かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市俣野保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜市俣野保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 245 - 0066
戸塚区俣野町1403-19
tel:045-852-0308
設立年月日 1976(昭和51)年09月17日
公表年月 2018(平成30)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 横浜市俣野保育園は、1976年9月に開設されました。0歳児から5歳児までの定員100名のところ、現在84名が在籍しています。延長保育と障がいのある子どもの統合保育、地域子育て支援「またの子育てパーク」を実施しています。
 保育園は、JR東海道線または市営地下鉄ブルーライン戸塚駅からバスで25分、ドリームハイツバス停から徒歩2分の閑静な住宅地の中にあります。保育園の向かい側には緑豊かで広大な俣野公園があり、子どもたちは目の前の芝生広場やアスレチック広場で思いっきり体を動かして遊ぶことができます。また、近隣には小学校や高齢者施設、大学などがあり、地域交流も積極的に行われています。


・園の特徴
 園目標 「☆いきいきとあそべる子ども ☆自分で考えられる子ども ☆仲間と育ち合う子ども」を目指して、異年齢保育に力を入れ、子どもの中で子どもが育つ環境をつくっています。また、異年齢活動として、散歩、リズム運動、集団遊び、会食などを取り入れています。園内に大きな畑を設けて季節ごとの野菜を育て、食育活動につなげています。


【特に優れていると思われる点】
1.子ども同士で育ち合う異年齢保育の取り組み
 1、2歳児は1つの保育室で、4、5歳児もパーテーションで区切っているものの、合同で保育を行っています。1、2歳児では、積み木やままごと、砂場での遊びなどの場面、食事や着替え、排泄などの生活の場面で、子どもそれぞれに「やってみたい思い」から「やってみよう」「できた!」達成感を味わっています。4、5歳児では、リズム運動や縄跳び、けん玉、コマ回し、ブロックやラキューなどの組み立て遊び等々で、子どもたち同士で教え合い、学び合って楽しんでいます。また、幼児クラスが乳児クラスの子どもの手を引いて散歩に出かけたり、年長児が乳児や3歳児の午睡の寝かしつけや着替えの手伝いをしています。
異年齢の活動の一つとして、3、4、5歳児で、3人ずつの仲良しグループを作り、毎月、日にちを決めて、卒園までチーム活動が継続していくようにしています。運動会などのイベントでも、チーム単位で行動を共にして、保育園での兄弟姉妹の関係を築いています。


2.子どもの育ちを保護者に伝える工夫
保育園では、毎日の子どもの様子を乳児クラスは個人のノートで、幼児クラスはクラスノートで伝えています。幼児のクラスノートは漢字にルビをふって、遊びや取り組みの様子を色鉛筆で図解して、誰にも分るようにしています。また、日々の写真をクラスに掲示し、日常の子どもたちの姿をビデオに撮って、懇談会で見せて子どもの育ちを共有し合っています。
 さらに、1階の廊下や階段ギャラリーには、1年間の園生活を写真にして掲示し、保護者に知らせるとともに、子どもの成長を確認し合っています。


3.横浜市制定の「よこはまの保育」の真髄を学び合い、保育を振り返る職員集団
  園では、一昨年から全職員(常勤職員、非常勤職員、アルバイト職員、福祉員、調理員)を6グループに分けてプロジェクトチームを作り、「よこはまの保育」を読み合わせ、チームごとに意見を出し合って発表する場を持ち、俣野保育園の保育を振り返っています。また、第三者評価受審にむけて、「第三者評価の手引き」をもとに振り返りに取り組み、さらなる保育の質の向上を目指しています。一昨年から職員の異動が多く重なる時期となったこともあり、職員間の子どもの見方、捉え方、関わり方について、意思一致を図る貴重な機会となっています。


4.地域のニーズに応える多様な子育て支援
 「またの子育てパーク」と称して、園庭・施設開放(そらのへや、おひさまのへや)、育児相談、プール開放、ランチ交流(毎週木曜日、1歳3か月〜、園児といっしょに遊んだあと給食を食べる)、交流保育(5月〜3月12回、どろんこ、またのまつり、リズムあそび、大学のコンサート、運動会、子ども新年会、豆まき、ひなまつり)で園児と一緒に遊ぶ、育児講座(年3回、保健師からの話、お母さんのための講座、ふれあい遊び)、そらいろ文庫(毎週火曜日おはなし会)などの多様な支援を行っています。参加している子どもたちは園児たちの遊びに仲間入りして、のびのびと過ごしています。母親も同年齢の子どもたちの輪の中で、職員と一緒に関わり合っています。
お母さんのための講座では絵葉書を作成、その間、子どもはボランティアの保育士に見てもらい、リラックスできる時間となっています。


