  「ミューザ川崎」主催の夏祭りやクリスマスのイベントや、ビルが定期的に行う消防訓練に4、5歳児が参加し、起震車体験や煙体験をし、また、年1回の園の不審者訓練ではミューザ管理センターに不審者役を演じてもらって、協力関係を深めています。また、園は「幸区役所 地域見守り支援センター」発行の「親子読み語りタイム」に日程を掲載して、未就園児対象の「絵本の読み聞かせ」の機会を設け、地域の子育て世代をお誘いし、月1回親子のふれあいや保護者同士のつながりが深まるように支援しています。


【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.保護者向けの事業計画のわかりやすい説明書の作成
事業計画遂行には、保護者の理解と協力が必須で、保護者説明に際しては、より分かりやすい資料の作成、準備を期待いたします。


2.保育室内の収納棚の転倒防止のための工夫を
  園ではリズム体操などを行うため、収納棚やカーテンウォールなどを週に何回も動かして、2、3歳児保育室と4、5歳児保育室を一緒にして、子どもたちが思い切り走り回れる空間を作り出しています。そのため、収納棚には棚のL字型配置金具や床、壁との固定金具、すべり止めなどの安全対策などがなされておりません。安全性向上・転倒防止に向け、何らかの工夫が望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・園では設置法人の運営基本方針「子どもの自主性や自ら伸びようとする力、五感を感じる保育」にそって、園目標の「輝く笑顔 元気な子・あいさつできる子・やる気のある子・かんしゃできる子」を打ち出して職員の行動規範とし、子どもの人権擁護・支援の保育を実践しています。


・昨年度1年間にわたって、「子どもの名前の呼びかた、言葉かけ」について園内研修を行い、子どもに対する職員の言葉遣いなどを職員同士で話合い、否定的な言葉遣いなどをしないよう、注意し合って保育を進めています。


・園では「個人情報管理規程」が備えられ、個人情報の書類は事務室で施錠管理し、個人名の入った書類は園外持ち出しを禁止しています。職員は子どもや保護者のプライバシー保護について入社時研修や階層別研修で学び、入社時に個人情報の取り扱いについて誓約書を提出しています。


・子どもの写真の取り扱いについて、入園前説明会で保護者に「入園のご案内(重要事項説明者)」に沿って説明し、「お子様の写真等の取り扱いにおけるプライバシー保護への配慮について(お願い)」を配布して同意を得ています。


・性差に関しては、無意識の言動について職員同士でチェックしあう仕組みができています。父の日、母の日をなくし、勤労感謝の日として、働く父母に感謝し、子どもたちからプレゼントを渡しています。外国籍の子どもについて、文化や生活習慣の違いは入園時に直接保護者から聞き、情報を得ています。


・虐待予兆発見に関し職員は、登園時に子どもや保護者の様子を気にかけ、子どもの着替えのとき体を観察し発見に努めています。虐待の兆候がみられた場合、職員は園長に、園長は本部に、そして川崎市こども家庭センターに連絡するしくみができています。子どもを傷つける職員の言動があったときは、園長がその場で注意し、使ってよい言葉、悪い言葉を資料にまとめ、園内研修の材料にしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・園は年4回の運営委員会(懇談会)での意見交換や、行事ごとに保護者にアンケートを行い、行事内容や日程などのほか要望や意見を聞いています。保護者との個人面談を年2回開催し、保護者の意向や満足度を把握しています。送迎時には、園長や職員が日常的に保護者に声をかけて保護者とのコミュニケーションを深めています。


・年齢や発達に合わせて玩具や絵本が用意され、子どもたちはいくつかのコーナーで自由に遊んでいます。自由遊び時間は子どもがやりたいことを見つけることができるように、粘土・色鉛筆・クレヨン・折り紙などの素材を用意し、自由に絵を描いたり、折り紙をしたりする環境を整えています。


