かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

わかさと保育園

対象事業所名 わかさと保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 若里
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 223 - 0053
港北区綱島西6-3-13-1F
tel:045-546-0551
設立年月日 2016(平成28)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【立地面での特色】
●わかさと保育園の立地・概要
・わかさと保育園は、横浜市営地下鉄グリーンライン「日吉本町」駅から徒歩約10分、東急東横線「綱島」駅からは約15分であり、東急東横線及び綱島街道から丘1つ超えた高田寄りに位置しています。周辺は、横浜市営地下鉄グリーンライン日吉本町駅が開通して交通の利便性が良くなり、大きな綱島公園や一級河川の鶴見川等、市民の憩いの場所として自然の多い環境にも恵まれています。また、慶応義塾大学の付属中学校(中等部、普通部)や、地域ケアプラザ、スーパー、新興団地等、発展が大きく進み、わかさと保育園の位置する地域も開発が進んでいます。


●わかさと保育園の保育の方針
・わかさと保育園は平成28年4月に設立し、運営母体は社会福祉法人若里(以下、法人)です。法人は、昭和2年から福井県大飯郡おおい町で託児所、保育園を運営・実施を行い、80年以上の歴史と運営実績のある法人です。法人としては横浜への展開は初めてですが、園長は、横浜の法人関連の保育園で経験を有し、都市型の保育園として開設しました。
わかさと保育園の保育理念は、「保育に欠ける子どもを心身ともに健やかに保育すること」であり、理念に基づいた保育目標として、「強い子 元気な子」を掲げ、保育方針は「様々な関わりを通して感性を磨き、可能性を伸ばすこと」に置き、日々保育にあたっています。園舎は、マンションの1階を活用し、園舎に沿った敷地に園庭を設け、戸外遊具も設置し、日の当たる下で低年齢の子どもたちは元気に遊んでいます。幼児は、思いっきり体が動かして遊べるよう、近隣の公園や文化施設を活用し、伸び伸びと遊ぶ機会を設けています。わかさと保育園では、特徴の1つとして、各保育室は必要最小限の広さを確保して効率良く設備を整え、さらに、限られた空間の中に大きな遊戯室(プレイルーム)を設置してダイナミックに活用しています。遊戯室(プレイルーム)では基本的に異年齢の活動を中心に行い、雨天でも室内で十分身体を動かせる体制を整え、理念、保育目標に沿った保育を実践しています。


【特に良いと思う点】
1.マニュアルに基づいた保育園
わかさと保育園では、「WAKASATO NURSERY SCHOOLマニュアル」に基づき、保育の実施の標準化を目指しています。マニュアルは全職員に配布し、折に触れて確認し合いながら保育を進めています。マニュアルには理念、方針、目標を明示し、入園説明会の手順・対応、障害児保育の指針・取り組み方、虐待早期発見についてや、コンプライアンス等の規制・法規等に関する事項、人権・男女共同参画社会等の考え方などが広く網羅して整備されています。また、マニュアルに基づいて各項ごとに園内研修を実施し、全職員で再確認及び、共通認識を図っています。特に、保育歴の浅い保育士に対しては短期戦力に導く有効性の高いマニュアルであり、園全体の体制の整備に強化が図られています。


2.遊戯室(プレイルーム)の活用
わかさと保育園の特徴とする点に、大きな遊戯室(プレイルーム)の設定にあります。限られたスペースに遊戯室(プレイルーム)を設け、異年齢活動の基本的な活用に加え、雨天における室内でも十分に体を動かせることができるようにし、体力増強にも大いに活用する等、ダイナミックな保育を展開しています。遊戯室(プレイルーム)では、4歳、5歳児が体いっぱい、全スペースを使って大きな遊びを行い、2歳、3歳児では一人一人が思いのまま自由に走ったり、友達と伸び伸びと遊び、0歳、1歳児は自分でコントロールできない遊びの中、個々に遊びに関心を向け、大きな子に付いて歩いたり玩具で遊んでいます。遊戯室(プレイルーム)には、コーナーが8の字型や、「×」の記号、四角い形の様々な形態で工夫され、有機的に活用されており、子どもたちは想像逞しく遊んでいます。また、保育士の適切な配置の下、子どもの安全を確保し、異年齢での活動中は上の子どもは下の子に配慮し、保育士は幼児の気持に配慮を行う等、遊戯室(プレイルーム)ではバランスよく融合を図った見事な体制が作り上げられています。