【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.乳児の個別指導計画に個別の振り返りの記録ができる書式の定型化を
0〜2歳児のクラスとしての月間指導計画には保育士の振り返りと自己評価欄がありますが、月間個人別指導計画には振り返り・自己評価欄がありません。成長の著しい乳児においても、自己評価を記録に残すことで計画・実践したことの振り返りの確認ができ、さらに次の計画に繋がる書式の定型化が期待されます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・子どもに対しては、せかさないように、わかりやすい言葉で話し、一度にたくさんのことを言わずに、一つずつ伝えています。子どもへの否定的は言葉かけは厳禁とし、保育士間で確認し合っています。


・園長は毎年、横浜市や戸塚区が主催する「人権研修」を受講し、全職員に周知しています。


・玄関の事務所前には、一人静かにクールダウンを図れるソファがあります。1階の地域育児相談室「そらの部屋」には、子どもが潜り込める段ボールの家を作っており、子どもの隠れ家になっています。


・守秘義務の意義や目的、個人情報の取り扱いについて配属時に説明し、年度初めの職員会議で確認し合っています。保護者には入園説明会、懇談会などで、個人情報の取り扱い、適正管理について説明しています。保育園の写真などを園外に出すときには、写っている子どもの保護者には個別に承諾を得ています。


・全職員で「虐待の定義」を確認して虐待に対する意識を高め、園内研修で虐待について学んでいます。


・園では性差別を行わないことを徹底し、男女の色を決めてグループ分けや持ち物の色を男女で分けていません。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・子どもの目線に合わせた低い棚に、名前や写真を表示しておもちゃを置き、子どもが自分で取り出し、片付けができるようにしています。職員は年齢や発達、季節に合わせて入れ替えをしています。


・子どもがじっくりと遊べるよう、子どもの発案で予定を変更するなど柔軟にプログラムの変更をしています。子どもたちの発想を運動会や行事に取り入れています。


・園庭の畑で季節ごとの種々の野菜を自分たちで育てて食べる食育活動を行っています。また、カブトムシの飼育やカメ、金魚の世話をして命あるものの存在に気づき、大切にしています。


・園庭には、広い砂場とプール、古タイヤ、鉄棒、ジャングルジム、滑り台、三輪車など、年齢に応じた遊具を備えています。また、近くの公園を利用して、変化のある地形や環境の中で思いっきり身体を動かして遊べるように配慮しています。0歳児は、室内でハイハイが十分できるスペースを確保しています。


・子ども同士のけんかでは、職員は3歳児には代弁をしながら仲裁し、4、5歳児は自分たちで解決するように、年齢に合った援助をしています。乳児のかみつきなどは、子どもの発達の一過程として保護者に説明しています。


・給食は、その子に合わせて食べられる量を調節したり、食べてみたくなるような雰囲気作りを心がけ、声かけを工夫しています。偏食についても無理強いはせず、家庭と協力しながら少しずつ、克服できるように見守っています。


・子どもたちが園庭の畑で栽培した大根で「切り干し大根」を作り、秋には、「魚の骨を体験する食育」の意味で、調理員による「さんまの調理実演」を催し、旬の物、食材への関心につなげています。


・その日のメニューとサンプルを展示し、保育参加の日に希望者には試食ができるようにしています。


・午睡で眠くならない子どもについては、無理強いをせず、横になって休息を取るように支援しています。乳幼児突然死症候群のリスクが増すことを前提に、うつぶせ寝にはしないことを厳守し、0歳児は5分おき、1、2歳児は10分おきに「ブレスチェック表」に記入しています。


・子ども一人一人の排泄リズム合わせて、トイレ誘導をしています。トイレットトレーニングは保護者の意向も考慮しながら子どもの発達を見極め、個別に対応しています。


3 サービスマネジメントシステムの確立

保育課程は子どもたちの最善の利益を第一義とし、園の基本方針、園目標に沿って作成しています。


・年間指導計画、月間指導計画(0〜2歳児と特に配慮を要する子どもについては月間個別指導計画)、年間食育指導計画、異年齢保育計画、週案を作成し、子どもの様子から汲み取った意思、意見を大切にして、子どもの主体性を育てるようにしています。


・入園説明会には子ども同伴で来園してもらい、全員の保護者と個別面接を行い、0歳児の離乳食やアレルギーなどの気になる子どもについては、調理員も立ち会って面談を行っています。文化や習慣、宗教による違いにも対応しています。


・入園後の子どもの育ちや家庭環境について、「経過記録」に成長・発達を継続的に記録しています。就学前に提出する「保育所児童保育要録」は、入学前の小学校に持参または郵送しています。