・夏祭りや運動会、作品展などの行事で子どもの生活に変化をつけ、夏祭りには神輿を担いで子どもたちは日本の文化を体験しています。


・園では食事について、「豊かな人間性を育み、五感を使って味わい、楽しく食べること」をモットーとしています。幼児クラスは当番が盛り付け、配膳をして、今日の食材が体のどの部分になるかを、皆で三色表を見てわかるようになっています。食の細い子どもにはご飯の量を半分から始め、徐々に増やしていって、完食の喜びを味わえるよう工夫をしています。


・職員は、子どもの発達年齢に合わせた自立を支援しています。食事では子どものそれぞれの成長に合わせて、スプーン、フォーク、ハシとステップアップするようにしています。


・トイレットトレーニングは1歳後半から始め、トイレに座り排便を促すことから始めています。


・歯磨きは2歳後半から行い、4歳までは職員が仕上げ磨きを行っています。うがいは2歳から始め、手洗いは手洗いチェッカーを使って洗い方の指導をしています。手洗いの歌、歯磨きの歌などで子どもが関心を持つように工夫しています。


・午睡に関しては、登園時に把握した子どもの体調によっては、早めに入るなど、個々に対応をしています。5歳児は就学に備えて、1月より午睡をなくして過ごせるようにしています。午睡は、強制ではなく、眠くない時は布団の上で横になり、体を休めている子どももいます。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・見学、入園説明に関しては、パンフレット、重要事項説明書を用意し、対応しています。またホームページと園ブログには子どもたちの日々の様子を写真にて掲載しています。見学は原則、希望者の都合に合わせるようにしています。


・入園前説明会では子ども同伴の保護者に対し、園長、本部担当者、栄養士が「入園のしおり」と「入園のご案内(重要事項説明書)」の内容について詳しく説明しています。子どもの心身の状況や生活状況は保護者から提出される「入園時家庭状況表」「健康調査票」「お子さまの状況について」により把握し、入園時面談で聞き取ったことは、面接シートに記入して保育に活かしています。


・保育課程は各年齢別に養護・教育についてクラス担任が関係する職員合議で作成し、園長が全年齢についてまとめています。年齢別の指導計画は保育課程をもとに、クラス担任が担当職員との協議の上作成し、園長が承認して確定しています。


・月案、週案、日案については達成度の評価、振り返り欄を設け、保育の実践に関しては必ず事後の反省、計画見直しを繰り返し対応しています。園長は毎日各クラスを巡回して、指導計画の実施状況を確認しています。


・食物アレルギーについては、川崎市の健康管理委員会と保護者とかかりつけ医との連携で、除去食を提供しています。誤食を回避するため、アレルギーのある子どもの食事は、@前日に園長は、栄養士又は調理士とメニューを確認し、A当日の調理現場で、栄養士など二人の調理職員が確認した後にラップをかけて注意事項を記入し、B調理場から持ち出すときに、担当保育士は調理士または栄養士と一緒に内容を確認し、C保育室での配膳の際にも、名前と除去内容を担当保育士と複数の職員で確認するという段階を経た上で提供しています。また、トレイの色を変え、机を離し、誤食を防止しています。


・内科健診、歯科健診を定期的に実施しており、結果は記録表に記載し、「健康診断結果のお知らせ」と「歯科健康診断のお知らせ」で保護者に具体的な結果が伝わるようになっています。保護者が気になる事は、事前に質問票に記入してもらい、健診の際に嘱託医に質問し、答えるようにしています。


・事故発生対応マニュアルにより、全職員が非常時に対応ができるようにしており「緊急時フローチャート」を事務室内に掲示しています。


・火災や地震を想定した避難訓練を毎月1回実施し、記録しています。通報訓練ではビルの「ミューザ管理センター」や設置法人に、子どもや職員の安否を連絡しています。「ミューザ管理センター」とは連携関係にあり、ビルが行う消防訓練にも4、5歳児が参加し、子どもたちは起震車体験や煙体験をしています。


・毎日、園長・主任は室内遊びなどを点検する「安全チェック記録表(乳児・全体)」や、避難経路への障害物有無などを調べる「自主検査チェック表」に基づいて点検し、記録しています。