3.重点的な園内研修
わかさと保育園では、園内研修に力を入れ、「WAKASATO NURSERY SCHOOLマニュアル」に基づく研修と共に、大局的テーマを設けて検討を実施し、保育に生かしています。設立2年目に応じたテーマとして、「良い保育園ってどういう保育園?」、「私が作る保育園はこういう感じ!」等、職員一人一人が考え、チームで検討し、年度末にチームで発表を実施する取り組みを行っています。設定テーマでの研修時間の確保については、各チームで自主的に計画をして進めています。検討プロセスを通して、職員各自が新しい園を自分たちで創っていく、という意欲が育まれ、今後の園作りに大きく期待されます。


【さらなる期待がされる点】
1. さらなる職員の質の向上
わかさと保育園では研修に力を入れて質の向上に取り組んでいますが、開園2年目にして職員のレベルは他園に比し急速に成長していることは十分に理解でき、良い保育が行われていました。しかし、わかさと保育園での経験年数において、主たる業務は遂行できると思いますが、突発的な事象への対処には経験値が必要であり、研修および、具体的に全体が見えるスキルを1日も早く身に付けられるよう期待いたします。また、先輩は後輩にノウハウの伝授に努め、園全体で今だからできること、今行うべきことに注力して取り組んでいかれることを期待しております。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●保育理念は、「保育に欠ける子どもを心身ともに健やかに保育すること」であり、保育方針として「様々な関わりを通して感性を磨き、可能性を伸ばすこと」に置き、保育目標を「強い子 元気な子」を掲げ、日々保育にあたっています。理念等は、園で作成した「WAKASATO  NURSERY SCHOOL マニュアル」に記載し、全職員に配布して都度、確認できるようにしています。保護者に対しては、園だよりには必ず保育理念等を掲載し、理解を促しています。

●人権の尊重について、保育内容、「保育士の基本と心得」、「WAKASATONURSERY SCHOOLマニュアル」に明示し、職員に周知徹底を行っています。園長は、子どもとのかかわりについて、職員の言葉遣い、穏やかな会話、子どもの発言を受け入れる、人格を尊重することを指導しています。

●個人情報の取り扱いや守秘義務については、全職員に周知し、共通意識の上、保育にあたっています。保護者に対しては、年度初めに重要事項説明書を読み上げ、個人情報の取り扱い(肖像権等)の確認を行い、同意のサインを得ています。


●性差に関する配慮では、職員は、遊びや行事の役割、持ち物や服装での区別、順番、グループ分けや整列も性別で区分けすることはせず、父親・母親の役割を固定的に捉えた話し方や表現はしていません。「WAKASATO NURSERY SCHOOLマニュアル」には、男女共同参画社会について記載し、職員は意識を高めています。




2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育課程は、子どもの最善の利益を第一義とした保育理念、保育方針に沿い、年度ごとに家庭の状況、地域の実態、周囲の環境を考慮して作成し、職員に配布して問題点の有無を確認しています。保護者には入園時、年度始めに保育課程を配布及び説明しています。子どもに対してはクラス目標について「今日の保育内容」を説明しています。

●低年齢児の保育室は、寝食を区別して衛生に配慮し、パーテーションや柵で仕切り、活動に合わせて小集団保育が行えるよう工夫しています。異年齢での交流は、大きな遊戯室(プレイルーム)が設けられ、遊戯室での異年齢の交流・活動がわかさと保育園の大きな特徴の1つになっています。

