かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

うみのくに保育園きくな

対象事業所名 うみのくに保育園きくな
経営主体(法人等) 株式会社 空のはね
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 222 - 0011
港北区菊名7-5-36
tel:045-877-4284
設立年月日 2014(平成26)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 うみのくに保育園きくなは、東急東横線、JR横浜線「菊名」駅から徒歩8分程のところにあり、株式会社空のはねが運営する、産休明けから就学前までの定員66名の保育園です。周囲はマンションや戸建住宅が並び、公園も多い閑静な地域です。平成26年4月開所で、延長保育、障がい児保育、一時保育、休日保育などを実施しています。開所時間は、平日と土曜は7時から21時30分、日曜祝日は7時30分から18時30分で、日曜祝日は延長保育は実施していません。休園日は、年末年始12月29日から1月3日です。園は、「つながる保育」「寄り添う保育」の2つを大切にしています。家庭と保育園がつながって幼い気持ちに寄り添い、家庭的な雰囲気の中で日々の活動と成長がつながって、子どもたちは明るく元気に活動しています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○年間献立、「食育だより」など、食事に関する情報提供が充実しています
 園では年間の献立表を作成し、保護者に配付しています。献立表には、献立名、材料名、おやつのほか、参考にエネルギー、たんぱく質、脂質、食物繊維の量も示されています。保護者は、これによって年間を通じて、旬の食材や行事食などを意識することができ、家庭における食事作りの参考になっています。また、毎月「食育だより」を発行し、旬の食材や食事風景を写真などで示し、わかりやすいコメントと見やすいレイアウトで情報提供に努めています。アンケートの自由記述でも、「食育だよりが充実している」という意見もあり、園が大切にしていることを保護者も理解していることがうかがえます。


○保育方針の「寄り添う保育」実現を目ざし、理念に沿った保育が行われるよう話し合い、保育実践に生かしています
 保育方針「寄り添う保育」の実現を目ざし、「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」などを定めた子どもの権利条約を職員会議で学び話し合っています。また、毎月一回、全職員による「保育の質向上委員会」で、理念に沿った保育が行われるように話し合っています。保護者から見た良い保育士についてや、子どもへの声のかけ方などを継続的に学び合い、現場の保育に生かしています。また、系列園の保育を相互に経験して学び合い、自園で保育実践に生かすという学びの活動に参加し、ほかの園から学んできた手作りおもちゃや環境設定を園で実践しています。


○保護者や地域にとって、なくてはならない頼れる保育園です
 園は、7時から21時30分までの長時間の保育を行っており、「寄り添う保育」「つながる保育」の保育方針に沿った保育体制を整えています。近年の不規則な勤務形態など保護者をめぐる労働環境に配慮し、朝ゆっくりの登園や急な延長保育にも快く対応するなど、子育てや就労などの個々の事情に配慮しています。また、土曜、日曜、祝日の保育や一時保育など、子どもを預ける場所に困っている地域の子育て家庭にとって、地域や保護者にとってなくてはならない頼れる保育園です。


