かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

日吉みんなの保育園(2回目受審)

対象事業所名 日吉みんなの保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 特定非営利活動法人 こぶしの会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 223 - 0061
港北区日吉2-9-6
tel:045-561-6041
設立年月日 2008(平成20)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 昭和48年に保護者・職員・地域の共同運営で「下田共同保育所」としてスタートした園は、その後、横浜保育室を経て、平成20年4月に横浜市認可保育所「日吉みんなの保育園」として開園しています。平成25年4月には近隣ビルの1階に分園(0、1歳児クラスの保育)を開設し、在籍48名(定員48名)の保育園になりました。平成29年4月に姉妹園である「下田みんなの保育園」を開園しています。設置法人は、特定非営利活動法人こぶしの会です。園は、東急東横線日吉駅から商店街を徒歩数分の利便性の良い、バス通りに面しています。
・園の特徴
園庭がありませんが、子どもたちは毎日公園や緑道に出かけます。地域を知ったり、探索活動、季節の移り変わりを楽しめるよう散歩コースをたくさん用意しています。園では基本的に布おむつを使用しています。おむつが濡れた時の不快な感覚を子どもは知ることができます。
 食事のへのこだわりとして、地域の信頼のおける商店から届く国産の食材の持つおいしさを生かすため、だしは煮干しやかつお節などからひき、薄味を心がけています。
 外部の専門講師によるアトリエ(絵画)教室、歌の教室、習字活動が定期的にあり、子どもたちは表現活動を楽しんでいます。


【特に優れていると思われる点】
1.日々の積極的な園外活動と健康増進
 園庭がありませんが、商店街、駅、大学構内、田んぼなど園周辺の環境に関心を持ちながら歩いたり、開花、新緑、実りや紅葉、冬の裸木など季節の移り変わりを楽しめるように、散歩コースをたくさん用意しており、雨が降らなければ毎日園外活動に出かけています。大学の馬術部に馬を見に行ったり、バッタやダンゴムシなど探したりすることも子どもたちのお気に入りです。また、公園の固定遊具遊びのほか、大学構内の歩道や地域の緑道でのかけっこ、土手や石垣登り、夏の時期の水遊び、プールなど健康増進の工夫も活動に取り入れています。

2.「子どもをまんなか」にする保育の実践
 保育方針の中に「子どもをまんなかに」という言葉があり、職員は「子どもにとってどうか」ということを常に考えています。事例として苦手な献立を食べきれなかった場合も「次は頑張る」という子どもの前向きな発言や、職員が描いた絵を子どもの誰がもらうかで子ども同士相談した結果「誰かがもらうともらえない子が出るから」と職員に返したエピソード、恒例となっている5歳児クラスの運動会の出し物「龍舞」にあこがれ、4歳児クラスから「自分たちもやりたい」との思いを受け止め、今年度は一緒に取り組んでいます。職員は、子どもたちの頑張り、思いやり、育ちあっている姿を指導計画や今年度より取り組んでいる実践記録に丁寧に残すなど、保育の実践に努めています。

3. 共同運営時代からの保護者との交流連携
 保護者会とは保護者向けのアンケート実施およびまとめ、子どもたちの遠足の企画、園行事の保護者協力のための事前アンケートなど、園運営のサポートに協力しています。毎月発行している園だより「みんなのこどもたち」では全クラスの保育の様子を知ることができます。4月号は全園児の自己紹介文(保護者記載)を載せています。保護者と協力連携し、子どもの育ちを見守ってきた歴史とともに、保育理念の「保護者・地域・職員が子どもと共に育ちあう」ために取り組んでいることがうかがえます。


