かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

六ッ川台保育園

対象事業所名 六ッ川台保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 晴翔会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 232 - 0066
南区六ッ川3-78-10
tel:045-714-1454
設立年月日 1981(昭和56)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 六ッ川台保育園は昭和56年4月に開園しました。横浜から京浜急行15分の「弘明寺」駅で下車し、「弘明寺口」からバスで10分、「引越坂」下車3分ほどの所にあります。社会福祉法人晴翔会が運営する定員60名(平成29年10月現在60名)の園で、産休明け保育、延長保育、一時保育を実施しています。
 近隣の環境は、園が開園したころからの大規模なマンションが立ち並ぶ住宅街にあり、比較的静かな環境が保たれています。「『丈夫な体と豊かな心』を柱に、一人一人の子どもの長所や個性を引き出し、助長していくことを保育の基盤とする」などの保育理念のもと、子どもたちは広い園庭などで伸び伸びと生活しています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○全クラス保護者とともに子どもを見守る独特の個別の指導計画が実施されています
 園では、全ての園児に「乳幼児の発達を家庭と共有するための経過記録」(そだちのあゆみ)があります。これは2、3か月の間隔で記入する複写式の個別の指導計画です。個別計画では子どもの発達に対する園の配慮、子どもの姿、人とのかかわりが記載され、それに対して保護者が家庭での子どもの姿や、保護者の思いを記載して園に戻します。経過記録の複写の控えは、毎年職員が手作りで冊子にして保護者に渡しています。園が子どもの長所や個性をどのように引き出し、はぐくんでいるかを保護者にも知ってもらい、家庭でも同じように子どもの成長を見守ってほしいという願いが込められています。保護者が感じたことや疑問、不安などを職員も周知し保護者への配慮もしています。この記録をもとに園と保護者で子どもの成長を喜び、見守っています。


○日ごろの手洗い、うがいの励行や空気清浄機の活用などにより感染症予防と流行防止に努めています
 保育室に業務用のオゾンを発生する空気清浄機を2台設置して、夜間に稼働させて室内の空気中のウイルスや細菌の駆除に努め、日中は通常の空気清浄機として使用して室内の空気を清潔に保つことに力を入れています。また子どもたちに手洗いの方法を絵で示したり、ゴロゴロうがいとブクブクうがいの違いを教えたり、基本的なことを教えて励行しています。さらに、子どもの受け渡しは各保育室前の下駄箱のある場所で行い、基本的には保育室に保護者が出入りして菌を外から持ち込まないように工夫をしています。このように日ごろから感染症対策に努めており、昨年はインフルエンザにかかった子どもが一人もいませんでした。


○地域に根を下ろし、園庭や図書館開放のほか、学校生徒のボランティア活動などに積極的に協力しています
 園は開所後37年目を迎え、地域とともに歩んできました。地域支援として園庭開放や、2500冊を超える絵本や童話を所蔵する図書館開放などを行っています。また、毎年、地域の中学校の職業体験の生徒を受け入れ、さらに、中学校の家庭科授業の「保育体験」として一学年全員を数日に分けて受け入れています。さらに中学校の職業講座では保育士の講師を依頼され、毎年経験のある保育士が出張授業を行っています。園長は多くの地元の生徒に保育についての理解と親しみを持ってもらうことが園の将来にとっても大事であると考え、保育士も教えることで学ぶことがある、また子どもたちにも喜んでもらえている、と今後も積極的に支援していく予定です。


《事業者が課題としている点》
 園庭開放や図書室開放、行事への参加等の情報をポスターや地域のケアプラザの広報誌などに載せていますが、利用者は多くありません。地域の親子にもっと園の施設を利用してもらえるようポスター、チラシを工夫し、園見学で来園した保護者への声掛けなどに努め、園が子育て支援の場となるよう取り組んでいきたいと考えます。このほか余裕を持った職員配置ができるよう職員の人材確保や保育内容の更なる充実も課題としており、働きやすい職場環境づくりや保育研修への参加などに取り組んでいきたいと考えています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

 職員は、子どもたちに対して穏やかに接し、否定的な言葉を使わないように配慮しています。例えば「走ってはいけません」ではなく、「歩こうね」と言葉をかけるようにしています。また、子どもからの問いかけには、しっかりと耳を傾け、子どもの気持ちに寄り添い、子ども一人一人の人権を大切にするように配慮しています。職員の口調が不適切であった場合は、複数担任という園の特性を生かして、お互いに評価し合える環境になっています。子どもには叱るのではなく、注意をするということを前提として感情的な言葉などで子どもの自尊心を傷つけることのないように、なぜ今職員が注意をしているか理由を説明して子どもが納得するようにしています。
 子どもが1人になりたいとき、保育士の目を意識せず過ごせる場所として、保育室内に大型ソフトブロックでコーナーを作ったり、戸を閉めて視線が気にならない場所を作ったりするなど工夫をしています。子どもによって職員と1対1になるときに受ける感覚が違うため、その子どもの特性に合わせて、保育室の一部を利用したり、ランチルームや子どもたちの保育室とは別に独立した部屋になっている図書室を利用したりして話をしています。
 保護者には入園児の面接で個人情報の取り扱いについて、写真を使うことなどについて確認し了承を得ています。実習生などには実習生受け入れマニュアルに沿って、事前にオリエンテーションを行い守秘義務について説明をしています。業務マニュアルの中には守秘義務や個人情報保護管理規程についての記載があり、入職時の研修などでも周知しています。児童票、家庭連絡など個人情報に関する書類は事務室の鍵のかかる書庫に保管し管理をしています。