《事業者が課題としている点》
 子どもの安全と、園の方針や理念の実現のため、保育体制の見直しを第一の課題としています。特に、シフトで定められた時間内に業務を遂行できるよう、職員の勤務体制を整えたいと考えています。
 このほか、保育士の質向上や、施設設備やおもちゃの充実、衛生管理、障がいのある子どもへの対応、個々の子どもへの対応、年齢に応じた保育、地域の子育て支援などを、課題と捉えています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  園では、「こどもたちの発育やきもちに寄り添う保育、ご家庭と地域がつながる保育を提供します。保護者のみなさんと一緒におこさまの健やかな成長を支えます。家庭のようにのんびりと過ごし、長時間利用の園児に配慮します。園児の子育てについて、保護者の方と一緒に考え、一緒に悩み、ひとりひとりの子育てを支援します」を保育方針としています。職員は理念、基本方針、園目標を意識して保育にあたっています。年度初めに園内研修で、全職員で保育理念の読み合わせを行い、話し合う時間を持って共通理解を図っています。入職時には、法人の代表から理念や保育の基本方針などについて説明があり、理解を促しています。
 園では内部研修として毎月「保育の質向上シート」を使用し、保育士間の評価、反省を行っています。その中で子どもの人権を勉強し、子ども一人一人を大切にすることを心がけて保育を行っています。園では「一人一人の発達や個人差やそれぞれが感じる気持ちに寄り添う保育」を目ざしています。保育士は子どものことを呼び捨てにせず、「○○ちゃん、○○くん」と呼び、常に落ち着いた優しい声で話しかけています。また、保育中、子どもをせかしたり強制したりする言葉は使用せず、子どもの気持ちをくむよう心がけて保育にあたっています。子ども同士のトラブルの際には、それぞれの話にゆっくり耳を傾け、子どもたち自身で解決できるように対応しています。
 保育室を仕切り、各ユニットで使用しています。ユニット内はついたてや本棚などを利用して、子どもたちが落ち着いて過ごすことができるように設定しています。また、ランチルームなど、人目を気にせず保育士と一対一で話し合える空間があります。トラブルなどで気持ちが落ち着かずに泣いてしまった子どもは、事務室でひと休みし、落ち着いてから保育室に向かえるように配慮しています。子どもと一対一で話し合う必要が生じたときなどは、子どもの自尊心やプライバシーに配慮して、事務室やランチルームなども使用し、一人でいられる時間や安心して過ごせる環境を作るようにしています。その場にいる子どもに対して、職員は必要に応じて声かけをして、様子を見守っています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供   保育課程は子どもの健やかな発達のために養護と教育のねらいを定め、子どもの年齢や発達に応じて生命の保持、情緒の安定、健康、人間関係などについての細かな項目でまとめられ、子どもの最善の利益を考慮した内容となっています。また、園の理念や保育方針、保育目標などが明記されています。さらに子どもを取り巻く家庭環境や園の周囲の環境、地域の実態などが反映されています。保護者には、入園の契約時に代表より理念、保育方針、保育目標について説明しています。さらなる保育サービスの向上を目ざし、法人代表、施設長、主任などで保育課程の見直しをしています。保護者には年度途中で改定があれば、そのつど説明しています。
 入園説明会の後で個人面談をして、契約時には重要事項説明書や契約書などで、園の保育理念やサービス内容、料金などについて説明し、同意を得ています。また、保護者に記入してもらった児童票や利用時健診票、パーソナルカードを基に、子どもの状態や保護者の意向を聞き、面談記録に追記しています。保護者に、子どもの生育歴や家庭の状況などを児童家庭生活調査票に記入してもらい、入園説明会の際には、子どもたちが遊んでいる様子もよく観察しています。入園説明会に参加できない場合や途中入園の場合は、別途個別に面談を行います。また、保護者から要望があれば随時面談を行っています。入園時に把握する子どもの情報については、職員会議などで共有し、記録類は事務室で保管しています。
 年間指導計画や月間指導計画は保育課程に基づき、年齢ごとの子どもの成長、発達を考慮しながら作成しています。園では1歳児から5歳児まで、日常的にユニットと呼ばれるグループで、食事など異年齢での縦割り保育を行っています。指導計画は、ユニットのリーダーが中心となって、ほかの保育士の意見も取り入れながら作成し、施設長、主任のチェックを経て決定し、職員会議で全職員に周知しています。計画には自己評価欄を設けて、担当保育士は職員会議で施設長や主任からアドバイスをもらいながら振り返りを行い、次の計画につなげています。また、保育士は日ごろから保護者の意向をくみ取る努力をしていて、できる範囲で計画に反映させるよう努めています。