●玩具等は、各保育室に玩具棚を設け、子どもが自由に取り出して遊べるようにしています。園では、保育室で落ち着いて遊べる遊具や、遊戯室(プレイルーム)にも各年齢共通の遊具を備え、クラスを超えて自由に遊べるようにしている点はわかさと保育園の特色です。

●自由に子ども個々の気持ちを表現できるよう、発達に応じてリトミックを保育に取り入れ、朝・夕の会では保育士が弾くグランドピアノに合わせて全員で歌を合唱したり、音楽に合わせて体で表現する遊びを取り入れています。

●子どもの遊びに関しては、課題とする活動の狙いを職員が明確に据え、子ども同士の人間関係が積み重ねられるよう、描く子どもの姿への実現に向けて、一斉保育・自由保育の組み合わせを考えて保育を進めています。

●健康増進について、天候に応じて週3回は散歩に出かけ、夏季は涼しい朝夕の時間帯に外に出て体を動かし、3歳〜5歳児については週2回、専門講師によるスポーツタイムを実施して運動遊びを行い、体力作りを行っています。

●食事では、子どもの食事テーブルに保育士が付き、楽しい雰囲気で食事を行い、盛り付けは、子どもが食べられる一定量を配食し、食べ残しをした場合はおやつ等で補完するよう配慮しています。また、献立に合わせて3色食品群について伝え、食事の際は三角食べを話し、食事への関心、マナーを促しています。

●基本方針・保育目標は、園のしおり、パンフレット、ホームページに掲載し、年度の始めには入園案内に沿って説明しています。園生活に関する情報は、定期的に園だより、クラスだよりを発行し、その日の保育については連絡ノート、玄関に各クラスの保育内容を掲示して知らせています。年1回、日々の子どもの写真を撮り溜めたものを思い出として配付し、園生活の様子を伝えています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

●短縮保育(ならし保育)を実施し、期間は原則1週間程度を考え、保護者の仕事の都合や家庭の要望を考慮して柔軟に対応しています。0歳、1歳児の新入園児に対しては、保育士が3人体制で対応するよう配慮し、在園児は、年度末に期間を設け、来年度の担任がクラスに入って交流を深めています。


●子どもの個別の状況、成長状況の記録は、健康台帳等に記録し、全職員で共有を図り、記録内容は書庫に保管しています。重要な申し送り事項は記録し、進級時に職員間で申し送りを行い、保育所児童保育要録は就学先の小学校に送付しています。

●園では、障害児を持つ子どもの受け入れを示し、特にボーダーラインで配慮を要する子どものケースについて配慮しています。毎日の職員間の打ち合わせ時には報告を共有し、どの職員もが対応できるようにしています。障害児保育については、専用のフォーマットを用意し、職員は外部研修を受講して知識と対応技術の研鑚をしています。

●アレルギー疾患のある子どもについては、医師の診断によるアレルゲンが特定された上で、アレルギー除去食対応を行っています。職員は、マニュアルに沿ってアレルギー疾患についての研修を行い、必要な知識や情報を得て知識を深めています。給食時は、専用トレイ、名札、食札を用意し、別テーブルで食事するよう配慮し、誤飲誤食防止を徹底しています。

●苦情、要望について、苦情対応マニュアルを整備し、第三者委員を交えて解決する体制を整えています。苦情等は職員会議等で周知し、ホームページに「苦情対応記録表」を開示して保護者に経過報告を行っています。

●感染症等について、感染症に関するマニュアルを備え、登園停止基準や保育中に感染症等の疑いが生じた場合の対応は、入園の手引きに詳細に記載し、保護者に説明しています。

●安全管理では、家具、収納棚は備え付けであり、低い家具の採用と備品等に安全対策を講じています。保育室の設備は、鞄など子どもが片づけやすいよう設置されています。緊急時対応では、マニュアルを整備し、毎月、具体的に条件を想定して様々な訓練を実践しています。