・入園のしおりに苦情解決責任者及び苦情受付担当者は園長であること、苦情解決第三者委員2名の名前と連絡先を記載し、保護者に説明しています。


・健康管理マニュアルが整備されており、入園時に保護者に「児童健康台帳」を提出してもらっています。健康診断、歯科健診の結果を記録しています。


・感染症マニュアルは看護師の助言のもと随時更新し、保護者には、「登園停止の決まり」や再登園の際の「登園許可証明書」や「登園届」などの必要手続きについて説明しています。


・衛生管理マニュアルは、横浜市版、戸塚区版をもとにして、園独自のマニュアルと清掃チェック表を作成しています。


・災害対応マニュアルにより全職員は、火災、地震などの災害に対して通報、避難場所への誘導など避難訓練を実施して、対応方法を周知しています。警備会社と契約し、防犯対策を図っています。また、警報訓練も実施しています。

4 地域との交流・連携

・園では「園庭施設開放」「プール開放」「交流事業」「育児講座」「ランチ交流」「そらいろ文庫」「園文庫開放」などを行い、地域にも出向いて、「出前保育」「育児相談」などの支援をしています。


・園は、戸塚区役所こども家庭支援課・保健師、横浜市南部児童相談所、横浜市戸塚地域療育センター、地域の民生委員と連携して保育を行っています。


・運動会や正月遊び、節分などの行事に地域の方を招待しています。俣野公園では、毎年、七夕飾りを作ったり、公園内の樹木にネームプレートを付ける手伝いをしています。


・幼保小教育交流事業に参加し、年長児は1月末頃小学校の招待を受けています。
また、4、5歳児は年に2回、老人施設うらら、天王森の郷を訪問して、運動会の出し物を披露したり手作りのプレゼントを手渡しています。近くの薬科大学の吹奏楽部には、保育園でコンサートを開いてもらっています。


・縫い物ボランティアとして地域の高齢者、中高生の夏休み体験ボランティアを受け入れています。実習生として大学生、専門学校生を受け入れています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・保育理念や保育方針について、職員は年初めに、戸塚区長、福祉保健センターこども家庭支援課担当課長、園長より説明を受けています。また、園内研修で「よこはまの保育」を読み合わせ、確認し合っています。

・園長は、毎月発行の「園だより」の冒頭に園目標を記載し、職員と保護者にアピールしています。月一度、職員会議のときに園長と職員は保育理念・保育方針・園目標を復唱しています。

・職員は横浜市コンプライアンス研修を受講しています。また、新聞等で報道される他施設の不正、不適切な事案を題材に職員会議やミーティングで話し合い、文書を回覧して、不適切な行為を行わないように意識を高めています。


・運営面での重要な改善課題については、リーダー会議、職員会議で検討を重ね、保育園全体の取り組みとしています。


・保育課程には「おおむね2歳から保育士と一緒にゴミ分別をする、おおむね4歳から身の回りの資源を大切に使う、ゴミ分別を理解し行う」などのエコ活動の取り組みを明記して実践しています。


・玄関横に雨水タンクを設置して雨水を貯留し、草花の水やりなどに利用しています。園庭の落ち葉で腐葉土を作って、畑や花壇で利用しています。廃材を利用して段ボールのおうちやペットボトルの遊び道具、牛乳パックの収納ケースを作ったりしています。

6 職員の資質向上の促進

・「横浜市人材育成ビジョン」があり、職員の経験年数による目標を明確に示しています。職員は、毎年人事考課制度の中で自己評価を行い、課題を明確にして目標を定めています。園長は職員の個人面談で、達成度について職員にフィードバックしています。


・研修一覧を年度初めに職員に提示し、本人の希望や園長の勧めにより研修を受講しています。職員は受講記録を作成し研修資料とともに職員全員に回覧して、職員会議で報告しています。重要事項は園内研修で、全職員が共有しています。


・内部研修として、一昨年から全職員を6グループに分かれてプロジェクトチームを作り、「よこはまの保育」を読み合わせ、意見を出し合って俣野保育園の保育を振り返っています。福祉員やアルバイト職員は、アルバイト・福祉員会議時にテーマを決めて研修を行っています。


・年間指導計画や月間指導計画、保育日誌、特に配慮を要する3歳児以上の個別指導計画には、自己評価欄があり、自己評価は指導計画のねらい、配慮事項に対して、振り返りをしています。


・職員は毎年年度末に自己評価をしています。職員の自己評価や保護者アンケートをもとにして、職員会議で園の自己評価に取り組み、次年度の課題・改善を明記した「保育所の自己評価」を保護者に公表、配布しています。

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