3 サービスマネジメントシステムの確立  保護者の就労状況に配慮していますが、子どもの情緒面と健康面を考慮して、子どものストレス軽減のために慣れ保育(短縮保育)を勧めています。慣れ保育の時間や期間は、保護者と相談して決めています。子どもの心のよりどころとなる、家で遊び慣れたお気に入りのおもちゃやぬいぐるみ、タオルなどの持ち込みを認めて、子どもの不安を軽減するよう努めています。また、ユニット制を取り入れて、1歳児から5歳児まで担任が決まっています。0歳児も可能な限り同じ保育士が受け入れをするように努めています。保護者との日々の情報交換については、送迎時の会話のほか、連絡ノートを使用して行っています。また、進級の際には子どもの引き継ぎを細かく行うなど、在園している子どもたちが不安を感じないで園生活を楽しめるように配慮しています。
 子どもの成長が具体的にわかるように、発育チェックシートを使用し、個人経過記録に健康や言語などの項目ごとに成長過程を記録しています。入園時には、保護者が提出した児童票、パーソナルカード、利用時健診票などをもとに、個人記録を作成しファイルしています。個人経過記録や児童票など、個別の記録は事務室の扉のあるキャビネットに保管し、全職員が情報共有できるようにしています。重要な申し送り事項など業務を引き継ぐ際は、ユニットごとに引き継ぎを行うようにしています。毎月1回の月案会議において、子どもの様子を報告し合うことで、全職員で情報共有に取り組んでいます。
 特別な配慮を必要とする子どもの受け入れに際し、個別のケースについては月案会議や職員会議で話し合うほか、必要時には主任や担任が保護者と個人面談を行っています。なお、対象となる子どもについては、それぞれユニットごとに週案の配慮欄などに記録をしています。職員は内部や外部の研修に参加し、報告書を作成し、職員間で回覧するとともに会議やミーティングで内容を共有しています。必要に応じて書面をコピーし、一人一人に配付することもあります。なお、各種会議の記録、指導計画、日誌などは、必要に応じていつでも閲覧できるように事務室のキャビネットに保管しています。