【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.園の方向性のさらに明確化するための中長期計画
 分園拡張などを位置付けた中期計画と、園庭付きの本園の設立を示した長期計画を策定しています。今後も地域情勢や保育園に求められる支援ニーズの把握に努めながら中長期計画内に取り入れていかれることが期待されます。併せて園の進む方向をさらに明確にするため、中長期計画の定期的な進捗状況確認の機会をもつことも期待されます。
2.整理整頓や落下防止策など安全対策の工夫
     保育室や廊下の棚は、転倒防止の器具や、ひもで縛って固定をしており、転倒防止など対策を講じています。しかし、上に積み重ねたものが落ちてくる可能性がありますので、整理整頓と落下防止策を講じられることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念は「子どもの人権を守る」「保護者・地域・職員が子どもと共に育ちあう」で、方針は「職員と家庭が子どもをまんなかに話し合って保育を進める」「職員は子どもの一人ひとりを理解し、楽しく園生活を送れるように援助する」としています。園目標は「自分のことが好きな子」「元気で意欲的な子」「自分で考え行動できる子」に育つこととし、保育にあたっています。園長は、理念や方針に基づいて、「子どもにとってどうなのか」を常に考え保育をするよう職員に話をし、職員は実践につなげています。

・職員は、穏やかで優しい言葉かけをしています。子どもが約束事を守れなかった時は注意をしますが、素直な「ごめんなさい」のほか、子どもに「なんでこうなったのかな」など問いかけながら、子どもの訴えや気持ちをしっかりと受け止めるよう努めています。

・守秘義務、個人情報の取り扱いについては、運営規定と、「個人情報保護方針」に定めています。実習生・ボランティアを受け入れる際にも説明をしています。保護者には入園時の説明や、必要に応じてその都度確認をしています。個人情報に関わる書類は、事務室の鍵のかかる文書戸棚に保管管理をしています。

・「自己評価表(自己チェックリスト)」の項目内において性差による先入観について確認しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保育理念、基本方針、目標に基づいた保育を実践するために、それらを保育課程に明記しています。保育課程に基づいた年間指導計画から月間指導計画、週案を作成しています。職員は月2回の職員会議での話し合いや、振り返りの時間を設け、子どもの様子を共有し、保育に活かしています。
・0〜2歳児クラスは個別の指導計画を作成し、一人一人の発達に合わせ、丁寧に関わっていこうとしています。月2回の職員会議で情報を共有し、意見交換を行い柔軟に変更・見直しを行っています。保護者には、園での工夫点を交えながら子どもの状況に合わせて説明し、同意を得ています。
・保育内容の遊びでは、子どもの年齢、発達に応じたおもちゃ、教材、絵本を用意しています。子どもたちは毎日公園や緑道に出かけます。地域を知ったり、探索活動、季節の移り変わりを楽しめるよう散歩コースをたくさん用意しています。公園の固定遊具遊びのほか、大学構内の歩道や地域の緑道でのかけっこ、土手登り、石垣登り、夏の時期の水遊び、プールなど健康増進の工夫も活動に取り入れています。
・食事、排泄、睡眠については一人一人の発達状況・健康状態や生活パターンを把握・考慮しながら、保護者と連携を取り、家庭との連続性を心がけています。食事のへのこだわりとして、地域の信頼のおける商店から届く国産の食材の持つおいしさを生かすため、薄味を心がけ、だしは煮干しやかつお節などからひいています。食育として健康、栽培、調理などに関心が持てるようにしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園時に把握した生育歴を始め、入園後の子どもの成長発達記録は、児童簿、問診票、心身の発達記録に記録し、個別にファイルしています。0〜2歳児は毎月、3〜5歳児は期ごとに発達状況を確認しています。記録内容は事務室の文書戸棚に保管し、全職員が共有できるようにしています。進級時には、「申し送り表」を作成し、新旧の担任で丁寧な申し送りを行っています。

・職員は、発達支援、虐待、アレルギー、外国籍など配慮が必要な子どもの様子については職員会議で報告、話し合い、記録を残しています。配慮が必要な子どもの保育について研修など職員間で学んでおり、すべての職員が同じ認識を持って保育にあたれる体制があります。