4 地域との交流・連携

●地域の子育て支援は、園庭開放、年間限定保育児童を受け入れ、一時保育を実施し、利用日時等を案内しています。子育て支援事業は、港北区の広報誌に掲載し、園舎開放(遊戯室(プレイルーム))も案内しています。

●地域住民に対して、港北区の子育て情報サイト、広報よこはま港北区版等に掲載して情報提供しています。相談事業については港北区の広報誌、ホームページに子育て相談、園の紹介を掲載し、育児相談を週1回、曜日を定めて発信しています。

●園利用希望者からの電話問い合わせ等には、丁寧な対応に努め、見学の曜日を定めて園見学を案内しています。園見学者の多い秋の時期には1日の人数を決め、ゆったりした環境下で園内を見てもらえるように配慮しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

●保育理念は、「保育に欠ける子どもを心身ともに健やかに保育すること」であり、保育方針として「様々な関わりを通して感性を磨き、可能性を伸ばすこと」に置き、保育目標を「強い子 元気な子」を掲げ、日々保育にあたっています。

●保育所の自己評価は、保育所の理念や保育の方針、保育課程を基に、職員の自己評価表に沿い、クラス会議で日誌を中心に課題等を話し合い、保育に生かしています。

●職員の守るべき法・規範・倫理等は、マニュアル、就業規則に明示し、職員は守るべき倫理を遵守しています。リスクマネジメントについては、他施設の事故事例等について議題に取り上げ、守るべき規範について再確認しています。

●環境整備では、横浜市の3R夢(スリム)政策に沿って、ゴミの分別、電気はLED化にして節電を心がけ、園庭の植栽を進めて緑化推進を図り、ゴミに関するコンプライアンスを定めて園全体で取り組んでいます。

●園の運営上、重要な意思決定の場合については、マニュアルの規定に則り、保護者懇談会を開催して目的・決定(変更)理由、経過等を説明しています。クラス編成の大幅な変更の際も保護者に説明し、理解・協力を促しました。

●中・長期的計画は法人本部で策定し、園の運営に関しては園長が組織運営、事業拡大に備え、運営やサービスプロセスの新たな仕組みを検討しています。
外部の機関や専門家等のアドバイスでは、運動の専門講師や、社会福祉法人日本保育協会から指導を受け、より良い園運営に生かしています。

6 職員の資質向上の促進

●必要な人材の採用は、園独自で行い、関連の保育園との人的交流も併せて人材確保に努めています。人材育成については、園内研修に力を入れ、研修テーマを決めて職員一人一人が「考える」研修を行い、職員・園全体で園作りに取り組み、職員のスキルの向上、園全体の体質改善を図っています。

●職員、非常勤職員の研修体制については、園内研修を実施し、非常勤職員も含めてグループに分けて取り組み、時間内での外部研修にも参加し、園全体の質の向上に努めています。非常勤職員の指導については、乳・幼児主任が責任の下、コミュニケーションを図りながら円滑に保育を進めています。

●職員の技術指導については、法人本部から子どもの指導方法について講師が来園して勉強会を行い、外部の指導では関連保育園の歯科衛生士から子どもの成長にかかわる歯科指導を受けています。

●職員の自己評価は、園の自己評価表を活用して実施し、日々の保育日誌でも子どもの活動内容、子どもの育ちや意欲、取り組む過程等を大切にして保育の振り返りを行い、業務改善につなげています。園全体の振り返りは年間指導計画、月間指導計画で評価と反省を行っています。

●園では、職員の経験年数、能力や習熟度に応じて人事、人材計画を策定し、役割分担表は、資格に応じた業務ができるよう配慮しています。園に委員会システムを設け、より良い園作りに努めています。園長は、3ヶ月に1回、職員面接を実施し、管理職が指導できる体制の構築を目指し、管理職としての資質の
育成に尽力しています。


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