2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

  保育課程をもとに年齢ごとに年間保育目標を掲げ、1期〜4期までのねらいに沿った「年間指導計画」「月間指導計画」を作成し、期ごとに担任が話し合い、振り返りをして、子どもの姿、興味に合わせた計画となるようにしています。また、全園児に対して1〜3か月ごとの「乳幼児の発達を家庭と共有するための経過記録」(そだちのあゆみ)を作成しています。日々の活動の前には子どもたちに内容を説明し、また、子どもの表情やしぐさから気持ちを受け止め、スキンシップを大切にしています。子どもの「〜したい」という気持ちを大切にしています。ごっこあそびや劇遊びを好きなお話の中から発展させるときにも、振り付けやせりふは子どもの意見を取り入れ、子どもの主体性が発揮できるようにしています。
 園全体がオープンスペースになっているため、子どもたちは他クラスの子どもたちと日常的に交流しています。0、1歳児は月齢に応じて少人数で過ごす時間を大切にしています。2歳児の中に1歳児の月齢の高い子どもがまじり、一緒に活動をすることもあるなど、子どもの発達に合わせて活動を分け、その子どもが過ごしやすいよう配慮しています。園庭、図書室など保育室以外にも子どもたちの交流の場があります。
 0〜2歳児は個別の指導計画を作成しています。さらに、全園児に家庭と共有する経過記録「乳幼児の育ちを保護者と共有するための経過記録」(そだちのあゆみ)を2、3か月ごとに作成しています。特別な課題のある子どもについてもこの経過記録に記載しています。また、この経過記録には保護者の気持ちや要望なども記載され、家庭と連携して子どもの指導計画を作成し実施しています。子どもの成長発達に応じて子どもが快適に園生活を送れるように、子どもの変化に応じて計画の変更や見直しを行っています。トイレットトレーニングなど一人一人の発達状況や保育園での排泄の状況について連絡帳などを通して保護者と相談しながら進めています。


3 サービスマネジメントシステムの確立

 園の玄関のスロープ、保育室及びトイレなどは段差のないバリアフリーとなっています。職員会議では配慮を要する子どものケースについて話し合い情報を共有しています。職員は横浜市や南区の配慮を必要とする子どもの研修や「自閉症スペクトラム」などの研修を受講するなどして最新情報を共有しています。保護者の同意を得て横浜市中部地域療育センターと連携し、子どもの情報を共有し、巡回指導を受けています。専門機関からの助言をもとに個別の目標や指導計画を作成しています。障がいのある子どもの対応については視覚的に伝えるなどして、ほかの子どもと一緒に活動をしています。また、「乳幼児の育ちを保護者と共有するための経過記録」(そだちのあゆみ)と「月の児童票」と呼ばれる用紙に、その月ごとの子どもの様子、気になることなどを記載して、きめ細かに対応をしています。各種会議の記録、指導計画などは、必要に応じていつでも閲覧できるようになっています。
 食物アレルギーのある子どもに対しては生活管理指導表に基づいて対応を行っています。園には食物アレルギーについてのマニュアルがあり、職員は必要な知識を得ています。食物アレルギーのある子どもの給食について月1回、担任と栄養士、調理員で献立に使用する食材、除去の内容について打ち合わせをしています。そして、食物アレルギーの種類によって個々に献立表を作成し、保護者に配付しています。食事は専用トレー(除去食名、名前入り)で運ばれ、配膳時に声を出して確認事項を読み上げます。食物アレルギーのある子どもについて、一覧表を作り、会議や掲示を通して全職員に周知させるようにしています。