・意見箱の設置、懇談会、個人面談、保護者会組織など保護者から意見や要望を聞く機会があります。「苦情処理関係」ファイルは、メモシート、個人的な手紙、日々の連絡帳に寄せられた意見のコピー、申し出書などさまざまあります。意見要望に対しては、個別対応のほか、園だよりでのフィードバックもあり、データを蓄積・整理し、解決に活かそうと努めています。

・健康管理・衛生管理・安全管理などに関する各マニュアルを整備し、マニュアルに基づいた対応や訓練を行っています。マニュアルは、全職員が参加の全体会議に毎年読み合わせと検討をしています。行政、医療機関、児童相談所など必要な関係機関・地域の団体の連絡先を把握しています。



4 地域との交流・連携

・一時保育は毎週月曜日に1、2名受け入れています。毎月第2土曜日には園主催の子育て支援事業「遊ぼう会」を実施しています。年8回開催される、港北区の0歳児地域育児教室「赤ちゃん会」には主に園長が赴いています。園の栄養士による定期的な食育の学習会のほか、交流保育では、外部講師を招いてダンスや歌を楽しむ会、歯に関する勉強会など行っています。絵本の学習会では、作家が短い言葉一つ一つに込めた思い、編集者の絵本編集に関するこだわりなどを聞く貴重な機会になっています。

・町内会に入会し、第三者委員は副会長にお願いをしています。散歩など園外活動時は、地域の人々に挨拶をしたり、遊びに来ていた親子連れに、園児が遊び道具を貸してあげたりと地域の人と自然な関係を築いています。お泊り保育やクッキングの材料を商店に子どもと一緒に買いに行っています。毎年のハロウィン行事では、4、5歳児が仮装をして近くの商店街を歩き、お菓子をもらっています。

・ホームページにて提供サービス、保育内容、子育てアドバイスなどの情報を定期的に発信しています。園のパンフレットは、わくわく子育て広場など、地域との交流時に持っていき配布するとともに、遊ぼう会の来園者へも配布しています。NPO法人びーのびーの発行の「びーのびーの幼稚園と保育園ガイド」に園の情報を毎年提供しています。


5 運営上の透明性の確保と継続性

・週案の「週の振り返り」と「保育反省」や、年間指導計画の「自己評価」は、園の保育理念・保育目標・保育方針の視点をもって記載をしています。事業所独自の「自己評価(自己チェックリスト)」中には、保育の理念や基本方針、保育課程について問う項目も設けられています。

・運営規定にて、差別や虐待、個人情報保護など、法や規範、倫理などを明文化しています。運営規定は、入職時に説明するとともに配付し、周知しています。

・経営、運営、保育に関する社会情勢などの情報は、職員会議の社会情勢を毎回伝達する「情勢」の際に伝えられているほか、労働組合との交渉の場においても公開しています。決算については園のホームページにて公開をしています。

・生ごみはコンポストを利用して堆肥にし、野菜作りに利用しています。園内に「いつでもバザー」コーナーがあり、古着のリユース品を100円で販売しています。使用しなくなった絵本などを、陸前高田の図書館に寄付しています。

6 職員の資質向上の促進

・次代の施設運営に備え、姉妹園開設にあたっての園長候補について、当時の主任を副園長とし、園長とともに園長業務や、会議、他園への情報交換のための訪問に同行してもらい、園長としての資質を磨いてもらうなど、計画的に後継者を育成しています。

・職員の経験年数や職位に合わせた園の特色に応じたキャリアパスを構築し、習熟度に応じた役割を期待水準として明文化しています。

・経験年数やスキルに合わせた個別の研修計画の書式があり、進捗状況の確認ができるようになっています。

 ・年間指導計画、月間指導計画、週案・保育日誌があり、書式が定型化されています。年間指導計画(期ごと)・月間指導計画に自己評価の欄があります。子どもの様子、取り組む姿を書くように努めています。見直し後、次の指導計画に反映しています。振り返りから気づいた課題は職員会議で話し合っています。


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