4 地域との交流・連携   在園している子どもの保護者や、園の見学者、行事の挨拶に行った際の近所の方などの声から、年末年始休日保育など、地域の福祉ニーズを把握しています。園庭開放を月2回、地域の子育て家庭が園の子どもと一緒にダンスなどを楽しむ「参加型保育」(交流保育)を毎月1回3組限定で実施し、地域の子育てニーズに応えていますが、これらの取り組みの中でも地域の子育て家庭の要望を把握しています。見学者に対し、食事や排泄など育児についての相談も行っています。施設長は港北区の公立私立合同園長会や私立園長会に参加し、地域の子育て支援策の充実に協働して取り組んでいます。
 園では年度事業計画を検討する際の職員会議で、把握した地域の子育て支援ニーズについて話し合い、一時保育、参加型保育、園庭開放などを具体化しています。それらをもとに、地域子育て支援として月2回の園庭開放、一時保育、月1回の参加型保育などに取り組んでいます。また園では、音楽や体操、英語などの外部講師を招いての保育の際にも、地域の子どもと園の子どもが一緒に受ける講座を、地域の親子3組限定で実施しています。港北区主催のわくわく子育て広場では、地域の子育て家庭を対象にして、手作りおもちゃの育児講習を実施しています。
 地域の保護者からの相談に対応できるよう、港北区こども家庭支援課や児童相談所、横浜市総合リハビリテーションセンター、嘱託医など、関係機関や地域の団体をリスト化し、職員会議で報告し情報を共有しています。それらの地域関係機関とは、施設長と事務担当職員が担当者になって日常的に連絡を取り合うなど、いつでも連絡が取れる仕組みになっています。港北区こども家庭支援課の保健師からは地域支援などさまざまな情報の提供があり、園からは業務運営の相談をするなど、日常的に連携しています。また、地域の子どもへのさまざまな支援の方法や虐待防止について、連携して対応しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  園のホームページにより、将来の利用者に園の情報を提供しています。ホームページには入園説明会、給食、持ち物、異年齢保育、保育時間、定員、職員体制、平面図、地域子育て支援などの内容を掲載しています。このほか、港北区や横浜市にも園情報を提供したり、リンクが張られており、横浜市のホームページでも園の情報を見ることができます。見学者には園のリーフレットを渡し、園の考え方や保育内容、職員体制、一時保育の料金などを詳しく説明しています。わくわく子育て広場でもパネルや園のリーフレットを置かせてもらい、園の保育内容についての情報を地域の方々に提供しています。
 園の見学には常時対応できるように、施設長と事務担当職員が対応しています。電話や直接来訪しての見学について問い合わせがあった際には、随時受け付け、園の開所時間7時から21時30分であれば、保育に支障をきたさない範囲で、土曜日、日曜日も含め見学希望者の都合の良い曜日、時間に合わせて園内を案内しています。見学者には、園のリーフレットに基づいて案内して説明し、リーフレットに掲載されていないことや、質疑に応じ、ていねいに説明しています。見学者は見学者名簿に記録し、見学の際に受けた質問などは園の運営に生かせるようにしています。
 保育士は自己評価に基づき指導計画の評価・反省の状況を話し合い、翌月の指導計画を見直し、翌年度の方針につなげています。また「保護者から見た良い保育士とは」など毎月保育の質向上委員会で話し合ったり、保育の自己評価の結果から、環境設定の見直しや、4歳児と5歳児の年齢別保育の充実を課題とするなど改善に取り組んでいます。園の自己評価は、保育の計画・保育目標、職員間のコミュニケーションなど経営・組織の課題、研修、保育技術などの視点から具体的な保育内容を65項目設定し、各項目につき4段階の評価を行っています。これをユニットごとに評価し、それらをもとに園の自己評価を実施し、結果は、玄関に貼り出す方法で公表しています。
6 職員の資質向上の促進  職員の採用は法人で行い、園に配属されます。保育士は国の基準より多く配置し、必要な人材を確保しています。本人の希望、経験などを考慮して適材適所の人員配置に取り組んでいます。研修は、理念や保育目標実践の視点から全職員対象の年間研修計画を施設長が作成しています。全職員を対象にした法人による経験年数別の研修も行われています。職員は年度途中に、職場のルール遵守、責任感、ビジネスマナー、チームワークなどを視点にした自己評価を行い、これに基づき、法人担当者による職員面接を行い、達成度を評価しています。
 研修担当者は施設長です。園外研修では、保育の質向上、感染症、リスクマネジメント、カウンセリング、発達障害、新保育所保育指針など多彩な研修に、常勤職員は全員が参加しています。法人研修では、子どもの権利擁護やチームビルディング、事故防止などの研修が行われています。研修受講後には研修報告書を提出し、職員会議や研修報告会で報告し情報共有しています。研修報告書は、職員会議に参加できない職員のために、全職員に回覧しています。園内研修では嘔吐処理などを行い、非常勤職員も全員参加できるようになっています。研修報告書や研修受講後の職員の変化を踏まえ、乳児・幼児保育についてや障がいのある子どもについての研修を厚くするなど、施設長が研修内容の見直しを行っています。
 朝や帰りなどの毎日実施すべきことや、休日保育、清掃、おむつ、プール、散歩、事故防止、嘔吐処理などのマニュアルを、発行のつど、非常勤職員にも配付しています。園はユニット制をとっており、ユニットの責任者にはすべて常勤職員を配置したうえで、非常勤職員を各ユニットに配置しています。非常勤職員への通常の指導はユニットの責任者が行いますが、別途施設長が担当者となり、日々の園内巡回で指導を行うほか、折を見て日ごろの悩みの相談にのり、非常勤職員が働きやすい環境となるよう配慮しています。

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