・苦情受付窓口として、設置法人本部、第三者委員があることを重要事項説明書に明記しています。園玄関に、園内の苦情受付担当(園長、主任)・苦情解決責任者(設置法人社長)と第三者委員2名の連絡先を掲示しています。保護者の要望や意見を聞く場所として、事務室や相談室、空き保育室を利用しています。

4 地域との交流・連携

・園のホームページで詳細な園情報を提供し、幸区役所にもパンフレットを置くなどして情報を発信しています。また、幸区発行の「子育てマップ」などにも園情報を掲載しています。園が入居している「ミューザ川崎」の通行人が通る2階回廊には、ショーウィンドウがあり、園児の作品が展示されています。


・育児相談の案内を門前に掲示し、地域の子育て世代に門戸を開放しています。年間150件を超える見学者を受け入れ、見学の折には育児相談にのっています。


・園は、毎月1回、未就園児を対象とする「読み聞かせ会」を設けており、地域の親子のふれあいや、保護者同士のつながりが深まるように支援しています。


・園長が幸区認可保育所園長会議や幼保小連絡会議に出席したり、年長児担任が幸区年長児担当者会議や近隣小学校の授業参観に参加したりして、子どもの就学に向けての課題について話し合っています。


・年長児は近隣の保育園児と一緒に幸区開催の「川崎保育まつり」などに参加し、就学前の子ども同士の関係作りに役立たせています。「ミューザ川崎」主催のイベントに子どもたちが参加し、園と地域とのつながりの一助となっています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園では就業規則内に、職員の守るべき服務規律、倫理規律を定め、「保育園業務マニュアル」「個人情報管理規程」には、法令遵守、個人情報の安全管理を規定し、設置法人の入社時研修や園内研修にて周知しています。


・設置法人のコンプライアンス委員会への案内を職員の更衣室に貼りだし、園長はコンプライアンス研修や園長ミーティングで得た情報を職員に説明のうえ、共有し、法令遵守の徹底に努めています。


・設置法人の運営理念「安全・安心、子ども・保護者本位、想い出に残る保育、職場環境の充実」は、設置法人の目指す保育方向を表しています。


・理念・基本方針は職員の入社時研修にて全職員が受講し、全員に周知しています。園長は毎月の職員会議や月6回の昼会議に出席し、討議内容を見て、議論のベースを理念へ立ち戻らせることを働きかけています。


・保護者に対し入園説明会や運営委員会で、理念・基本方針について重要事項説明書で説明し、保護者と読み合わせながら進めるなど工夫をしています。年度初めの全体懇談会では、保護者に新年度の保育課程を手渡し、設置法人理念・園目標に関して重要なポイントを説明しています。


・園では理念・基本方針をふまえて、5年後の園のあるべき姿を長期目標として、それに到達するべく3年間の中期計画を作成しています。


6 職員の資質向上の促進

・設置法人作成の「保育士人材育成ビジョン」に、職員の経験年数や役職に応じて保育士として求められる役割や能力について示しています。


・職員一人一人は年度初めに年間研修計画を立て、中間で見直し、年度末に総括しています。個別研修計画は園長の助言、指導を受けて、前期実績から次期受講研修を見直しながら進めています。


・設置法人には「保育士人材育成ビジョン」から引き出された「自己査定(評価)表」があり、職員は年2回、経験年数、役職にそった自己査定表で自らを査定し、園長面談にて上司査定を仰ぐシステムを行っています。


・研修受講後は必ず報告書を作成、提出し、レポートはファイルして事務室に保管し、誰でも閲覧できるようにしています。必要なテーマについては昼礼や職員会議の場で報告を行い、内容を共有しています。研修報告書は必ず本部へまわるため、本部での研修内容の見直しに寄与しています。


・園長は毎日職員の出勤状況、残業状況などをチェックし、毎月の有給休暇消化率や休憩時間実態、時間外勤務などを把握しています。職員の残業時間などが過剰になりそうなときには、日中の保育シフトを調整して、日中に事務処理ができるように配慮するケースもあります。


・園では将来の保育人材の育成を目指して、積極的に保育実習生を受け入れており、学校の担任が実習中の園を訪問する際には、現在行っている実習内容について話し合っています。

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