4 地域との交流・連携  「ごあんない」という入園案内の小冊子を用意し、園の見学者をはじめ、一時保育、園庭開放などの利用者から問い合わせがあれば配布しています。ホームページでも園の内容を紹介しています。地域に向けたお知らせは園舎の道路沿いの広い窓に外に向けて掲示しています。育児相談は、毎週金曜日に地域に絵本の貸し出しを行う子ども図書館の開放日に合わせて行っています。園庭開放や一時保育の利用者、見学者などからの育児相談があれば応じています。園情報は、地域のケアプラザの広報紙の保育園情報に毎月掲載され、地域の回覧板で回覧されています。
 利用希望者からの問い合わせには、事務室に重要事項説明書や園案内の小冊子などを用意し、これに基づいて説明し、案内しています。利用希望者には見学ができることを話し、子どもたちの活動の様子がよくわかる午前中を勧めていますが、都合のつかない場合は、保育に支障を来たさない範囲で、利用希望者の要望に応じています。見学者には園長や主任が応対しています。
 ボランティアの受け入れは「ボランティア受け入れマニュアル」に基づいて実施しています。毎年、地域の中学校の職業体験の生徒を受け入れ、また、中学校の家庭科授業の保育体験として一学年全員を数日に分けて受け入れています。職員や保護者には事前にボランティア受け入れの内容をミーティングや園内掲示で知らせ、園児には職員から話しています。受け入れの担当は園長、主任で、クラスではクラスリーダーが指導にあたります。ボランティアの開始にあたり、オリエンテーションで園の保育の考えや守秘義務を含めた留意事項を説明しています。終了時には、感想文を書いてもらい、意見を聞き、園の保育に役立てています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

 年度末に行う全職員による自己評価はA〜Dの4段階評価になっています。それぞれの項目の自己評価を集計して、その「平均点」を園としての自己評価として、「総評と考察」「今後の課題」を分析し、記載しています。その評価結果は職員会議で園長が報告し、総評や課題について確認し、より良い改善に向け話し合っています。このため園の自己評価と自分の自己評価の整合性を見ることができます。自己評価と園の自己評価との差異がある場合は個々に話し合ったり、他の職員の意見を聞いたりしています。園の自己評価は園の玄関に掲示し、公表しています。
 職員は入職時に園長、主任から就業規則の服務心得や園の運営規程などに基づき、個人情報保護や守秘義務などの説明を受け、誓約書を提出しています。また、全国保育士会倫理綱領の配付を受け、「倫理と価値をもって一人一人の子どもの最善の利益」を尊重するよう説明を受けています。年度初めの全体職員会議で園の理念、方針とともに守秘義務などの法令順守を確認しています。園の経営、運営状況は法人として神奈川県の監査を受けており、法人名で公開されています。世間で発生した虐待などの人権侵害事例は新聞記事などを基に速やかにミーティングを開き、内容を確認し、早期発見や対応の再確認を行っています。
 保育理念や保育方針を玄関に掲示して利用者や職員の目にいつでも触れるようにしています。重要事項説明書を利用者や職員に配付し、入園時の保護者説明会や年度初めの全体職員会議で園長、主任から詳しく説明し確認しています。また、園の保育業務マニュアル「職員として」を作成して、新人研修や内部研修で学び、周知しています。保育理念は保育課程の主題部にも載せて年間指導計画などの指針としています。園長は年度末の全職員との個人面談などのときに、職員の行動が保育理念、保育方針に沿ったものであったのか確認をしています。



6 職員の資質向上の促進

 研修担当の職員は主任と相談し、「職員育成・研修計画」に基づいて、横浜市や南区などが主催する外部研修リストを職員に回覧して希望を募り、これに園が必要とする研修や本人の成長を考えた指名研修を加え、年間研修計画を作成しています。内部研修は主に非常勤職員も参加しやすい午睡時間中の職員会議の中で行っています。外部研修に参加した職員は復命書(研修報告)を速やかに提出し、職員会議の内部研修として報告し、資料とともに職員に回覧して知識の共有を図っています。園長、主任、研修担当者は研修成果の活用状況から研修を評価し、次の研修に生かしています。
 自己評価のために、「保育士の自己評価」と「食の提供における質の向上のためのチェックリスト」を用意して、保育と調理の全職員が年度末に自己評価をしています。保育士の自己評価は保育理念、子どもの発達援助、保護者支援、保育を支える組織的基盤の大項目に複数の評価の視点を記した小項目があり、全部で50項目をA〜Dの4段階で自己評価しています。調理も食に関した評価項目を自己評価しており、これらの自己評価の集計結果が園の自己評価に連動する仕組みになっています。サービス向上への工夫改善例では、3歳児の知育の取り組みを4、5歳児と同様に教材を使い定期的な取り組みに変え、進捗がわかるようにしました。特別教室の体操や英語などは外部の専任講師の指導を受けています。
 日常の保育に関する自己評価については、保育課程に基づいて、クラスごとに定型化された書式による年間計画、月間指導計画、週案(日案)、日誌を作成し記入して、それぞれに計画で意図したねらいと関連づけて自己評価と反省を記入しています。保育の自己評価は、例えば、5歳児では園から借りた絵本を見た後、「見た絵本の感想の発表を経験し、皆の前で話すことに期待を持ち、意欲的に取り組んでいる」など、活動の結果だけではなく、取り組む姿勢などを重視して行っています。保育士は自己評価を通じ、自らの保育実践を振り返り、実践内容の改善やその後の計画作成に役立てています。


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